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変換なしの雑食夢

ran

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basara 片倉

さてとと筆を置く。新しい者が入ると華やかながら時間がかかる。行儀見習い気分では入ってこられると一層。今回は当たりだったがそれでも忙しい。結局夕飯には間に合わなかったかため息をつく。お腹は減っているものの筆を洗わないとと水屋へ向かう。

「今終わったのですが?」
「喜多様」
「仕事をこちらにも回しなさい。」
「いえ自分の分は…ではひとつ。」
「ん?」
「お願いしてもよろしいですか?」
「ええ。」
「弟君に書類をお渡し頂きたいのです。」
「こ、十郎にですか?」
「はい」
「貴方が」
「私が参りますと御気分がよろしくないでしょうから」
「そんなことは…そうね。普通ならそう取られても不思議ではないわね。」
「ですから…後で持って参りますわ」
「食事をしてからになさい」
「ですが」
「いいのよ。そうでもしないといよいよもって食べそびれるわよ。」
「ではお言葉に甘えて」



話している間に筆も綺麗になった。では急いで食べてきますと言うとゆっくりと食べなさいと笑ってくださるこの御仁があの人とご兄弟などと信じたくはないのだった



芍薬と野菊

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basara 片倉

「片倉様?」
「あ?」
「凄まないで下され」
「誰が凄んだって?!」
「私は慣れておりますが新人には刺激が強いのですよ。」
「新人?」
「喜代と志麻です。今日から城に上がりますのでよろしくお願いします。」
「喜代と申し上げます。ご指南の程よろしくお願いします。」
「志麻です。不慣れではございますがよろしくお願いいたします。」



そう言って若い二人は必死に頭を下げる。下げて、ちらりと片倉様を見る頃には私に見せたそれとは全く違う表情をなさっておいでだろう。案の定ギャップにつられて落ちた女が増えること。にしても。この御仁は優しい方なのだが…。私とは出逢った時からの犬猿の仲だ。というよりも凄まれ叫ばれるのだから仕方がない。出逢った時は恐ろしかったものの今となっては諦めの境地だ。ほうとため息をついて踵を返す。まだ挨拶をしなければならないところが有りますのでと一礼すると例の如く、凶悪な顔になるものだから再びため息を吐くのだった




野菊と荊棘

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