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変換なしの雑食夢

ran

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銀英伝 ヴァルハラ編

「仲良し?」
「いいえ」
「仲良し?」
「…頭の中が退化しているぞ。きちんと話せ。あと、状況を見て話せ」
「いや、両手に花だと思いまして。」
「花、か」
「花、ね」
「綺麗な花ほど棘があるというから。さっきから急に胃が痛いわ。」
「卿は」
「パウルさん?」
「いや今更か」
「?」
「こちらを向け」
「…?」
「気を回しすぎだ。お前の事でいささか気に食わぬ事もあるが…疲れさせたいわけではない。」
「うん。」
「ミュラー閣下も同意見だろう。」
「ええ。」
「いつ気が付いたの?」
「根が浅い。」
「目の下の隈かな。」
「無駄口が多い」
「無意識に胃に手を当ててるよ」
「…」


よく見てますねといえば名前を呼ばれる。少しだけしゅんとすると頭に接吻される。パウルさんに。久しぶりだなぁとぼんやりして、へにゃりと笑う。
少しだけホッとしたパウルさんの顔が見える。


「あなたのこの顔を見るとは」
「卿にしているわけではない。」
「ええ。ですが」
「?」
「マインシャッツ」
「ん?」
「やはり愛しい」



そう言って隈をフニフニとされる。口を尖らせて抗議をすると頬にキスをされる。



「ふむ。」
「?」
「その顔は初めてだな」
「可愛らしいでしょ?」
「ああ」
「パウルさんが?!」
「煩い」
「ふふふ」
「?」
「嬉しいな。」
「真っ二つにしたら再生せぬか?」
「しません!」
「小さくてもこの際」
「…猟奇的なのやだ」
「独占したいのですよ、あなたを」
「今しているでしょ?二人で。」
「…」
「私は悪い女ね。」
「の様だ。」
「其処もまた魅力ですが」
「ねえ。」
「ん?」
「キスしたい。」
「何方と?」
「りょうほ、ん!!!」
「オーベルシュタイン閣下!」
「くくく。惚けているな」
「ばか…ナイトハルトさっんー!!!」
「ふふふ。可愛い。」
「共にベットでは共有した事がなかったな。」
「ええ」
「まさ、か」
「寝られると思うな」
「たくさん鳴いてくださいね」






絡まるいばら

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銀英伝 ヴァルハラ編

「で」
「如何した?」
「何ですか?マインシャッツ」
「…恥ずかしくないのか?」
「とんでもない。彼女以外に言うつもりはありませんし。大体物のように呼ぶ方こそどうにかならないのですか?」
「私が如何呼ぼうが貴様には関係ないだろう」
「喧嘩はやめてくださいな」
「…」

人を挟んで喧嘩などしないで頂きたい。そう思いながらため息をつくとナイトハルトさんに頭を撫でられる。少し目を細めて享受しているとパウルさんに名前を呼ばれて、返事をする。


「いい顔だ」
「んー」
「眠たいか?」
「ん」
「寝ていいですよ」
「2人は?」
「私は側にいる。」
「パウルさんは?」
「そうだな。」


3人でお昼寝?と尋ねても返事がないから私はナイトハルトさんの膝の上で滑り落ちる。膝枕状態で右手をナイトハルトさん。左手をパウルさん。手を繋ぐとナイトハルトさんにくつくつ笑われる。


「可愛い」
「ん。」
「寝ていろ」
「パウルさんも」
「私は?あなたの横に行ってもいい?」
「うん!」
「卿」
「閣下はやめられますか?」
「居なくなっちゃうの?」
「…」
「パウルさん?」
「一度離せ。上着を脱ぐ」
「はーい」
「この様な服で横になるな」
「ありがとう、ございます」
「おい」


2人に挟まれて眠気が襲う。静かに重くなる瞳を閉じるとパウルさんに頬を撫でられる。其れに擦り寄ると静かに眠りにつくのだった






両手に花


「寝てしまいましたか?」
「…の様だ。」
「可愛らしいな。」
「卿と同意見とは気に入らんが。」
「…」
「さて」
「寝ますか」
「起きたらまた騒がしくなるな。」

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銀英伝 ヴァルハラ編

「ナイトハルトさん?」
「ん?」
「怒っていらっしゃる?」
「何に?」
「あ、」
「?」
「貴方を選ばなかった事」
「いや、其処には怒っては否いよ。」
「?其処にはって怒っていらっしゃるの?」
「勝ち誇ったオーベルシュタイン閣下の顔にね。」
「あー…」



そう言うと抱き上げられて膝に乗せられる。びっくりして顔を見上げる頃には色々な所にキスをされるものだから身を捩るのだけれども。
ナイトハルトさんと呼んでも止めてくれる気はないらしい。すると一点にきつくキスをされる。跡になる!と思いながらいや待てよ。此処は…。


「痛、いです。」
「そう?跡になっていたよ」
「(やっぱり!)ナイトハルトさん?」
「元々は彼の妻だから仕方がないのかもしれないけれも」
「お顔が見えないから、ね?」
「他の男がつけた跡が有るのは気にくわないな」
「っひ!?」


他にないかしっかり確認させて頂くよと言うこの笑顔は余り良くない時だ。取り敢えずいつの間にかついたその跡を忌々しく思いながら嬉々とするナイトハルトさんの顔を見上げるのだった。



雄々しい大型犬

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銀英伝 ヴァルハラ編

「あのだな」
「?」
「重い」
「言うに事欠いて!」
「自分の席に座る気はないのか?」
「あまり有りません」
「…」
「降ります。良いですよ。ナイトハルトさんに抱っこしてもらうから」
「おい」
「下ろしてください。腕退けて。」
「そのセリフを聞いて離すと思うか?」
「んー?」
「確信犯だな」
「可愛いものでしょ?」
「…」
「あら酷い顔」
「合わぬ間に酷い女になったものだ。」



それでも好きでしょと言いながら腕を首に回す。キスして良い?と尋ねても首を横にしないのだから良いのだろう。


「パウル、ん!」
「余り揶揄うな」
「からかってないわ、んー!」
「代償は払ってもらうぞ」



静かなる猟犬

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銀英伝

「ナイトハルトさん!」
「マインシャッツ!」
「わー、老齢の貴方も素敵でしたけど若い頃も素敵ね。惚れ惚れするわ」
「…君は美しいままだね」
「うふふ」
「迎えに来てくれたの?」
「ええ。」
「君がいない日々は味気なかったよ」
「浮気もせず孫たちに囲まれるあなたをみていましたよ」


そういって抱きつくと抱きしめられる。ナイトハルトさんの温度だわと思いながらいるとかつりという音が聞こえる。そして私にもわかる程度の空気の凍り方。やめて欲しいと切実に願うものの元々は水と油なのだ。如何したものかと思案しつつ逃げもうとしたもののがっしりとホールドされていて逃げられない。


「漸くお出ましかな」
「ご無沙汰しています。オーベルシュタイン閣下」
「卿に閣下と呼ばれるのは些か。今は外祖父にあらせられる」
「妻は外祖母ですが。」
「妻、ね」
「ええ。あなた亡き後4人の子の我が子の実母でございましたから」
「そうか」
「マインシャッツ…」
「…は、い」
「おい」
「…なん、ですか?」
「妻をおいと呼ばないで頂きたい」
「私がこれを如何呼ぶかは私の勝手だ。卿に指図されるものではないし、これは私の妻でもある」
「…」
「かと言ってあなただけの妻ではありませんよ」


なんだかんだ言って2人とも軍人で背も高い。威圧感半端ないわーと思いながら気配を探る。金色の髪と赤い髪。いた!と見つめるとニヤニヤして笑っていたラインハルト陛下とキルヒアイス閣下。助けてと合図したものの無理らしい。いや、面白いからやらせておけが正しいだろう。


「さて、その手を離していただこう。」
「何をおっしやるのか。久々の再会を邪魔なさるとは」
「元より、我らは共に暮らしているのだから邪魔も何もないだろう。夫婦なのだから。我らは卿を迎えに来た。その任を終えたのだから帰るのは至極真っ当な話だ」
「妻と共に暮らしていくのは私の仕事でございますよ。今迄苦労様です。さて、参りましょう」
「手を離さぬか」
「貴方こそ!」
「あたたたたたたたた!!!」


そこまでだなと言いながら出てきた陛下を睨みつけながらキルヒアイス閣下の後ろに逃げ込む。痛かったといえば見ててそう思いましたと真っ当なお返事をいただく。できればもう少し早く助けていただきたかった。


「陛下!」
「懐かしいな、ミュラー提督。いや、今は義理の親だな。礼を言わねばなるまい」
「いえ…。キルヒアイス閣下も」
「お久しぶりでございます。」
「二人して何をしておる。見よ、卿等の所為で夫人が怯えておるではないか」
「「…」」
「二人とも大きいのですから。少しは手加減して頂かないと私壊れてしまいますわ」
「ならば如何するつもりか?」
「?」
「どちらを取る?」
「パウルさん。その言い方嫌だわ」
「なんとでも言え。軽薄な貴様のことだ。」
「オーベルシュタイン閣下!撤回していただこう!」
「…そうやってわざわざ嫌われるようなことをせずとも良いのですよ。貴方という人は。」
「…」
「マインシャッツ」
「ナイトハルトさんも。直ぐに怒らない。意外と短気でいらっしゃるのだから。」
「…」
「私は2人の妻なのですから。日にちで分けるなり、時間で分けるなりなさいませ。」
「お前は」
「どちらかを選べと仰るなら両方と言いますよ。ダメならどちらも選びませぬ。」
「それは、共に暮らさないということですか?」
「会うと未練が残りましょう?会うこともいたしません。」
「致し方ない。では」
「共にということでよろしくて?」
「又喧しくなる。」
「オーベルシュタイン閣下」
「ケンカは嫌よ。2人とも」
「「…」」



流石猛獣と言われるので私は微笑む。両手に花ねという花たちは牽制し合っているらしくため息が出るものの仕方ないわと笑いながら今日からの我が家に連れて行くのだった。



両手に猛獣

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