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変換なしの雑食夢

ran

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「姫」
「三成…?」
「どうした?寝れぬか?」
「…少し怖い夢を見た」
「どのような夢だ」
「其方に出て行けと罵られた折崖から落ちた時の夢だ」
「…」
「そんな顔をするな。お互い若かった故の話だ。責めているわけではない」
「本当に嫌になる」
「ん?」
「若い折の私を斬滅したい」
「何故?」
「あなたが手に入らないと思っていたから。酷いことを沢山した」
「ん?」
「あの時、1ヶ月お会いできなかった間に色々策を刑部が考えてくれていたが…もともと私は寺小姓だ。身分が違いすぎだと皆に言われた。武功を挙げても貴方に釣り合うところまではいけなかったからな。」
「そうか」
「貴方は普通の女子ではない。私が貰っていただいたようなものだ。貴方の、」
「三成」
「お心が離れたら。どう生きていけば良い?」
「泣くな。なぁ。泣かないでくれ」
「女々しく泣くのをお許しください。日々、晴れぬ貴方のお顔を見るたび昔の様に居なくなるのではないかと気が気で無くなる」
「私も」
「姫?」
「貴方の心が離れるのが恐ろしい」
「馬鹿はことを」
「父上や竹中殿。今から現れるかもしれぬ陰に怯えていた」
「私人として、男として貴方にしか惹かれませぬ。」
「三成」
「はい」
「寂しい」
「私もだ」
「貴方の心は私の側にあるわね」
「ああ。」
「良かった」
「ん」
「三成?」
「髪が伸びたな」
「ええ。」
「少し離れる。」
「?」
「これをだ」
「櫛?」
「差し上げたかった」
「みつ、なり?」
「私の唯一の人となってほしい。妻や上司などの肩書きはなんで良い。常に傍に」
「!」
「結婚してほしいなどとはいっ?!急に動くな。体に障る!!!」
「嬉しい」
「…私を裏切るのは許さないぞ」
「うん!」






からんころん






「にしても」
「?」
「これ以前にくれようとした櫛?」
「覚えていたのか?」
「ええ。鴛鴦の図案で美しかったから」
「あの時」
「?」
「貴方に此れを渡して。」
「???」
「結婚をして貰おうしていた」
「は?」
「なのに無下に断られる上、髪は私のせいだが…短く」
「…」
「如何した?」
「三成は私に子が出来たから、いや。怖いぞ!」
「貴方が幼い砌からだと言っただろう!!!」
「いや、言ったが…いまいち信用が」
「?!」
「主は本当に私が好きなのだな」
「…」
(あっ拗ねた)
「貴方が他の男に目を向けている間。私がどんな気持ちで!!!」
「三成」
「…」
「寂しい。寒い」
「姫、お顔が笑われておられます」
「嬉しくてな。抱きしめて寝て」
「…いや、それは」
「?」
「今の状態で貴方を抱くわけには」
「!!!他の場所に行こうか?
「は?」
「誰か呼ぶのな…怖いぞ!!!」
「貴方以外でもう勃つものか!」
「…そういうものか?」
「私がどれほど」
「なら口でしてやろうか?」
「頼むから黙ってくれ!」

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「…」
「何方へ」
「治部や。仕事は如何した」
「終えました。」
「そなた事務処理能力が時々怖くなるな。今から散歩に出ようと思ってな」
「そのような時はお声をかけてくださいとあれほど」
「歩かせぬではないか」
「危のうございます」
「お産が重くなる。」
「ですが」
「あと小太郎定期連絡があってな」
「…」
「その顔をするから言いたくなかったのだ」
「私も行きます」





そう言って歩く。やはり歩きにくいなぁと思っていたら背中に向けられた殺気がたじろぐ。仕方がなかろう。そなたの子が居るのだと言えば何とも言えない顔になる。そう言えば刑部は神輿に乗せようとしてあれに説教をくろうたらしいなと笑うとその手があったかと言わんばかりの顔をするので丁重に断っておく。


「なぁ治部っおっと!」
「お足元にお気をつけください」
「ありがとう」
「いえ」
「この様な感じになるとは思わなんだな」
「は?」
「そなたと私だ」
「…」
「若い時分の其方は誠、ひどい男であったからなぁ。叫ぶは泣かすは殴るは打つは。本にろくでなしだった」
「返す言葉もありません」
「その上、未だに父上の方に天秤が傾く。」
「その様な」
「良い。もう世辞は聞きたくないからな。それに私も他意を混ぜずに言っている。…其方はそれだから其方なのだ。故に私の下について働くなど考えられんだろうしなぁ」
「…」
「私は其方の妻にもなれん。父上の代わりにもなれん。すまんな。不甲斐ない私を許してくれ」
「姫様」
「さて、着いた。小太郎」





何か言いたげな治部を振り切り、私は庭に出ると黒羽とともに小太郎が現れる。治部も小太郎に関しては信用しているらしいが…ギラギラとした殺気は頂けない。部屋に帰るか殺気をしまうかと尋ねると渋々ながら殺気を仕舞われた。





「皆様息災か?…なら良かった」
「…」
「すまん。手間をかけさせた。で、戦にはならなくて済みそうか?」
「…」
「助かった。ありがとう。北条殿は?」
「…」
「まだ何方かわからんのだ。気がはやいなぁ。じじ様の様だな」
「…」
「大ジジ様と呼ばずと言っておいてくれ。本当に良くしてくださる。感謝してもしたりないとお伝えしてくれ。小太郎も」
「?」
「ありがとう。」
「…」
「でだ。腕を出せ」
「?!」
「怪我をしているだろう?本に無理をさせた。治部」
「は」
「包帯と薬を持ってきてくれ。」
「…姫様を頼むぞ」



そう言って走っていくから笑ってしまう。小太郎もくくくと笑っているので過保護の磨きがかかってなと付け加える。




「仲が良さそうだ」
「そうか?そうだな。」
「?」
「嵐の前の静けさの様な気がしてならん。」
「自虐的すぎだな」
「それだけ振り回されたということだ。治部は」
「姫」
「私ではダメな男でな。いつもそれで泣かされた。故にな。あまり求めぬことにしたのだよ」
「幸せか」
「ああ。私には十分だ」
「なら、良いが」








そんなやり取りをして薄く笑うと頭を撫でられる。自衛のようなものだから口に出すほど酷くないと言えば頷かれた。自衛なのだ。
女しての幸せに余りにも遠かった故の戸惑いなら良いのだがなと言って私は走ってくる治部を静かに見つめたのだった。




からんころん




「最近だが、姫が少し暗くないか?」
「…ぬしもそう思うか?」
「風魔殿も心配されていた。産婆は?」
「初産故に心配事が尽きぬのであろう。」
「なら良いが。まるで」
「?」
「世を見限っているように見える時がある」
「今までが今までだったから、急な幸せが虚無に見えるのであろう。」
「大丈夫か?」
「ヒヒヒ。拗らせねば良いがな」

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「左近」
「ひ、姫様?!」
「…騒がしいなぁ。軍議のはず。まぁいい。」
「お待ちくださいって!!」
「やれ、治部や治部」



騒然としている中を見て大声で件のものを呼ぶ。真田殿は伊達殿と治部は徳川殿と。毛利殿と長曾我部殿と。本に仲の良いことだと苦笑して上座に着く。本来くる予定がなかったものだから皆驚いているものの何も言わない。それはそうだろう。軍議の時間はとうに終えていて喧嘩に移行していたのだから。苦情がきたぞと言えばあの毛利殿ですらばつが悪そうだ。



「喧嘩などせずに仲良くなさい」
「ぐ、」
「ははは。そうはしたいんだけどな!」
「某…お館様ぁぁぁ!!!」
「はい旦那。五月蝿い」
「そこの団子をほりこんでおけ。治部。歯が擦りちびる。独眼竜。真田殿にちょっかいを出すな。片倉殿」
「申し訳ございません、政宗様!」
「Hey!てめっ!どっちの味方だ」
「姫様の侍女頭殿にきつく言われておりまして。」
「さよ」
「ふふふ。またゆるりと畑の話をいたしましょう」
「…喜多に似てる、な」
「逆らってはならない相手がおりますれば。何卒ご容赦を」



場を沈めてにこりと笑う。まぁ夕餉に誰もこないと賄い方に泣きつかれたのが半分だがなと言って笑う。




「にしても。顔色がお悪い」
「んとだな。魚食ってるか?」
「痴れ者。何でもかんでも魚に結びつけるな」
「…姫様」
「ん?」
「半兵衛様にも休むように言われておられたはず」
「いや、なぁ。」
「お送りいたします」
「竹中殿の元にも父上の元にも行ってきたところだ」
「?」
「姫様、そろそろ参りませんと。医師が」
「ん」
「医師?!」
「心配するな」
「し、しかし」
「病気ではない。稚児が出来ただけだ」
「は?」
「やれ、姫」
「刑部」
「奥の産婆呼んだ。はよきりゃれ」
「今行く」






背後からの絶叫を聞いて刑部とさよが笑うのだが。それが豊臣三重奏なのだから居た堪れないなと言えば憐憫な眼差しを向けられるのだった






からんころん





「5ヶ月?!気は確かかい?君、暴れまわっていただろう」
「貴方の命でですが」
「ひひひひひひ秀吉!」
「産まれるまで戦さ場には出ずとも良い」
「一番危うい松永殿には個人的に文を。小太郎に言ったら何かしでかしたら抹殺すると言ってくださった。いやはや。ありがたい。北条に便宜を図りますよ。」
「…これ以上かい?」
「何、個人的にです」
「ならいいけど」
「治部と徳川殿とには負担をかけるが…すまないな。信における者の双璧は2人だからな。」
「それはいいが。本当に大丈夫か?」
「眠い」
「…そういうものか?」
「さよいわく。悪阻がないからそれだけで幸せだそうだ。あれは酷かったらしいからな」
「え?」
「あれは3人の母親で私よりずっと年上だ。末恐ろしい」
「僕の姉上だからね」
「貴方は癖があるがさよをつけてくれたことだけは感謝する。」
「何それ。蔑んでる?!」
「あの時謝らなかったのは貴方だけだ」
「う」
「ふふふ。昔から女王様気質だけども無理をしすぎなのよ」
「姉上!」
「でだ。」
「なんです父上」
「父親は?」
「治部ですが。真田殿とは1年以上前ですしね」
「…」
「治部や治部」
「…は!」
「嫌ならいいぞ」
「いえ、あの」
「ん?」
「精進して豊臣の為この身を捧げます」
「あ、ああ」
「絶対お守りします」
「ん」
「ほら、外野は帰りますよ」
「姫様」
「長生きしろよ。私は未亡人になったらすぐ他を娶るからな」
「は」
「ふふふ。顔が赤い」
「嬉しい」
「そうか」
「はい」

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「Hey!kitty。狩りにでもいかねぇか」
「すまんなぁ。狩りは好かんのだよ。」
「ah?」
「無益な殺生は好まん。戦で十分だ」
「…なぁ。あんた」
「ん?」
「本当に豊臣か?」
「実父が父上の弟だ」
「へぇ」
「昔から打ち取ったやら何やら。数字が嫌いなだけだ。数は罪悪感を減らす。5人の武将を討ち取ったらばその後ろの家族、家臣を討ち取ったと同じだ。それがどういう意味か。考えただけで己が罪を考える。」
「難しい生き方をしてんな」
「性分だ」
「じゃあよく知っているものとの闘いは嫌いだろう?」
「さてな。ただ。」
「?」
「私には私の夢がある。それを邪魔するものは排除する」
「それが太閤のおっさんでもか?」
「いや、それはない。」
「ha!」




何故か長期滞在をしている武将が立ち代り入ってくるものだから休む間もない。そうでなくとも、最近異常に眠たいのに…と思っていたら侍童がやって来る。



「治部か」
「此処にいたのか伊達政宗。秀吉様と半兵衛様がお呼び…姫様。」
「治部や、暇か」
「は?」
「眠、い」
「如何なされました?」
「気分が悪程眠いのだ。如何したものか。治部や治部」
「私の膝をお貸しいたしましょう。」
「時間は?」
「…」
「何だよ睨むなって」
「この者の謁見に臨席せねば…」
「小太郎」
「…」
「何で伝説がいんだよ!?」
「私の部屋で北条殿と碁でうっていてくれないか?些か調子が悪くて」
「伝説は北条の犬だ。何でテメェの命令を」
「…」
「ありがとう。小太郎」
「what?!如何いうことだ?」
「姫様の人徳だ」
「人徳か否かは知らんが…小太郎は私の大切な友だ。伝説なのかもしれんが、私にとっては真のおける友なのだから命令などしない。ただのお願いだ」
「姫様を頼んだぞ」
「寝首かかれっ?!」
「小太郎。」
「…」
「伊達殿も我が友の讒言は許しませぬよ」
「…」
「この者の申す通りです。お休みください」
「ありがとう2人とも」
「すげぇ姫様だな」






からんころん









「姫は?」
「お休み中です、半兵衛様」
「だれがついているの?」
「風魔が」
「ああ。彼なら彼女に関しては君並みに信頼できるから大丈夫だね。ただ」
「???」
「疲れならいいけど」

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