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変換なしの雑食夢

ran

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劣化色

「言いたい事ある?」
「いいえ」
「そう」
「私は貴方の手で死んでしまいますか?」
「いや。これ」
「…やっぱり嫌な人」
「そう?前世の遺恨を今生でもやろうとする君の方がどうかと思うよ」
「…」
「ねぇ。最後に聞かせてくれる?」
「?」
「なぜ、姫を殺そうとするの?彼女が君を」
「私のものになりませんから。」
「そう」
「どんなに愛しても。どんなに恋い焦がれても。彼女は私のものになりはしない。」
「…時間だね」
「…最後に貴方なのは最低だわ」
「僕もだよ」
「さようなら」
「来世ではもっとまともになりなね」
「来世では、男になりたいわ。ねぇ」
「…」
「兄さん」










劣化色









「三姉様は結婚式来てくださるかしら?」
「は?」
「小さな時に約束してくださったのです。ウエディングドレスを一緒に選んでくださるって」
「仲が良かったのですね」
「ええ。私は兄様と半兵衛とに育てられましたから。松は姉いうより双子とか母とかみたいなところがあって。ふふふ。姉様は三の姉様です」
「そうですか」
「でもお忙しい方ですから」
「…前線に行かれるそうです」
「え?」
「交渉役ですから。」
「そうですか。…そうですね。うん」
「姫様」
「石田様?」
「いえ。食事を致しましょう」
「はい」
「…やれ、二人。」
「刑部」
「大谷様。御機嫌よう。お食事まだでしたら如何ですか?」
「ひひひ。頂こう。」
「では支度してきます」
「私も手伝います」
「あら、松。お帰りなさい」
「…半兵衛様は?」
「事がなったと。」
「そうか。さぞ」
「いうな。普通にしろという事だ。」
「…石田様?」
「何でもありません。…頂こう」
「?」


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深墨色

「…」
「すう…」
「はぁ…」
「ん…」
「?!」
「石田、様?」
「起こしてしまいましたか?」
「すいません。寝てしまって…」
「いえ。私に合わせると姫様の体調に差し支えますので…」
「…お仕事は?」
「まだかかります。…眠れそうですか?」
「…」
「姫様?」
「ランプの炎が」
「眩しいですか?」
「キラキラ光って貴方様の御髪がすごく綺麗」
「…」
「石田様は本当に美しいですね」
「そう、ですか?」
「ええ」
「…お願いですから」
「?」
「私の忍耐を試すような事はなさらないでください」
「だって」
「私にとって姫様はただの姫ではないのです。美しく清らかで唯一無二の存在。…私のものにしてしまいたいのですから」
「?」
「姫様?」
「もう、貴方様のものでしょう?」
「そう、なのですか?」
「ええ」
「ですが…そういう事はやはり儀式の済んだ後に」
「???」
「わかっておられない分たちが悪い」
「まぁ非道い」
「姫様?」
「石田様まで私を子供扱いなさるのね。」
「まで?」
「えっと…」





そう言って姫様は素足のままベットから降りる。白い足が目の毒以外の何物でもない。きっとこの方は私の葛藤など理解してはいないだろう。自然、姫様と呼ぶ声が引きつる。大人しくベッドの中で寝ていてほしいのだが美しい髪を靡かせて私の元にかけてくる。

それが何よりも禁断的で、魅惑に満ち、愛おしくていけない。

はいと手渡された白い紙。姫様はなぜか私の手を握られる。白い小さな手。同じ人間ではないと思う位華奢なそれは少し暖かい。読んでみてと促されるのだが、その手を離す事はできない。




「半兵衛様と」
「兄様から」
「なっ?!よろしいのですか」
「ええ。…きっと」
「…っ!」
「兄様も同じようなこと書いていらっしゃるの」
「あ、の」
「石田様も私は子供のままなのですか?」
「い、え」
「良かった」
「良くないです」
「?」
「新枕の意味は?」
「淑女の嗜みとしてある程度には…」
「?!」
「石田様?」
「そう、なのですか?」
「え?ええ。」
「…」
「あ、ですが知識だけですので。経験は」
「っ!」
「寝、ます。すいません。寝ぼけてお仕事の邪魔を!」
「まっ」
「っ!」
「…」
「石田様?」
「事がなったら…」
「事?」
「はい。事がなれば、貴方様を名実ともに私のものとする、許可、を」
「!」
「半兵衛様ではありませんが…貴方様に子のなす方法を、その。御教授する許可を」
「また半兵衛が私を揶揄っているのですね」
「それは…」
「…事が何なのか。私にはわかりませんが。何年でも待ちます」
「はい」
「石田様?!わっ」
「ベッドで寝いて下さい」
「は、い」
「…」
「仕事」
「…」
「石田様?」
「姫様」
「はい!」
「どうぞ健やかに」
「その言葉」
「?」
「そっくりお返しいたします」
「くくくくく」





深墨色






「松君…のところかな?」
「配下の者です」
「拷問は楽しかったって?」
「元々右に出るものがいない方ですので。これを」
「ん。秀吉は僕が言う。」
「大谷様には別のものが。石田様には…頭は大谷様か竹中様からお伝えくださればと…」
「如何したものかな?あ。これを調べて」
「?」
「これの如何で決める。いつまでに出来る?」
「明朝までには」
「うん。出来るだけ早めにお願い。それまでは」
「自害させず、姫をお守りいたします。何より」
「三成君が閉じ込めているからね。野菜も何もかも信用のおける者からだしね…」
「はい。我々も気をつけております。」
「頼むよ」



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菖蒲色

「姫が殺された?そう言ったの?」
「のようで」
「どういう事?!」
「わからぬが…三成は心当たりがあると」
「三成君が?」
「今、姫は?」
「石田の屋敷に。炊事洗濯全て二人でするそうで」
「…新婚さんだね。」
「それはいいが」
「ひひひ。暑くて暑くて、我は行きたくない」
「え?!吉継君まで?松君は?」
「引き攣っておる。」
「想像がつきやすい。まぁ。二人がいるし…大丈夫だろうけど…ん?」
「兄さん」
「三?如何したんだい?」
「姫は?今日見てないんだけど」
「三成君のところさ。秀吉。荷物も送っちゃう?」
「…離れに住むはずだ」
「君も妹離れしてないね。唯一の弱点だ」
「お前もだろう」
「そうだね。で、三は姫に何の用だい」
「お土産」
「預かっておくよ」
「ん?」
「如何した?」
「いえ。失礼致します」
「…」
「心当たり、ね」
「良いのか?賢人」
「なんの事だい?さぁ。差し入れに行こう」






何故此処にいるのだろうと思いながら人参を見る。片倉様印。美味しいだろうなぁ。何にしようかとチラリと後ろを見ると石田様がいて困った顔をされる。それはこちらも同じだ





「この際です。しっかりと休んでいただこう」
「姫」
「はい?」
「作りすぎでは?」
「…食べないのですか?」
「食べますが」
「食べて下さい」
「…二心ありませんか?」
「しっかり休んでいただきたいだけです」
「私は…」
「石田様!婚礼した後もこういうのがいいかもしれませんね」
「はぁ」
「昔から子供が出来たら自分で育てたかったのです。こういうの好きです」
「…」
「石田様?顔真っ赤ですよ」
「子供…」
「結婚したらそういうものでは?」
「え、ええ。そうなのですが…」
「ふふふ。」
「遊んでおりますね」
「いえだって。半兵衛が結婚したらキャベツが届いて赤子が出来るって聞いてますから!大丈夫ですよ」
「…松」
「恨むのならば興味半分で遊んでいた竹中様を」
「…くっ!」
「ヘタレ」
「何を二人で?でなんで此処に来たんでしょうね?」
「改築です。姫様の部屋を大きくするために」
「そうなの?」








菖蒲色








「姫様は?」
「寝てます。」
「外は?」
「今のところ三人ですかね…。派遣先は今はかしてますが。見た事ある顔もありますし(珍しく)あなたの勘が当たってますね」
「…そうか」
「今生で前世の仇をとれるとは!」
「生き生きするな。」
「で、姫様はお願いしますよ。寝てますから。変な事しないでくださいよ。でも側には居てくださいね」
「貴様」
「理性との間で頑張ってください!」
「何処に行く」
「本業に。狩に行ってきます」

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空色

ふと周りを見ると、真っ白な花が咲いていて目をみはる。見たこともない美しい花。踏み潰してしまったと急いで手を退けてみたものの不思議と花は倒れていない。水の音がどこからか聞こえる。不意に顔を上げると女の人が立っていた。美しくて儚げな微笑みは私に似た容姿を別のものに変える。私であり、私でない人。これが昔の石田様が好きだったもう一人の私なのだろう。不思議と恐ろしくない。寝転がっている私の横に彼女が座る。




「あなたは」
「遠い昔に生きた女の戯言を聞いてくださいますか」
「私も聞きたいことがあります」
「?」
「でも先にあなたがいって」
「私は自死しておりません。周りも記録もそうありますが私は…悪戯に命を絶とうなどしておりません」
「え?」
「あの時、尼になろうと思っていたのです。先祖の菩提と殿の安全祈願をして余生を過ごそうと…」
「そうなのですか」
「驚きませんね」
「自殺する方が驚いています。」
「…そう?でもその通りかも知れない。私は死んだのだから。私は私。貴方は貴方。一緒のようで別なのです。だから皆のように昔の記憶を貴方に上げることはできないのです。」
「石田様が…酷い殿方だったのでしょ?だから…」
「いいえ。殿は愛しい方です。きっと殿に殺されたとしても私は許してしまう。あの人の涙にはそれだけの価値があるのです…だから。あの美しい思い出は私だけのものです」
「…」
「如何致しましたか?」
「聞きたいことは石田様の事でした。御好きかと…でも今のが答えですね」
「ええ。貴方と同じ唯一で初恋なのですから。少し出会いが違いますが」
「ふふふ」
「このままでてくるつもりはありませんでしたが…気をつけて。」
「?」
「私が死んだ理由が側にいます。もう」
「まって!」
「あの人にあんな顔をさせてはなりません」
「それは!」
「では、さよなら」
「まっ」
「幸せになってくださいね」









ぱちりと目を覚ますと見慣れない天井でここが内府である事を思い出す。

銀色の髪が目の前に広がる。昨日、ベッドで寝る寝ないで少し言い争ったのち結局一緒に寝たらしい。石田様は香水とかの匂いのない人だと思ったけれどもいい匂いがする。回された腕に力がこもる。





「姫様?」
「ごめんなさい」
「いえ…」
「もう少し寝てください」
「夢を見ました」
「夢?」
「貴方の過去が別れを告げて」
「私にも」
「姫様?」
「私は今も昔も違うのに。貴方を愛していたのです」
「何故、泣いていらっしゃるのですか」
「殺されたと」
「…」
「私は誰かに恨まれていたのですか?」
「落ち着いて。夢ですよ」
「…はい」
「貴方こそもう少し寝てください」
「石田様」
「?」
「好きです。ずっと…」
「…」
「私もあの人も。貴方ともう一人の貴方も」
「姫様」
「だから…」
「寝てしまわれたか…だが」










空色







「…やれ三成」
「何だ?」
「朝食が出来ているが如何する?」
「姫様のお召し物は?」
「まだよの」
「ならば、此処で」
「あいわかった。…何も」
「姫様は自殺されていない」
「…は?」
「殺されたそうだ」
「ひひひ。そう言ったか?」
「ああ。」
「心当たりは?」
「ある」
「左様か」
「文を半兵衛様に。これは刑部。貴様にだ」
「あいわかった。姫は?」
「まだお休み中だ」
「朝食はまたにしよう。主ももう少し休め。今より、我らが受け持つ」
「ああ」

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群青色

「申し訳ありませんでした!」
「石田様。もう良いでから」
「いえ!家康のせいとはいえ…あなた様に水頭からかけてしまうとは!」
「今松が急いで服を取りに行ってくれていますから」
「私の予備のシャツにお着替えください。風邪を召してしまっては大変ですから」
「ありがとうございます」




今日、姫様が内府に来られたのだ。半兵衛様に用があったそうなのだが、私の執務室においでくださったのだ。至上の喜びなことなのに家康の所為で姫様に水をかけてしまったのだ。瓶一本分。頭から。
血の気が引く我々とご立腹な半兵衛様をよそに姫様は私が先に入ってよかったですね。半兵衛なら何しでかすかわかりませんよとにこりと微笑まれた。悲鳴とともに家康は連れて行かれ。半ば放心状態の私はくしゅんと姫様のくしゃみで我に帰る。抱きかかえて執務室横の仮眠室にお連れする。とりあえず予備シーツで髪を拭こうとしたものの髪飾りのせいでどすれば良いのか思案する。とまたくすくすと御笑わいになられ冒頭へ至る。




「水ですから」
「ですが」
「石田様が濡れてしまわれる」
「私は良いのです」
「…髪飾り!」
「え?」
「石田様に頂いた」
「あれは漆塗りですから。ほら、」
「良かった。」
「髪をふいてください」
「ええ」
「シャツと上着です」
「すいません」
「火鉢を持ってきます。」
「はい」


ぱたりと閉めて左近に誰も近づけるなと釘指す。すると俺が火鉢持ってきますよと言ってとっとと走って行ってしまった。





「姫様」
「はい」
「温かい飲み物を淹れます」
「大丈夫ですよ」
「わざわざ御いでくださったのに…」
「半兵衛に呼び出されて貴方様に用がありましたから」
「私に?」
「はい。」
「?」
「石田様にもお聞きしたかったのですが」
「なんですか?」
「新居は本当に離れでよろしいのですか?」
「そのつもりでしたが…」
「無理なさっていませんか?」
「いえ」
「結婚式ももう少しですが…本当によろしいのですか」
「…くくくくく」
「笑っておられませんか?」
「いえ、随分と不安げですから」
「石田様は兄様の命に反することはしないからと」
「貴方がいるのならば。どこでも至極なのですよ」
「っ」
「姫様」
「あ、あの!」
「ああ。少し待ってください。左近!なんだ?」
「火鉢です。あと残念な話、今雪のせいで交通が麻痺してまして…松さんが帰れなかったそうです」
「は?」
「それどころか今日はここに泊まりです。」
「では姫様は秀吉様の元へ」
「いえ…婚約しているのだから問題ないと。逆に兄妹で寝具一つの方が外聞が悪いから三成様のところへ泊まるようにと」
「は?」
「俺、半兵衛様の命令で色々行かないといけないっす。姫様の事。お願いします。秀吉様が側にいるようにと!」






なんだ今日は!厄日なのか?!







群青色







「ひ、めさま」
「きこえ、ました。あの」
「まず、火鉢を」
「はい」
「入ります」


扉の向こうには着物でも洋装でもない姫様がいて思わず火鉢を落としそうになる。随分と大きかったのだろう。肩が落ちてしまっている。



「ズボンをお渡しします!」
「え?!いえ…合わないかと」
「ならシーツで…ああ。予備を使ってしまった!」
「石田様?」
「あ、しが」
「っ!」
「いえ!そういう意味ではなく!!!」
「…」
「あ、の。」
「すいません。色気がないので…御見苦しい限りでしょうが」
「とても!美しいです!!!」
「!」
「ですか…いえ?!あの。そういうつもりではなく!」
「私」
「…姫様?」
「心配だったんです。石田様のお好みがわかりませんし。こんな貧相な体と思われて嫌われたらと」
「っ」
「石田様?」
「今、理性と本能との葛藤が…」
「っ」
「何もしてはならないのは当たり前ですが…秀吉様と半兵衛様に命じられておりますので私も別室というわけにはいきませんし。ここにいる愚者に何かされでもしたら…それこそ。御側にいてお守りしたいという気持ちと私のものにしてしまいたいという気持ちが…何を言っているんだ?!私は!こんな邪な」
「邪なのですか?」
「い、え!ですが!」
「私は石田様が好きですから。」
「姫様」
「難しく考えすぎですよ。私は嫌われてないとわかっただけで嬉しいのにそんなに求めていただいて」
「煽らないでください」
「さすがに私も此処では…いえ!場所ではなく。周りが…」
「当たり前です!」

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