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変換なしの雑食夢

ran

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恋慕した幸村

「いたいた!」
「女子?!」
「あら、三成だけの方が良かったかしら?でもやめたほうがいいわ。すごく怖いのよ!」
「え?三成???」
「私の事だ」
「?!」
「半兵衛様に言付かってきた。貴様の世話係だ」
「私は月よ。こっちが石田三成。無愛想だけど優しい人だから」
「月」
「ふふふ。名前を名乗らないと。ごめんなさいね。随分待ったでしょ?」
「い、いいえ!大丈夫でござる」
「急に頼まれごとがあってね。さて行きましょうか」
「?」
「あなたが今日から寝起きする部屋。」
「え?!」
「?」
「如何したの?」
「そ、某。」
「あ!」
「月?」
「大丈夫!変なとこじゃないのよ。私と三成の部屋の横よ」
「?!」
「言い方が悪い。私とこいつの部屋の間だ。慣れるまでそこにいろ。」
「変な言い方した?まぁいいわ。襖一つだし。寂しかったら開けてみんなで川の字になって寝ましょう」
「川っ?!」
「諦めろ。此奴はこういう奴だ」














「あら!」
「月殿!」
「弁丸?!え?!わー!!大人になって!」
「旦那誰この人?」
「月殿だ」
「こんにちは。えーと…?」
「某の忍びでござる。佐助。此方は俺が元服前に大阪にいたとき世話になった御仁だ」
「俺?!弁丸が俺?!」
「月殿?!」
「月日が経つのは早いはずよねぇ。通りで私がおばちゃんになるはずだわ」
「そんな!月殿は昔と変わらず美しい女性でござる!」
「そう言ってくれるの弁丸だけよ。三成にしても吉継にしても散々からかってくれるわ。あ、2人には会った?」
「はい。月殿に会うように言われました」
「あら、言われなかったら会わないつもり?」
「そんな事は」
「月」
「三成」
「あまり喋るな体に触る」
「はいはい。ったく心配性ね。産後が長引いただけよ」
「風邪も引かんというのにな。飲め」
「ありがとう。弁丸も!ほら。三成。お客様」
「侍女がすぐ来るだろう」
「もー」
「私の茶は秀吉様と半兵衛様、刑部とおまえにしか淹れん」
「あら、まぁ。」
「何だ?…茶も来た。真田」
「はい」
「暫時そこで待っていろ」
「はい」
「ふふふ。面倒くさい男だと思うでしょ?」
「某には昔と変わらぬ石田殿とお見受けいたすが」
「昔っから面倒だったのよ」
「体は?」
「んー?普通にしていたらね。案外、城の人たちは喜んでるかも。じゃじゃ馬が静かになってって」
「その様なこと!…某、父に聞いてよく効く薬草を手に入れ申した」
「わ!ありがとう」
「…」
「如何したの?」
「何もできない某が不甲斐なく」
「それは私も一緒よ。というより全然違うわ!武勇は聞こえてますよ、幸村様」
「さ、様など!止めてくだされ」
「いやだって」
「(旦那挙動不審すぎ)うちの旦那様づけは苦手みたい」
「んー…なら」
「?」
「幸村」
「…!」
「何の話をしている?」
「三成」
「?」
「元服して初めてあったから」
「昔の様に呼び捨てるなよ」
「わかってますって。起きてた?」
「ああ」
「春も来たのね。」
「連れてきた」
「うふふふ。長女と長男です」
「初めまして」
「春。この方が真田幸村様よ」
「!」
「お初にお目にかかり申す。」
「ふにゃ…」
「あらあら泣かない。三成」
「私は抱くのは苦手だ。」
「もう。父親なんだから」
「乳母を呼んでくる」
「父上様」
「お前はここにいろ」
「はい」
「昔の様に笑われますな」
「ふふふ」
「?」
「昔ね、父上様と私でお世話させていただいていたの」
「人質でござったが月殿には色々と連れ出していただき申した」
「母上様」
「ふふふ。だってねぇ。すごく楽しかったのよ。」
「ええ。某とて忘れた事はござらん」
「ふふふ。幸村様」
「月殿、おやめ下さい。先ほどの様に」
「お願いがあります」
「月殿?」
「私はもうこういう体だから三成のそばにずっといてあげられないわ」
「…」
「三成をよろしくお願いします。本当に面倒くさいし頑固だけど。私にはかけがえのない夫だから」
「はい」
「む、無理にとは言わないわ!ああいう奴だし。時々首絞めてやろうかとも思うけど」
「…某、いつか月殿に恩を返したいと思っておりました」
「恩なんて…何か良いことしたかしら?」
「某にとっては。…家があります故必ずとは申し上げられませんが。必ず」
「ありがとう」
「あ、頭をあげて下され。」
「ふふふ。嬉しい」
「っ。」
「幸村様?」
「ならばひとつお願いがあり申す」
「?」
「娘御を某の嫁に頂きたい」
「!」
「春を?…春」
「春は父上と母上に従います」
「い、今では御座らん!時が来れば。…勿論春殿がいやでなければだ」
「(何言い始めてんだよ旦那!あんたが惚れてたのは)」
「そうね。もしこの話がないとしても。あなたが良いわね」








恋慕した幸村










「春」
「はい」
「…其方は嫌ではなかったか?」
「何がですか?」
「その、だ」
「母上に恋をしていたこと?それとも私の中に母を見たことですか」
「う…」
「当初は悩みましたけど。あなた様の悩みましたでしょう?おあいこですわ」
「今は!」
「?」
「今は、違う。俺は春の事が大事だ」
「…愛しているではなくて?」
「無論!その…愛している」
「ふふふ」
「春は?」
「恋しておりましたよ。会った時から」
「?!」
「初恋が叶ったみたい。ふふふ」

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連続 ルート

「会いたい」
「無理なのである。」
「軍事圧力」
「銀行を凍結」
「…」
「大体会いたくないと言っているのである。」
「会えば変わるだろう」
「頑ななまでに嫌われても?」
「…」
「浮気などするからである。」
「…」
「普通の女の抱き方など忘れたからか?」
「言ってくれるな」
「兄弟揃って愚か者め。」
「なっ…」


守るために全て壊すのも守るために全て隠すのも全部同じだ。そう言えば何た言いたげにして座り込んでしまう。非情と言えばいいのか過保護と言えばいいのか。窓辺で所帯なさげに外を見る彼女を思い出してそれに見合う価値があるのかと考える。日がな夜がな外を見る彼女は男を翻弄するには幼く純粋で、貞淑なのだろう。身を使い知性を駆使して翻弄すればそれなりに…と考えて自重する。そうなって仕舞えばきっと彼女は彼女で無くなってしまうだろう。




「ドア越しでいい」
「貴様は破壊しかねないのである。」
「壊さない」
「返事をせぬかもしれぬぞ。」
「…それでも良い」



彼女に会いたい。そう呟く、此奴に絆されてしまったのがいけなかったのか。彼女の優しさが仇になってしまったのか。
運命というのは残酷てある。





愚か者の独白

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連載 ルート

「金色の髪」
「思い出すか」
「少し、バッシュ様とあの人は似ているわ」
「親戚の様なものだ。」
「そうですか」
「我輩は」
「はい」
「貴様の様な女は初めてだ。」
「そうですか?」
「其の儘夜に溶けていきそうなのである。」


そう言ってこちらを見るので私は笑う。確かに、消えていきそうかもしれませんといえば返事がなくてカップの音のみが聞こえる。
兄が昨日来た。帰国する様にと言われ、できぬのならドイツへ帰れという事。人質にいくか、行く準備をしろと言われる私を保護してくれたのがバッシュ様だ。ありがとうございますといえば、契約だというこの人はやはり似ている。


「行きたかったのであるか?」
「楽かもしれません」
「すまぬが」
「分かっています。今の兄は」
「己も律している。ああいう男は嫌いではないが…」
「優しい兄なのです。」
「わかっているのである。」



バッシュ様といえばエメラルドの瞳がこちらを見る。


「あの日、手を取ったのに後悔はないのです」
「ああ」
「ですが如何して1人で我慢できないのでしょうか?」
「できるものの方が殆どだがな」
「…」
「如何したのである?」
「そうですよね。私の見る目がないのですよね」
「というよりかは」
「?」
「愚か者なのである。」





馬車の音がする。忌々しげに外を見ると噂をすればとため息と共に漏れる。部屋から出ぬ様にと釘を刺されて部屋を出て行く。きっとリヒテン様が門番をしてくださるところでしょうと私もため息をついてお茶会の終わりを悟るのだった




静やかな茶会

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basaraナリ様

「誰ぞおるか?」
「はい只今」
「白湯を持って参れ」


はいと言って侍女が歩いて行く。殿と言えば何故か舌打ちをしてこちらを振り向くものだから、思わず笑ってしまう。一転、優しい顔になるのだから不思議な人だ。殿と呼べば声が掠れる。ご寵愛を頂いてすぐだから仕方がない。無理をするなと言われても恋しいので呼んでしまう。


「元就様」
「如何した?」



裸体の私と夜着を乱れず来ているこの人。いつの間にお着替え遊ばしたのですか?と尋ねればクククと笑われた。そうして優しく髪をすいていただく。気持ちの良さに目を細めていると蕩けた顔をしてと仰せられる。誰のせいですかといってもくくくと笑うだけなのだ。



「私も着替えます。」
「そのままでも良い」
「殿?」
「白湯が来たか」
「みたいです。」
「其方」
「はい?」
「離さぬか」
「…」
「その様な顔をせぬとも良い」
「ですが」
「…」
「淋しい」





そう言ってじっと見つめると溜め息をついてそこに置いておけという。そして私の手を取ってくれるので自然と頬が緩んでゆく。殿と呼べば、其方のために所望したと少し拗ねて仰る。愛しい恋しい。誰よりもこの方が。


「殿」
「如何した?」
「私は殿の側に置いていただけて幸せでございます。」
「其方は我の室ぞ」
「…」
「もうあの戯けた鬼のものではない。我のものよ。然ればその様な顔をせぬとも良い」
「?」
「憂いておるぞ。帰りたいか?」
「何処へ?」
「あの戯けの元に」
「殿」
「…」
「二心無しと申しましたでしょ?」
「ああ」
「元より。私に帰る場所などございません。」
「ほう」
「…帰る場所がないからここにおるなど野暮なことをお言いではないですわね。」
「さてな」
「殿」
「?」

私、殿に抱かれて眠るのが一番好きと言う。抱かれて心臓の音を聞くと安心します。と続けるとすくりとたって外へ行く。


「安心せよ。どこにも行かぬ。」
「はい」
「その様な顔をするな」
「だって」
「声が痛々しい。我は其方の声が好きだからな。其の儘では好かぬ」
「ん」
「声を出してみよ」
「殿」
「…」
「元就様?」
「ん」



腕を伸ばすと優しく取ってくれる。取って微笑んでくれる。
貴方様のお側以外私は何処で生きればよろしいのでしょう?と言えば無いと仰るのに先ほどの様な児戯をなさる。酷い人。心外といった顔をなさってもいけませぬと言えばくくくと笑われた。


「殿」
「何ぞ」
「また致すつもりですか?」
「声も戻った」
「ん」
「また愛らしく鳴いてみよ。」
「意地悪」




そうやって再びご寵愛をいただく。微睡む思考の中で私は御慕いしておりますと何度も言うのだった。



蜜月

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basara 片倉

からりと襖を開けると彼女がいた。ただ静かに庭を眺めては日がな過ごしている様は未だかつて見たことがなく、居た堪れない。不意に視線をこちらを見ると視線が絡んだようで決して交わることがない。


自分と彼女の様だと思う。


「誰?」
「俺だ。」
「片倉さん?」
「目は如何だ?」
「お医者に聞いて。」
「お前さんに聞いた方が早いからな。」
「まだ見えない。」


そうかと言えばくつりと笑う。
城内でも上位の使い手。馬を走らせれば右に出る者はなしのこいつが原因不明で目を患って数カ月。良くならず、かえって悪くなるそれはこいつの表情まで暗くする。



「おい」
「ん?」
「見えてねぇのか?」
「ええ」
「おい」
「な…っん!?」
「見えるか?」
「せせせせ接吻なんてしないで!」



見えてねぇけど俺の顔は忘れてねぇだろと言えば接吻する仲ではない!と叫ばれる。


「いや、な」
「見えてたら引っ叩いてやったのに!」
「言いにくくしやがって」
「何が!」
「目が見えなくなったからじゃねぇ。同情でもなんでもねぇ」
「はぁ?」
「俺のところに来い」
「…頭湧いた?」



随分前から言いたかったことだと言えば絶句される。



「テメェも好きだろ?」
「…」
「沈黙する分可愛いな」
「馬鹿」
「如何する?」



私で良いのなんて馬鹿なことをいうものだから当たり前だと言って彼女を抱きしめるのだった




ある2人の話

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