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変換なしの雑食夢

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大谷兄妹と三成と私 9

「吉継さーん」
「ん?」
「朝ですよー」
「はてさて。もう朝か?まだ眠い」
「兄様!見てください!」
「…愛いのう。よう似合っておるわ」
「秋お姉ちゃんが作ってくれました!」
「良かったのう」
「吉継さんも枕元」
「ん?」
「刑部!…まだ起きてなかったのか」
「やれ、三成もか」
「秋に作ってもらった。秋、さやかのところへ行ってくる」
「はいはい。よろしくね」
「ああ」
「朝から珍しく喜色満面よな」
「さやかさんとペアルックが密かに嬉しいみたいです」
「…」
「吉継さんも!」
「やれ急かすな」
「わっ」
「ひひひ」
「吉継さんの色中々決まんなくて二色色混ぜたの!どう?」
「黒と茶か」
「そう。茶で作ってたんだけど…やっぱりこっちにして良かった。こ」
「ようできておるわ」
「ふふふ。今度これ着て散歩行こうね」
「で、」
「ん?」
「主のは?」
「ないよ」
「…」
「?」
「やれさて。買い物に行くぞ」
「え?急に?」
「朝餉をくろうたらよ。春」
「はい!私は兄様に賛成です」
「ひひひ。さすが我が妹よ。」
「すごい疎外感!」
「いや何。我ができるのは毛玉の見立てのみよ」
「!」
「どうせぬしのこと。三成と雑賀を揃いにして我と春を揃いにしたのよなぁ。で、自分のを悩んだか?」
「いやぁ…はい。お見事です」
「我らと共にいたせ。わかったな」
「!」
「秋お姉ちゃんは紅葉の色が似合うと思う!」
「左様か。行って確かめてみよう」
「う…あ」
「なれば早と朝餉にいたそう。秋」
「はい!」
「はよう食べよう」
「…はい」






手芸屋に来たのは良いけどまさか、修羅場に出くわすとは思わなかった。




「ピンク!」
「此処は黒がよかろう」
「秋お姉ちゃんは女の子なので断固としてピンクです」
「(ごめん。女の子っていう年じゃない。)」
「やれ、三十路近くの女がピンクなど片腹痛いわ。おとなしく黒にしておけば良いのよ」
「(事実だけどムカつく。全国の三十路近くの女子に謝れ)」
「兄様」
「春」
「…秋お姉ちゃんはどちらが良いですか!」
「無論、黒よな」
「…あ!」
「?」
「青?」
「却下です」
「許さん!」
「紫」
「三成兄様とお揃い!」
「…雑賀に悪いと思わんのか」
「あー…緑?」
「絶ー対駄目!」
「給料を下げる」
「え?!其処まで?!」
「赤も駄目だよ!」
「えー…なら何色だろ?あ」
「?」
「ラズベリーか?」
「ピンクに黒混ぜたらこれくらいですかね」
「え?」
「いやー、春ちゃんが言ってくれたみたいにピンクをきれればいいけど中々…あ!違うのよ!女の子ってくくってくれて嬉しかったし、ね?吉継さんは当たってたけど言い方が!」
「ひひひ」
「間とってこれくらいなら如何だろう?似合います?」
「まぁまぁよ」
「可愛くない」
「!」
「やれ、春。何を跳ねておる?」
「やだ!可愛い!」
「これで秋お姉ちゃんは兄上のお嫁さんですね!」
「え?」
「や、やれ。」
「お嫁さんじゃないよ!そんな春ちゃんの義姉だなんて烏滸がましい!」
「?!」
「でもみんながいていいよっていうまでは側にいるからね!」
「お嫁さんが良い」
「春」
「わかってます。ごめんなさい」
「毛糸買ってきますね」
「やれまたしゃれ。」
「?」
「我が買う」
「え?!良いですよ。」
「何のために来たと思う?編めぬゆえそれは頼んだ」
「じゃ、お言葉に甘えて」
「ひひひ。」







大谷兄妹と三成と私 9







「あー!」
「春殿!」
「幸君見て。」
「愛らしゅうござる」
「えへへ」



「こんちは。何デート?」
「買い物」
「ぬしはあいも変わらずよなぁ」
「何それ?!」
「ひひひ。はてさて。昼餉の時間か」
「そーだね」
「一緒に行く?」
「二人ともなんかこそこそしてるけど。良いのかな?」
「子供同士のひそひそ話だよ」
「可愛い…滾る!」
「やめて通報しないといけなくなる」
「逆にぬしが言わぬと悪い病気よ」
「ねー」
「良いのそれで」

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大谷兄妹と三成と私 8

「残ったか?」
「まだあとは残る」
「いつ頃消えるかのぅ」
「女性はお化粧しますから。毛利先生退いて。やりにくい」
「傷を残すでないぞ」
「さっきと言ってたことが違う!」
「元就兄…怖い」
「煩い!」
「ひひひ。やれ、恐ろし。」
「っち!」
「この調子なら大丈夫よ。彼氏さんもご心配いりませんよ」
「?!」
「あれ?結婚してなかったよね。…婚約者さん?」
「違う!!!」
「なんで毛利先生が怒るの?!鼓膜破れる!」
「雇用関係なんです。こちら雇い主」
「え?!…あー。鈍そうだもんね」
「???」
「大変ですね…おまけが多い」
「ひひひ。またそれも乙よ」
「何話??」
「ぬしは知らぬでいい話よ。」
「???」
「さてとゆるりと行くかのぅ」
「はーい。ありがとうございます」






今日は吉継さんの膝の具合が良いらしい。杖をつきながら歩くそうな。無理をしちゃいかんですよと言っても今日は歩くと頑なだった。そう言えば薬もうないですよねと言うと嫌な顔をされる。いや、そんな顔されても。



「ぬしは…」
「え?!怒られるとこですか?」
「…いや。もろうて行くわ」
「体の方は良くなってきてよかったですね。」
「まぁ顔の方は治らぬよ」
「少しずつ良くなってるって言ってましたよ?」
「火傷のあとの話よ」
「痛みます?」
「最近は痛まぬ」
「ふふふ」
「?」
「吉継さんはいろいろ背負いすぎなのよ。疲れかもよ。最初はばりばり掻いてたけど最近少なくなってきたじゃん。」
「本に主は…」
「?」
「ひひひ。異形な我の側によくおるなぁとな。ほれみりゃれ。今でもよう目立つ」
「吉継さんはそういうとこあるね」
「?」
「私別に気になんないし。前言ったでしょ?もっと目立つ時は目立つし。いちいち人の目気にしてあいつらといれないもん。吉継さんも。私が鼻血出ても一緒にいてくれるじゃん!鼻血の女の方が悪目立ちするよ?でも居なくならないじゃん。」
「…それとこれは同列か?」
「同列じゃない?所詮他人は見てるようで見てないもん。それに私、吉継さん好きだよ」
「?!」
「私に関してそういう気遣いいらないから。そこまで繊細じゃないし。吉継さんは繊細すぎ!」
「主が大雑把なのよ」
「否定できない!」
「ますます手放せなくなるなぁ」
「まさかの解雇宣言?!」
「ひひひ。春に怒られるわ」
「さすが天使!」
「にしても主の春好きはおぞましいのう」
「言うに事欠いて?!」
「人によっては即通報よ。」
「そうだよねー…。」
「?」
「私、高校卒業してから介護してたの。ばーちゃんとじーちゃんと。」
「聞いておる」
「世話になったし好きだから時々以外嫌になんなかったんだけど、元々こういう性格でしょ?一番辛かったの外に出られなかったことなのよね。介護の人はいると嫌がるし暴れるしで預ける人もいないときのさぁ一番の心が晴れたのって大谷兄妹なの」
「?」
「まだ赤ちゃんの春ちゃん抱っこしてよく歩いてたの。最初はさー。赤ちゃんとお兄ちゃん?って漢字だったんだけど。ほぼ毎日だからさ変に親近感が湧いて。途中から大きくなる春ちゃん見てたら心洗われてさぁ。吉継さんがうち食べに来て密かに常連だったでしょ?それにさぁ。話した春ちゃんマジ天使!」
「最後のそれがなければ良い話よな」
「ふふふ。」
「薬もできたか」
「?」
「大谷さん…薬出来ましたよ。」
「やれ。やはり明智か」
「ああ、良い!その蔑んだ目!やはり検査を受けてください。私が自らじっくりしっかりねっとりと!体の隅々まで!!!」
「怖い!」
「だからこの曜日は嫌なのよ」
「ん…また可愛らしいのを連れていますね」
「ひっ?!」
「ああ良い!その怯えた瞳も!」
「さわらりゃるな!これは我のよ」
「おや…あなたらしくない。」
「…」
「女など懲り懲りなのでしょ?貴方の顔を焼いた母親のような女は」
「…え?」
「黙りゃれ」
「おっと…その目も好きですよ。んふふ。では確かにお渡ししましたから」
「…」
「貴方も。一度検査を」
「毛利先生が主治医です!」
「そうですか。其れは、残念」
「…」
「では失礼します」






大谷兄妹と三成と私 8






あれから結局。タクシーを呼んでとっとと帰りました。何より、吉継さんのご機嫌が氷点下です。めちゃ怖い。

春ちゃんもまだ帰ってこないし…三成さんはもっと帰ってこないし。米を食べても砂を噛んでるようだ。





「やれ」
「は、はい!」
「…先ほどの話」
「?」
「本当よ」
「え?」
「我の顔は母親にやられた」
「…そうですか」
「なぜ敬語よ」
「いや?!…何となく」
「ひひひ。面倒な女でな。我が父に似ておらぬのが困ったそうよ」
「?!」
「不義の子らしくてな。年々似てくるその顔に怯えて最後は我の顔の左目を焼いた」
「酷い!」
「左様か?」
「酷い…」
「やれ、」
「そんなの、酷い」
「…ひひひ。何故ぬしが泣く?」
「一発殴る」
「もう親子の縁は切った。賢人…そのうち会おう。其れが今の我の親よ。」
「その人殴れば良い?」
「やれ、殴ってはならぬ。殴ってはならぬよ。我らの恩人よ」
「なら殴らない」
「ぬしは」
「何?」
「本に不思議よ」
「???」
「我を嫌わぬ女は春だけかと思うたわ」
「ぐしっ」
「やれ泣き止め。如何したら…泣き止む?」
「…ひっく」
「ほんにころころと顔が変わるなぁ」
「煩い」
「ひひひ。怒るな怒るな」
「泣いたら眠くなった」
「本に赤子のような…」
「吉継さん」
「いや、猫か…やれ我にもたれるな」
「…ぐう」
「ひひひ。愛い」

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大谷兄妹と三成と私 7

いつからこう篭っているのか忘れてしまうほど没頭したのはいつの日か。春が泣かぬし障子の前にこぬところを秋に礼をせねばなるまい。
もう少しだ。もう少しで書き上げられると思った時無遠慮な足音と「出来たかぁ」と呑気な声。暗め…これほどの殺意を感じたことはない。



「開けるぞー!」
「死ね!」
「うげっ?!」





湯呑みを投げて割れる音がする。当たったらしいが浅かったかと舌打ちをしながら書き続ける




「お前?!」
「もう少しで終わる!帰れ!」
「だけど…わかった。帰るわ」
「…」






思いの外足音が普通だったのに苛立ちを感じながら筆を進める。霧散、せずに済んで良かった。





実際はなにも良くなかったのだが。









「やれ、書けた…ひひひ。書けた、書けた」




そう言って大の字になる。一週間で書き上げたのは初めてやもしれぬなぁと思いながら時計を見る。昼を回ったばかりかと思いながらふと思うのだ。何時も気配を消しながらやってくるあれがない。其れどころか割った湯飲みもそのままで。どこか行っておるのかと思案したものの朝食に差し込まれた手紙にはなにも書いていなかった。



「やれ、秋」
「終わったか?」
「ぬしは呼んでおらぬわ」
「そーかいそーかい」
「…にしても。ぬしは無傷よな」
「其れに対しちゃ話があるけどよ。取り敢えず、お前さん。此処は落ち着いて訊けよ」
「?」
「お前さんの投げた湯飲みは秋にぶち当たった」
「…は?」
「ぶち当たった…いでー!!!」
「暗、貴様…」
「お、俺が確かに悪いけど!」
「その独活の大木ごとき体は何のためにある!盾になれ!」
「む、無茶言うなよな!」
「秋は??秋は今どこぞ!」
「毛利の病院。待てってタクシー呼ぶ」
「…三成に連絡を」
「したした。今から向かってるそうだ。春は俺が迎えに行く」
「すぐに連れてこりゃれ」
「土下座しに行くからよー」
「ぬしは?!何故そう呑気に!」
「え?!ぎゃー!!!」










「帰れ」
「秋を出しゃれ」
「くどい。帰れ!」
「毛利よ!」
「ちょっ!落ち着けって。事情は聞いてる。大谷より締め上げるのは黒田だろう?」
「にしてもだ!額を2針ぞ!あの愛らしい顔に二針よ!!!」
「二、針?」
「おい待てって。あいつ自分で転んで5針縫ってんぞ」
「あれは隠れる!」
「隠れるっつーたって。分け目かえりゃ…」
「黙れ愚か者!」
「いてっ!てめっ!毛利!!!」
「たとえ擦り傷でも我は許さぬ!」
「わざとならそうだけどよ。静かにしろって必死に止める秋を無視して無遠慮に入っていった黒田が悪いだろ!お前なんか俺にメス投げるだろ!」
「貴様と秋を同列に置くな!」
「てめっ!」
「我は…もう二度とあの姿の秋を見たくはない!」
「ま、そりゃ…でもよ。あれとこれとは」
「其れでもだ!」
「…またしゃれ。話がずれておる。何の話ぞ」
「貴様、聞いてないのか?」
「?」
「秋の奴、昔の恋人から暴力振られてな。俺たちが無理やり別れさせたら逆上しやがって」
「我と吉良を待たずにするからよ!」
「すまねぇ。其れから吉良もこいつも過保護でな。」
「うるさい!実兄がそうだからいけないのだ。黒田は極刑よ!貴様は面会謝絶よ!」
「何でお前が決めるんだよ?!」
「…やれ同胞よ」
「ん?なんぞ」
「その男は今何処よ」
「後で教える。…貴様、秋には合わせんぞ」
「意地でも会う。会うて詫びる。許しを得るのに土下座も厭わん!」
「あの、大谷が?!」
「我をどう思うておる、西海。我とて気に入っておるものには礼を尽くすわ」
「?!」
「あれはまだ嫁にやらぬわ!」
「ま、待て。それは俺の台詞だ」
「気の早い男よ。まだそこまでではないわ。まだ、な」
「うるさい!!!」
「ちょ、お前落ち着け。」
「これが落ち着いていられるか!」
「いい大人なんだからよぉ。秋に嫌われんぞ」
「?!」
「まだ寝てんだよ。それでもいいか?」
「当たり前よ。はよ、案内致せ」
「このやろう」



からりと開けると包帯を巻いて寝ている秋がいて立ちすくむ。麻酔をしたせいよ。よく寝てるだけだからといわれて少し安心するが頬を撫でながらすまぬなと囁く。
久しぶりに見た顔よなぁ。こんな白いものは似合わぬわというと西海にそこまでひどくないから安心しろと言われて椅子に座る。




「寝てねぇんだろ?起きたら言うから横になってろよ」
「いい」
「体に触るぞ」
「構わぬわ」
「秋が悲しむ」
「其れでもだ」
「?」
「我はここにいる」
「…長曾我部」
「石田?」
「こうなっては梃子でも動かん。…刑部」
「何ぞ」
「飲み物くらいは取れ」
「済まぬなあ」
「…良いのかよ」
「良いも悪いも。其れこそ子供ではないからな」
「ちげぇねぇ」









大谷兄妹と三成と私 7









「んー…?」
「?!」
「よしつぐさん?」
「無理に声を出すな。痛いか?」
「もう大丈夫」
「済まぬ」
「え?!あ、謝らないでくださいよ!私のせいだし」
「暗のせいよ」
「其れは否定しない」
「…然し、我のせいよ」
「違いますって!落ち着いて!」
「…」
「避けれたらよかったんだけど、反応遅れて…怪我も大したことなくて!2針で」
「縫うたのなら大した怪我よ」
「う…」
「しかも女の顔に」
「大した顔じゃありませんから!大丈夫」
「大した顔だ」
「…へ?」
「我にとっては大した顔だ」
「っ!」
「責任は取る」
「?」
「安心しりゃれ」
「ん…うん」
「ひひひ」
「吉継さん?」
「意味をわかっておるのか?」
「えー…と」
「まぁいい。おいおいよ。」
「???」
「ひひひ」
「あ!」
「ん?」
「書けた?」
「ああ」
「途中で邪魔が入って…よかった」
「主のおかげよ。春は?」
「いっぱい遊んだから。でも寂しそうだよ」
「そうか」
「吉継さん元気になったら…遊びに行こうね」
「ひひひ」
「?」
「ほんに、なぁ」
「?!よ、吉継さん?!倒れっ?!誰かー!!!」
「ふん。」
「三成さん?!仕事は?」
「貴様が怪我をしたと聞いたからな。これはさやかからだ」
「スタンガン?何で?!」
「変質者かと思ったらしい。あいつも珍しく慌てていた」
「?!」
「秋お姉ちゃん!」
「天使!」
「兄様嫌いになった?嫌いにならないで!兄様秋お姉ちゃんのことうぐっ」
「???」
「それ以上は言うな。春は怒ってお前がいなくなると思っているらしい」
「いなくならないでー!!!」
「どうしよう。天国??此処天国?!」
「くだらん!早く答えてやれ」
「怒ってないよ!全然!わざとじゃないし!」
「本当?」
「そうだよ!ほら!この間手が滑ってお皿割ったとき吉継さんに土下座していたら」
「そんなことしてたのか」
「高そうなんだもん!あのうちのもの!100円のボールペンでも高そうに見える!まぁ店値段聞いて落ち着けたけど…其れでも高かった」
「…」
「蔑みやがって!まぁいいや。その時も吉継さんわざとではないから致し方ないって言ってたでしょ?そういうものよ」
「本当に?」
「私が春ちゃんに嘘つく?」
「うんん」
「目下黒田さんは?」
「ああ」
「?」
「締め上げられてる」
「まぁ…いっか」
「いいのか?」
「しつけ的にいいかなと」
「まぁ、な」
「吉継さんは?寝てる?」
「いつもなら寝るのにだ。貴様のことが心配だったのだろう」
「わー…担がれてる」
「三成兄様私も!」
「ん?」
「…」
「そんな目で見るな」
「羨ましい!両手に花!」
「ん?」
「何?」
「刑部もか?」
「大谷兄妹かわいいもん!」
「…おい、毛利。秋がおかしいこと言っているぞ!」
「何?!」
「えー?可愛いじゃん。猫みたいで」
「やはり検査をもう一度」
「いーよ。大丈夫。大袈裟だなぁ」
「貴様の愛らしい顔に…うう」
「誰かー鎮静剤!」
「黙れ!」
「ひゃ。っと吉継さん?」
「これは我のぞ。…触るでないわ」
「貴様は寝ていろ!」
「ひひひ。三成」
「長曾我部。秋を頼む」
「おー」
「明日も来るのだぞ!傷が残ったら…わかったか」
「はいはーい」

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大谷兄妹と三成と私 6

「んー」
「如何した?」
「お、三成さん。三成さんは良いのよ。簡単だから」
「?」
「マフラー作ろうかと思ってね。今店番代わっているでしょ?昼も別だから暇でさー。あ、二人には秘密ね」
「ああ」
「春ちゃんはピンクにしたのよ。三成さんは紫。大谷さんなのよ。問題は!」
「黒は如何だ?」
「全身黒くなるでしょ?少し明るめでも良いかなって。」
「そうだな」
「…これは?」
「茶か?…似合うか?」
「似合うと思う」
「なら其れで良いだろう」
「あ!」
「?」
「雑賀さんに聞いて!三成さんの作って良いか?」
「?」
「他の女の手作りって普通アウト」
「そう言うものか?少し待て。…さやかか?私だ。ああ。いや違う。秋がだなマフラーを。何?ワインレッドが良い?いや貴様のではない。私の分をだと?!交換条件???しばし待て。おい秋。さやかのを作れるか?」
「ワインレッドね。了解」
「聞こえたか?ん?まぁそうだな。…今夜は無理だ。違う。刑部が執筆中だ。ああ。貴様!ん?ああ。わかった伝えておく」
「仲良いね」
「そうか?すまん」
「いいよ。怒んなくて良かった」
「其れどころか手料理が羨ましいだの私が一人で住んでさやかが此処で暮らすだのごねていた。大層貴様を気に入ったらしいな」
「胃袋掴まれたって言われた日にゃ結婚しようかと思うほど男前だったよ」
「…」
「そんなギリギリした目で見ないでよ!あ…来たよ」
「ちーす!」
「遅い!」
「すすすすすすいません!」
「とっとと行きなよ。ますます遅れるって」
「今日は遅くなる。」
「夜食置いとこうか?」
「助かる」
「はい行ってらっしゃい」
「あれ?刑部さんは?」
「執筆中」
「静かにしねぇと殺される!」
「二人を頼むぞ!」
「はいはい。任せてね。三成さんも頑張って」
「ああ」




ブロロロロと走り出す車を見届けて私は物音を立てないようにお茶をマグに入れる。お菓子と入れて、こっそりと吉継さんの部屋の障子を開けると鬼気迫る勢いで執筆している後ろ姿が見える。こうなるとダメなのだ。春ちゃんでも近づけない。下手に近づいたもなら何が飛んでくるかわからない。そっと置いておずおずと下がる。朝ご飯は食べてるようだから空いた食器とともに。
にしてもだ。今回は長い。二、三日で終わるかな?と思っていたらもう五日だ。大丈夫だろうかと心配になる。何より、私以上に三成さんが心配らしいし、春ちゃんは寂しそうだ。なので




「ただいま」
「こんにちは」
「秋!春坊!」
「少し休ませて。って言うか暇潰させて」
「おうよ。まだ書いてんのか?」
「ん。」
「春ちゃんアイス何がいい?」
「…」
「全部のせてやれ!なー春坊」
「でも」
「春ちゃん。此処は遠慮しなくていいよ。本当に全部のせ始めるから」
「いちご…がいいです」
「はい」
「お義姉さん…乗せすぎ」
「いいのよ。ねー」
「秋お姉ちゃん」
「お腹壊すって。半分こしようね」
「うん」
「マジ可愛い。天使すぎる」
「俺の天使は秋だぜ!」
「本当に可愛くてねー。私秋ちゃんと暮らせると思って馬鹿と結婚したのに」
「なによー!」
「なにさ!」
「え?ええ??」
「いつものだから気にしなくていいよ。アイスおいしいね」
「うん」
「飯食ってくか?」
「うんん。吉継さん心配だし」
「なんか作ってやる。持って帰れ」
「助かるわ。ありがとう」
「寂しいわね」
「うんん」
「?」
「今は秋お姉ちゃんが居るから淋しくない」
「?!」
「おい、秋鼻血。お前吉良に似てきたぞ」
「春ちゃん。今日は私の部屋で一緒に寝ようか」
「わーい!」




気配を消して食事を持って行くと昼間とちょっとも変わらないて恐ろしい。ただ、筆は動いてるから生きているのだろう。そっと置いて、空いた器を持ってそそくさと退室する。
食べているのが奇跡らしいのでまぁよしとしておこう。春ちゃんをお風呂に入れたし。三成さんの支度も済んだし。置き手紙もしたし。さて寝ようと布団に入ると春ちゃんがもう寝ていた。…寝つきいいなぁ。とフニフニつつきながら布団に入る。吉継さんと話せないは辛いけどまぁ仕方ない。春ちゃんを養いながら私を雇うのだから。頑張れ。






大谷兄妹と三成と私 6









「おはようございます、佐助」
「おはよ。春ちゃんもおはよう」
「おはようございます」
「また後でね」
「後でねー!」
「マジ天使。」
「なんか聞き慣れたわ。その単語」
「そ?」
「あ、これ一緒に持って」
「米?!」
「無理?」
「一人で持ちなよ」
「…俺様長宗我部家の遺伝子に感服だよ」
「吉良兄非力よ?」
「効率的に人を殺るタイプじゃん」
「あー…」
「俺様殺されかかったし。無実の罪で」
「吉良兄頭いいけど変態だから」
「まー…その通り過ぎて怖いわ」
「にしても」
「?」
「本当に家族みたいだね」
「そう?家政婦のミタですけどね」
「付き合ってないの?」
「誰と」
「大谷の旦那」
「ないない。主人と下僕かな?」
「ふーん」
「まあ私と結婚したい物好きはいないよ」

拍手

大谷兄妹と三成と私 5

「ほら、ハシビロコウ」
「…」
「動かないくせに、縄張り意識が強くて近くにお友達を置くと喧嘩し始めるだよー。面倒くさいねー」
「ねー」
「貴様!春に何を言わせてる」
「いや、何って…ハシビロコウの面倒くささ。ねー」
「ねー」
「ぐ…」
「大丈夫!三成さんはその点ぼんきゅーぼんのうげっ!」
「そういう低俗な物言いをやめろ!」
「むー…」
「次は何事よ」
「吉継さん。これが噂のハシビロコウ」
「…」
「無言で怒らないでくださいよー!」
「やれ、食べしゃれ」
「わー!」
「兄様ありがとう」
「吉継さんありがとう」
「ひひひ」
「おいしー。ね」
「ね!」
「誠姉妹のようよなぁ」
「?!」
「秋姉様?」
「何ここで私を殺す気?」
「もだえ死ぬ事か?」
「当たり前よ。ねー」
「ねー…?」
「春が困っておるわ」
「にしてもだ!」
「爬虫類館、遅いねー」
「鰐で叫んでおろう。片倉からラインが来た」
「わー。凄いはしゃぎっぷり。」
「ハシビロコウの前の主と変わらぬわ」
「うふ」
「おい」
「ん?」
「始めてきたが広いな」
「そう?こんなものじゃない?」
「そうか?」
「今度は水族館でも良いね」
「水族館?!」
「インフルエンザの予防接種頑張ったらね」
「…はい」
「打っただろう?」
「子供は二回なんだって」
「ひひひ。大変よな」
「インフルエンザかかったらそっちの方が大変だしね。春ちゃん」
「?」
「鳩」
「え?!」
「ちょっと待ってて」
「捕まえるなよ」
「え?!駄目?」
「当たり前だ」
「ちぇー」
「ひひひ。やれ」
「?」
「蓮池か?」
「そーみたいだね」
「またその時期こようなぁ」
「はい!」
「hey!honey!」
「政宗様、走ってはなりません」
「騒がしいのが帰ってきた。」
「佐助!某ももアイス!」
「寒くは…ないよね…」
「みんなの買って来るよ」
「!」
「春ちゃん?」
「秋お姉ちゃんは兄上の近くでいて下さい。三成兄様」
「行くぞ」
「???」
「何か言ったか?」
「いや、どうしたのかな?珍しい」
「くくく」
「佐助?如何したの?」
「いやーね。さっき象のところでさ。秋と片倉の旦那とみて夫婦に間違えた人いたじゃん?」
「あーお爺ちゃん。あの歳の人私らくらいの歳の人見ると如何してもね」
「めっちゃ春ちゃんが怒ってたの!秋お姉ちゃんは私のだって」
「?!」
「やれ、猿飛。鼻血がとうとう出てしもうたではないか」
「あちゃー。」
「で、か」
「そうそう。頑張りなよー」
「もう死んでもいいわ」



そう言っていると吉継さんが呼んでくる。鼻血をどうにかしりゃれというのでその通りだと思いながら手招きする彼のそばに寄っていく。




文字通り。鼻をつままれた




「いだひ」
「ひひひ」
「なんかひざまづいてるみたい」
「ぬしの主人故あながち間違いではなかろう」
「…」
「にしても本に春が好きよな」
「ん」
「やれ?」
「吉継さんあったかい」
「膝に頭を乗せるな」
「鼻血つくね」
「血を吐く目になろう」
「?」
「鼻血がなぁ、鼻腔を通って口腔に」
「何それこわい!」
「ひひひ。ゆるりとしておれ。興奮しすぎよ」
「だってー」
「春との」
「違うって」
「?」
「みんなで行けるの。すごく楽しみにしてたの」
「…我もか?」
「当たり前じゃん」
「人目につくぞ」
「あれよりマシでしょ」
「…」
「ね」
「ほんになぁ。」
「?」
「こんなつもりはなかったが」
「???」
「まぁ良い。じっとしりゃれ。」
「はーい」







大谷兄妹と三成と私 5






「みんな寝そう?」
「ああ」
「春ちゃん可愛い。幸君も…マー君意地でも寝ないのね」
「いつもそーなんだよ。」
「政宗様」
「ほれねりゃれ、ねりゃれ」
「…」
「「「寝た?!」」」
「どどどどうやってしたの?!」
「動きを止めたのみよ。」
「…凄い。」
「なんか小十郎さん、絶句してる」
「刑部にできぬことはない」
「なんで旦那が偉そうなの?」
「いつもこんな感じ。」
「えー…」
「大谷」
「ん?」
「先ほどの技。教えてくれ」
「ひひひ」
「…」
「三成さん、嫉妬かっこ悪」
「五月蝿い」
「にしても本当に嬉しそうだったねー」
「ねー。」
「保育さんなれば?」
「無理。小憎たらしいのもいるもん」
「あー…」
「そういう意味では佐助尊敬するわ」
「え?!惚れた?」
「惚れた惚れた」
「あはー…って大谷の旦那怖いよ!!!」
「ひひひ」
「自業自得だ」
「げ、片倉の旦那も!」
「何事?!」
「奇特な奴も多いものだ」


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