basara 片倉 野菊と荊棘 終 2015年07月24日 仏前の花を切ってゆく。本来大奥様のなさることだろうが、大奥様はここには居ない。故に私と喜多様とが交代でしているのだが今日は順が悪かった。真逆、片倉様に出くわすとは思わなかったのだ。仏間は殿の部屋の奥の奥。会わずにすみたかったと思っていても顔に出すことはできない。取り敢えず、ニコリと笑って一礼して道を譲る。その間の恐ろしい形相はいつにも増して凄いことになっていた。「おい」「はい」「なんの様だ」「仏間の花を帰るのですが…後から参ります。」「あ?!」「いえ、その。御気分を害して重ね重ね申し訳ないことでございます。」「如何いう意味だ?!」「…すいません」抱えた花を抱いて踵を返す。本当に気に入らないのだろう。こういう時は長居せずに退散するのみだ。「小十郎」「政宗様」「are you kidding?ありゃないぜ」「…」「可哀想に怯えてやがったな。大体お前も待っていたなら素直にそういや良いだろ?」「…そんなことより執務は?」「もう少しで終わる。終わったら道場へ行ってくる」「わかりました」「お前」「?」「マジ、嫌われるぞ」「言わないで下さい。」迷走する荊棘と傷つく野菊 PR