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変換なしの雑食夢

ran

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銀英伝

「花か」
「ええ」
「ミュラー提督も愛妻家になれそうだ」
「そうかもしれません」

ベッドサイドの花を見てミッターマイヤー閣下が嬉しそうに言う。薄いピンクの可愛らしい薔薇を抱いて部屋に入ってきた時のミュラー提督の顔が忘れられない。

「確かにあの人と結婚した人は幸せでしょうね。」
「?」
「ですが」
「自分でたないと」


見舞いに来たんでしょうと言いながらお茶を勧める。痺れ薬をサービスで入れておけば良かったと言えば微妙な顔をされる。入れたかと聞く辺り、本当に帝国元帥かと思う。


「卿が言ったら冗談に聞こえん」
「あー」
「其れが怖い。」
「大体、どうして」
「ん?」
「如何して私なのでしょう?」
「そりゃ、言うなよ」
「?」
「あいつは中尉だったかな。その時に」
「ミッターマイヤー閣下!!!」


大きな音で部屋に入ってくる提督の声に2人して肩をビクつかせる。いいだろうという反省なしのミッターマイヤー閣下が嬉しそうに言うと昔の事を言わない様にとおこるミュラー提督。仲が良いなぁと思いながらそのやり取りを見ている。
不意に顔を上げてミュラー提督がこちらを見る。怒られると一瞬強張ったものの額に手を当てられてまだ熱がありますねと心配そうに言われるところを見て矛先はこちらに向かないらしい。ミッターマイヤー閣下のせいですと言えば困った様に2人は笑う。笑ってふと手を取られると手の上に何か置かれる。


「これは」
「髪留めです」
「ですね。」
「昨日食事の時髪が邪魔だとおっしゃっていたから」
「…」
「?」
「俺は邪魔のようだ。」
「えっ?!」
「また後でなミュラー提督」
「この状態で帰らないで!」
「???」
「見ろ、ミュラー提督の顔。他意がない天然は怖いな」
「??????」
「そこまで知ってて!」
「ではまたな」
「はぁ」
「ミッターマイヤー閣下!!!」



あの男。空気読めるのならばこの空気壊して行けよと思いながら手の中の髪留めを見る。可愛い。凄く。可愛い。
ちらりとミュラー提督を見ればどうしたんでしょうねと言いながら椅子に座る。の人もその気になればロイエンタール閣下並みになれただろうに。


「お気に入りませんでしたか?」
「いえ、凄く可愛い、です」
「っ」
「頂いても?」
「そ、そのつもりでしたから」
「ミュラー提督」
「はい」
「ありがとうございます」
「…」
「?」
「いえ。喜んでいただけて。嬉しいです」


きゅと抱きしめるように髪留めを持つとつけますかと言われる。何故そんなにウキウキしているのだろうと思いながら首を横に降ると一気に寂しそうな顔をなさる。罪悪感。凄く凄く罪悪感。ただし、私にも言い分がある。


「あの、ですね」
「はい」
「その。」
「?」
「…」
「気を使って頂かなくても良いですよ。」
「え?」
「以前も言った通り、今まで女性に贈り物とかしたことがなくて」
「あ」
「男兄弟でそういうのもあまり馴染みがなかったもので」
「あのですね」
「お気になさらないでください」



そう言って苦笑するものだから呆気にとられる。取り敢えずだ、違いますと訂正して迫り来る手を掴む。


「夫人?!」
「言わずにすみたいところでしたが…」
「?」
「あの、ですね」
「はい」
「ずっと髪が洗えてなくて」
「…」
「その拭いては頂いているのてすが、あまりその」
「…」
「汚したく、ないです。だからきちんと髪を洗ってからつけたいなと」



だから嫌とかではないんですと最後はしどろもどろだ。きっと顔も赤いだろう。ちらりとミュラー提督の顔を見る。

「っ」


そんな真っ赤で笑うなんてやめて頂きたい。
心臓に悪いのだから



林檎が2つ

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銀英伝

「ラーベナルト夫人!」
「顔色がまだ優れませんね。申し訳ありません、我が主人がご迷惑をおかけいたしました。」
「えーと」
「我が家の執事の奥方です。ラーベナルト夫人、私帰りたい!」
「何を言っているのですか?皇妃殿下のご命令で御座います。旦那様が生きていたら…」
「パウルさんが生きていたらこんな事にはならないから」
「ええ。旦那様は奥様の操縦方法をよくご存知遊ばれておいででしたから。ですから、居なくなって1年でこうなるとは」
「…1年頑張ったもの」
「どうせ1年は意地で政務を続けるだろうが、だんだん無理が祟って倒れるだろう。旦那様の申した通りです」
「ぐ…」
「嫁いだ時もそうでしたでしょう!学習なさいませ。」

すごい勢いで怒られる夫人を見ながら途方にくれると、「これを」と差し出される。これが噂のオーベルシュタイン家の執事かと思いながら封筒を手に取る。


「止めなくても?」
「あれはあれでよろしいようです。」
「そう、ですか」
「私共は昔、一人娘を亡くしました。妻は奥様が嫁がれた時とても喜んで旦那様も好きにさせて下さいました」
「…」
「従者には優しい方でしたので。」


その様ですねと裏返すと見慣れた刻印。オーベルシュタイン家のものに間違いはないだろう。不意に従者の顔を見ると旦那様の最後の手紙ですと言う。白い紙にインクで書かれた其れは彼を表す如く神経質な字で書かれている。
預言者の様に夫人の状況を当て、形式的な礼文が並ぶ。
彼女の事を良く知る者にしか書けない内容。思いの外さみしがり屋で人見知り。 情にもろくよく泣き、それ以上によく笑い良くしゃべる。体格の良い軍人が嫌いなのでは無く恐ろしい事。無理をして倒れてしまう為、目が離せないという事。

唯一にして最愛の女であり其れとともにあれたことの喜びと置いていかなければならない事の不安と憎しみ。きっと前に進んでいるようで立ち止まっているだろう心配。

如何に彼女を愛しているかが分かる文章に驚いてしまう。私が知っている彼は天変地異が起きたとしても言う人ではなかった。
彼女の取扱説明書といっても過言ではない其れをめくると彼女の出自や軍人嫌いの理由を表面的に書いてある。


『この事を知って、其れでも卿があれで良いと言うのなら彼女を愛してやってほしい。オーベルシュタインの者にはよく言ってあるし、彼女にも言い含めてある。ただ、頑固で臍を曲げたら中々治らん性格故、無理やりは進めぬが卿ならせぬと思っている。
私が言う事ではないが彼女を泣かす事、苦しめぬと誓うのであれば私は何も心配せずにヴァルハラとやらに居られる事だろう。
どうか彼女を頼む』

日付は彼が死んだ前日。どの様な気持ちで書いたのだろう。
赤い薔薇とあの彼女の絵を抱いて眠る彼はどの様な気持ちなのか。

「断るのなら受け取り捨てよと仰せつかっております。」
「いいえ。これは大切にさせていただきます。」

従者は少しだけ嬉しそうな顔をして一礼すると奥様をお願いいたしますと小さな声で言うだ。


「命に代えても」

このセリフの意味を重さを知るのはきっと自分と彼だけなのかもしれない。



ミュラー提督の決意

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銀英伝

「ミュラー提督」
「はい」
「オーベルシュタイン夫人の様子は如何でしょうか?」
「高熱がようやく下がりました。まだ熱は高いですが。心配はいらないだろうと。」
「それは良かった。」
「其れに食欲も出てきたみたいです。スープ程度なら飲める様になりました」
「彼女らしい」
「これは?」
「蜂蜜とシトラスを漬けたものよ。熱の後にはよく効くの。彼女が作ってくれたのよ。」
「家に持って帰って飲んでいただきます。」
「ええ」
「ミュラー提督」
「ミッターマイヤー閣下」
「これはエヴァから。」
「服ですか?」
「覗くなよ。下着とか色々。」
「!」
「まぁうっかりしてたわ。寝衣もあるかしら」
「私の使用人が…」
「なら。あの人意外となんでも食べるわよね。」
「其れが食べないのですから世も終わりですな」
「ビッテンフェルト提督」
「これを。」
「?」
「肉だ。栄養不足と言っていただろう?赤身にしたと言っていたからなスープにして出してやればいいかと思ってな」
「ありがとうございます」
「卿と夫人は犬猿だったのにな」
「昔の話だ」
「絵を描いた後から仲良くなっていたわね。」
「この奥手のために情報を集めていましたから」
「…」
「其れが今回の様に…感動してるんだ。なんでも言ってくれ」
「俺もだ。」
「ありがとう。ミッターマイヤー閣下。ビッテンフェルト提督」



かちゃりという音がして微睡みから意識を解放する。ただし高熱が昨晩ようやく下がったため体が言うことを聞いてくれない。ぱちぱちと瞬きをすると砂色の髪が見える。あと、コロンも。すごく控えめで彼らしいなぁと思いながら視線を動かす。
花を飾っているのだろう。重そうな花瓶を軽々と。あの人もそうだったけどやっぱり男の人だなと実感してしまう。腕も手も指先も私と同じ様で全然違う。
私が寝ていると思っていたのだろう。なるべく音を立てず進められる其れを私はずっと見ている。本当に優しくて親切な方だと思う。何故、私なのだろう。きっと何か勘違いしているのではないのかと思案していたところで目が合う。
ビックリして、瞬いて、困った様にはにかむのだ。

「起こしてしまいましたか?」
「いいえ」
「何か飲みますか?皇妃殿下が蜂蜜漬けを下賜して下さいました」
「そう、ですか」
「あまり無理に声を出さなくとも大丈夫です。少し待ってて」


そう言うと部屋を出て行く。少しだけ、寂しい。そう思いながら横を向く。白いアザレアの花。綺麗だなぁと思っていたらこんこんとノックされる。本当に律儀な人だ。


「薬は?」
「苦いから嫌い」
「子供みたいなこと言わない。」
「うー…」
「はい口を開けて」
「はーい、…苦い」
「薬ですものね」
「ん、甘い」
「下賜が蜂蜜漬けという所が彼の方らしいですね。溶き方まで細かく描いていただきました。熱くないですか?」
「あい」
「…」
「?」
「え、いや。顔がまだ赤いですね。」
「すいません」
「?」
「お手を煩わせてしまって」
「声」
「?」
「少し戻ってる。やはり水分をしっかり取ったほうがいいですね」
「はい」
「口を開けて」
「自分でいたします」
「座れないのに?」
「…知りませんでしたけどかなり意地悪ですよね。」
「そうでもしないとあなたは私に甘えてくださらないでしょ?」
「は?」



好きでやっていることですしと言いながら匙を出してくる。
如何したものなのだろう。この人の善意を受け取ってしまったらと考えて匙を口に含む。甘い。


「夫人?」
「はい」
「辛いですか?」
「え?」
「泣いてらっしやる」
「熱が出ているから」
「其れだといいのですが」
「ミュラー提督」
「皆が心配しているのです。ミッターマイヤー夫人は衣類を。ビッテンフェルト提督は肉を貴方にと」
「元気になったらお礼をしないと」
「はい。」
「アザレアの花は?」
「アザレアと言うのですか?」
「ええ。」
「知らずに。なんせ花など買ったことがなかったものですから。」
「ミュラー提督が?」
「はい。私の家は調度品も無くて。今はでずっと寝に帰ってきただけでしたから。流石に申し訳ないと」
「…」
「匂いの強いものなどは避けたつもりでしたが…お嫌いな花でしたか?」
「いいえ」
「夫人」
「ありがとうございます」
「?」
「とても綺麗だわ」


そう言って微笑むとミュラー提督は少しホッとした顔をして笑うのだ。




貴方に愛されて幸せ

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銀英伝

しっかりと養生しなければいけませんね。動かす?治りを遅くしたいのですか?大体王宮に戻られたらこそこそと絵をお描きになるでしょう!良いですか?皇妃殿下の伝言でこざいます。ミュラー提督閣下の監視下の元、私が完治したというまでという辺りから頭を抱えていたのでよく聞けていない。こそこそって納期が迫ってて頑張っていただけだもんとブツブツ言っていたら注射を刺してきた。鬼!と叫ぼうとすれば苦い薬と不味い薬どちらがお好みかと言われて普通のにして下さいと頭を下げた。


「閣下が泣いておられる」
「あの人が生きてたら無理矢理寝さされてたもの」
「貴方が以外と小市民であり寂しがりやで頑張り屋、後のことをよく考えずに突っ走る性格であることをよくご存知でしたからね。」
「そう言ってたの」
「要約して優しさを加味すれば。実際言った言葉を言いましょうか?」
「いい。大体わかるから」
「全く。閣下はご自身の死後の貴方をよくお当てになられる」


あの人らしいといって私は笑う。あの人は私が唯一言うことを聞く先生をヒルダに教えていたらしい。ミュラー提督の邸宅に着いた瞬間に彼の顔を見て負けを認めた。

「あの人の代わりを十分担えるわ」
「担えるのではなく担わなければならないのでしょう」
「そうね」
「だからどんな形であっても貴方がそばにいて欲しいのでしょうね。」
「?」
「たわいなく自分で居られる瞬間は誰にでも必要ということです。あの閣下が唯一褒めていましたから」
「え?」
「何気ないかけがえのない時間をくれると。」
「初めて聞いた」
「口止めされていましたから」
「…」
「大切だから残していったんですよ」
「ん」
「死ぬ事はそのうち出来ます。彼の方が貴方を残した意味を理解するのも彼の方の為ですよ。」
「そうかも知れないわ」


そう言うと聴診器を下ろす。肺の音は正常ですと言って服を戻す。


「目下」
「?」
「ヴァルハラで貴方を巡って決闘をするは半世紀以上後でいいという事です。」
「…」
「いい御仁と同僚に聞いてましたが。いやはや、診療中も横にいるのかと思いましたら夫人の肌を見るわけにはといって走り去っていく様はまだまだお若い」
「悪趣味だわ」
「老体には人の恋路を横で見るしかありませんから。」



呼んできますと言って部屋を出る。ベッドの上に座って周りを見るとうちの人ほどではないにせよ殺風景だ。軍人さんとはそう言うものかも知れない。
物音一つ立てずにこそりと入ってくる。手には薬とお水。先生帰られましたかと尋ねるとええと返された。



「何も無くて」
「うちの人の部屋もそうでした」
「薬を」
「ありがとうございます」
「夫人はこの部屋を使ってください」
「本当に迷惑をかけて」
「いえ」



薬が苦い。そういえば少しわらわれる。安心しましたと言いながら椅子を持ってきて横に座られる。自分の家なのに丁寧に許可を得て。
貴方の家だわと言えば少しだけ苦笑される。


「では」
「ミュラー提督」
「顔色が良くなってきましたから」
「そう」
「しっかりと養生して下さい」
「1日も早く復帰致しますわ」


そう言えばグラスを取られる。
不意に顔を上げると砂色の髪が見える。それ以上に耳まで真っ赤になっていて目を丸々にしてしまう。



「貴方が良ければ何時迄もいてくださって結構です。」
「え?あの」
「先程言いました事」
「…」
「私は本気です」
「…」
「私は貴方が好きです。」
「ミュラー提督」
「今すぐに答えはいりません。」
「私は」
「貴方が彼の方をどれだけ御慕いしていたかよく知っています。6年も貴方を見ていたのですから」
「は?」
「ですから何時迄も待つつもりです。ただ今は」
「ミュラー提督」
「体を治す事だけ考えてください」



そう言うと部屋を出る。どうしたらいいのだろうと思案して、使わない頭を使った所為だろう。翌日高熱を出して先生に怒られてしまうのは別の話だ。




愛を囁く

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銀英伝

隠居しない代わりにセカンドマザーを固辞するで決着がついた。
少し不服にして居たらヒルダに怒られてしまった。


「という事があったのよ」


返事も帰ってこない墓地で私はパウルに話しかける。派手な事を毛虫の如く嫌っていたものねと言いながら紅い薔薇を1本だけ置く。其れ位は許して頂戴と言って。
愛しい人。寂しくはない?と尋ねてもきっと返事は返ってこないだろう。もし返ってきたとしても無愛想にうるさいといいだけかもしれない。


「あと再婚の話が出てきてるの」

きっとそんな物好きも居るのだなと鼻で笑っているのでしょうねと私は笑う。笑って立ち上がろうとした時眩暈がした。ぐらりと視界が歪むと其の儘墓の前に倒れ込んでしまう。土の匂いがする。もう、此の儘。貴方の側に行けたらいいのに。そう呟いて瞳を閉じる。







「気がついた!」
「?」
「よかった!」
「担架を持ってこい」
「わた、し」
「ミュラー提督に感謝しろよ。オーベルシュタイン閣下の墓参りに来たら倒れていたんだ。」
「どうして?」
「ん?」
「如何して其の儘にしていただけなかったの?」
「は?」
「おい、オーベルシュタイン夫人は頭を打ったぞ」
「取り敢えず運びましょう。夫人。失礼します」
「嫌っ!此の儘にして!!!」
「おい暴れるな」
「ミュラー」
「…無礼を許してください」


横抱きから肩に担ぎ直される。どんなに暴れても微動だにしない。
諦めきれずにミュラー提督の名を呼ぶと何時もとは考えられない顔で私を見据える。


「貴方を見つけた時。私がどんな気持ちだったか」
「…」
「生前、オーベルシュタイン閣下に貴方を託されました。」
「それでも」
「何より私は貴方が好きです」
「…は?」
「ですから大切な人を失うという貴方の苦しみを今少し理解しました。お願いです。死のうなんて思わないでください」
「ミュラー提督」
「貴方のような者を貴方の手で増やさないで下さい」
「…」
「閣下が死を享受した瞬間貴方を連れて行かなかったのがその答えでしょう」
「ミュラー提督、」
「はい」
「酷い人ね。」
「それで貴方が無事なら。私は極悪人でもなります。」
「…」
「今から、私の家に行きます。」
「はぁ?!」
「医師を手配して、看病しますから」
「結構です!本気で離して!ビッテンフェルト提督!!!」
「いや、今感動してるから無理だな」
「はぁ?ミッターマイヤー閣下!!!」
「俺も同感だ。大体死にたがっている奴を一人にはできないだろう?」
「其れに招待されていない内から御婦人の家に入ってはならないと。騎士道に反します。」
「人妻を自宅に連れ込む方が反するでしょう」


看病で緊急事態ですからと言われた時には車の中に押し込まれたあとで。血の気が引く。窓を開けて2人に王宮への連絡などを話している内に逃げ出そうとしたものの腰をしっかりとホールドされていて逃げる以前に動く事すら叶わなかった



「う…」
「眩暈が酷いのですから横になっていてください。」
「…」
「医師に見せて次第ですが王宮にお送りしますから。」
「なら…」



ミュラー提督を見ると寝ていて下さいと頭を撫でられた。
それが無性に懐かしくて、静かに目を閉じてしまうのだった




境界に立つ2人

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