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変換なしの雑食夢

ran

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銀英伝

うとうとと微睡んでいた。城内の庭で。これが不味かったのだろう。何か嗅がされて意識を失った私は何処ぞの押入れに押し込まれていた。


「ミュラー夫人は?」
「今探しています。」
「…」
「ミュラー提督?!」
「我妻を拐かしたのが誰であろうとも…」
「落ち着け。」
「ミッターマイヤー閣下なら落ち着いて居られるでしょうか?」
「…そうだな」
「おい落ち着け!いつもの止め役が暴走してどうする?!」
「わかっています!」
「此処で私達が何を言ってもどうしようもないわ。ミッターマイヤー閣下」
「はっ」
「特殊部隊を。カメラを見る限り、この城から出ていないでしょうから。」
「カメラの分析も開始します。」
「ええ。ビッテンフェルト提督は白兵法の長けたもので部隊を編成。城から猫の子一匹逃さないように」
「はっ」
「ミュラー提督は陛下の側に。何が出てきたとしても陛下から離れぬように」
「は」



一体私はどうなっているのかと思いながら以前パウルさんに言われたことを思い出す。


『お前は通常の人間より運動神経がいいがそれは女の話であって訓練しているものに太刀打ちができるほどではない。一切抵抗せずにいろ。時間稼ぎはいいが相当のことがない限り逃げようと考えるな。静かにしていろ。但し気取られないように発信機を作動させろ。良いな。』


そう言って元帥府に上がる際持たされたものは今も肌身はなさず持っている。暗闇に押し込まれてもすぐに触れるところにある。問題はあの癖の強い副官が忠誠心というものを持っているかだ。




「よしっ!」
「フェルナー少将?」
「Fの場所がわかった!皇妃殿下に連絡。私達は其処に急行する!」
「ですが」
「特殊部隊もすぐ来るだろうが…夫人に何かあってみろ!今は亡きオーベンシュタイン元帥閣下に申し訳が立たん!」
「はっ!」




目が慣れてきた。色取り取りのドレスに見覚えがある。確か、貴族の、金髪碧眼の美少女だったきがする。ナイトハルトさんの熱烈な支持者。そう言えば何度かドレスを踏まれた気が。
気に入らないにしても短絡的な犯行だなと言えばかちゃんと何かが割れた音がする。きっと例の美少女だろう。

「もう!貴女達が殺さないから!!!」
「お嬢様」
「落ち付いて下さいませ」
「どうせあんた達も私よりあの女が良いと思っているんでしょ?!」
「ミュラー夫人はお嬢様が思っている様な方では…きゃあ!!!!!」
「邪魔をするなら!貴女達も死んでしまいなさい!!!」
「ひっ?!」




おいこら、巻き込むな!と思いながら扉をがんがん蹴る。
すると何かを投げつけられたらしい。



その時悲鳴が聞こえる。侍女達ではなく美少女の



「奥様!!!」
「んー!!!
「誰か、ナイフを!此処のもの達はひっ立てて行け!」
「ぷはぁ。フェルナーさん」
「間に合ってよかったです。お怪我はありませんか」
「ええ。こんなところに入れられたから体が…」
「それはそうでしょうが…」
「フェルナーさん?」
「ヴァルハラで閣下に殺されるところでした。」
「捕まった私が叱られるわ。仕事を増やしてって」



事の顛末は悋気と其れに乗じた貴族達のクーデターらしい。そんな大それたものだったの?!といえば苦笑される。


「アルク陛下は?」
「ご自身の心配をしてください」
「だって」
「ミュラー提督がお守り遊ばしました」
「!」
「勿論ご無事です」


よかったといえば担架がやってくる。思いの外仰々しいなぁと思えば顔色が悪くなるだろうからと言われる。



「OからFへ 担架で運ばれ医務室へ。」


Aではなく?尋ねると恐ろしく先見の明のあるLiebeですと言われ苦笑する。この人は部下で唯一あの人の真意を汲み取っていたなと思い出す。では素直に従ったほうが身のためですねと苦笑して私は担架に身を横たえるのだ。




OからFへの伝言

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銀英伝

絵を描いていると扉が開く音がする。視線だけ向けると砂色の髪が見えて思わず微笑む。お仕事ご苦労様ですといえばはにかまれた。本当に可愛い方だと思う。そう思っていたのがばれたのだろう少し口を尖らせて私の名前を呼ぶ。はい。何ですかといえば椅子を持ってきているようだ。重い椅子を軽々と持ち上げて、私の後ろに陣取るらしい。副官の方達は困り顔だ。次の間にお茶を用意させましょうかと言うと、お願いしますと返される。今は休憩中らしい。


「皆さんはコーヒーでしたね。」
「はい、奥様」


そう言うと一礼して次の間に行かれる。閣下の幕僚の方々は品行方正ですから侍女も安心してお付けできますといえば笑われる。

「でも休憩の度に皆さんをお連れせずとも。」
「あれらは好きできているから気になさらないで」
「?」
「一年前の私がいる。」


まぁと言って私は微笑む。それは楽しい盛りですねといえば頬を掻きながら何故かナイトハルトさんが照れる。こういう所が好きだなぁと思いながら微笑む。穏やかで優しい人。但し、年相応の情熱を隠し持つ人。じっと顔を見ていると額にキスをくれる。


「ん」
「マインシャッツ」
「聞こえますよ」
「小さい声だから。何より愛妻家で通っているから」
「そう」
「そうです」
「お仕事は?」
「もう少し」
「待っていても?」
「勿論。」


額と額が触れる。髪を触りたいものの手が汚れていて触れないわというと眉毛を下げてそれは残念だと言われる。
その代わりと頬にキスを落として擦り寄る。今何より、ここが安心できる。嗅ぎ慣れたコロンと少しの汗と彼の体温。依存度が高いと抗議すれば貴女も同じですよと苦笑された。触れない私に代わって髪に触れる。気持ちよくて目を細めていると名前を呼ばれる。


「眠たそう」
「うん。」
「やはり先に帰りますか?」
「うんん。自室で寝ている」
「うん」
「鍵は?」
「持っていますよ。」
「じゃあ締める。」
「連れて行きましょうか?」


それも捨てがたいけど今のところこれがいい。ノックの音は別れの合図だ。少し寂しいなぁと思っていたら苦笑される。


「寝てて」
「うん」
「迎えに来るから」
「うん」
「マインシャッツ」
「何?」
「愛していますよ」


そう言って頬を撫でてくれるから少しの別れも辛くない。呼び起こされた睡魔と闘いながら愛しているわと頬にキスを落とすのだった






30分の逢瀬

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銀英伝

ホテルで良い子に待っていなさいというので素直に待っている。ヤン提督の没後3年の慰霊祭の参加が今回の訪問の大きな理由らしい。パーティーにも参加していたものの政治色が強くなりそうになるとナイトハルトさんがそう言う。今までは我慢したけどもういい加減我慢の限界だという事。私が奇異の目で見られるのが我慢できないらしい。軍服のせいではない。女性士官が多い分そう言う目は帝国より薄い。私の前夫、オーベンシュタインの名が大きいのだろう。逆にミッツ閣下に気を使わせてしまった。そこが申し訳ない。
にしても。御主人様を待つ心地なのは変わらないなぁ。但し、あの人はわたしを前線にまで連れてはこなかったけど。そう思いながら、先程お会いしたヤン夫人を思い出す。あの時はフレデリカさんと呼んでいた。ヤン提督と彼女の姿は好きだったな。


『帝国で一番人気のある画家に、私のようなものがお願いするのは些か宜しくないのかもしれませんが、私と彼女の絵を描いては貰えないだろうか?結婚式は疎か写真もまともに撮った事がないので』


間に合わなかった絵を今更渡して如何するのだろうと思いながら渡した絵を見て、ミッツ閣下も是非にと言ってもらった。家庭でのヤン提督そのものだと。彼らしか知らない、彼。ヤン夫人も喜んでいただけたのだろう。そう、思いたい。彼の彼女に対する思いそのものだろうから。それが私の自己満足でない事を祈って仕方がない。


「ん?」
「起きてしまいましたか?」
「あなた」
「その響き良いですね。」
「あなた」
「ただいま」



いつの間にか寝てしまった意識を起き上がらせたのは彼の声だ。名前を呼んで伸ばした手を優しく取ってくれる。抱きしめてといえば情熱的ですねと笑いながら抱きしめてくれる。

「嫌でした?」
「うんん」
「よく泣きませんでしたね。」
「うん」
「マインシャッツ」
「ナイトハルトさん」
「くちさがないものの言うことなど気にしないで」
「違うの」
「?」



違うのと言いながらきゅーと抱きしめる。珍しいこともあるものですねと笑いながら抱きしめ返してくれる。


「絶対死なないで」
「如何しました?」
「思い出しただけ。」
「ああ」
「もうあんなの嫌。」
「マインシャッツ」
「貴方も私を一人にするの?」


そう言うと頬にキスをくれる。涙を指で拭って抱きしめ直してくれる。

「力が弱いですね。」
「?」
「華奢で柔らかくて。可愛くて愛しい。泣いた顔も笑った顔も。怒った顔ですら。」
「ナイトハルトさん?」
「朝起きた時に貴女の寝顔があるとどんなに幸せか。キスをするとどんなに愛しいか。夜を共にするたびにそれが深く強くなる。それを」
「?」
「それを手放したオーベンシュタイン閣下がどれ程無念だったか」
「ナイトハルトさん」
「きっとこの気持ちは貴女でもわからない。」
「そう、かもしれません。」



名前を呼ばれて、頬を擦り寄せる。よしよしと撫でてくれるこの手が愛しい。


「約束はできませんが」
「知ってる。」
「マインシャッツ」
「知ってて結婚したもの」
「…」
「無理を言ってごめんなさい」
「私も」
「?」
「軍人としていけないのですが」
「え?」
「死にたくない」
「!」
「貴女を置いて死にたくはない」


そう言うとぎゅうぎゅう抱きしめてくれる。


「ありがとう」
「いいえ」
「それだけで救われた。」
「マインシャッツ」
「今日はこのままて寝て良い?」
「…」
「ダメよ」
「わかってます。」
「明日は朝からオフですもの。貴女の好きにして良いわ」
「…ならどこかに?」
「それで良いの?」
「一日中貴女のベッドでいたい」


喜んでと言って頬にキスをするのだった



さよならとまたいつか

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銀英伝

<eプレイガールが来たと言われて首をかしげる。ドックにいち早く偵察しにいったポプラン閣下曰く、すっげぇナイスバディのS嬢が副官なのかよと叫んでいる。そのせいで、アッテンボロー提督もそわそわするし、カリンはむすっとする。僕に当たらないで欲しい。フレデリカさんは後から来るからいいとして。みな珍しくそわそわしているので居た堪れない。僕が悪い訳では無いはずだ。
今日は私的に来られているミュラー提督がお越しになるはずだった。副官の方も彼の方にそっくりなほどの真面目な方だったはずだ。


「ミッツ提督」
「はい」
「ミュラー提督閣下をご案内致しました」
「はい。」


そう言って現れたのはいつも通りのミュラー提督。そして副官の方。


そして、アッテンボロー提督もポプラン閣下も好みそうな美人が登場する。黒髪のスラットした背の高い女性。思わずどきりとしてカリンに足を踏まれる。



「お久しぶりです。ヘルミッツ」
「お久しぶりです。」
「フロウカリンも。お元気でしたか?」
「ええ。ミュラー閣下もご健勝のことなによりです。そちらは?」
「?」
「女性の方は初めてお会いになります。」
「あ、ああ。」


初めましてという声とともに帽子が取られる。名前を呼ぶとにこりと笑うその顔は穏やかで、優しげだ。…この声どこかでと思っていたらミッツ閣下とは二度目ですねと言われる。


「あっ」
「オーベンシュタインの妻でしたね、以前お会いした時は」
「ええ、でも」
「?」
「もっと」
「ああ。この格好ですか?」
「私はやめて欲しかったのですが皇妃殿下が」
「似合いません?」


似合いますという外野の声に笑顔で対応するあたりオーベンシュタイン夫人だ。以前お会いした時とは全然違っているもののおおらかな感じは健在らしい。


「でも如何して?」
「私の妻です。」
「「は?」」
「あら、人妻なら似合いません?」
「「似合ってますが」」
「人のものに手を出すほど困っていらっしゃらないでしょう?」
「こら」
「ふふふ。ごめんなさい。貴方」
「再婚なさったのですね。」
「ええ」
「如何してですか?」
「こら、カリン」


くってかかる性格は健在らしい。びっくりしつつもくつくつ笑ってフロウという。声が妖艶だ。かつかつと歩いて行ってにこりと笑う。背が高い分、あのカリンが弱腰に見えるのは仕方が無いにしろ、夫人の格好が似合いすぎているのだろう。


「可愛いわ」
「…馬鹿にしてます?」
「いえ。あなた年は?」
「…」
「まだ二十歳来てないかしら?」
「ええ」
「私はその時オーベンシュタインと共に生きてきたわ。あなたたちの知らないあの人を知ってる。愛してくれたし愛された。あの人が死んだ時、後を追うなどいわれなかったら死んでたわ。それくらい愛して大切な人よ」
「1年で再婚したのに?」
「カリン!すいません、夫人」
「いいのよ。もっと酷い事散々言われているから。」
「え?」
「遺産目当てだ体で手に入れたとか?まぁこういうのに比べればふろうのは素直で可愛い」
「私」
「ミュラー提督は今の私の生きる意味よ。彼が生きろと言って慈しんでくれるから私は生きて笑えるの。ね?」
「私に聞かないでください」


そう言うとニコッと笑ってカリンの耳元でぼそりと何かを言う。急に真っ赤になったかと思えば「素直が一番よ」と言われてこちらをじとっと見る。僕が何をしたっていうのか。そして夫人の顔を見てこくんとうなづくと夫人は「可愛い」と言って頬にキスをする。


「今日はミッツ閣下と紅茶の話をしようと思ったのですが」
「え?」
「ねぇフロウ。貴方の貴重な時間。私に少しだけでいいから頂けないかしら」
「ちょっ。夫人?!」
「はい」
「えっ?!カリン???」
「よかった。実はホテルをチェックインしてるの。」
「夫人????!!!!」
「喜んで」
「じゃあ行きましょ」



そう言って恭しく手を取ると御機嫌ようと言って外に出て行く。ちょっ待って!と言いながら追いかけるのはもう少し後の話。




プレイボーイのプレイガール


「提督」
「だから着せたくなかったんです」
「止めなくていいのですか?」
「絵を描くだけですから1時間程度したら帰ってきます。その間に例の話を…」
(この人わかって?!いや皇妃のせいか!!!?)

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銀英伝

目を開けるとどアップのナイトハルトさんがいる。どアップ過ぎてびっくりしていると裸のまま抱きしめられているのがわかる。いつものことながら心臓に悪い。
以前なら、寝室は基本別だし、化粧をしていたら寝たふりくらいはしてくれていた。抱きしめられて寝たこともあったが此処まで熱烈ではなかった。顔に似合わず穏やかな人だった。それはそれで好きだったし、満足していたので文句は無い。ただ、ナイトハルトさんの熱烈ぶりは驚くばかりだ。寝室は一緒。化粧をしていたらニコニコとベッドの上で微笑まれる。何より、夜が長い。気がつけば朝とかザラだ。完徹で仕事へ行くのもしばしばだったので、この間怒ったばかりだ。今はある程度で解放してくれるものの、この人には物足りないのだろう。ぎゅうぎゅうと抱きしめて寝るようになった。力加減の知ら無い、大型犬の様だ。オーベンシュタインさんは気位の高い猟犬の様なところがあったけど。まぁ何方にも美味しく食べられる私は狐とか兎とか鼠なんだろうけど。

「ん。マインシャッツ?」
「おはようございます」
「おはようございます」
「化粧していい?」
「んー」
「仕事行かないと」
「んー」
「ナイトハルトさん?」
「今日から3日休んで宇宙です」
「は?」
「イゼルローンへ行きますよ。」

そう言うと私の額にキスを落としてだから今日はゆっくりしましょうといって少しだけ笑う。この顔に私は弱い。

「ナイトハルトさん、私は私の仕事があるのですよ〜」
「大丈夫。」
「今日から、一月、皇妃殿下の名で…」
「ふふふ」
「二人して計りました?」
「ええ。」
「酷い人!」
「そうでもしないと休めないでしょ?」
「…」
「にしても」
「ん?」
「貴方が宇宙行ったことないっていうのは吃驚しました」
「…」
「そう言えば飛行機も乗りませんよね。」
「私は地に足をつけない機械が嫌いなの」
「宇宙船乗りの妻なのに?!」


貴方に芸術について理解してって言ったことないでしょと言えば複雑そうに見られた。そう言うものなのだ。夫の仕事は理解しているからといって共有はなかなかできない。逆など然りだ。そう言うと少しだけ口を尖らせて私の名前を呼ぶ。


なにこれ、可愛い


「ナイトハルトさん」
「行かないんですか?」
「あんまり行きたくない。」
「…」
「その顔に私が弱いの知っているでしょ?」
「はい」
「…」
「その顔に私が弱いの知ってますね。」
「ええ勿論」
「はぁ」
「貴方はいじけたら私の名前を呼びますね」
「そうですね」
「あら、いじけた」
「貴方の前では私も必死なのです」
「?」
「貴方は思考が成熟しているから」
「…年寄あつかいするきですか」
「違います。貴方が私を子供扱いしますから」
「帝国軍の上級大将を?そんな。恐れ多いわ」
「ほら笑う」
「あらいじけて可愛い。」
「そう言うところです」



そう言っていじけて頬を膨らませる。やはり可愛い

「ナイトハルトさんは母性本能をくすぐるタイプね」
「褒められている気がしません」
「じゃあ言い換えます。」
「?」
「マインシャッツ」
「…」
「顔が真っ赤」
「恥ずかしいですね。」
「人前で言われる身になって」
「絶対止めませんけど」
「言うと思ったわ」

フニフニと頬を突きながら仕方がないわ、と笑ってしまう。久々に女性用の軍服着ようかなぁと言えばそんなものあったのですかと吃驚される。


「軍服にスカート」
「へぇ」
「なぜか女性に好評で」
「?」
「五月蝿いからってパウルさんに却下されたの」


そう言うとなぜか沈黙があって、後で見せてくださいと言われる。
いいですよ〜と言ったものの、妙な沈黙を不思議に思ってクローゼットを漁るのだった



1ヶ月のバカンス

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