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変換なしの雑食夢

ran

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「如何?あの二人は」
「賢人よ。みなしゃれ」
「何あれ?」
「執務をする三成とその横で繕い物をするちい殿よな」
「…変わってないね。」
「ではないのだがな」
「?」
「まぁあれはあれで二人の形なればよかろう。三成も益々職務に励んでおるし。ちい殿の表情も和らいできた。…で如何した」
「いや、それがね。うちの姉上がちい殿の縁談を持ってきちゃて」
「断ればよかろう?」
「断ったよ。でも理由に、ついね。婚儀の支度をし始めちゃったし。如何したものかと」
「ぬ…なれば我も支度せねばなるまい。」
「三成君の?君が家老代わりに行くんだろ?僕も行くよ」
「それは助かる。では良き日に」
「ああ」





ことりという音が聞こえて顔を上げると筆を置いた三成様が居て、お茶をいるかと尋ねる。すると静かに首を振りいらんと言って私の横に座り直す。ちょうどよかったと作っていた着物を肩にお掛けする。着丈は?裄は?つっぱったり致しませんかと尋ねると頭を撫でられる。



「早いな」
「後数着作りますので」
「そうか」
「三成様?」
「先ほどここに来る前。秀吉様の御前に行ってきた」
「太閤様の?」
「ああ。貴方を」
「?」
「娶る許可を頂いて来た」
「…は?」
「受け取ってほしい」
「こ、れは?」
「似合うと思うが。初めて買ったから…気に入らんのならば言ってくれ」
「簪?」
「つけてやる」
「三成様?」
「…やはりよく似合っているな」
「っ」
「ちい」
「は、い」
「私と共に生きてほしい。三世を貴方と共に」
「っ」
「泣くな。嫌か?」
「嬉しいのです」
「そうか」
「唯一つ。」
「ん?」
「お約束ください」
「なんだ。」
「もし私に何かありましても」
「?!」
「太閤様や半兵衛様と共に長生きしてください。理由が如何であれ。悲しんだり誰かを恨んだりなさらないで」
「何もない」
「ふふふ」
「ちい」
「約束」
「勝手にするな」
「約束してくだされば、私は貴方様のものになります。貴方様だけのちいになります」
「…卑怯だ」
「だって私は貴方のように強くもないのです。それにお産だって命がけですから」
「?!」
「ものの例えです」
「そうか」
「三成様」
「…不本意だが」
「?」
「約束する。あなたも私に何かあっても泣くんじゃない。笑って弔ってくれ」
「はい」
「ちい」
「三成様」
















「やれ目出度い目出度い」
「…ギリギリだけど。まぁ良い。ふふふ」
「半兵衛」
「僕と君と吉継君。おじじ様に成ってしまうね。」
「気が早い」
「と言いながら君だって産着の手配してたじゃないか。」
「…」
「男の子でも女の子でもどちらでも良いや。愛しい子は唯健やかで多幸でないと」
「にしても」
「ん?」
「三成は知っておるのか?」
「ああ。僕のことかい?土下座されたよ。嫁にくれって。秀吉と僕と竹中の父とどげざつっきだったんじゃないかな?ふふふ。あの、三成君がね。」
「我や半兵衛のようにならぬよう、気をかけてやれ」
「僕と君の方が手馴れてると思うけど。どうも、ね」
「ひひひ。」
「遊びと本気は違う、か」






「ちい」
「はい」
「私は秀吉様の言を違える気はないが…良いのか?」
「何がですか?」
「婚礼の儀だ」
「今から一生懸命用意しても太閤様や半兵衛様、大谷様に竹中の方々が納得できるこしらえを用意するのは早く算段しても1年ほどかかりましょう。」
「だが。」
「このまま、ここで。今まで通り。形式張ったことより筋道を立てて居れば良いと。神前に詣り、親族の宴も見に余ることです。」
「だ、がな。」
「?」
「私はちいの花嫁姿が見たかった」
「…」
「如何した?」
「いえ、あの。」
「?」
「身重で…十二単ですか?」
「ああ」
「…直衣着てくださいますか」
「治部少を受けた時に作ったのがある。」
「私も髪上げの折に竹中の御隠居様が」
「?!何故それを言わない」
「…」
「ちい?」
「凄く」
「?」
「似合っていなかったから」
「…は?」
「…」
「ちい」
「…」
「ちい?」
「…はい」
「似合ってないと誰が言った?」
「私が、そう」
「似合っていないと思って見せたくなかったのか?」
「(こくん)」
「だから言わなかったのか?」
「(こくん)」
「…嫌われるとでも思ったのか」
「…はい」
「私は、見てみたい」
「…」
「貴方が私の妻になる確かな証が欲しい」
「嫌いませんか?」
「ああ」
「笑いませんか?」
「ああ」
「っ」
「私はどんなことがあっても貴方を嫌えない」
「…」
「着てくれるか?一度だけで良い」
「三成様も?」
「ああ。私もだ。」
「なら、着る」








「万事あれなら光源氏よな」
「ちい限定だ…半兵衛は?」
「急用を思い出したらしい」

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