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変換なしの雑食夢

ran

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来世の話

「…」
「…」
「…」
「もういらん」
「まだ一口よな?」
「…いらん」
「はてさて主は今生も霞を食ろうて生きる気か?」
「…ふん!」
「軍人故しかりと喰らえ。そう痩せてっは示しがつくまい」
「いらん!」
「困ったのぅ。」
「笑いながら言うな…行くぞ」
「まだ我は食しておる…ん?」
「どうした」
「ひひひ、流石は賢人よ。これを食しみりゃれ」
「?」
「良いから」
「…」
「如何よ?」
「…居た」








何故か眼前には太閤殿下とその忠臣と呼ばれる方がいて下げた頭を上げることが憚られる。何か粗相があったのかもしれない。初めて八寸を作ったそのすぐのお召しなのだから。きっと味が合わなかったのだろう。首か…いや、本当に首が飛ぶかもしれないと戦々恐々する。




「面をあげよ」
「は、はい」
「ふふふ。そんなに怯えなくても大丈夫だよ。今日君が作った八寸がとても美味しくてね。」
「え?」
「君が作ったって聞いているよ?」
「はい。…その、ありがとうございます」
「特に三成君が気に入ってね。」
「!」
「此れからは離宮の方で作って欲しいんだ。」
「え?!あ、の」
「朝夕頼むよ。昼はこちらで食べるから良いし、夕方も晩餐が有れば要らないから今より楽だよ。但し美味しいものを頼むよ。至極プライベートなものだからね」
「は、はい」
「秀吉。其れで良いかな?」
「うむ」
「ひひひ。まずは健診よ」
「え?!」
「大昔になぁ、己をかえりみぬ料理人がおってなぁ。あの後大変であった故…定期健診をするのよ。しかりと見てもらえ」
「はい」
「ああ。紹介するよ。僕は竹中半兵衛。秀吉の紹介はいらないね。こっちは」
「大谷吉継よ。こちは石田三成」
「誠心誠意お仕えさせて頂きます。萩で御座います」
「萩…ね。」
「?」
「ふふふ。よろしく頼むよ」





帝都にやって来て半年の大出世と言われたものの意味がわからない。何故離宮に?あれは特別な仕事のはずだ。そう無試験でなれるものではない。
それが顔に出ていたらしい。三次が笑いながら石田様が八寸飲み食べていたからだろうと教えてくれた。





「食べてたのかい?」
「ああ。姐さん呼ばれた後大騒ぎだったぜ!」
「いつも霞食ってんのか?って位残してたのにな」
「あー…それでか」
「太閤殿下も宰相閣下も気にしていらっしゃったみたいだし。」
「単なる気まぐれじゃないのかい?…あぁ。胃が痛い」
「え?!」
「健診に行かないといけないらしくてね。私は苦手なんだよ。」
「あ、そういう意味ね。…行っておいでよ。姐さん自力で治しすぎ」
「みんなそんなものよ」
「荷物は用意しておく」
「有難う。はぁ。」









「記憶はあるのかい?」
「ないそうよ。にしても相変わらず良い味よな」
「彼女らしい味だ。久々過ぎて腹が立つけどね」
「三成」
「は」
「あの時の褒美はまだ生きている。…好きに使え」
「?!」







来世の話







「…」
「如何したのかな?」
「いえ」
「気に入らない?」
「最新機器ばかりで驚いております。」
「広くはないけどね。
「あの」
「ん?」
「本当に私でよろしいのですか?」
「ふふ」
「?」
「いや、なんでもないよ。そうだね。君が良いんだよ。」
「…」
「腑に落ちない?」
「料理番は、男が主流ですので。」
「まぁ、ね。でも今の彼は雑というか繊細さに欠けるんだよね」
「…」
「否定しない?」
「出来ません」
「三成君が食べるのは君の料理だけだしね。あ、僕の好みはね」
「辛いものはお嫌いですね。」
「?!」
「あと、甘味はお好きで御座いますね」
「流石だね」
「?」
「秀吉のもわかってそうだ。」
「それは!…申し訳ございません」
「いや、良いんだよ。大谷君や三成君は?わかるかな?」
「大谷様までは。」
「そう。じゃあ聞いてみてあげて」
「?!」
「?」
「そんな!恐れ多い!」
「そう?」
「今この状態でも憚れることでございますので」
「真面目だね」
「…」
「早速だけど。今日は三成君しか夕食いらないから」
「はい」
「明日から頼んだよ」

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