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変換なしの雑食夢

ran

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梔子

「…父上はお帰りになるかしら?そうね。貴方は心配しなくても父上が守ってくださいます」



腹を撫でるとお腹を蹴られて思わず笑う。勿論だとあの人が言っているようでおもわず笑ってしまう。
喧騒が酷い。焦げた匂いが近づく。これが真実の戦なのだろう。そう思いながら私は立ち上がる。此処には刃物がない。短刀すら危ないと言って下げられた。恭順の意を込めて過ごしていると断ち切りハサミだけは許された。貴方の着物を御支度したいと言えば早かった。今私のただ一つ。身を守るものだ。袂にそっとしまう。


「ないより、ましね。」




どちらが来たとしても私は無事で済まない気がする。だけれども




『ちい』




あの方がもし生きていてちいと呼んでくださるのならどんなお叱りでも受けよう。殺されても冷たくされてもいい。浅ましく生きてしまった科は償わなければならない。
生きておらず違うものとの戦いならばまた帰ってきてしまう。秘密が、気づかれては困る。
だから出来るだけ平素のままに。戦に怯えていなければいけない。何も知らない無垢な女のままで。




「つい」
「家康、様」
「ふふふ」
「傷だらけではないですか!?包帯を」
「いや、いい。もう長くはない。…貴方の居場所、を吐かすつもり、だろう。だが一つ…貴方に、聞きたい」
「?」
「三成が、生きていると言えば如何する」
「…」
「つい」
「…今は傷の手当を。いや、忠勝様は?」
「死んだ。全て無くなってしまった」
「?!」
「貴方を、手に入れるために。全部。」
「な、にを」
「一緒に死んでくれ。腹の子も。楽土で共に育てよう」
「う、」
「細い首だ」
「かっは」
「今楽に」
「っ!」
「ぐ!!!!!」






急いで距離をとる。手には鋏。血にまみれているそれを私は握りしめたままだ。絶望の目で見ている。それでいい。半年もの間恥辱の中でこの機会を待っていたのだから。私一人ではこの男を倒せない。だから、この時を夢にまで見ていたのたから




「遺言は?」
「…何故?」
「私が愛したのはあの方だから」
「そう、か」
「…」
「くくく。わしの」
「?」
「わしの子を宿してどこに行くつもりだ!!!」
「ふふふ」
「?」
「誰が貴方のこと言いましたか?」
「まさ、か」
「その顔が見たかった。この子を。あの方の子を守るためなら私は道化にでもなんでもなる。恥辱をうけ穢れようとも。」
「…酷い。女だ。」
「ふふふ。もう御休みなさい。」
「つ、い」
「さよなら」












血だまりの中ただ呆然と私は蹲る。終わった、のだろうか。
安らかとは言い難い顔。 業ねと呟いて庭を見る。




「ちい!!!」
「…石田様!」
「馬鹿者」
「っ」
「三成でいいと、言っただろう」
「は…い」
「ちい」
「三成、様」
「泣くな。済まない、遅くなってしまった」
「いいえ、いい、え。貴方が生きていて。私の名を呼んでくださるのなら
それで良いのです」
「…家康のとどめを刺したのか」
「はい」
「…手を出しみろ。」
「っ」
「ゆっくりで良い。」
「…」
「湯あみの支度をさせる。こんな汚れた血に染まり傷付く必要はない。」
「はい」
「子も…よく守ってくれた」
「ですが、私は」
「…」
「貴方様以外の。それもこんなっ」
「落ち着け。ゆっくりで良い。この城には用がない。秀吉様の指揮で灰燼に帰す。」
「伯父上も半兵衛様も生きておられますか?大谷様は?!」
「刑部!」
「っ」
「どのような状態がわからぬと言ってな。控えていた。」
「もう良いか?」
「大谷様…よくご無事で」
「ひひひ。猛獣を二人宥めるのは大変大変。ぬしが無事でよかった。」
「刑部が気づかなければ貴方を馘いていたかもしれんからな」
「?!」
「?」
「やれ三成」
「!私がではない!!!この男がだ!逆上してだな」
「…良いのです。そう言われのには十分なほどの事は」
「やれ違う、違う。三成は愚直というか…ぬしの子にこやつの子があると言った時。普通は腹の子を殺したのかとか言うと思いしゃるなぁなのに」
「刑部!」
「それが如何した!と言い切りよってなぁ。無事ならそれで良いと。ひひひっ。愛されておるなぁ」
「…」
「見るな。いや、そういう意味ではない…刑部」
「ひひひ。では行くかのぅ。もう一人の猛獣を止めなくては太閤が困る故」




そう言うと大谷様は私の頭を撫でる。ほろりと涙が溢れると三成様が困ったような顔をなさって私を抱き上げる。この身躯の何処にこんな力が有るのだろうか。不意にあの男の声が聞こえてくる。
見捨てるのか、と。
元より見ておりませんでしたので捨てるとは言わぬでしょう言えば恨めしそうに笑うのだった





梔子





「つい!」
「伯父上。半兵衛様。ようご無事で」
「君こそ。ああ。三成君との子も無事のようだね。」
「よく気取られず…誤魔化し切った。」
「…はい」
「何はともあれ。本当に無事で…三成君も大谷君も。ありがとう」
「もったいなきお言葉!」
「さぁ帰ろう。とは言ってもだね。」
「?」
「ここからは少し大阪が遠い。竹中の屋敷で見てもらうことになった」
「!?」
「勘違いならしゃるな。いつに無く賢人も舞い上がっておってなぁ言葉が足りぬ足りぬ。帰っても男所帯故。お産の知識の無い物ばかりでもしもがあれば一大事と最初から決まっていたのよ。今回このようなことがあってなぁ。竹中殿始め御家中が早く保護して連れて帰れと矢の催促よ。産後の肥立ちを加味しながら大阪に戻る予定。新しき棟も作って今か今かと待っておる。間引くなどと一抹も考えておらぬから安心しりゃれ」
「…三成様」
「私の子を間引くと?!そんな愚行断じて許すか!」
「何もお聞き遊ばさないのですか」
「あ、ああ!そうか。君こそお産の経験どころか女体について知らなかったね。あのね。子が出来て生まれ方は如何としても再びの出産は月日がかかるものだよ早くて3月。私の姉は半年以上かかっていたかな。だから。そのお腹の子が如何見ても三月以下の子に見えないのでね。間違いなく君と三成君の子だと言えるんだよ。」
「!」
「ひひひ。初々しい。」
「わたし、てっきり」
「本当に今まで心身ともに疲れていたと思う。実家ではないけど気心知れた場所だ。上げ膳据え膳で休みたまえ。お産もその後も大変だからね。ああ。そうだ。三成君も。お目付役は大谷君に頼もうか。砂羽衣殿にも手伝ってもらいたい。乳母は彼女が良いと前々から思っていたんだ。」
「は?」
「心配だからね。良いよね。秀吉」
「ああ」
「後の始末は僕たちに任せて。ああ。お産が始まったら言ってよ。お祖父上は言わないかもしれないからね。」
「…」
「うん!俄然やる気が出てきた!」

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黒百合

「…あら」
「如何した?」
「お腹を蹴りました」
「?!」
「ふふふ。元気で安心です」
「触ってもいいか?」
「ええ。貴方の子ですもの」
「…」
「ほら、また」
「本当だ。その、だ。」
「?」
「貴方はわしを恨んではいないのか?」
「何故です?」
「何故って」
「亡き伯父上初めて皆の菩提を弔って頂き、仇まで撃ってくださったのでしょう?感謝することがあっても恨むなんて…その上母としての悦びまで」
「つい」
「貴方こそ私の事を浅ましい女だと思っていないでしょうか?もう。私には貴方とこの子しかいないのです。御心が、逸れるのが。私は」
「ああ泣くな。泣かないでくれ。腹の子に怒られてしまう」
「家康様」
「心配しなくていい。わしが貴方を求めたんだ。」
「…本当ですか?」
「ああ」







にこりと笑って庭を見る。ふと空を見ると天に一筋。白い煙が見える。あれはと指差すと柔かな顔が一変し武者の顔になる。



「家康様?」
「っ。ああすまない。怖がらせてしまったな」
「嫌です。そんな恐ろしい顔。」
「ん。つい」
「はい?」
「何があっても此処から出るな。」
「…はい」
「忠勝」
「家康様」
「大事無いさ。すぐ終わる」
「はい」







黒松







「…久しぶりだな」
「…」




三成と呼べば狂気を孕んだ男が静かに歩いてきたと思ったら剣先が首を掠める。恐ろしく早く鋭い。この半年近く憎悪を膨らませていたのだろう。



「ちいをどこにやった!」
「今はついた。わしとよろしくやっているよ」
「愚劣な!」
「お前には悪いがな。お前が死んだとわかった瞬間、身を開いたよ。」
「もういい」
「身を守る術を持たん女子は哀れだな」
「その穢らわしい口を閉じろぉぉぉ!!!」
「わしの子を成したぞ!!!」
「なっ?!」
「やれ、三成。」
「…この場で引き裂いてやる!」




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黒百合

「つい、殿?」
「は、い」
「貴方の肌を見ることなく三成はいなくなったのか…」
「いわ、ないで。」
「うつく、しい」
「早く、終わって。」
「つれないな」
「ん」
「貴方は何も心配しなくて良い此処に居れば何も恐ろしい事はない」
「は、い」




良い子だと言って私を撫でる手は無骨で傷だらけだ。あの、細い美しい手ではない。三成様と心で反芻する。ちいと私を慈しんでくれる声は聞こえない。ついと私を誑かす声が此処には満ちている。




あの日、あの人が死に豊臣が倒れたといったあの日。城内にあったのは葵の紋ただ、一つだった。そしてこの柔らかな監獄で私は人形のように生きている。この男の目的はわからない。伯父上や半兵衛様を屠ったのがこの男か否かもわからない。


ただ確かなのは生死を別しても私から三成様を奪ったのはこの男の狂気だ。



「お前を抱いて早2ヶ月。よく、孕んでくれた」
「…子を成せばお役御免でしたのに、ね」
「つれないことを言うな。ああ待ち遠しい。」
「意外と早いかもしれませんよ」
「ん?」
「母も祖母も早産だったそうですから」
「?!なら産衣の支度を急がさないとな」





私はどうなっても良い。ただ、この子だけは生み育てないといけない。私の愛したただ、一人の方の子なのだから。
どんなことがあっても産み落とさなくてはならない。誰を欺いても、誰に蔑まれても。今は生きてこの子を、この子だけを産まないとならない。



「貴方はわしを叩いたことがあったな」
「ええ。でも昔の話ですわ」
「それ、でも。わしはあの時より貴方が欲しくて欲しくてたまらなかった。」
「…」
「此処には私と忠勝しか来ない。貴方は」
「家康様?」
「わしだけのつい殿になればいい」
「っ?!」





くくくと笑うこの男は狂っている。
やけに不可視な不安は此処にあったのだろう。
そう思いながら私の腹を撫でる男をみつめるのだった










黒百合








「忠勝様?」
「…」
「食事、ですか?」
「…」
「ありがとうございます。ですが悪阻がひどくて」
「?!」
「水は飲めておりますから。ああ、そうだ。家康様は進軍ですか?」
「…」
「申し訳ありません。私のようなもののせいで貴方のような忠臣で武に長けた方を戦さ場に馳せ参じさせれないのは心苦しい限りです」
「…」
「子のことですか?まだわかりませんが落ち着くまで大人しくしておくようにと家康様の御下知です」
「…」
「少し横になっても?ご無礼をお許しください」
「…」
「正室は築山様が。私は元々農民ですから。徳川の名を貶めるわけには」
「…」
「ふふふ。あら?」
「?」
「向こうに人影が…」
「!」
「気のせいでしたね。…忠勝様」
「?」
「私はどのようなことをしてもこの子を守らなくてはなりません。大層な身分より、その事を案じているとお伝えください」
「…」



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罌粟の花

その日がやって来たのは本当に突然で。婚儀が済んで程なくした頃だった。



「つい殿」
「ん…」
「起きてくれ。つい殿」
「誰?」
「わしだ。ああ。怒らないでくれ。礼を欠いているのはよくわかっている。」
「徳川様?…何かが燃えているのですか?」
「大阪が落ちた。もう此処も時間の問題だ」
「え?」
「先の出兵で秀吉公たちが負けた」
「?!」
「話は後だ。此処から逃げる!さぁ!」
「まっ、てください。伯父上や半兵衛様。大谷様に」






『ちい。すぐ帰る』







「旦那様は?」
「…三成は、もう。」
「っ!」
「だがわからん!一先ず浜松に入る。」
「旦那様…」
「っち。火の回りが早い。つい殿!失礼する」









燃えている此処はどこなのかと思案したところで結論は変わらない。あの人が死んだ。死んで、しまったのだ。






「…」
「忠勝!」












罌粟の花






「う、」
「起きられたか?」
「っ?!」
「急に起きるな。あれから丸一日寝続けていたのだからな」
「徳川様」
「豊臣との盟約で貴方を保護する。此処は浜松城の奥の奥。滅多なことは起きんよ」
「三成様は?」
「大敗と聞いている。三成が秀吉公亡き後生きているとは思えないな。」
「そう、ですか」
「ああ」
「誰が、」
「わからんのだ。」
「?!」
「わしは留守居だったせいでな。奇襲としか考えられん。」
「…」
「泣かないのだな。」
「はい」
「気丈だな」
「…」
「あと、考えていて欲しい」
「?」
「保護という名の下だが長くは続かない。わしは徳川の存続が一番だからな。貴方にこういうことを言うのは躊躇われるが、何の関係のない女となってしまったのだ。故に、家臣がまだ分からん敵に貴方を差し出すと言っても止めるすべはない。だから」
「貴方の側になれと…あの人が死んでいるかわからないのに?」
「だからこそだ。」
「…」
「?」
「良いです。わかりました。側室でも何でもなります。ただ、」
「ただ?」
「私は生娘ではありません。農村の生まれですので三成様とお会いする前に、経験しております。」
「そう、か。でもどうして?」
「貴方がそういうものに価値を見出しているのならと…でもそれはずっと昔の城いあがるまえのはなしです。あの人は私に指一本触れませんでしたから」
「そう、か」
「子が出来たら、縁を結んだと。もう、お許し願えますか?」
「ああ。わしと貴方の子が出来るまでの話だ。心苦しいがこれも貴方を守る為。許してくれ」
「はい」
「つい、殿」
「っ!」
「罪深いわしを、許してくれ」







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「如何?あの二人は」
「賢人よ。みなしゃれ」
「何あれ?」
「執務をする三成とその横で繕い物をするちい殿よな」
「…変わってないね。」
「ではないのだがな」
「?」
「まぁあれはあれで二人の形なればよかろう。三成も益々職務に励んでおるし。ちい殿の表情も和らいできた。…で如何した」
「いや、それがね。うちの姉上がちい殿の縁談を持ってきちゃて」
「断ればよかろう?」
「断ったよ。でも理由に、ついね。婚儀の支度をし始めちゃったし。如何したものかと」
「ぬ…なれば我も支度せねばなるまい。」
「三成君の?君が家老代わりに行くんだろ?僕も行くよ」
「それは助かる。では良き日に」
「ああ」





ことりという音が聞こえて顔を上げると筆を置いた三成様が居て、お茶をいるかと尋ねる。すると静かに首を振りいらんと言って私の横に座り直す。ちょうどよかったと作っていた着物を肩にお掛けする。着丈は?裄は?つっぱったり致しませんかと尋ねると頭を撫でられる。



「早いな」
「後数着作りますので」
「そうか」
「三成様?」
「先ほどここに来る前。秀吉様の御前に行ってきた」
「太閤様の?」
「ああ。貴方を」
「?」
「娶る許可を頂いて来た」
「…は?」
「受け取ってほしい」
「こ、れは?」
「似合うと思うが。初めて買ったから…気に入らんのならば言ってくれ」
「簪?」
「つけてやる」
「三成様?」
「…やはりよく似合っているな」
「っ」
「ちい」
「は、い」
「私と共に生きてほしい。三世を貴方と共に」
「っ」
「泣くな。嫌か?」
「嬉しいのです」
「そうか」
「唯一つ。」
「ん?」
「お約束ください」
「なんだ。」
「もし私に何かありましても」
「?!」
「太閤様や半兵衛様と共に長生きしてください。理由が如何であれ。悲しんだり誰かを恨んだりなさらないで」
「何もない」
「ふふふ」
「ちい」
「約束」
「勝手にするな」
「約束してくだされば、私は貴方様のものになります。貴方様だけのちいになります」
「…卑怯だ」
「だって私は貴方のように強くもないのです。それにお産だって命がけですから」
「?!」
「ものの例えです」
「そうか」
「三成様」
「…不本意だが」
「?」
「約束する。あなたも私に何かあっても泣くんじゃない。笑って弔ってくれ」
「はい」
「ちい」
「三成様」
















「やれ目出度い目出度い」
「…ギリギリだけど。まぁ良い。ふふふ」
「半兵衛」
「僕と君と吉継君。おじじ様に成ってしまうね。」
「気が早い」
「と言いながら君だって産着の手配してたじゃないか。」
「…」
「男の子でも女の子でもどちらでも良いや。愛しい子は唯健やかで多幸でないと」
「にしても」
「ん?」
「三成は知っておるのか?」
「ああ。僕のことかい?土下座されたよ。嫁にくれって。秀吉と僕と竹中の父とどげざつっきだったんじゃないかな?ふふふ。あの、三成君がね。」
「我や半兵衛のようにならぬよう、気をかけてやれ」
「僕と君の方が手馴れてると思うけど。どうも、ね」
「ひひひ。」
「遊びと本気は違う、か」






「ちい」
「はい」
「私は秀吉様の言を違える気はないが…良いのか?」
「何がですか?」
「婚礼の儀だ」
「今から一生懸命用意しても太閤様や半兵衛様、大谷様に竹中の方々が納得できるこしらえを用意するのは早く算段しても1年ほどかかりましょう。」
「だが。」
「このまま、ここで。今まで通り。形式張ったことより筋道を立てて居れば良いと。神前に詣り、親族の宴も見に余ることです。」
「だ、がな。」
「?」
「私はちいの花嫁姿が見たかった」
「…」
「如何した?」
「いえ、あの。」
「?」
「身重で…十二単ですか?」
「ああ」
「…直衣着てくださいますか」
「治部少を受けた時に作ったのがある。」
「私も髪上げの折に竹中の御隠居様が」
「?!何故それを言わない」
「…」
「ちい?」
「凄く」
「?」
「似合っていなかったから」
「…は?」
「…」
「ちい」
「…」
「ちい?」
「…はい」
「似合ってないと誰が言った?」
「私が、そう」
「似合っていないと思って見せたくなかったのか?」
「(こくん)」
「だから言わなかったのか?」
「(こくん)」
「…嫌われるとでも思ったのか」
「…はい」
「私は、見てみたい」
「…」
「貴方が私の妻になる確かな証が欲しい」
「嫌いませんか?」
「ああ」
「笑いませんか?」
「ああ」
「っ」
「私はどんなことがあっても貴方を嫌えない」
「…」
「着てくれるか?一度だけで良い」
「三成様も?」
「ああ。私もだ。」
「なら、着る」








「万事あれなら光源氏よな」
「ちい限定だ…半兵衛は?」
「急用を思い出したらしい」

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