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変換なしの雑食夢

ran

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白藤色

「わぁ」
「うむ」
「兄様、半兵衛」
「凄く綺麗だよ。本当に本当さ」
「泣くな半兵衛」
「だって秀吉。あんな小さかった僕たちの姫がこんな綺麗なお嫁さんになるなんて…」
「そうだな」
「ふふふ。今生の別の様におっしゃりませんように。帰る場所はお二人のあられる場所ですもの」
「そうだね」
「ええ。お二人にはいつまでも健やかで…御指南いただかないと」
「ん」
「兄様、半兵衛」
「何だ?」
「あちらの事かな?」
「ええ。凄く、騒がしくて」
「今、片倉君と佐助君を送ったよ。」
「式前から大変ですね」
「さあ、秀吉。そろそろ行かないと」
「ああ」
「ん?」
「半兵衛も」
「バージンロードを二人がかり?」
「意外と淋しがり屋でしょう?」
「姫もね」
「ええ。私のためだと思って。お願いします」
「うん。秀吉がいいというのなら…仕方ないね」
「兄様」
「二人ともさあ行くぞ」







神前には後で行く。この内府大講堂はある意味、お飾りだ。大国の後継者としてを内外に示す。わかっているのだがそれでも心が乱れる。




「やれ三成」
「何だ刑部」
「落ち着きゃれ」
「落ち着いている」
「他のものにはそう見えてもなぁ」
「姫様がもう少しで来られる」
「ん。そうよな。」
「どの様な衣装なのかも聞けなかったが…」
「美しかろうな…ん。来よった」
「!?」





大きな扉が開くとお二人が入って来られる。
そしてその後ろから姫様が見える。




「!」
「これは、見事よな」
「美しい」
「ひひひ」
「三成」
「三成君」
「は!」
「ああ。新郎がひざをついてどするんだい?さあ立って」
「ですが…」
「三成…姫?」
「姫様?!」
「石田様」
「どうぞお立ち遊ばしてください!私などに」
「今日。今この時から私はあなたの妻です。」
「っ」
「石田様」
「もうそれもおかしいね」
「?」
「君も石田だよ」
「あ…」
「まぁそのうち豊臣だけどさ」
「姫様?」
「三成、様?」
「!」
「三成、姫を頼むぞ」
「御転婆だから気をつけてね」
「終生慈しむ許可を」
「…許す」




そう仰ると手を出す様に促される。私の手の上に姫様の小さな手が置かれる。手袋越しに震えているのがわかる。きっと、私もだろう。
茶番だろうが何だろうが、今私はこの世の誰よりも幸せな男に違いない









白藤色






「三成様?」
「ん?」
「凄く素敵です」
「姫様も。美しい」
「っ…」
「もう少しで終わりますから」
「ええ」
「草臥れましたか?」
「少し、でもそれ以上に嬉しくて」
「私もです」

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石竹色

「そう言えば」
「ん?」
「日頃姫様は何をしてお過ごしなのだろうか?」
「…」
「知らぬのか?」
「婚約者の主が知らぬ事を我が知るはずなかろう」
「…そうか」
「つけてみるか」
「…それは」
「知らぬ間にいらぬ虫が付いていたらのう…」
「?!」
「今の世。姫が主を慕っておっても関係なく襲う下劣な輩もおると聞いておる。確かめるのもまた良かろう?」
「行くぞ!刑部」
「ひひひ。全て義のため主のため」







「女学校では看護学に力をお入れ遊ばしています。また、どの科目も成績は優秀です。ご本人様におかれましては医術のこともう少し詳しく知りたいそうですが…あの方をご満足される知識は上の学校で学ぶものかと。」
「そうか」
「然し御婚礼との事。それも難しいかと思います。」
「?」
「医学科は家に眠りに帰る様なものと聞き及んでおりますので。」
「…」
「先達てより陛下、宰相殿下とおいでくださりました。」
「?!」
「皆様内密にと。ご安心下さいませ。姫様におかれましては学を治ること。ご学友との関係に至るまで何一つ難にあられるところはございません。御心も優しく先輩後輩に好かれておいでです」
「其れを聞いて安心した。」





「ひひひ。結果何もなかったなぁ。」
「当たり前だ!」
「にしても嬉しそうもな…次は慰安か」
「行くぞ!」





「傷痍軍人、寡婦、孤児。何件回るおつもりか?」
「我とてわからぬが…相も変わらずよなぁ。怪我人であろうが気にせず包帯交換しておるわ」
「?」
「嫌がらぬ訳よな」
「刑部?何を言っている?あれらと貴様は同列なわけあるまい!」
「さてな」
「家族と言い切ったのだぞ!恐れ多くも姫様が。貴様と松の部屋も用意すると楽しみにしていたのだ。」
「…初耳ぞ」
「そうなのか?」
「ひひひ。相変わらず変わり者の夫婦よな」
「夫婦?!」
「やれ、反応するのはそこか?」




「…他家に挨拶回りに荘園の管理。」
「流石に姫よなぁ」
「お疲れめされないのだろうか?」
「この上ぬしの食事の管理か…」
「…」
「無理をすな。主とて姫の料理なら食すが他は雀の涙。」
「くっ!」
「にしてもこんなにも忙しいとはなぁ。時折様子伺いをせねばな」
「ああ」






石竹色





「姫様」
「石田様!申し訳ありません。お帰りあそばしたのを気づかずに」
「いえ、無理をなさらず」
「ですが…」
「?」
「その…」
「姫様?」
「石田様は一年の大半を戦地で過ごされる事もしばしばあられるお忙しい方です。ですから一回でも多くお帰りなさいが言いたいのです」
「姫様!!!」
「きゃ!石田様?!」
「っ!!!」
「ふふ。冷たいですね。ご苦労様でした」
「(全身全霊を賭してこの方をお守りする!!!)」







「やれ、帰った」
「おえりなさいませ」
「熱い熱い。なぁ松」
「尾行されていた様ですけど?」
「ひひひ。姫の忙しさをな知る故よ」
「そうでございましたか。今日は特に忙しくしておいででしたから」
「結婚式もそろそろ故。のう、松」
「はい」
「姫様が我らに部屋を下賜遊ばすのは知っているか?」
「は?」
「の様よ」
「初耳です」
「どうよ。せっかくのお心遣い。無碍にするのはいささか…」
「!」
「使うのであれば我はぬしが良い」
「…そう、ですか」
「ではそういたそうなぁ」
「ええ」

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唐紅

「姫様」
「はい」
「…もう痛くありませんから」
「本当にごめんなさい。なんとお詫びすれば良いか」
「いえ、私の不配慮が原因です。」
「あんな…子供の様に。貴方にご迷惑どころか…お怪我をさせてしまって」
「この様ものは怪我には入りません」
「ですが…」
「姫様」
「…」
「…」
「一層…」
「姫様?」
「…」
「まさか?!」
「私を罰して下さい!」
「婚約を破棄にはしないでください」
「え?」
「は?」
「石田様?」
「破棄はやめて下さいませ!私は貴方以外の方と添うつもりもありません!」
「破棄は…私もしたくありません」
「姫様!」
「ですが…私は。どうぞ!同じ様に打っていただいても!引っ掻いていただいても構いません!打ち据えられても切り刻まれても致し方ないことをしております!どうぞ私を罰して下さいませ!」
「打ち据え…斬り刻む?私が姫様を?」
「はい!」
「無理です!!!」
「ですが!」
「貴方の美しい肌に擦り傷一つ付けたくないのです!それ以前に…打ち据えることなど!貴方は私がお守りするものであって!傷つけることはありません」
「私は貴方を」
「いや、痛くありません!怪我ではありません」
「ぐす…」
「姫様?!」
「やれ、仲直り…まだの様よの」
「刑部!助けてくれ!!!」
「ん?」
「かくかくしかじか!」
「…デコピンでもいたせ。」
「!」
「姫も。あまり無理を申すな。もし、誰ぞ主にデコピンして見よ。冗談ではすまぬのよ。」
「ですが…」
「まぁ、終わり次第例の部屋に。婚礼の晴着を決める故」
「石田様…」
「デコピンなど!許されるわけがない!!!」
「だめか。なれば姫、頬に接吻などでもしりゃれ」
「「?!」」
「元々罪ではあるまいが、姫からなさる羞恥は同等よな」
「で、すが」
「三成も打ち据える趣味はなかろう?ここらで手打ちせよ」
「だ、が」
「嫌か?」
「嫌なわけがない!」
「口にするのはぬしから折を見てすればいい。故に姫からは頬よな。」
「…」
「では。あとで。三成。ぬしもとっとと済ませて参れ。丈合わせがある故」
「おい!…姫様?」
「!」
「ご無理をなさらず」
「い、え」
「…」
「あの、」
「(愛らしい)」
「そ、の」
「目を」
「はい?」
「閉じてください」
「?」
「…」
「なっ?!」
「接吻は私からしたいものです」
「う…石田様」
「なさいますか?」
「!」
「そのご尊顔を拝しただけで充分…!」
「っ!では!行ってまいります!!」
「…」








唐紅







「茹で蛸が二つよな」
「可愛いなぁ」
「賢人も骨抜きか」

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空色

「姫様、が?」
「いててて。もっと優しくしてくれないかい?秀吉」
「…うむ。」
「君も結婚したら気をつけたほうがいいよ。あの馬鹿力で叩かれたら。侮っていたよ。かなりな馬鹿力だね」
「昔より言っていただろう。あれは加減をしていると。人形をへし折ってから改心したのだ。」
「冗談だと思っていたよ。ね、三成君」
「いえ、その」
「どうしたの?」
「どうしたてそのような…姫様は無闇矢鱈にその様な」
「ふふふ。君と違ってね」
「?!」
「半兵衛」
「実はね。三の事でウジウジするなってね。怒られてしまったよ」
「まさか…姫様はご存知ないはずでは」
「知ってるみたいだね。気づいたんだろう。ね、秀吉」
「ああ」
「し、しかし。ご心中穏やかでは…そのため内々に」
「余計な心配だったのかもしれないよ」
「は?」
「ふふふ。殴られるは惚気られるわ。今日は散々だね。でも心地もいい」
「姫からだ」
「?」
「どのような尊い方でも。素晴らしい方でも、君には代えられないってさ。共に生きて支えるのが今の望みだから。君の重しになったりただ、守られる存在になどなりたくないってさ」
「…あの方はとてもではありませんが死を享受出来る方では」
「それを僕が言ったら叩かれたんだよ。怖い怖い。武人に嫁いで妻として支えると決めた以上覚悟なんてとっくに出来てる!ってね。」
「あれはあれで大人になったという事だ。」
「愛しているとか当たり前でそれ以上の何かを彼女は彼女なりに考えて覚悟を決めてたみたい。今度こんな事あったら両頬、拳で殴る!覚悟しろって泣きながら出て行ったよ。そこは相も変わらずだ」
「っ」
「君にはとんでもないじゃじゃ馬を押し付けてしまうのかもしれないね。」
「いえ…これ以上ない方です。」
「さぁいきなよ。良く言い聞かせておくれよ。両頬、拳はさすがに嫌だからね」
「は」







空色







「姫様!」
「いし、ださま」
「あああ!涙をお止め下さいませ」
「だっ、て」
「半兵衛様にあとで謝りに行きましょう」
「は、い」
「姫様?」
「いし、ださまも!わたしに、かくしごと!」
「あああ。逃げないで下さい!擦りすぎです。お顔が腫れてしまいます。」
「なん、で!!!」
「姫様が悲しむのが嫌でした。泣かすのが嫌、でしたのに。泣かせてしまいました」
「し、ごと!」
「仕事?」
「いが、の!かくし、や!」
「伊賀の学者?」
「いがいの!」
「お、落ち着いて下さい。何を言ってるのかわかりません!」
「いし、ださまの!ばかぁ…」
「姫様?!お逃げにならないで!」
「うわぁぁぁん!」
「っ!姫様!」






「やれ松」
「なんですか?」
「あれは?」
「ああ。姫様が泣いているのを追いかけているのでしょう?ああ。捕まった」
「小猫が引っ掻いておるわ」
「石田様にとっては必死でしょうが」
「ひひひ。」
「あら、抱きしめた」
「後頭部殴打しておるな。昔の姫なら考えられん」
「それが今の姫様ですよ。ほら」
「ほんにな。三成もデレデレよ。」
「そろそろ終わりましょう」
「…主は慣れておるなぁ」
「初めて見ましたから。わたしが相手でなくて本当に良かったと思っておりますよ」
「ほう」
「刑部!」
「やれ煩いのが帰ってきた」
「姫様が怒って不貞寝された!どうすればいい?」
「逃げぬ様に見張りなしゃれ」
「その前に傷薬をお持ちします。ここまで暴れられるとは」
「私はいい!姫様の足が!」
「…怪我してませんよ。汚れているだけです」
「本当か?!感染してしまったら」
「…何より、姫。狸寝入りは」
「っ!」
「なっ?姫様!!!」
「あー…本気で怒っていますね」
「なに?!姫様!姫様!!!!!!」

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時雨色

「兄様」
「姫か。如何した?」
「お部屋ありがとうございます」
「別棟でも良かったが」
「そのような大金を私におかけ遊ばすのならば孤児や寡婦に。職業指南場を作られるとか。半兵衛が怒っておりました」
「いや、理はあるが本心はお前達に館を作りたかったのだろう。…三成は?」
「今溜まったお仕事中です。」
「ああ」
「訓練も島様が代わっていたそうですがやはり納得いかないようで。大谷様は巻き込まれています。松はこの部屋の前です」
「そうか」
「兄様。」
「何だ?」
「三姉様は」
「今…」
「兄様。皆私に隠し続けるでしょう。ですから松もこの前に置いてきました。本当の事をおっしゃってください」
「姫」
「覚悟もしてきております」
「…お前はこういう時に隠し事が出来ないな」
「お亡くなり遊ばされたのですね。」
「ああ。最後には自らの毒を煽って死んだ」
「そうですか。その毒は私に?」
「ああ」
「…そんなに嫌われていたのですね」
「逆だ。」
「?」
「あれは三成になりたかったのだろう。」
「…半兵衛は?」
「自主的に謹慎している」
「仕事をしろと言ってください。貴方が働かないと兄様に。この国にどれほど損害があるか、理解しているのかと!叱責して。あまりぐずぐずすると私もハンストいたしますとお伝えくださいませ」
「伝えておく」
「兄様」
「ん?」
「兄、様」
「泣くな」
「ごめんなさい。覚悟はしていたのですが」
「よく慕っていたからな」
「尊い方でした。知識も人格も。私より何倍も尊い人でした。…私はその命に購える人なのでしょうか?」
「わからんが。我にとってはそうだと言える。」
「ありがとうございます。」
「姫」
「?」
「三成が、お前が死んだ後。死んだのは知っているか?」
「は?」
「人としての何かがだ。我と半兵衛。吉継と左近。これ以外とは話さず、戦のみを行い。そして死んだ。大国の礎の原動力だったが傷ついても、癒さず死に急ぐ様は我が見ていても痛いしいものだ。子を成したのも命としてだ。三もお前を唯一抱いた男だからだろう。跡取りが産まれたらそれまでだった。三成は紛れもなく強かった。ただそれだけだ。殲滅するのみの機械と成り果てた。そしてそれだけの男として名のみ残してやつは死んだ。その程度の男ではないのにな」
「私は」
「今の彼奴は、我らが求めていた男になると思っている。お前もだ。人形ではないお前と強いだけではない三成が共に歩くとなればそれはどのような事なのか。楽しみにしている」
「兄様」
「三の死を忘れるな。ただ、元々敵兵だけではない。護衛、平民…貴様らの足ものにはたくさんの死が横たわっている。それをただの死にするな。」
「はい」
「いい目だ」
「ふふふ」
「支えがいのある男だ。綱取りを頼んだ」
「頑張ります」
「さて、我ももう一人の男を引きずり出すか」
「あちらはあちらで大変そうですね」
「頑固だ」
「存じ上げています」
「婚礼を来月にすると息巻いていたぞ」
「…」
「我も早く添うところが見たいな」
「御心のままに」






時雨色







「姫様」
「石田様」
「何故、このようなところに」
「いえ。ご尊顔を拝して帰ろうと思ったのですが、申し訳ございません」
「?」
「やれそろそろ休憩を。丁度姫が来た故」
「いえ、刑部様。お邪魔になるのは」
「姫様ーーー!!!休むように言ってくださいよ!」
「左近!貴様…」
「ヒィー!!!」
「ふふふ。石田様」
「…もう少しお待ちくださいませ。」
「いいえ。一度部屋に帰ります。」
「姫様」
「貴方様のお姿を見れてよかった。」
「っ」
「あまり根をお詰め遊ばされませんように」
「はい」

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