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変換なしの雑食夢

ran

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16

「交渉に来た?あの、豊臣が?」
(と言っても大谷、石田だからな)
「…其れはそれは。交渉というより好戦的な」
「卿はどうする気かね。」
「…」
「今の卿の雇い主は私と思っていたがね」
「小太郎。落ち着いて」
「…」
「私がいくから安心し給え」
「爆破狂が何をいう。私が参るさ。思いの外居心地が良くて忘れていたが、私がいく先々迷惑がかかるな。松永殿だけなら良かったがこれ以上家中の方々に迷惑をかけるわけにはいかんからな」
「…小太郎の部下が変化していっているがね」
「は?!小太郎!」
「?」
「影で送ってくれ。他のものは別にして治部にはすぐばれてしまう。」





ずぶりという音ともに影に沈むと喧騒が聞こえる。私を抱きかかえる小太郎を見ると少し怒った顔をしている。すまんなと言うと無茶をするなと言われるものの。




「貴様ぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
「やれ三成、落ち着きゃれ!」
「事もあろうにあのお方の真似をするとは!!!!!!!万死に値する!!!!!!」
「っ!」
「さあ、赦しを乞え!」





本当になんという男を交渉役に出したのかと思いつつ影から飛び出て私の影武者の首根っこをつかんで小太郎の方に投げる。
籠手もないから下手すれば腕が落ちるなと思いながら刀を払うが、こいつの二の太刀は尋常になく早い。





「治部!!!!!!!!!やめんか!!!!!!!!」
「っ?!」
「っ」





腹の皮一枚で済んだのは小太郎のお陰だ。襟首をつかんで引っ張ってくれたからなんとか。ありがとうといえば、小太郎も獲物を出し始めるので私は止める。



「ひ、め?」
「久しいな。治部、刑部」
「息災か?」
「自城より、あの松永殿の城の方が安全というのが虚しいな。傷は腹の皮一枚で済んだ。小太郎。ありがとう」
「のようだ。そこの忍びに助けられたか?」
「ああ。風魔の御仁に拾われた命だ。」
「其処な方。礼を言う。姫は我の義姉で幼いみぎり寄りの縁。ありがとう」
「…」
「小太郎。刀を置いてくれ。大丈夫だ」
「…」
「治部や治部。」
「あ」
「息災か」
「私、は」
「二の太刀を止めなんだ理由は聞かないぞ」
「…」
「三成」
「刑部。許されるのなら、私はあの城に帰りたくない」
「それは、無理よ」
「兄上は処刑されたのだろう?私を毒殺しようとした咎で。」
「…」
「隠さなくてもいい」
「其処な忍びに?」
「いや、」
「愚問であったな。あそこのやり方を誰よりも知っているのが其方だからな」
「ふふふ。あの優しい兄にも憎まれていたのだ。刑部よ。妹のことは頼むよ。天命なれば致し方ないが人によって散らすには尊いだから」
「命に代えても。」
「治部」
「…」
「治部や、治部」
「お許しください、私は」
「ふふふ。治部や治部」
「姫」
「何も言うまい。ただ、父を頼んだよ。」
「姫様!」
「私はもう死んだ。治部の刀でな」
「っ」
「それでいいではないか。」
「私は…姫様の為」
「お前は父上様のために生きてきた。父上様に似ている私が好ましいのであって父上に似ていない私はそうではなかろう」
「違います!!!」
「なれば、何故」
「何故?」
「私を好きだと言ってくれなかったのだ?」
「…それは」
「姫、この男にそれは酷よ」
「幼い時の話だよ。父上と竹中殿を敬愛し、刑部は無二の友といったその日。私のことを父の養女とだけ言ったな。治部よ。」
「…は」
「それが、其方の照れ隠しだろうが何だろうが。私は知らぬ。ただな。」
「姫」
「辛かったぞ。」
「っ」
「やれ、姫。落ち着きゃれ。」
「こんなところで私の話など…すまぬな。ではな治部、刑部」
「まだ話は終わって居らぬ」
「帰られよ。私は私を殺そうとする輪には帰らんと」
「戦になろう」
「なれば真に死ぬるのみ。火種が私なればそれしかあるまい」
「本に可愛げのない」
「今さらだ」
「我は大切に思っていた。我をいとわぬ大切な友人と」
「ありがとう。治部」
「…」
「泣くな。よく見なくとも痩せたな。確り食べて寝なさい」
「嫌でございます!」
「聞き分けのないことを申すな」
「私にとりまして貴方は」
「治部」
「…」
「無理をすな。」
「無理、など」
「もしこの城を攻めるなら私も松永の者として戦うとお伝えせよ」
「…」
「毒の仇より命の恩人を助けねばなるまいからな」







からんころん






「姫様」
「…小太郎」
「?」
「こんなに若く可愛らしい子を治部の前に出したのか?可哀想に。怪我はなかったか?」
「え、あの」
「…」
「小太郎、私は怒っているのだよ。治部の前に私の偽物を出すのならそう言ってくれ。あれは豊臣の一部の者以外は狂皇。頼むから他の者を傷つけたりするのは私の本意ではなくなる」
「…」
「分かっているがな。私は客人ではなく人質であることくらい」
「…」
「そういう意味じゃないと言ってもだ。そうにしか取れないだろう?」
「…」
「ふふふ。不貞腐れるな。事実は事実。だからこそ。私は其方と其方の仲間たちを大切にしたい。」
「…」
「あ、逃げた」
「姫様は頭の言うことがわかるのですか?」
「え?」
「す、すいません。お耳汚しを。」
「いや、可愛らしい声ではないか。小太郎の言うことはなんとなくな。」
「そう、ですか。」
「私が言うことではないがな。小太郎を頼むよ。あれは自分を軽んじすぎる」
「我々は草の者ですから」
「なんの者かしらんが、私にとって大切たちなのだ」
「っ」

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