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変換なしの雑食夢

ran

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17

「流石に彼女だね。あの状態の三成君を交渉の場に出して戦闘なしとは」
「…感心ならしゃるな」
「三成君は?」
「今、左近がそばにおるが…何も食さず飲みもせぬ。いやはや。あの幻を見破るほど恋しいのならばそういえば良いのになぁ」
「それが出来ないから三成君なんだよ。」
「それを度外視すれば風魔を取り込んだのは出来すぎよ。姫の人たらしぶりは豊臣以外にも効くらしい」
「当たり前だ。あの秀吉や僕をも魅了するのだからね。勿論、君も」
「ヒヒヒヒッ。知らぬのは本人だけか」
「そうとは言い切れないけどね。あの子の命を狙う者もたしかに多いから。ただ…如何すべきか」
「一層、男と同じとせばよいのでは?」
「何方が正室?」
「昔には中宮と皇后が両立したものよ。」
「剛毅な話だけど。」
「此処に戻るにしても太閤殿のお身内の殆どは」
「仕方がないよ。彼女がいないからと廃嫡を先導して秀吉の廃位まで画作したのだから。奥方は大丈夫かい?」
「うちのは心配無い。姫ほど人を疑わぬわけではなくてな。元より、あの者たちを誰よりも疑っていたのはうちのだ。」
「本当にね。おかげで仕事が早く済んだ」
「あれは同腹の姫以外には懐かぬ達でな。野生の捨て猫のようなところがある。姫はその逆だ。だから人は惹かれるのだろう」
「ん、そうだね。」







眼前には以前姫様から頂いた文が二つ。幼き折と1年前にお褒め頂いた折のもの。
刑部とも違う達筆をもう見ることは叶わないのかもしれない。



誰よりも守りたかったのだ。彼の方を私の手で。
其れなのに、と己が手を見る。


あの時。
あの忍びがいなければ、私は自我を失ってたいのを理由に斬り殺していただろう。皮を切ったその感覚が未だに忘れられ無い。





『貴方は只の養女では無いか。崇高なる秀吉様の御血筋なだけだ。』




初めて会った日の失言を未だに覚えていたのは私だけでは無いらしい。只の女子と思っていたのだ。弱くて泣くもでき無い無能な存在と。花のように笑った顔が哀しそうになってそうですかと去っていくのを何も思わず観れたのだ。






からんころん






「痛いなぁ」
「当たり前だ」
「人払いしたんだな」
「ああ」
「そうか」
「…あの、男がそうか?」
「ん?」
「お前の好いた男だ」
「一方的にだがな」
「…」
「ん?」
「相思相愛に見えたがな」
「そうか?」
「俺のことは如何なんだ?」
「小太郎、実はな」
「?」
「私は子が産めぬと思っていたし、女としてだな見られるとは」
「許容値を超えたのか」
「察してくれて助かる。ただなぁ」
「ん?」
「治部と小太郎の子は産んで育ててみたいなぁ。」
「気に入らん」
「すまん」
「他の男の名があるのがだ」
「あ、其方か」
「?」
「いや、な。産んでほしく無いのかとな」
「馬鹿か?」
「い、いたたたたたたたた。もっと優しく巻いてくれ。」
「俺が望んたんだ。忘れるな!俺はお前の事を好いているし女として愛している。子を欲しいと思うのもそれ以外無い。」
「…」
「真っ赤だな」
「意地悪をするな。」


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16

「交渉に来た?あの、豊臣が?」
(と言っても大谷、石田だからな)
「…其れはそれは。交渉というより好戦的な」
「卿はどうする気かね。」
「…」
「今の卿の雇い主は私と思っていたがね」
「小太郎。落ち着いて」
「…」
「私がいくから安心し給え」
「爆破狂が何をいう。私が参るさ。思いの外居心地が良くて忘れていたが、私がいく先々迷惑がかかるな。松永殿だけなら良かったがこれ以上家中の方々に迷惑をかけるわけにはいかんからな」
「…小太郎の部下が変化していっているがね」
「は?!小太郎!」
「?」
「影で送ってくれ。他のものは別にして治部にはすぐばれてしまう。」





ずぶりという音ともに影に沈むと喧騒が聞こえる。私を抱きかかえる小太郎を見ると少し怒った顔をしている。すまんなと言うと無茶をするなと言われるものの。




「貴様ぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
「やれ三成、落ち着きゃれ!」
「事もあろうにあのお方の真似をするとは!!!!!!!万死に値する!!!!!!」
「っ!」
「さあ、赦しを乞え!」





本当になんという男を交渉役に出したのかと思いつつ影から飛び出て私の影武者の首根っこをつかんで小太郎の方に投げる。
籠手もないから下手すれば腕が落ちるなと思いながら刀を払うが、こいつの二の太刀は尋常になく早い。





「治部!!!!!!!!!やめんか!!!!!!!!」
「っ?!」
「っ」





腹の皮一枚で済んだのは小太郎のお陰だ。襟首をつかんで引っ張ってくれたからなんとか。ありがとうといえば、小太郎も獲物を出し始めるので私は止める。



「ひ、め?」
「久しいな。治部、刑部」
「息災か?」
「自城より、あの松永殿の城の方が安全というのが虚しいな。傷は腹の皮一枚で済んだ。小太郎。ありがとう」
「のようだ。そこの忍びに助けられたか?」
「ああ。風魔の御仁に拾われた命だ。」
「其処な方。礼を言う。姫は我の義姉で幼いみぎり寄りの縁。ありがとう」
「…」
「小太郎。刀を置いてくれ。大丈夫だ」
「…」
「治部や治部。」
「あ」
「息災か」
「私、は」
「二の太刀を止めなんだ理由は聞かないぞ」
「…」
「三成」
「刑部。許されるのなら、私はあの城に帰りたくない」
「それは、無理よ」
「兄上は処刑されたのだろう?私を毒殺しようとした咎で。」
「…」
「隠さなくてもいい」
「其処な忍びに?」
「いや、」
「愚問であったな。あそこのやり方を誰よりも知っているのが其方だからな」
「ふふふ。あの優しい兄にも憎まれていたのだ。刑部よ。妹のことは頼むよ。天命なれば致し方ないが人によって散らすには尊いだから」
「命に代えても。」
「治部」
「…」
「治部や、治部」
「お許しください、私は」
「ふふふ。治部や治部」
「姫」
「何も言うまい。ただ、父を頼んだよ。」
「姫様!」
「私はもう死んだ。治部の刀でな」
「っ」
「それでいいではないか。」
「私は…姫様の為」
「お前は父上様のために生きてきた。父上様に似ている私が好ましいのであって父上に似ていない私はそうではなかろう」
「違います!!!」
「なれば、何故」
「何故?」
「私を好きだと言ってくれなかったのだ?」
「…それは」
「姫、この男にそれは酷よ」
「幼い時の話だよ。父上と竹中殿を敬愛し、刑部は無二の友といったその日。私のことを父の養女とだけ言ったな。治部よ。」
「…は」
「それが、其方の照れ隠しだろうが何だろうが。私は知らぬ。ただな。」
「姫」
「辛かったぞ。」
「っ」
「やれ、姫。落ち着きゃれ。」
「こんなところで私の話など…すまぬな。ではな治部、刑部」
「まだ話は終わって居らぬ」
「帰られよ。私は私を殺そうとする輪には帰らんと」
「戦になろう」
「なれば真に死ぬるのみ。火種が私なればそれしかあるまい」
「本に可愛げのない」
「今さらだ」
「我は大切に思っていた。我をいとわぬ大切な友人と」
「ありがとう。治部」
「…」
「泣くな。よく見なくとも痩せたな。確り食べて寝なさい」
「嫌でございます!」
「聞き分けのないことを申すな」
「私にとりまして貴方は」
「治部」
「…」
「無理をすな。」
「無理、など」
「もしこの城を攻めるなら私も松永の者として戦うとお伝えせよ」
「…」
「毒の仇より命の恩人を助けねばなるまいからな」







からんころん






「姫様」
「…小太郎」
「?」
「こんなに若く可愛らしい子を治部の前に出したのか?可哀想に。怪我はなかったか?」
「え、あの」
「…」
「小太郎、私は怒っているのだよ。治部の前に私の偽物を出すのならそう言ってくれ。あれは豊臣の一部の者以外は狂皇。頼むから他の者を傷つけたりするのは私の本意ではなくなる」
「…」
「分かっているがな。私は客人ではなく人質であることくらい」
「…」
「そういう意味じゃないと言ってもだ。そうにしか取れないだろう?」
「…」
「ふふふ。不貞腐れるな。事実は事実。だからこそ。私は其方と其方の仲間たちを大切にしたい。」
「…」
「あ、逃げた」
「姫様は頭の言うことがわかるのですか?」
「え?」
「す、すいません。お耳汚しを。」
「いや、可愛らしい声ではないか。小太郎の言うことはなんとなくな。」
「そう、ですか。」
「私が言うことではないがな。小太郎を頼むよ。あれは自分を軽んじすぎる」
「我々は草の者ですから」
「なんの者かしらんが、私にとって大切たちなのだ」
「っ」

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15

何の夢か全く覚えていないのだけれども魘されていたらしい。冷や汗で気持ちの悪い体に苛立ちながら目を覚ますと小太郎がいて思わず頬が綻んでしまう。気がつけば手を握っていてくれていたらしく、握り返すと姫と口で紡がれる。



「魘されていたみたいだな」
(怖い夢見た?)
「ふふふ。子供のようだな。」
(泣いてる)
「凄く怖い夢だった。覚えてないけど」
(そう)
「うん」
(汗酷いね)
「致し方ない。今、御家中の方を起こすわけには…小太郎?」
(待ってて)
「どこかへ行くのか?」
(着替えと拭うもの持ってくるだけ)
「そうか」
(そんな顔、しないで)
「…」
(泣かないで。すぐ帰るから。風邪を引いて治ったのが…)
「すまない。わがままを言ったな」



そう言って手を離そうとするとため息をついて自分の陰に何かを言っている。手はそのままで。じっと見ているとどこにもいかないよと紡いでくれるから、私はゆっくりと手を握って小太郎の顔を見る。



「小太郎。」
(そんな顔しないで)
「ありがとう」
「…」
「?」
(好きって言ったよね。)
「うん。私も好きよ」
「…」
「小太郎?」
(俺はあんたに俺の子供を産んでほしいと思う程度だけど)
「…」
(やっぱり)
「そのだな、」
「…」
「私は今まで女として見られたことがなくてだな」
(どうして?)
「いや、父上に似て力が強くてだ。ゴリラとか言われてたしな」
「…」
「好きな男には父上と似ているからな。私を一番にっ!小太郎?!」
「…」
「抱きつくな。汗臭いだろ!!?」



そう言って暴れていると小太郎はすんすんと首元を嗅いでくるから声にならぬ悲鳴をあげる。


「いい匂いだ」
「こたっ耳元て話さないでくれ」
「如何して?」
「くすぐっ」
「くくくっ。ゴリラっていうからどれくらいかと思えば。可愛いなぁ」
「…小太郎も力が強いのか?」
「姫よりかは?」
「…そうか」
「だから、俺の前ではとあんたはただの可愛い女だ。」
「は?」
「俺の中で唯一無二の可愛い女だ」
「…」
「真っ赤だな」
「初めて、言われた」
「そうか」
「小太郎?」
「あんたにも惚れた男がいたんだな」
「もう、会えないし。会ったら斬滅だな」






からんころん





「卿は小太郎と番うのかね?」
「…なんだ急に」
「いや、ね。」
「?」
「仕事の内…冗談だ。小太郎」
「仕事の内なのか?」
「…」
「冗談を間に受けないでほしいな。私の命がいくつあっても足りなくなるからね。」
「…」
「小太郎?」
(好き)
「うん」
(信じてない?)
「…うん」
(そういう担当は別にいるし。俺は誰とも番わなくてもいいんだ。でも、お前となら番たいし。無理なら一生要らない)
「小太郎、早くてよくわからない」
「ははは。あの伝説がねぇっと危ない危ない。
「小太郎?」
(いくよ)
「ふふふ。逃げられぬようにね。」

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14

しんとしていた。何時もなら秀吉様の御為、一心に働いているのにと思っても致し方ないことかもしれない。命を背いたのだから。刑部の娶る妹御は確か年子でその次は儚くなったと仰っていた。兄が2人で弟が4人。同腹ではないが兄が優しく平等にしてくれたのだとお笑いになっていた。
私は、彼の方に懸想していた。
恐れ多いことだが、幼い折、ここにやってきては笑う姫様を誰よりも何よりも愛おしく思っていた。



あの方はどの様なお気持ちだったのだろうか?見る見る間に衰弱していく中あの方は何を思い考えお過ごしだったのだろうか?
何故、私に首を落とせなどおっしゃったのか。
何から解放されろとおっしゃったのか。


何故、こんなに素晴らしい世界が生きにくいのか。



わからない。理解できない。

何故あの方が、そうおっしゃたのかも
何故私が、其れを致さないのかも。


他の女子ならすぐに首を落としただろう。
でも、あの方は無理だ。無理、なのだ。



あの憂いを帯びた微笑も
幼き頃の朗らかな笑みも
全て愛しく恋しく大切だったのだ。



最後に拝したお顔には生気が戻っておられなかった。
大阪随一という医者の見立てではもって半年との事だったらしい。
劣悪な環境を強いられていたらと考えるといてもたっても居られなくなる。



「三成様ぁっと」
「入るな左近。殺してしまうぞ」
「知ってますって。だけど」
「なんだ?」
「手の治療だけでも。きたるべき日に撃って出れなくなりますって」
「黙れっ!」
「いや、駄目ですって。爪が食い込ん仕舞ってますよ。」
「…」
「姫様なら大丈夫ですよ。」
「当たり前だ」



ただ彼の方の体は私が思っている以上にボロボロなのだ。





からんころん







「何故?」
「三成君の謹慎かな?」
「其れは上策とは言えずと他に手がないゆえ。致し方ない、が。4の姫との」
「嘘だよ。彼があの子を好きなのは誰が見てもわかることだし。それに元々あの子と婚姻を結ばせて、子ができたらとは思っていたよ。そのつもりだったし、其れ以外は考えていなかった。でも。君は気がついていた?」
「何を?」
「あの子を見ていた医者。北条の御典医だった」
「は?」
「内密に処分したが…毒薬は小姓はフェイクだったみたいだね。試しに僕の懇意の医者に聞いてみたら殺傷能力の強い毒薬で間違いなかった。」
「手引きは?」
「其れはまだ。只、あの後侍女の一人が弑害していたから。」
「…」
「松永からの手紙には毒で病を治すは秀吉と私だけだろうと嫌味を言われたよ。今、あの子も元気になってきてそろそろ床払いが出来るとね。」
「其れが本当なら一安心だが、如何するおつもりか?」
「…思案中だね。」
「あいわかった」

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13

「小太郎!!!」
「?」
「わ、私はな。高いところが苦手だ!」
「…」
「絶対離さないでおくれ」
(姫さん)
「…」
(だめだ。目を閉じてる。姫さん)
「つ、突くな。…小太郎」
「?」
「星が美しい」
「…」
「砂子のようだ。」
(気に入った?)
「小太郎」
「?」
「ありがとう」
(どういたしまして)
「月も綺麗だ。」
(今日は中秋の名月だから)
「そうか。もうそんな時期になっていたんだな」
(珍しく興奮してる?)
「…済まない。重くないか…小太郎!!!態々片腕にしないで!!!」
(絶対落とさないから)
「そういう問題じゃない。済まないがしがみつかせてもらうぞ」
(どうぞ)
「にしても小太郎は凄いな。こんな高いところまで登れるのだから」
(そう?)
「ああ。風も空も太陽も月も。其方が見せてくれるものは全部美しい」
(元気出た?)
「ああ。小太郎の薬のおかげだな。分かっていたが私は豊臣に要らない人間らしいな」
(そうかな?)
「幼い時からあの場所を与えられていたしだな、当たり前だったが。父上の名前は私には大きすぎた」
(そう)
「私は父上や竹中殿の様にはなれない。皆に好かれたいから頑張っていたがな」
(姫?)
「やっぱり私は期待はずれのはぐれ者だな」
「…」
「本当にありがとう。死ぬ間際までこんなに良くしてくれて」
「!」
「これでいつでも心おきなく死ねる」




そう言うと小太郎がぎゅっと抱きしめてくるので驚く。どうしたと聞いても何も言わないので私は困って背中を撫でてやる。と顔を上げてニヤリと笑われるので首をかしげる。


「意味、解ってる?」
「小太郎?声が」
「俺の声を知ってるのは生きているのは姫さんくらいだな」
「もう一度」
「姫さん?」
「いい声だ」
「…そう言うところが危なっかしい」
「そうか?」
「…少し太った?」
「ああ。まだまだだがな。皆にお礼を。影にいるのかな?」
「居ないよ。俺の部下はそこまで命知らずじゃない」
「?」
「男の中に生きてきた分変に知識がないんだな」
「な、んの話だ?」



好きだと言われて一層抱きしめられる。
敵国の女を好きになるとは思わなかったと一言つけて。






からんころん






「やれ、三成」
「止めるな、刑部」
「相手はあの、松永と伝説の忍びぞ」
「私はどうなってでもいい。唯姫様にもしものことがあれば」
「…三成君いる、案の定か」
「半兵衛様!!私に出撃の許可を!」
「駄目だよ。相手が相手だし。彼女自体が出てくる気がないからね。」
「しか、し」
「あと、秀吉からの命令だよ。君、結婚しなさい」
「は?」
「やれ、軍師殿。其れはあまりにも」
「姫が出てこない以上、嫡子を考え直さなければいけない。秀吉の姉君の4の姫。彼女の妹で吉継君の御細君の妹でもある。」
「私、は」
「いいね」
「お許しください。私は」
「…なら、部屋に詰めていなさい。」
「は?」
「やれ、竹中殿」
「言うことを聞けない罰だ。良いね」
「っ」
「三成君」
「は」

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