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変換なしの雑食夢

ran

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時雨色

「兄様」
「姫か。如何した?」
「お部屋ありがとうございます」
「別棟でも良かったが」
「そのような大金を私におかけ遊ばすのならば孤児や寡婦に。職業指南場を作られるとか。半兵衛が怒っておりました」
「いや、理はあるが本心はお前達に館を作りたかったのだろう。…三成は?」
「今溜まったお仕事中です。」
「ああ」
「訓練も島様が代わっていたそうですがやはり納得いかないようで。大谷様は巻き込まれています。松はこの部屋の前です」
「そうか」
「兄様。」
「何だ?」
「三姉様は」
「今…」
「兄様。皆私に隠し続けるでしょう。ですから松もこの前に置いてきました。本当の事をおっしゃってください」
「姫」
「覚悟もしてきております」
「…お前はこういう時に隠し事が出来ないな」
「お亡くなり遊ばされたのですね。」
「ああ。最後には自らの毒を煽って死んだ」
「そうですか。その毒は私に?」
「ああ」
「…そんなに嫌われていたのですね」
「逆だ。」
「?」
「あれは三成になりたかったのだろう。」
「…半兵衛は?」
「自主的に謹慎している」
「仕事をしろと言ってください。貴方が働かないと兄様に。この国にどれほど損害があるか、理解しているのかと!叱責して。あまりぐずぐずすると私もハンストいたしますとお伝えくださいませ」
「伝えておく」
「兄様」
「ん?」
「兄、様」
「泣くな」
「ごめんなさい。覚悟はしていたのですが」
「よく慕っていたからな」
「尊い方でした。知識も人格も。私より何倍も尊い人でした。…私はその命に購える人なのでしょうか?」
「わからんが。我にとってはそうだと言える。」
「ありがとうございます。」
「姫」
「?」
「三成が、お前が死んだ後。死んだのは知っているか?」
「は?」
「人としての何かがだ。我と半兵衛。吉継と左近。これ以外とは話さず、戦のみを行い。そして死んだ。大国の礎の原動力だったが傷ついても、癒さず死に急ぐ様は我が見ていても痛いしいものだ。子を成したのも命としてだ。三もお前を唯一抱いた男だからだろう。跡取りが産まれたらそれまでだった。三成は紛れもなく強かった。ただそれだけだ。殲滅するのみの機械と成り果てた。そしてそれだけの男として名のみ残してやつは死んだ。その程度の男ではないのにな」
「私は」
「今の彼奴は、我らが求めていた男になると思っている。お前もだ。人形ではないお前と強いだけではない三成が共に歩くとなればそれはどのような事なのか。楽しみにしている」
「兄様」
「三の死を忘れるな。ただ、元々敵兵だけではない。護衛、平民…貴様らの足ものにはたくさんの死が横たわっている。それをただの死にするな。」
「はい」
「いい目だ」
「ふふふ」
「支えがいのある男だ。綱取りを頼んだ」
「頑張ります」
「さて、我ももう一人の男を引きずり出すか」
「あちらはあちらで大変そうですね」
「頑固だ」
「存じ上げています」
「婚礼を来月にすると息巻いていたぞ」
「…」
「我も早く添うところが見たいな」
「御心のままに」






時雨色







「姫様」
「石田様」
「何故、このようなところに」
「いえ。ご尊顔を拝して帰ろうと思ったのですが、申し訳ございません」
「?」
「やれそろそろ休憩を。丁度姫が来た故」
「いえ、刑部様。お邪魔になるのは」
「姫様ーーー!!!休むように言ってくださいよ!」
「左近!貴様…」
「ヒィー!!!」
「ふふふ。石田様」
「…もう少しお待ちくださいませ。」
「いいえ。一度部屋に帰ります。」
「姫様」
「貴方様のお姿を見れてよかった。」
「っ」
「あまり根をお詰め遊ばされませんように」
「はい」

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