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変換なしの雑食夢

ran

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ラッキー助平な三成

ある昼下がり。茹だるような暑さで皆、緩慢に動いていた日のことだった。何故そこに行ったのか。今となってはよくわからない。ただ、秀吉様の命を遂行する為にそこを通れば早いとかその程度の話だったと思う。

何より、緩慢納屋からの動きの意味が私にはわからなかった。
早く終わらせようと足を進めていたら、ざぶりと変な音がした。水?この様な場所に井戸があったか?そう思いながら垣根を除く




「あら、誰?桶置いておきましょうか?」
「?!」
「今日は暑いもの…」
「その、だ」
「い、しださ…」
「失礼した!」






大きな盥の中で水浴びしていたのは侍女の江だった。





「で、上半身裸で水浴びをする江に欲情…いや何。致し方あるまいよ。ぬしも男故」



急いで。其れこそ逃げるようにして部屋に入ると刑部がいた。事の顛末を話すとそれは嬉しそうに笑うので忌々しく思う。





「彼処は侍女たちの身支度を済ます場所よ。主のように不躾に近づいて良い場所ではない」
「知らなかったのは私だけか?」
「時折、阿呆が近づく程度よ。まぁ末路は哀れ。彼処の管理は賢人故。はてさて。賢人のこと。主が阿呆と同じとは思うまいが…」
「謝罪してくる。」
「江にもよの。まず最初は」
「…」
「まぁ、主の気持ちを知るものとして。ようその状態で手を出さなかったと言いたいが」
「ぐ」
「主はわかりやすい故」
「嫌われてしまったか」
「はてさて。それはわからぬよ」
「直視出来ん」
「思い出すか?ひひひっ。若い若い」
「はぁ」
「謝りに行くか?」
「半兵衛様にまずお会いしてくる。可能であれば謝罪する。…私の様な粗忽者。本来顔を合わせたく無いだろう」
「ひひひ。主らしい」











ラッキー助平な三成







「すまなかった」
「(ひぃ!)頭をあげてくださいませ!」
「然しだ」
「他の方ならつゆ知らず。石田様が下心を持ってその様なことはするはずありませんし。竹中様からもそう聞いております。」
「それは…そうだが」
「何より、私の様なものの体など見ても…石田様のお相手は大阪随一の太夫衆でございますし。貧相な私など見ても…」
「江君。論点がずれてるよ」
「?!すいません!…石田様?」
「半兵衛様、発言する許可を」
「うんいいよ」
「江」
「はい?」
「私は与えられれば仕事として女を抱くが、私的に抱いたことは無い」
「はぁ」
「それに、化粧臭い女を好きな輩もいようが私は好かん」
「そうでございますか」
「やれ、勘の悪い」
「江君はそれだから良いんだよ」
「?」
「はっきり言ってあげたまえ。彼女は何も理解していないよ」
「はっ!」
「???」
「江」
「はい」
「私はお前の体を見て欲情する」
「は…?」
「そう、きたか」
「三成も朴訥故」
「好を結んで欲しい」
「…」
「?」
「あ、の」
「何だ?」
「大阪一の太夫衆ではありませんよ」
「知っている。それにあれは好かん」
「良いところの姫でもありません」
「それがどうした?」
「…ご満足していただけるか否かわかりません」
「?」
「それでも宜しければ」
「!」





「ねぇ大谷君」
「何よ、賢人」
「あれ、勘違いしてない?」
「しておるなぁ」
「はぁ。修正面倒くさい」
「まぁ、お互い様よの」

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気に入らない三成

「三成」
「?」
「また?次は誰相手に暴れたの」
「うるさい黙れ」
「あら、酷い」
「触るな」
「嫌よ」
「…」
「半兵衛様が心配されてるわ。貴方は殿下の左腕なのだから」
「貴様に何の関係がある?!触るな!」
「痛っ」
「!」
「口の中切ったわ…もう。すぐそういうことするから!」
「っち」
「関係なんて直接ないわ。私は半兵衛様の憂いを見過ごせないだけよ」
「半兵衛様と貴様ごときが気安く呼ぶな!」
「許可は頂いておりますわ、石田殿」
「な?!気味の悪い呼び方をするな!」
「うるさい御仁ね!相変わらずだわ…少しは大人しくできないのかしら?」
「煩い!」
「少しは大人しくなって。人は無限にあるものではありませんから」
「?」
「傷つけられて笑えるものなんていないのよ」
「黙れ…どこに行く?」
「仕事に戻るだけですけど」
「先に医務室へ行け!」
「はぁ?」
「…切れたのだろう?」
「そのうち止まるわよ。だいたい今貴方のせいで満室よ」
「っち!」
「本当に…あ、そうだ」
「何だ?」
「あげる」
「な?」
「胴服」
「胴服?」
「何よ。」
「…」
「不服そう。だって」
「?」
「夏なのに寒そうだもの」
「は?」
「いつも見てて寒そうなのよ。夜仕事しているときなんて特に」
「…」
「何?」
「ふん!」
「???」
「着れるのだろうな?」
「失礼な。着れるわよ」
「如何だか」
「なら返して」
「…仕方ないから貰ってやる」
「可愛くないわね。半兵衛様なら喜んでくださるのに」
「…」
「三成?」
「貴様は!いつも半兵衛様ばかり!」
「当たり前でしょ?貴方が殿下の筆頭従侍なら私は半兵衛様のそれだもの」
「ぐっ…」
「要らないなら返してくれていいから。要らないことしてごめん」
「な?!…っち!」
「三成?…もう!」






気に入らない三成







「…」
「やれ蛞蝓の様よ」
「刑部」
「先程月にあったが青痣を拵えておったよ。主もそろそろ大人にならしゃれ」
「ふん!」
「そう言うのが良くない。あれの好みとは正反対よな」
「?!」
「言わずもがな、賢人は知的で大人故」
「…どうせ私が子供なのだ」
「ひひひ」
「何だ?」
「あれを見よ」
「?!」
「良い顔よの」
「…刑部。」
「主とて贈り物の一つでもしてみりゃれ。」
「無理をいうな」



「三成。吉継」
「?!」
「ひひひ。やれ兎。何かもろうたか?」
「その兎はやめて」
「はてさて。主は兎よな。皮剥ぎで号泣する可愛い兎よ」
「もう!小さい時の話を…お裾分け」
「?」
「半兵衛様から頂いたの。三成?」
「…何だ?!」
「…うんん」



(もうちと柔和にいけぬかのぅ)

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前世の話 2

「…」
「お持ち致します」
「いや、いい」
「(遣り難い)」
「…」
「(相も変わらず、愛されてんなぁ)」
「(そろそろやつ当たられそうだがな)」
「三次!青沼!!!皿」
「「へい」」
「…」
「石田様」
「え、」
「出来ました。お部屋に運びます」
「あ、ああ。すまない」
「?」
「自分で持っていく」
「いえ。そこまでが我々の仕事でございます」
「だ、が」
「???」
「いや、そうか。…では頼む」
「はい。…おかよ!膳を運びなさい」
「はーい…」
「…」
「では、運びます…石田様」
「…ああ」
「(機嫌悪い?)」








何か嫌いなものがあったのかね?と勘違い甚だしい台詞を言うので、我々は苦笑する。悲しいかな前世というものの記憶があるのはこちら側は俺と青沼。この人にはない。まぁ石田様とお偉いさん方の共通はあの時の悲劇を繰り返したくないという一心だろう。それを知らずに目の前のこの人は呑気に何が好きなのかねと言いながら頭を捻っている。
あんただと言いたい。あの人はあんた恋しさでここに来てんだと言いたい。おかよ…御愁傷様だと手をあわせる青沼は如何思ってんだろうか?曰く、趣味が悪いとのこと。美人なのだが如何せんあの性格なのだ。包丁が飛ぶのは日常的なの話だ。





「まぁ昔から不思議だったからな」
「…頑固の上に強情で可愛げないのに」
「言うな」
「はぁ」
「やれ」
「大谷様」
「ひひひ。久しいの。あれは?」
「いました準備中です」
「左様か…して」
「記憶はありません」
「ひひひ。それは難儀か上々か」
「石田様は?」
「ん?」
「まだ萩さんに未練あるんですかい?」
「さて、なぁ。」










来世の話








「やれ」
「大谷様」
「ひひひ」
「?」
「主の食事は美味しいのう」
「ありがとうございます」
「にしても」
「?」
「いや何。独り言よの。」
「はぁ」
「寂しゅうはないか?」
「!」
「三成が気にしておった」
「え?!あの…」
「?」
「私は料理しかできません。あまり機微のわかる方でもなくて…石田様は私が嫌いなのではありませんか?」
「ひ、ひひひ」
「?」
「主を押したのは三成よ。安心致せ。」
「ならいいのですが」
「ん?」
「なぜか監視されているみたいで。こう…信用いただけないのかと」
「…はてさて。我から言っておこう」




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来世の話

「…」
「…」
「…」
「もういらん」
「まだ一口よな?」
「…いらん」
「はてさて主は今生も霞を食ろうて生きる気か?」
「…ふん!」
「軍人故しかりと喰らえ。そう痩せてっは示しがつくまい」
「いらん!」
「困ったのぅ。」
「笑いながら言うな…行くぞ」
「まだ我は食しておる…ん?」
「どうした」
「ひひひ、流石は賢人よ。これを食しみりゃれ」
「?」
「良いから」
「…」
「如何よ?」
「…居た」








何故か眼前には太閤殿下とその忠臣と呼ばれる方がいて下げた頭を上げることが憚られる。何か粗相があったのかもしれない。初めて八寸を作ったそのすぐのお召しなのだから。きっと味が合わなかったのだろう。首か…いや、本当に首が飛ぶかもしれないと戦々恐々する。




「面をあげよ」
「は、はい」
「ふふふ。そんなに怯えなくても大丈夫だよ。今日君が作った八寸がとても美味しくてね。」
「え?」
「君が作ったって聞いているよ?」
「はい。…その、ありがとうございます」
「特に三成君が気に入ってね。」
「!」
「此れからは離宮の方で作って欲しいんだ。」
「え?!あ、の」
「朝夕頼むよ。昼はこちらで食べるから良いし、夕方も晩餐が有れば要らないから今より楽だよ。但し美味しいものを頼むよ。至極プライベートなものだからね」
「は、はい」
「秀吉。其れで良いかな?」
「うむ」
「ひひひ。まずは健診よ」
「え?!」
「大昔になぁ、己をかえりみぬ料理人がおってなぁ。あの後大変であった故…定期健診をするのよ。しかりと見てもらえ」
「はい」
「ああ。紹介するよ。僕は竹中半兵衛。秀吉の紹介はいらないね。こっちは」
「大谷吉継よ。こちは石田三成」
「誠心誠意お仕えさせて頂きます。萩で御座います」
「萩…ね。」
「?」
「ふふふ。よろしく頼むよ」





帝都にやって来て半年の大出世と言われたものの意味がわからない。何故離宮に?あれは特別な仕事のはずだ。そう無試験でなれるものではない。
それが顔に出ていたらしい。三次が笑いながら石田様が八寸飲み食べていたからだろうと教えてくれた。





「食べてたのかい?」
「ああ。姐さん呼ばれた後大騒ぎだったぜ!」
「いつも霞食ってんのか?って位残してたのにな」
「あー…それでか」
「太閤殿下も宰相閣下も気にしていらっしゃったみたいだし。」
「単なる気まぐれじゃないのかい?…あぁ。胃が痛い」
「え?!」
「健診に行かないといけないらしくてね。私は苦手なんだよ。」
「あ、そういう意味ね。…行っておいでよ。姐さん自力で治しすぎ」
「みんなそんなものよ」
「荷物は用意しておく」
「有難う。はぁ。」









「記憶はあるのかい?」
「ないそうよ。にしても相変わらず良い味よな」
「彼女らしい味だ。久々過ぎて腹が立つけどね」
「三成」
「は」
「あの時の褒美はまだ生きている。…好きに使え」
「?!」







来世の話







「…」
「如何したのかな?」
「いえ」
「気に入らない?」
「最新機器ばかりで驚いております。」
「広くはないけどね。
「あの」
「ん?」
「本当に私でよろしいのですか?」
「ふふ」
「?」
「いや、なんでもないよ。そうだね。君が良いんだよ。」
「…」
「腑に落ちない?」
「料理番は、男が主流ですので。」
「まぁ、ね。でも今の彼は雑というか繊細さに欠けるんだよね」
「…」
「否定しない?」
「出来ません」
「三成君が食べるのは君の料理だけだしね。あ、僕の好みはね」
「辛いものはお嫌いですね。」
「?!」
「あと、甘味はお好きで御座いますね」
「流石だね」
「?」
「秀吉のもわかってそうだ。」
「それは!…申し訳ございません」
「いや、良いんだよ。大谷君や三成君は?わかるかな?」
「大谷様までは。」
「そう。じゃあ聞いてみてあげて」
「?!」
「?」
「そんな!恐れ多い!」
「そう?」
「今この状態でも憚れることでございますので」
「真面目だね」
「…」
「早速だけど。今日は三成君しか夕食いらないから」
「はい」
「明日から頼んだよ」

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すれ違った二人

「萩殿は」
「い、石田様!」
「お味方勝利おめでとうございます!」
「そんなことはどうでもいい!萩殿は何処だと聞いている!」
「え、萩さんは」
「や、休みっす!」
「休みだ?」
「はい!急にです」
「…貴様ら」
「「ひっ?!」」
「私が偽りを嫌うのを知っての」
「やれ、騒がしい」
「お、大谷様?!」
「如何した、三成」
「萩殿を探している」
「ああ。戦前に会ったきり故…一年振りよの。昨日の晩餐は違うておったなぁ。あれは何処に行きよった?」
「に、西に」
「西?!」
「はて。西に何用よ。まさか、誰ぞに嫁いだわけでもあるまいに」
「いつ帰る?」
「え、と。その。秋には」
「何?!」
「はて面妖な。今は夏ぞ?そんなにも長く仕事を空ける女子でもあるまいに」
「迎えに行ってくる」
「え?!」
「何処だ」
「あ、の」
「?」





そう言うと萩殿の部下である男たちはボロボロと涙を流しながす。ぎょっとしたのは私だけでは無いはずだ。横をちらりと見れば、刑部も驚いた顔をする。






「やれ、ぬしら」
「申し訳御座いません!萩さんにそう言えと言われていたから」
「?」
「言ってましたけど…やっぱり無理だ」
「何の話だ」
「萩さんは…」
「?」
「皆様の行軍を見送った3月後…亡くなりました」
「…は?」
「見送った次の日に倒れて…誰も知らなかったのですけど…ずいぶん前から体が悪くって」
「嘘を、つくな!!!」
「やれ、三成!」
「何故、萩殿が死ななければならない!何の冗談か知らんが!今何処にいる!」
「だから!」
「石田様」
「三次兄!」
「何だ?!貴様!!」
「萩さんの右腕です!」
「やれ、落ち着きゃれ…三次と言ったなぁ。何用か?」
「萩さんに代わって礼を申し上げます。…すごくあなた様の事を気にしておりましたから」
「だから!」
「貴方様を見送って…血を吐いて倒れました。何とか一命は取り留めたんですけど、ね。貴方が、ここで寝ていたようにあの人は囲炉裏端で寝ていました。みんながいくら言ってもそこがいいと怒って。」
「…」
「ここから見るとみんながよく見えると笑ってました。」
「そうよの。故に三成もよう陣取っていたからなぁ」
「よく口と手が飛んでくる人でしたが、其れからはいつもニコニコ笑ってこっちを見てました。口をつくのは貴方様方がちゃんと食べていらっしゃるか。其ればかりで。」
「大谷様は薄味であまり甘味をきかさない。竹中様は辛いものがお嫌いって。全部の膳の味を変えていたくらいでしたから…石田様は特に気をかけておりました。」
「!」
「少量で栄養が偏らず…温かいものを好まれるけど、猫舌のようだから気をつけてと。よく、此処でお召し上がりになってたから」
「左様か」
「文も…嬉しそうに見ておりました」
「?!」
「ただ、此処にいるもの全て読み書きができませんので。誰かに読んでもらおうと言ったのですが」
「私がもらった文を私以外に読ますのは気に入らないって」
「ひひひ。言いそうよなぁ。」
「後、読めない自分が馬鹿でいけないって。」
「!」






『これを読めりゃ、私の心配事が減るのか増えるのか知らないけど。其れでも読めりゃちょっとは素直に笑えたのかねぇ』





「…何、を」
「あの人、自分の事をいわねぇけど。この部屋であなた様が寝ているのを見てる顔はそりゃ…俺らでもしらねぇくらい優しくって」
「殿下のおかわりをすぐに作らず、あなた様と話したのなんて周りは心の臓が止まるほど驚いたんです!」
「死に顔を見せたくねぇって。ずっと言ってたのはあなた様に惚れてたから」
「黙れ!!!!!」
「っ?!」
「やれ」
「嘘をつくな!誰の思惑だ!萩殿は何処にいる!!!文で伝えたはずだ!武功をあげた。恐れ多くも秀吉様から願いを一つ言えと…言われたのだ!だから、私は貴方と!!」
「三成!」
「貴方と共に…生きたいと…そう。願ったのだ」












すれ違った三成











「どうだい?落ち着いた」
「今、ようや寝たところよ」
「そうか…」
「知っておったのか?」
「ん?…何度も僕の医師をつけなんだけどね。休む間なんてないって」
「左様か」
「三成君は僕を怨むかな」
「怨むのは運命よな。」
「そうか…」
「賢人よ」
「何だい?」
「この先我らは三成の子を見られぬやもなぁ」
「そうだね」
「身分とは残酷よの。秘めるのが普通よな」
「うん」
「聡いというのは…純粋というのは、酷なことよ」
「そうだね」
「願わくば、極楽浄土で笑うておって欲しいものよの」

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