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変換なしの雑食夢

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両片思い

難儀だなと言って三成が私の横に座るのは月に何度かある見慣れた光景だと吉継は言う。体力は多少自信があるのだが如何せん化け物じみた男たちについていくことはできず疲労困憊で座り込む時や外の訓練が祟って日射病や寒さに負けて風邪をひきかけた時。そして今のようにありがたくもないのに判を押したごとく規則正しくやってくる月の物に閉口している時。三成は必ず手に何か持ってきて私の横にやってくる。
いい奴なのだ。私同様、無理をするなと言葉をかけられる吉継にあれでモテない意味がわからないと伝えるとホクホク顔で同意を得られる。但し、あれが常にあれなればなあと断念な事実を付け加えて。
三成はとても良いやつで顔いい。真面目で単純な戦力としても群を抜いている。何より秀吉様の覚えもめでたい。所謂出世頭なのに致命的にモテない。花街に行ったところを見たことないし献上された(たまにある)美女はすぐに下賜してしまう。部下たちは美女が手に入るから士気が高い。左近くん曰く身分の上下に関わらず美女が手に入るからみんな死に物狂いで頑張るのだそうだ。美女だけではない。袖の下的な物品もすぐに下賜してしまう。美女を手に入れたものや許嫁の居るものはそれ目当てに死ぬ気で頑張る。無欲の勝利だよねと言った半兵衛様の言が当たっていて妙だ。だから半兵衛様、ひいては秀吉様は言葉で労いを表したり下賜しやすいものを授けたりする。そうだと言っても先月の紅はやりすぎな気がする。困ったように貝を持ってきて私はいらないからお前にやると言った三成の微妙な顔が忘れられない。





「おい」
「あー」
「なにを考えていた?」
「ん?」
「ぼうっしている。薬湯は効かないか?」
「んーん。少し血が足りないだけよ。」
「…ハシタナイ言い方をするな」
「えー…」
「温灸をするか?」
「ん」
「おい」
「三成のこと考えてた」
「…は?」
「この優しさを全員に向けたらモテるのに」
「…馬鹿か」
「そう?吉継に言ったら常ならモテると断言してたよ?」
「私も相手くらい選ぶ。」
「そう?勿体ない」



そういうと三成は少し怒ったような。それでいて諦めたようにため息をついて私の名前を呼ぶ。呆れて居るのかもしれないな。声にその色が含まれて居る。それでも三成は家康や左近くんのように私に刀を向けたことはない。怒って呆れて私の名を呼ぶのが最大の非難の現れなのだ。



「ごめんね?」
「謝罪を疑問で呈すな」
「ごめんなさい」
「…いい。それより腹は?横にならなくていいのか?」
「良いの」



三成、私の部屋にこないじゃないと言うと本日何度目かのため息をついて当たり前だと返される。真面目で紳士だ。家康とは全然違う。あいつは夜這いだと言って忍び込みやがった。エロ狸め。



「?」
「家康のこと考えてた」
「何?!」
「あのエロ狸と紳士な三成は雲泥の差だなと。」
「…」
「結局、三成のこと考えてたわ」
「…あの後も来るのか?」
「たまに。でもその時は三成が助けに来てくれるでしょ?」
「当たり前だ」
「ふふふ」
「?」
「三成」
「なんだ?」
「肩貸して」
「ああ」
「三成は無味無臭だね」
「食べたことないだろう」
「そうだけど。半兵衛様の部屋は墨匂い。吉継は薬草の匂い」
「そうだな」
「三成は無味無臭」
「お前は花の匂いがする」
「そう?」
「ああ」
「ふふ」
「なんだ」
「初めて言われた」
「…少し目を瞑れ。寝て居なくていいが倒れる」
「ん」
「側にいる。安心しろ」
「三成」
「どうした?」
「大好きよ」
「…私もだ」






きっと私の大好きと三成の大好きは違う。生涯を独身で秀吉様のために生きていくだろう三成の大好きは友愛だろう。操立てするだけ無駄かもしれない。
でも今はこの関係で十分だと自分に言い聞かせて私は意識を手放すのだ







両片思い







あれを己が膝に寝かせて書類に目を通す三成をニヤニヤして見ていると少しだけ眉を寄せ刑部と我を呼ぶ。勿論、あれの寝顔を隠しながら。
あれの気持ちもこれの気持ちも知る我としては至極自然な動きで益々笑みを深めてしまう。もうとっととくっついてしまえ。






「何だ?」
「いや、なに。いつになればこの顔を拝めるかとな」
「黙れ」
「太閤も首を長くして待っておるわひひひっ。女子には無慈悲な主が唯一の慈悲を持つか」
「勘違いをするな。私は元々これにしか興味はない。後の女など蛞蝓のようで薄気味悪い」
「左様か」
「何が言いたい?」
「蛞蝓の揶揄が媚を指しておるのか行為そのものを指しているのかちと気になってなぁ。前者なら別段良いが…主が好色どころか筆下ろしの相手すら聞き及んだことはない」
「…」
「不能かはたまた男色家か」
「これ以外に勃たないだけだ」
「誠主らしい、が」
「?」
「初手でしくじれば嫌われるやもしれぬなぁ」
「?!」
「己を律せることができず…嫌われるやもしれぬなぁ」
「それは!…刑部」
「やれ唸るな。初々しいのでなついよ。つい」
「これいかいとは契らん。夫婦としてのみだ。」
「その段取りは?」
「…」
「はてさて。致し方ない。我も一肌脱ぐか」
「すまん」

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凸凹

「帰った」
「おかえりなさいませ、三成さ、ん?」
「変わりはないか?」
「ええ。」
「左近だ」
「島左近っす!」
「こんにちは」
「今日から暮らす。刑部は何処だ」
「ちょ?!マジっすか?三成様」
「なんだ?!拒否は許さない!」
「いや、俺より奥さんの方が」
「貴様!拒否する気か!!!」
「何も言ってませんよ。…吉継さーん」
「はてさて。騒がしい限りよな…ん?やれ、三成。主は何処かで子でも作っておったか?」
「は?!どういう意味だ!」
「如何にもこうにも…なぁ、菫」
「そんな甲斐性ないでしょう?…島左近君だったわね」
「は、はい!」
「三成さんに連れさらわれたってことはないわよね」
「勿論っす!おれ…その」
「部下の子だ。…身寄りがないからそのうち養子にする」
「?!」
「やれ、三成。菫より本人がびっくりしておるわ」
「説明はした」
「…わかりにくかったのよなぁ。菫」
「何処の部屋がいいかしら。今日は私たちの部屋に布団をひきましょうね。あと明日日用品買ってこないと。車出せます?」
「私は仕事だ。刑部」
「アイアイ。我も仕事よなぁ。手配しておく故安心しりゃれ」
「ならタクシーで行くわ」
「本に可愛くない」
「ふふふ。あ!」
「?」
「私は菫。こっちは大谷吉継さん。三成さんは刑部って呼ぶけど…貴方は好きな方で呼んでいいと思うわ。私も好きに呼んでね」
「はい」
「宜しくね左近君」
「あ、の」
「?」
「俺、」
「左近?」
「ふふふ。貴方が何を言おうともこの人、ここに居させるわ。それに必要なことは全て吉継さんがしてくれる。貴方をここから連れ出すのはやめた方がいいわね。精神的にじわじわと」
「ひひひ」
「だから安心してここに居なさい。私も吉継さんも嫌がりはしないわ」
「っ」
「ほら、泣かない。おいで」
「おい」
「三成さんは荷物持ってきて」
「う、ああ」
「あとで話ありますから」
「!」









散々に泣いて起きた後。菫さんはにっこり笑っておはようと言ってくれたのをいまだに忘れられない。今までたらい回しだった俺にそんなに優しく笑ってくれたのは先にも後にも死んだ母さんと菫さんだけだった。
どっちの奥さんなんですかとたどたどしく聞いた俺にニコッと笑って二人のと言った菫さんとの関係は母親未満姉以上だ。昔でいうドリカム状態を俺が来てから10年以上キープしているのがすごいと思う。そう伝えると本当にねぇと答えにならない反応をされる。



「明日の三者面談」
「菫さんが来るんっしょ?」
「残念。進学させたい三成さんが行きます」
「げ?!」
「三成さんの下で働きたいなら高卒では無理よ。院まで行けとは言わないけど」
「大学って遊ぶだけ見たいじゃないっすか」
「馬鹿か。勉強するところよ」
「菫さんも行ってないんでしょ」
「…私一応三成さんと吉継さんの後輩だから」
「へ?」
「伯父せいで途中休学したけどちゃんと三成さんたちが行かせてくれて卒業してます」
「マジで?!」
「マジで。よし。できた」
「美味そう」
「ふふふ。成や継に気兼ねしてるのはわかるけど」
「…へへ」
「貴方はうちの長男なのだから。弟たちが泣くわよ」
「?!」
「貴方が嫌ならいいけど。それ程度量も狭くないわ。…私事であの人が手心つけるはずもないし、そんな生易しい人だと思ってないでしょ?」
「それは…身にしみてるっす」
「諦めて勉強なさい」
「へーい」
「みんな呼んでき…左近?」
「俺、いらない奴じゃないですか。…跡取りだって産まれてるし、あっちの方が賢いし」
「は?」
「長いこと子供ができなかったから…俺養子にしたんで、痛っ!菫さん地味に痛い!」
「馬鹿みたいなこと言ってるから。これが三成さんなら2時間はかたいね」
「…」
「思春期だから目を瞑るけど寝言なら寝てる時に言いなさい」
「だって!」
「馬鹿な周りに振り回されるなって言ったでしょ?うちの場合は完全実力主義でしょ?実際うちの本家継いだ三成さんと補佐の吉継さんは実子どころか…」
「ドリカム継続中ですもんね」
「苗字すらばらばらよ…未だに伯父のパートナーから嫌味言われてるけど。自分のこと棚に上げてだしね」
「半兵衛さんも事実婚っすもんね」
「そ!だから血の繋がりよりも大切なものを見てきたから。そんなに重要じゃなくてよ。左近が私たち嫌いで弟たちが嫌いなら仕方ないけど」
「は?!何言ってんっすか!!!宝っすよ!宝!!!」
「ならその宝を守れる男になりなさい」
「…」
「いらないって今更捨てるくらいなら元々拾ってないわ」
「菫さんらしい」
「ほら泣くのはやめて。成と継に怒られるの私なのよ」
「へへ」
「わっ!左近?」
「俺さ、きっと菫さんみたいな人と結婚する」
「居る?私みたいな変わり者」
「絶対見つける。みんなを守る。だからさ…それまでここに居ていい?」
「いいに決まってるでしょ?頼りにしてるわよ」
「うっす」






凸凹






「左近…何をして居る?」
「げ?!」
「あれ、降りてきたの?」
「ひ、ひひ」
「吉継さんも怖い怖い」
「す、すいません!」
「左近!!!!」
「いてっー!!!!」
「三成さん!何してるの?!」
「躾よ躾」
「はぁ?辞めてください」
「煩い!」
「息子を抱きしめて何が悪いのよ!」
「菫!貴様」
「何?!」
「ぐ」
「左近よ」
「なんっすか?」
「あれはやらぬよ」
「母ちゃんっすから。そんな末恐ろしいこと考えてないっす」
「左様か。ただ」
「?」
「例え彼に似た女を連れてきても末路はあれよ」
「…意外と菫さん尻に引いてるっすよね」
「ひひひ」
「にーに」
「パパ」
「やれ、きやれたか?」
「成ー!継ー!」
「また怒らせたの?」
「地雷を踏んだのよ。…主の父は嫉妬深い故」
「嫌われるな」
「嫌われるね」
「ま、とりあえず飯食おう。母ちゃんが作ってくれたから」
「「はーい」」

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一期と二の姫と三成と薬研

「姫様は?」
「小康状態だ」
「そうか」
「なぁ、石田の旦那」
「なんだ?」
「姫さんはこの事」
「言ってはいない。が、気づいておいでだろう」
「そっか」
「それでも貴様が来て顔色の良い日が多い。礼だ」
「?」
「一期一振に聞いた。外国の医療書もある。」
「マジかよ!」
「?」
「ありがとう!」
「いや、いい」
「姫さん、今寝てるけどどうする?」
「お顔を拝し奉る。」
「うん…あれ?」




三成さんと呼べばいつもはつり上がった目が少し垂れる。成る程。石田の旦那も姫さんには滅法弱いらしい。姫さんは少し嬉しそうに笑って起き上がる。半年ぶりの逢瀬なのだから致し方ないかと思っていたら一兄がいて驚く。






「一兄」
「ただ今」
「お帰り」
「姫様は?」
「今、石田の旦那に言った。小康状態。」
「そうか。これを」
「?」
「竹中様が貴重な薬だと言っていた。」
「そっか」
「煎じて出して差し上げて欲しい」
「ん」
「?」
「いや、さ。姫さんはみんなに愛されてるなぁって」
「?」
「その左手の花は一兄からだろう?」
「ああ」
「さっき鯰尾達も来て色々話しして言ったんだぜ。」
「そう言えば…帰って早々どこかに」
「殿下も竹中の旦那も。このあと落ち着いたら来るつもりだろ?大谷の旦那は手紙で許可が下りれば来るって言ってたな」
「彼の方は気になさっておいでだったからな」
「大丈夫っつてももしもが嫌だからってな。あー見えてお優しい」
「本当にだ。…薬研?」
「取りこぼしたくねぇな」
「…」
「もう少ししたら火が消える。」
「そう、か」
「そうなった後が俺っちは恐ろしい」






「一期さん。薬研君」







「「?!」」
「ちょっと来て。手、出して」
「早くしろ」
「?」
「はい」
「こりゃ」
「石田様?」
「礼だ。姫様と話して私が調達した。」
「飾緒?」
「そう」
「すげぇ色の量だな」
「金が父様紫が半兵衛。藤色が三成さんで赤茶が吉継さん。」
「紅が姫様だ」
「へぇ」
「本来下賜出来ぬ色ばかりだ。…感謝しろ」
「ありがとうございます」
「よっと。似合うかい?姫さん」
「ふふふ。とても」
「今度は姫さん一色がいいな」
「薬研!申し訳ございません。姫様」
「いいの。薬研君のこれが本気だとは思ってないもの。…ね、薬研君」
「へへ」
「三成さんもありがとう」
「?」
「これ」
「え?あの」
「父様に無理を言ってしまいました」
「秀吉様に?」
「陣羽織?」
「いい色じゃん」
「頼んだ人より張り切っていたもの。三成さん無欲だから。父様も便乗したいみたい」
「恐れ多い」
「これで…私を忘れないでね」
「!」
「姫さん」
「何を」
「こうやって話したりできる時間も短いですもの。ね、一期さん。薬研君。私がいなくなっても、三成さんをお願いね。」
「姫様!」
「三成さんも。一期さんや薬研君を守ってね。」
「…はっ。」
「俺っちはあんたの短刀だ。あんたがシワシワのおばあちゃんになったら棺桶の中に一緒に入ってやる」
「あら。それは寂しいわ」
「寂しくねぇよ。な。そんなこと言うな」
「ふふふ。一期さん」
「はい」
「貴方も貴方のご兄弟はとても優しいわね」
「ありがとうございます」
「だからもう、怪我をして欲しくないの。…三成さん」
「…」
「泣かないで」
「…申し訳ございません」
「私だって嫌よ。あなたの子を産みたかったものでも。もう無理なの。あなたも知っているでしょ?」
「…」
「お願い。貴方も、吉継さんも。父様も半兵衛も。一期さんも薬研君も鯰尾君も骨喰君も。みんな、傷つかないで。怪我しないでね。心配してあの世に行けないわ」
「行かなければいい…」
「わがまま言わないの」
「うるさい」
「昔みたいな話し方」
「…姫様」
「死んだら今みたいに抱擁が出来なくなるのは寂しいわね」
「っ」
「一期さん、薬研君。この人をお願い。本当は誰より優しい人なの。不器用で優しい人で私の愛した人だから」
「はい」
「わかってるよ」
「はぁ。肩の荷が少し降りたら眠くなって来た。三成さん」
「…」
「手を握ってて」
「ああ」
「ふふふ」
「許可しないからな!」
「はいはい」
「私より長生きしてくれ」
「ふふふ」









一期と二の姫と三成と薬研







「姫様」







姫さんが儚くなったのはそれから間も無くのことだった。








「如何してだよ!俺は姫さんと」
「薬研」
「じゃないとあんな…一人で。寂しすぎるだろ」
「姫様の厳命だ。許可は下りていない」
「だけど!」
「もしお前が入ったら後の世に墓が暴かれる時が来る」
「?!」
「そうなっては姫様がお辛い。何より」
「石田様」
「…なんでもない。これは決定事項だ。わきまえろ」
「畜生」
「明日、納棺だ。」
「石田の旦那は辛くないのかよ!」
「薬研!」
「…辛い?」
「もうこの世に姫様はいないんだ!」
「馬鹿馬鹿しい」
「?!」
「滞りなく式を行う。それが秀吉様のためになる」
「この!」
「薬研!」
「やれ、三成。ここにいたか…如何した?」
「問題ない。なんだ、刑部」
「副葬品の話よ」
「すぐ行く」
「おい!待てよ!」
「薬研!」
「ひひひ。荒れておるなぁ」
「申し訳ございません」
「主は三成の次に姫に近かった故。致し方ない。」




そういうと小さな箱を我々の前に差し出す。怒っている薬研に姫からよと言えば静かにそれを受け取った。






「手紙?」
「式が終わったら読むようにと言われておる。ひひひ。我も致し方なく待つ次第よ」
「石田の旦那は悲しくないのかよ」
「はて」
「死ぬ前から涙ひとつ流さねぇ」
「我らは武士故…主がちと羨ましい」
「…」
「三成は泣いておるよ。慟哭は聞こえぬがな。ああするしか己を保てぬ」
「?」
「姫との約束よ。『泣かないで。父様をお願いね』誠、呪いのようよ。故に泣けぬ」
「そん、なこと」
「姫に言われておろう?恐ろしく不器用で優しいと。悲しみは人それぞれよ。きっと何もなければあれは後を追いかねぬ。それ程愛しておったからなぁ」
「…」
「哀れよ。あわれ」





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一期と二の姫と三成(クロスオーバー)

「あら?」
「!」
「貴方が父様のところに来た刀ね」
「は、はい!一期一振と申します!」
「私は二の姫。ですけど大姫はもう居なくて、私一人しかいませんから姫とお呼び頂ければ大概振り向きます」
「…二の姫様」
「はい。」
「何故、その様なところにお隠れになっておいでなのですか?」
「ふふふ。それはね」
「姫!」
「半兵衛」
「ようやく見つかった!一期君といたのか。三成君!居たよ!」
「姫様!」
「あーあ。見つかっちゃった。」
「?!!!」
「姫様!!!!!あれ!!!!程!!!!」
「三成さん。怒りすぎ。ほら、一期さんがびっくりしてる」
「は?!ああ。秀吉様の短刀か」
「石田様」
「この方を見つけたら即!保護しろ!いいな!拒否は許さない!!!!!」
「は、はい!!!」
「落ち着いてよ〜。ほら半兵衛を見て。落ち着き払って。流石ねぇ」
「に、二の姫様。それは少し違う様でございます」
「ほっとー!!!に!!!」
「あ、大変。一期さん。こっち!」
「へ?!は」
「ふふふ。逃げるの手伝って」
「逃げ?」
「今和歌の時間だったのをぜぇんぶ漢字で半兵衛の治して欲しいところ書いたの」
「は?」
「多分父様狂いに怒っているのよ。きっと!御小姓さんじゃないんだから辺りで顔色が凄かった」
「二の姫様!」



姫様と私はこうして出会った。大身の姫というのはこうも砕けたものなのかと驚くほど。姫様は大らかで悪戯好きで、お優しい方だ。
いつもこうして悪戯しては城内を逃げ回っている。私を巻き込んで。
いや、私なら良い。馬があったというらしい。鯰尾と共にする悪戯は私の目から見ても度が過ぎているとが多くその度に胃がキリキリとする。





「一期一振!!!!!!」
「申し訳ございません!」
「鯰尾をどうにかしろ!!!!!便乗してくる!!!」
「鯰尾ぉぉぉぉぉぉ!!!」
「だって姫様面白そうなとばっかしてるから」
「貴様ぁぁぁぁぁぁ」
「申し訳ございません!!!!」
「姫様はお身体が弱いだ!」
「「は?」」
「…知らなかったのか?」
「は、い」
「生まれつきお身体が弱い。貴様達がくるまでは常に床でお休み遊ばされていた。…今、走っているどころか動いているのでさえ奇跡に近い。」
「そんな風には見えませんけど…ねぇ一兄」
「本当なのですか?」
「偽りを言ってどうする!」
「…」
「貴様らが来て俄に元気になられた。此れは良い事だが…」
「?」
「貴様のせいで悪戯の度が過ぎておられる!!!!!」
「ぎゃーーーーー!!!!!」
「な!鯰尾!!!すぐに謝りなさい!!!」
「ふん!」
「本当に申し訳ございません」
「…薬研は貴様の兄弟か?」
「え?!」
「姫様のご快癒のため秀吉様がご所望された。…羨ましい話だ」
「私の兄弟でございます…こちらに?」
「今、姫様のところだ。…鯰尾!!!貴様は許可して居ない!」
「えー…」
「一期一振!この様にならぬ様しっかり!躾けておけ!!!」
「はい!」








一期と二の姫と三成(クロスオーバー)










「わっ!」
「…」
「驚かないね。三成さん」
「…違う方に驚いてるんだと」
「一期さんも!薬研君!お兄ちゃん来たよ」
「…姫さん。何勝手に床から出てんだよ…」
「薬研…貴様」
「わー!!!や、薬研!久しぶりだな」
「よ!一兄も。…大変そうだな。ほら!姫さんは床に帰る!」
「えー…」
「えーじゃない。一兄。石田様ってご存知か?」
「一期さんの横にいるよ」
「あの怒りで打ち震えてる男か…成る程な」
「何が…成る程、だ」
「薬研んんんんんん!!!!!!」
「あんたに許可をもらってくる様に言われたんだよ。竹中様に?」
「半兵衛様にか?」
「ああ。ここの姫さんじっとしねぇだろ?俺っちも身分があるから入れねぇところに逃げられたら手も足も出ないんだよ。その上悪戯は鯰尾並みにタチが悪い。…だからよ。強制的に休ませれる役につけて欲しいと願い出た。このままなら酷くなる一方だろう?」
「侍童か?」
「それの権限があるやつだ。いい加減首輪をつけて寝させたほうがいいと思うんだけどね。」
「何?!」
「そうしないとじっとしてねぇだろ?何も散歩しちゃいけねぇとか書物を読む、裁縫をするを禁止してるわけじゃねぇ。…ただじっとして居てくれれば寝てなくてもいいとまで妥協してんのに走って逃げて悪戯して…いい加減本気を出したくなるってもんだよね」
「姫様」
「だって」
「…それで何の許可だ?」
「俺っちが勝手にしてるって知ったら許嫁のあんたがいい顔しねぇだろうからって。」
「いっ?!」
「どうした?一兄?」
「許嫁だったのですか?」
「恐れ多い話だ。ふん!良いだろう。許可する。徹底的におやすみ遊ばれる様万事頼んだ」
「えー」
「えーではありません。寝てください」
「一期さん」
「元気になりましたらまた花見でもなんでもいたしましょう」
「ほら寝てな」
「寝たくないな」
「寝ないとなおらねぇの」
「んー」
「では姫様。薬研の言うことをよくお聞きになってください」
「ん…」
「おやすみになられたのか?」
「無理しすぎたせいだろ?…石田様?」
「…」
「心配いらねぇって。無理させない様に俺っちがここにいるんだから」
「頼む。一期」
「はい」
「初めて前の兄弟で真っ当なものが来た。礼を言う」
「なんと言えば…」
「鯰尾と骨喰だもんな…苦労したな、石田様」







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抱きしめる三成

「…っ」
「…」
「っん」
「…」
「ひゃ!」
「…くくく」
「石田、様」
「何だ?」
「ご無体は…お止めください…」
「…」
「?」
「江」
「え?!あっ!!!」
「良い声で啼け」










「で、ぐずぐずと泣いて主を乞うまで苛め抜いたと」
「…」
「もう昼もとうに過ぎたのに。通りで出てこぬわけよの」
「起きてはいる」
「が、腰が痛くて動けぬか」
「ぐ!」
「主は手加減せぬからなぁ。何人の女を甚振ってきたか。幸い江には荒い扱いはせんようだがなぁ」
「当たり前だ!…刑部」
「ん?」
「貴様に頼みがある」
「嫌よ」
「何故だ!大体!まだ何も」
「どうせ主のことよ。謝りに行って欲しいか良い案を出せかのどちらかよな」
「ぐっ」
「主のしでかしたことよ。早うご機嫌をとりにいかしゃれ」






腰が痛い。と布団で横になる。これは本当に大変なお役目かもしれないと後悔の念に苛まれながら座ろうとしたものの、やはり腰が痛くて不可能なのだ。
石田様の相手は玄人でも不可能と言われていたのにと思っても仕方が無いことなのだ。無理矢理犯されなかっただけでもありがたい話なのだから。




「入る」
「?!」
「江」
「申し訳ありません…直ぐに」
「寝ていろ」
「ですが」
「寝ていろ。いいな。わかったか?」
「…はい」
「…」
「?」
「少し、聞きたい」
「なんでございますか?」
「嫌うか?私を」
「は?」
「っ!すまない。これはお前にやる」
「あ!石田様?」


手には似つかわない櫛が一つ。
それを私の手に握らせると何故かそのまま抱きしめられる







「愛しい」
「は?」
「何だ?」
「い、え」
「早く許可が下りれば良い。然れば側における」
「あの」
「?」
「私は、その」
「江?」
「あなた様をお慕いしても、宜しいのでしょうか?」
「…」
「(目が見開いた?!怒っていらっしゃる?!!!)あの、身分違いの関係は、その。泣くことになりますから」
「そう、か」
「その様にして去る侍女は少なからずおりますし」
「…」
「石田様が、何度も相手をさせるのは今までありませんでしたから」
「…江」
「勘違いをして、泣くのは、つらい」
「泣くな。おい、江。泣かないでくれ」
「…」
「お前は泣いても愛しいな」
「?!」
「私は秀吉様の命には逆らえない」
「それは!…私も同じでございます」
「だからだ。許可を待っている」
「?」
「お前を娶る、その命だ」
「?!」
「遊び女などと一緒にしてたまるか…お前は私が唯一恋した女だ。」
「石田、様」
「お前に慕って欲しい。私はその倍、お前を慕う。」
「…」
「どうした?」
「…お慕いしております」
「ああ」
「もし、私に飽きたら。叩き切ってください」
「無い」
「今、あなたの腕の中にいるこの瞬間が一番幸せでございます」
「馬鹿を言うな。これは始まりだ。」
「はい」











抱きしめる三成









「あー。可愛い」
「ひひひっ。純朴よなぁ。あれ相手限定だが」
「まぁ良いさ。…許可は下ろした方が良い?」
「子が出来たらなぁ」
「そうだね」




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