忍者ブログ
変換なしの雑食夢

ran

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

basara 片倉

熱で微睡む身体の最奥を突き上げて果てると彼女が泣いている事に気がつく。そしてはたと我に戻って青褪める。何て事をしちまったのだろうか。強姦だ。何処を如何見たってそれ以外の何ものでもない。
然も中に出しちまって…と思案して気をやっている彼女の顔を見る。熱は高いが大丈夫だろう。そう結論づけて手拭いを濡らす。身体を清めてやらねぇとといそいそと身体を拭くなんざ今まで考えられなかった事だ。どんな女でも抱いたら終い。そうだったのに。彼女を見た
ときから、好きだったのだ。遅い初恋ねと姉上が笑ったのを今でも覚えている。初恋なのだ。だから言いよってこない女の扱い方など知らん俺が空回っているのが面白かったのだろう。最初は。段々憐れられた。




「ん…」
「お、おい」
「や、」
「?」
「いや、やめ、て」



初めてで好きでもない男に嬲られたのだ。誰でもない。俺に。すまねぇと謝りながら新しい手拭いで額を冷やす。
魘されているのだろう。眉間にくっきりとシワが寄る。



「何てことしたんだ。俺は」




後悔する荊棘

拍手

PR

basara 片倉

結局捕まえられて自室へ送られる。今度は無言で。もうその頃には私の体力も無くなっていたからされるがままだ。自室につくと布団を敷いて私を寝かせる。終始無言な上表情を見ることができない。…いや待て。此処私の部屋じゃない。此処は…

「汗が凄いな」
「…」
「おい。桶に水くんでこい。手拭いと」
「へーい」
「寝着は俺ので我慢してくれ」
「わたしのへや」
「…水くんでくる。着替えられるか?」
「片倉様」



名前を呼んでも明確な答えはくれず終いだ。如何したものかと思案して私は片倉様に手渡された夜着をじっと見る。…何かの試練なのだろうか?だったらこんな高熱の時ではなくて普通の時が良い。如何しろとと思いながら私は帯に手をかける。


「片倉さぁん。これで。え?」
「成美さ、ま?」
「意外と巨乳?いやそんな事より」
「成美…」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」



本当になんの試練なのだろう。硬直していると断末魔が聞こえてきた。


「おまえっ!まだ着てなかったのか」
「すいません。もう辞めますから」
「は?」
「こんな事やめてください。」
「こんな事?」
「私が嫌いなのもよくわかりましたから。もうこんな嫌がらせ」
「じゃあ何か?嫌がらせだと」



元気になりましたら辞表を出しますと言った瞬間布団に押し倒された。熱で力のでない私と今まで見た事のない極殺モードの片倉様。


「黙って鳴いてろ」




首筋に滑るそれに戦慄する事しかその時の私はできなかった





手折る荊棘と散る野菊

拍手

basara 片倉

「喜多様」
「…如何したのです?」
「文を…」
「あなた、顔色悪いわね。一寸ごめんなさい」
「…喜多様?」
「やっぱり。すぐ横になりなさい。酷い熱よ。」
「え?」



此の所進退の事ばかり考えていてろくすっぽ寝ていなかったのが身にきたらしい。朝から何となく変だと思っていましたといえばこの高熱で動く貴方がおかしいのよと辛辣に返された。確かにそうかもしれない。


「医師を呼んだから」
「いいえ。此処では喜多様の邪魔になります。」
「ならないわよ。じゃないと貴方仕事を休まないでしょ?」
「裏方の仕事が」
「貴方が休むと…大変な事になりそうだけどそうだからと言って休めずにいると働けなくなるわ。」



そう言い、医師はまだかと叫ぶのだからこの方はお強い。ごろんと横になろうしたら目眩がしてきてますます持って大変な状態になっているのだと実感する。
医師曰く心配事からくる胃腸の病とそれに合わせた風邪だろうという事。心当たりがありすぎて哀しくなる。
薬を飲んで寝てくださいという言葉に深々とお辞儀して私は立ち上がる。喜多様の執務室から私の部屋は歩いて…何とかなると思っていたらみんなに止められる。



「良いから寝てなさい!」
「邪魔に」
「このまま貴方を返したら心配で結局のところ仕事が手につかないわ」
「お願いでございます。今暫く。」
「喜多様誰か呼んできてください!我々が押さえておきますから」
「頼むわね!」
「かえれますから」



ご乱心とまで言われながらも廊下まで出ると凄い足音が聞こえる。不意に顔を上げると般若の様な片倉様が部屋に入ってくる。よりによってと思っていたら喜多様が間に合ったという体で入ってくる。向こうに見えるのは殿方たちと…殿のお姿。


「おい!!」
「っ」
「大人しくしていろ!」
「や、」
「や?」
「嫌です。結構です。歩けます。」
「何処がだ!てめぇの体調管理も出来ねぇのか!」
「っ」
「お、おい。小十郎」
「あーあ。片倉の旦那。病人泣かして如何すんだよ。」
「泣かし…おい。」
「もうほっといて下さい。」




ぽろぽろと溢れる涙を見つめて私は自室に向かって歩き出す。回らない頭でもわかる。もう喜多様の下では働けないなと思案しながら私は回路を蹌踉ながら歩くのだった




焦る荊棘と泣く野菊

拍手

basara 片倉

仏前の花を切ってゆく。本来大奥様のなさることだろうが、大奥様はここには居ない。故に私と喜多様とが交代でしているのだが今日は順が悪かった。真逆、片倉様に出くわすとは思わなかったのだ。
仏間は殿の部屋の奥の奥。会わずにすみたかったと思っていても顔に出すことはできない。取り敢えず、ニコリと笑って一礼して道を譲る。その間の恐ろしい形相はいつにも増して凄いことになっていた。


「おい」
「はい」
「なんの様だ」
「仏間の花を帰るのですが…後から参ります。」
「あ?!」
「いえ、その。御気分を害して重ね重ね申し訳ないことでございます。」
「如何いう意味だ?!」
「…すいません」



抱えた花を抱いて踵を返す。本当に気に入らないのだろう。こういう時は長居せずに退散するのみだ。



「小十郎」
「政宗様」
「are you kidding?ありゃないぜ」
「…」
「可哀想に怯えてやがったな。大体お前も待っていたなら素直にそういや良いだろ?」
「…そんなことより執務は?」
「もう少しで終わる。終わったら道場へ行ってくる」
「わかりました」
「お前」
「?」
「マジ、嫌われるぞ」
「言わないで下さい。」





迷走する荊棘と傷つく野菊

拍手

basara 片倉

部屋に帰って食事もそこそこに私は喜多様の部屋に行くと談笑されていて戸惑う。いや待てよ。この声はと思ったものの仕方ないと思案して声をかける。ピリッと空気が揺れる。妙な緊張感が流れるのは気のせいではないだろう。


「入りなさい。」
「いえ、廊下に置いておきますので。失礼いたします。」
「あ、おい!」


脱兎の如くその場を立ち去る。当たり前だ。いくら私が厚顔無恥と雖もああまで嫌われた人の元へ参じるのは憚られる。本当は嫌な人でも強い人でもないことは知っているのだが私は対象外らしい。本気で転職を考えようかとも思ったものの。私はここが好きなのだ。
だから離れられないとはいうものの喜多様の側近として働くには些か障害がある。やりにくくありませぬかと以前お尋ねした折微妙な顔で笑われてしまったのだから。やはり喜多様にもご迷惑をかけしているのだろう。
帰る里も私はないし、如何したものかと思案して食器を洗い終える。見合いでもあればいいけど私は器量が良くないのだろう。特に浮いた話も出たことがない。ここに住んで10年。18にもなってと父母も草葉の陰で泣いているだろう。



「一度お話ししたほうがよろしいか」



独り言に返事を返してくれる人もなく。私は次の仕事に移るのだった





哀しむ野菊

拍手