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変換なしの雑食夢

ran

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32

「お湯?風呂場か?」
「姫様」
「何をする気だ!何故脱がす?!」
「身を清めます。」
「侍女を呼べ。っ」
「噛み跡、か」
「触るな、寝着を脱がぬぞ!」
「…」
「い、嫌だ!石田殿!!止めろ。」
「…」
「やーっ!治部!三成!!!止めて」




ピタッととまる。しまった。やってしまった。恐る恐る見るが表情はわからない。取り敢えず逃げようとしたものの無理だったらしい。がっちりと肩を掴まれてしまって動けない。



「力が、出ませぬな」
「こっの!」
「抵抗なさいますな」
「やだ!見るな!!!」






全部脱がされて眼前に晒される。胸を隠して早く湯着を持ってこいといえば両腕を掴まれる。


「やめろっ」
「咬み傷に鬱血。痣」
「石田殿」
「…殺してやりたい」
「!?」
「あの男を殺してやりたい」
「まっ?!何を言っている!いいから湯着を持ってきてくれ」
「私は」
「石田殿」
「今日この時まで。あの様な形でもあなたと交われたことを喜んでいました。貴方にとってたった1人の特別な男であると。しかし。貴方はあの者と」
「其れが女関白である私の仕事だ」
「…この様な跡を残し一日中抱かれて、仕事というのですか」
「っあ。仕方ないだろ、それが…」
「夜着の下の肌を私は知らない。どれほど望んだとしても貴方は触れることさえ許さなかった。口を吸う事も同じ床で寝る事も。私にはお許しくだされなかった」
「やめっ!触るな」
「あの男が憎い。剰え交わると言う事実だけでも腑が煮え繰り返るのに。私に許されなかった事を。私の望んだ全てを!!!」
「やだ、石田、どの」
「憎い憎い憎い!!!!!」
「やだ…いたっ」
「憎い!!!!!」



胸を鷲掴むので痛みに悲鳴をあげる。ぼろぼろ涙が出てきてグズグズ泣いてしまう。怖いのだ。

石田三成に

石田三成という人にこれ以上嫌われるのが。
怖くて怖くて堪らないのだ


「姫様…」
「いた、い」
「なっ?!あ!!!姫様!申し訳ありません!!!」
「ぐす…ん」
「痛かったのですか?申し訳ございません。我を忘れ…」
「嫌だ」
「っ」
「傷だらけの身体も日に焼けた肌も」
「は?」
「其方より短い髪も全部女らしくなくて」
「ひ、姫様?」
「嫌われたくなかったのに」
「何を?」
「これ以上嫌わないでくれ」
「!」
「うわぁぁぁぁぁん」
「…」
「もういい!1人にしてくれ。もう少ししたらっん?!」
「んっ」
「んーっはぁ。はふ。ん…何を?!」
「…」
「石田殿?」
「好きだ」
「…其れは」
「貴方が好きだ」
「…」
「口を吸いたい」
「嫌だ」
「姫様」
「何故その様な事を言う?貴方は父上の崇拝を私に投影しているだけだ。父と竹中殿が言うから私といるだけだろう」
「違う。私は」
「もういい。聞きたくない」
「聞いてくださいませ!」
「石田殿?」
「私は貴方と、夫婦になりたい」
「…は?」
「刑部と妹姫様の様な夫婦に貴方となりたい」
「…」
「姫様?」
「何か、変なものでも食べたか?」




石田殿の顔を見ると何故か切羽詰まった顔をしている。夫婦?急に何を言い始めたのだと顔に出ていたのだろう凄い形相で本気だと叫ばれた。



「気が触れたか?」
「あいつと貴方が交ぐあう間に!!!私がどれだけあの者を八つ裂きにしたかったか!!!秀吉様の許可さえ降りるのならば今からでも!」
「それか!」
「何がです!」
「其方は勘違いをしているだけだ」
「?」
「真田の下などには嫁がん…待て、石田殿?肩が痛い!!!」
「冗談だな」
「嫁がぬと言っているだろ!痛いわ痴れ者!」
「っち!」
「じ、侍女を呼べ!こんな格好で」
「その姿も腹が立つ」
「は?っん!」
「私の姫様を噛むとは」
「は?」
「にしても」
「な、何だ?!」
「思った通りだ」
「どうせ、傷だらけで」
「美しい」
「は?」
「本当に、美しい」




そんなうっとりした顔で見ないでほしい。勘違いしてしまう。湯着を必死に探したものの見つからない。何だ、このひどい状態は






からんころん





「にしても」
「はっ!」
「この傷をつけたのは虹川だった」
「あれは、お前が木刀で」
「これは侍女の」
「ああ。お前が殺さんばかりだったからやめさした」
「この噛み跡」
「…」
「中に」
「いや、まて。石田殿」
「…」
「顔が、」
「決めろ」
「は?」
「これ以上私を怒らせて手酷くここで抱かれるか」
「待て。凶王になって」
「三成と言って私の自室で抱かれるか」
「…」
「早くしろ」
「あ!のだな」
「…」
「傷だらけだぞ」
「?」
「綺麗な女性の方が」
「興味がない!早くしろ!!!」
「…嫌わないか?」
「嫌わん!美しいと言っているだろ!!!」
「…」
「早くしろ。そうは待てんぞ」
「った」
「ん?」
「嫌われなくてよかった…」
「…」
「っあ!待て。」
「もう待てん」
「ここは嫌だ、三成」
「っ」
「?」
「取り敢えず、後だ!」
「え?あの??!きゃー!」

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31

「…」
「あの」
「…」
「すまぬ!某…」
「噛み癖があったとは。佐助殿に躾け直していただかないとな。いやそれ以上に」
「…すまぬ」
「真逆徹夜コースになるとは」
「そのだ。これで最後になると思えば…自重出来ずに」
「不寝番の2人が可哀想だな。なあ。竹中殿。老体の骨身にしみるなぁ」
「…」
「答えぬつもりか。まぁいい。」
「内大臣殿…某」
「今日の朝稽古はお休みなさい」
「は?」
「寝ぬのか?」
「その、」
「一応、昼までは仮初めの夫婦。妻を独り寝させるおつもり…真田殿?」
「すまぬ」
「真逆?!まて。もう、無理!」
「内大臣殿…」









目が覚めたら夕方だった。あの後寝たのは昼過ぎだったから当たり前かと髪をかく。ぐがーと威勢良く寝ている顔は猫なのだがなぁ。可愛い顔だと髪を撫でてやる。が、やることは全く可愛くない。


不意に外を見る。影が揺れる。




「竹中殿。ご苦労様」
「…」
「佐助殿も」
「いやー、ごめんね」
「構わんよ。にしても竹中殿は?本当に大丈夫だろうか?あまり体が強くないんだ。生きているか?」
「いやー、俺様が死にそう」
「?」
「…失礼します」
「は?」




からりと開かれると銀髪の男が立っている。いや、竹中殿も銀髪だけど、こんなに剣はない。



「石田、殿?」
「あはー、実はさ途中で軍師の旦那用ができてさ。俺様だけでいいって言ったんだけど。其れは許さないってこの人が…本当にごめん」
「…」
「噛み癖とかごめん。あと長いし。本当にごめんなさい」
「そうだな。まぁ気持ち良さげに寝ているだろう?」
「…」
「いやー本当に。禍々しい程にね!」
「と思うなら…なんだ?」
「失礼します」
「するな、触るな」
「…」
「おいっ!石田殿」
「おい、忍び」
「はいっ!」
「死にたくなければ、このまま此処にいろ!!!」
「了解しました!!!!!」
「おいっ!?佐助殿助けてくれ!!!」
「やだよ。昼から2人きりだったもん!」






無言で歩かれる。但し、羽織りを被されているのでどこに行っているのかわからない。凶王だったよな。今の私にはかわすことが出来ないなぁと思っていたら勢いよく扉を開いたらしい。恐ろしい音がしたよな、今。




からんころん





「やれ、忍び」
「連れてったけど大丈夫?」
「…何がぞ。若虎は此処でまだ励みよるか?いい加減にせねば三成が殺しにかかるぞ」
「あっはー…その。あの」
「ん?」
「昼から不寝番してた、けど」
「?!」
「自主的に」
「ま、まぁ。姫も武士よ。なんとか」
「昼過ぎまでうちの旦那の相手してた、けど。」
「…」
「黙って合掌しないで!!!」
「ぐがー!!!」

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「いい!その場の雰囲気に身を任せようなんて甘いこと考えちゃダメだよ。」
「わかっておる!」
「姫様は女性だからね」
「当たり前だ!!!」
「力加減忘れちゃダメだよ」
「…ど、りょくする」
「旦那!!!!」
「いや、そのだ。この様な気持ちは初めてでな。どうすればいいのか。」
「…わかってるよ。だから殺される覚悟で俺様も頼んだのだからさ。頑張っておいでよ」
「うむ」
「あ、来たみたい」
「さ、佐助?!?!」
「大丈夫。姫様優しいから」
「…知っておる。」
「うん。じゃあ俺様外でいるからね」



からりと開けると佐助殿が消えて硬直した真田殿がいる。真っ赤だなあと思いながら障子を閉めて後手に持った皿を差し出す。ただでさえ丸い目がもっとまん丸になって可愛らしい。如何ですかと言って出した其れをおずおずと受け取ってくれる。



「団子?」
「私が作りましたからな。とても見目が良くないが」
「いえ、そんな!」
「真田殿」
「はい」
「食べますか?」
「はい!」






まるで尻尾が見える様だなとくつくつ笑いながら口元についた餡を拭ってやる。忝い!という様など床とはおもえない。幼子と話している様だ。ただし、虎が猫であるはずが無い。武勇に秀でた方だからなと思って見ても左近に似ているなぁとその姿を眺める。かちかちに固まった先程が嘘の様で。其れに気がついたのだろう。美味しかったですという言葉は信じられないくらい小さいものだった。



「良かった」
「料理を嗜まれるのですか?」
「少しは。左近に一度食べさせたら見た目とのギャップが酷いらしい。味はいいと言いたかったらしいが…石田殿に殴られておった。」
「…石田殿にも?」
「ん?」
「作って差し上げたのですか?」
「あれは全く食べぬから。以前のこっそり置いていたらえらい剣幕で侍女に叫んでいたなぁ。あれは申し訳ないことをした。」
「そうですか」
「まともに食したのは、握り飯かな。あれだけはまともな形を作れる」
「そう、ですか」
「?」
「今度。某にも」
「食べてくれますか?」
「もちろんでござる!」
「…」
「内大臣殿?」
「ふふふ。本に。真田殿は私を喜ばしてくれる」
「左様でございますか某、無作法もの故女性の喜ぶものを考えることも出来ずに」
「其れはまた。添い遂げられる女の為に覚えればいい事。私の様な戦者に一般的な機微はわかりかねます」
「…」
「真田殿?」
「いえ、そのでござるが…内大臣殿はお強いです。」
「はい」
「ですがそれ以上にお優しく、美しい方だと。気配りが出来て誰にでも優しい方でその。」
「…」
「誰よりも女性らしくて俺は、あなたの事を」




好きになりましたと言った真田殿の瞳は成る程男だ。
頬に接吻を落として寝所の灯りを消しましょうと言えば再び初心な真田殿に戻ってしまう。良い御仁だな、さすが佐助殿と心で思って彼を組み敷くのだ






からんころん








「やれ、三成」
「…刑部か」
「左近に泣きつかれたわ。部屋が粉々になってしまうと」
「怪我をさせてはならない。細君の元へ帰れ」
「主は」
「私は此処でこうしていないとあの方の寝所へ行ってしまいそうだ。真田を絞め殺せられば。この手で、斬滅できば!」
「ひひひ。出来ぬか?」
「…あの男の信玄公に対する気持ちはわかる。」
「ひひひ。ぬしらは似ておるの。故に不幸よ」


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「っ!」
「やれ起きたのか?」
「いいいいいいいいいい」
「ひひひ。壊れよったわ」
「今何時だ!?」
「もう昼餉が済んだのちよ。」
「何だと?!なぜ起こさなかった???」
「見よ。」
「…なぁ刑部。」
「ん?」
「何故、石田殿と真田殿が?」
「やれ、静かにしたもう。先程まで主を起こさぬ様に戦いに明け暮れておったからのう。」
「本に。私の寝所がボロボロだな」
「まぁ、怒るな。ちと寝よ。体が悲鳴を上げよるわ」
「…」
「太閤よりの内々の沙汰よ」
「わかったが…で何故この様な」
「ひひひひひひ」
「?」
「其方も変わった男に好かれるなぁ。」
「真田殿か?如何した?」
「夜の試合に出るそうな」
「…は?」
「いや何。のう、忍び殿」
「あはー。ごめんね」
「…」
「いやさ。うちの旦那女性恐怖症でね。いや違うな。極端なシャイなんだよね。言ってたでしょ?」
「ああ。」
「その旦那がさぁ。姫様に一目惚れした様で、ね。いや女とわかってのちだよ!そういう趣味ではないから。」
「其れを太閤と虎がのぅ。結婚せぬとも良い。真田と三成のショック療法としてどうかと」
「今、刑部が嫌いになった」
「ぬ…。ほら見てみろ。主らのせいで我まで!!!」
「ほっんとごめん!!!どこを如何見てもうちが悪いし、酒弱い二人が酒飲んでやっちまった感半端ないんだよ?大谷の旦那も竹中の旦那もそりゃ必死に止めたんだけどさ。がはは。如何だとうむで終わっちゃて。うちとしてはあの、真田の旦那がさ女に興味をしかも姫さんみたいに器量好しって…俺育て方間違って無かったと心底喜んだけどさ。ごこごごめん!そんな顔しないでよ。俺様も止めたんだけど。珍しく土下座して頼んだ旦那を見てたら、つい」
「はぁ」
「打ち首覚悟でお願いします!真田の旦那に一世の情けを!」
「ひひひ。」
「あいわかった」
「え?!」
「なんだ、その顔」
「ほーーーーんとうにいいの?」
「良いと言っているだろ?」
「やれ、姫。」
「いい。元々石田殿以外の男も相手にせねばいかんだからな。別にいい」
「…」
「ただし、婚礼の好はないぞ。何より不寝番も立つ。そちらも一人つけよ。」
「えっえー?」
「良いな。」
「わかったけど。」
「ならば明日に迎えを寄越す。刑部」
「な、何よ。」
「安心しろ。刑部は嫌いになれん」
「…姫。」
「今外でそわそわしている竹中殿が大嫌いだ」
「あ、気がついてたの?」
「其れなら良い」
「良いの?!」
「姫に嫌われるとうちのに言われている様でな。ちと堪える」
「どこまでいっても愛妻家だな」
「ひひひひ」





からんころん






「ということだから」
「…」
「だ、旦那?!」
「破廉…いや、うぉぉお。お館様ぁぁぁ!!!」

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「内大臣殿!!!」
「真田殿。朝早くから精が出ますなぁ」
「甲斐にいた頃はもうちと早くに行っておりましたが、流石にと佐助に怒られ申した。煩かったでござるか?」
「いや、気になさらずに。御滞在中に不便はありませんか?」
「はい。」
「お手合わせいたしましょうか?」
「いいいいいいいいいえ!」
「ふふふ。ならば朝餉にいたしましょう。侍女達がそわそわして待っております。如何です?」
「そ、某!」
「冗談ですよ。ん?」
「内大臣殿?」
「汗が」
「っ」
「おい、誰か。手拭いを」
「はいただいま」
「季節の変わり目でございますからな。風邪を召しませぬ様に」
「は、い」
「では。あとは頼んだよ。残念だが其方たちは近づかないようにね」
「はーい」
「私の侍童です。あとは頼んだよ。」
「はい。」
「侍女のつゆ払いをして差し上げなさい」
「はい」
「良い子だ」





一礼して輪から出る。トボトボと歩いていた様で左近に近づいてこられる。五月蠅くてかなわんと手で追い払うと飼い主が来る。



「姫様。」
「石田殿。おはよう。この五月蝿いのを如何にかしてくれ。」
「えー。マジひどいっす!」
「五月蝿い」
「左近んんんんんんんん!!!!!!!」
「はぁ。」
「っ姫様。如何致しました」
「何でもない」
「顔色悪いっすね」
「五月蝿い左近。」
「真逆!」
「下衆の考えは改めよ。まだ身籠っておらん」
「え〜。」
「そこを退け。部屋に帰る。」
「お待ちください」




そう言って肩を持たれそうになるので避けるとすごい顔をされるので取り敢えず、無視をする。父上が待っているから早く行けと言えば、返事が返ってこない。



「信玄公との朝餉だ。滞りなくな」
「そういや。行きましょう、三成様」
「ぐ…」
「私も後から参る。先に行け」
「しかし」
「石田殿」




そう言えば一礼して歩いて行ったらしい。一瞥もせず歩いていたがやはり、眩暈が酷い。不精が祟ったかなと思いながら蹲る。飯を食べてもあまり入らぬし、寝てもあまり疲れがとれん。左近が言った通りと言いたいものの月のものと考えて違うだろう。ただの疲れだなと思ってクスリを飲もうとするものの以前のことがあるから憚れる。少し寝れば楽だが、そうもいかぬしと思っていると足音が聞こえる。誰だ。頼むから武田のものではありませぬ様にと祈っていたら、抱きかかえられる。


この羽織はよく、知っている。






「左近。私も所用の為遅れると秀吉様にお伝えしろ。」
「姫様もっすね。」
「ああ。」
「姫様、触れる許可を、私に」
「大事ない。先に行けと申したはずだ」
「姫様」
「其方の手を借りずとももう少ししたら歩ける。捨てておけ」
「しかし」
「早く行け」


先ほど左近にした様にするとその手を取られる。きっと睨みつけてもこの男の顔は変わらない。



「後で幾らでも罰を受けます。」
「は?なっ?!」
「左近」
「はいはいっーと」
「すぐ着きます。其れまで我慢してください」








からんころん








「やれ、姫」
「静かにしろ刑部」
「寝てるか?にしても」
「何だ?」
「随分仲の良い」
「…お眠りになったのち悪夢をご覧になったのだろう。魘されておられたので…如何したものか」
「ん?」
「お起きになれば嫌がるだろう」
「ならば手を離せばよかろう」
「…」
「お休みの顔だけは昔と変わらない」
「…そうよな」
「だが、起きればまた。私は」
「…」
「何と情けない男だろうな刑部。この様な醜態では秀吉様のために働けぬのに」

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