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変換なしの雑食夢

ran

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大谷兄妹と三成と私 4

すごい人数になった、と言えば三成さんの眉間のシワがひどくなった。
然し、私のせいではない。ひとえに春ちゃんが可愛いからだと言えば春ちゃんを怒れないコミュ障の三成さんの怒りの矛先は私に集中する。ま、気にしてはいないけどさ!いつものことだ。
事の始まりは発表会のご褒美どうすると子供達の会議らしい。物を買ってもらうももいたし食事とかケーキとかいう子もいた。


「hey!春はどうすんだ?」
「春殿のところは毎年ケーキと言っておられたな」
「えへへ」
「?」
「so cute」
「あのね、兄様たちと動物園に行くの。春お姉ちゃんがお弁当作ってくれてね」
「「え?!」」
「はーい。三人もお昼寝の時間…って如何したの?」
「佐助!某も動物園に行きたい!」
「は?」
「っち!今日の帰りに聞いてみるぜ」
「ちょっと。何の話?」
「みんなで行くの?楽しそうだね」
「(あちゃー…)」





ってな感じといえばふるふると震えてくる。本当にこんなやつ雇って大丈夫なのだろうか?と大企業、豊臣商事の行末を憂いてしまう。そう思ったのが大谷さんにはわかったらしく来年には副社長よと言われて驚愕するのだ。



「まぁ、あっちの二人も料理上手いし、片倉さんは寡黙でしょ?佐助は本職だし」
「と言ってもだ!」
「…春ちゃん」
「三成兄様駄目?」
「ぐっ…」
「たまには良いんじゃない?ね、吉継さん」
「我は…なぁ」
「諦めなって。そう言う年頃だし。」
「如何言う年頃だ」
「お友達に自慢したい年頃。ねー」
「ねー」
「「…」」
「いつもマー君がどこ行ったとか幸君が何したとか聞いてたみたいよ。張り合いたい気持ちも汲んであげなよ。雑務諸々は私がするんだし」
「左様か」
「ても!」
「ん?」
「いつも兄様と日向ぼっこを自慢してたんです!」
「そうかそうか」
「お弁当しっかり作ろうかね。」
「はい」
「他の野郎どもに負けてたまるか…」
「何を燃えている?」
「知らないの?!あの二人主夫なの!其れもプロ並みの」
「…」
「めちゃくちゃ凝って作ってくるだろうし…頑張るね!」
「うん!」





そんなこんなで模擬遠足当日。朝からせっせとお弁当を拵えて駅に行くと佐助がもう着いて待っている。早いねーと言えば幸君を指差すので苦笑しかない。興奮して寝られなかったのだろう。虎を見るのでござると今から虎狩りに行く如く興奮している。


「待たせたな」
「ひひひ。ぬしが一番最後とは珍しい」
「朝に少し、な。…政宗様」
「…」
「マー君、三成さんと犬猿だよね。喧嘩しちゃ駄目よ」
「honeyの頼みなら」
「と言いながら、春ちゃん狙ってるでしょ?私を嫁にって言ってたのに!」
「げ」
「軽い男は嫌われるわよ。」
「?!」
「ひひひ。子供まで手玉に取りよるか」
「?」
「おい。これをやろうと思って遅れた」
「何これ?」
「以前頼まれたレシピだ。嵩張るか?」
「助かる!ありがとう片倉さん」
「今は大谷の家政婦か?」
「ふふふ。」
「気をつけてよー。こいつ、真性のロリコンだから。俺様の教え子が事件に巻き込まれたら大変だもん」
「うっさい!可愛いの愛でて何が悪い!」
「まぁ、役に立っているから良いが…ん?如何した?」
「秋お姉ちゃんは私が大人になると嫌いなの?」
「は?」
「政宗君が…」
「マー君!何を言うのよ!!!」
「さっきの仕返しだ」
「ぐすん」
「嫌いなわけないでしょーーーーー!!!!!春ちゃんがシワシワのおばあちゃんでも大好きよ!」
「本当?」
「本当!」
「良かったぁ」
「駄目、吉継さん。私鼻血出るかも」
「ひひひ。出たら出たでよかろう。捕まりそうなら理由を言ってやる」
「吉継さーん」
「ひひひ」
「おい!刑部にくっつくな!」
「吉継さん?」
「秋ちゃん、大谷の旦那は大谷さんじゃなかった?」
「いや、みんな名前だから。何となく?」
「俺は違う」
「あ、本当」
「…」
「小十郎さん?」
「…」
「おーい。あれ?地雷?吉継さんも怖いよ!」
「ひひひ」
「三成さん!」
「知るか。行くぞ」
「春ちゃんお願い。大谷さんの車椅子私が押すわ」
「?」
「昨日の晩花札で負けたの」
「刑部と試合からだ」
「もう二度としませんよー。吉継さん寒くない?」
「あいあい。春もみなといかしゃれ。ただし、一人はいかぬ。わかったか?」
「はい」
「子供は人のうちに入らぬよ」
「三成兄様と離れません」
「よし、行くぞ」
「某電車久しぶりでござる!」
「私も」
「俺もだぜ!」
「珍道中になりそうだね」
「ふん」
「なんで、秋がこっちに来ねぇ」
「意外と気に入っているようだ」
「…ライバルは多いね、片倉の旦那」
「ああん?」
「ま、俺様にはかすがが入るからねー」
「黙れ」
「私もあれには興味がない」
「良い女だぜ」
「がさつすぎる」
「…雑賀の方が」
「この間料理できない宣言したよな確か」
「あれは仕事だけだ。秋に頼むから良いという話になった」
「マジか!」
「隣に家を借りるか買う。…何だ?」
「爺ちゃんの介護からずっと続くかと思ったら…不憫で」
「待て、何の話だ?」
「知らないのか?」
「?」
「秋は佐助と同級でな。学年主席の秀才だったが大学進学は爺さんの介護で諦めてんだ」
「?!」
「当時、西海の旦那も吉良の旦那も手が回んなくてね。みんなでそりゃ説得したんだけどああなると頑固だから」
「そうだな」
「新しい趣味も見つけたみたいだし…まぁ本人が幸せなら良いんだけどね」







何か父兄会が固まって話している。イケメンですよねーと言えばブスーとした顔になるので面白い。


「如何したんですか?」
「我は違うでな」
「え?!」
「?」
「イケメンだと思うけど」
「包帯の下」
「や、知ってるけど。顔の作りは綺麗じゃん!」
「…」
「私なんて女にーちゃんだし。羨ましいは実際」
「女にはようモテよう」
「にーちゃん達の踏み台的に?」
「ひひひ」
「吉継さん?」
「ぬしは誠、変わった女よ」
「???」
「春が大きくなるまで。うちにおりゃれ」
「!」
「さてと。ついたついた」
「わー久々すぎて、楽しみ!」
「兄様」
「ひひひ。頼んだぞ、三成」
「そちらこそな」





大谷兄妹と三成と私 4





「…ん?」
「意外と楽しそう?」
「色々鬱屈としておってな…良い刺激になる」
「物書きさんは大変だねー。」
「読んだことは?」
「怒ったじゃん。読んでないよ」
「ひひひ。良い子良い子」
「読んじゃ駄目?」
「だぁめ」
「はぁー…官兵衛さんにお土産買って帰ろうね」
「まだ回り始めたばかりよ。後よ、後」
「そーだね」





「良いの、片倉の旦那」
「…」
「良くはないけどまぁ、あすこまで仲良いとは」
「俺はどうせ結婚出来ねぇからな。…いい」
「渡世の仁義って大変だね」
「変な言い方すんじゃねー!」

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大谷兄妹と三成と私 3

「この色合わせでいいか」
「やれ」
「あ、すいません。五月蝿かった?」
「いや…春のか?」
「そー。」
「薄紫か」
「可愛いでしょ?ついつい徹夜で蝶の刺繍入れたわ」
「…」
「三成さんの色と大谷さんの紋何だって。可愛い蝶々なかったから」
「愛い」
「ねー」
「にしても」
「?」
「なぜ、我に言わぬ」
「何言ってんの?これ出来る?」
「…」
「そう言うもんよ。私も両親事故で亡くしてにーちゃんに育てられてるからよくわかるよ。大好きすぎて気を使ってんの。」
「わかって、おる」
「それにさー。まだ先だけど生理きたら如何する気よ?そーいうのいっぱいあるわよ?」
「ぬしは如何しておった?」
「吉良兄が犯罪スレスレだったから元就兄が教えてくれた。」
「左様か」
「それにさー!私なんてこのドレスに一寸も入ってないのよ!」
「哀れよなぁ」
「そんなものよ。まぁ見てなさいな。そのうち私色に染めてあげるわ」
「ぬしが言うと恐ろしいわ」
「ふふふ」
「…」
「あ、原稿催促の電話来てたよ」
「ぬ」
「今から来るって」
「左様か、ひひひ」
「あんまりいじめなさんな」
「今日は暗故大事ない」
「本当に編集長で友人で下僕って可哀想」
「ただの下僕よ」
「杖は?」
「今日は要らぬ」
「そう」
「…」
「…」
「…」
「散歩行かないの?」
「ぬしの手仕事を見ている方が楽しいわ」
「ふーん」
「…」
「あ、」
「?」
「発表会私行ってもいいの?」
「そのつもりよの」
「いやー…良いのかなぁって」
「あれも喜ぼう」
「なら着物?スーツ?」
「仰々しいわ」
「そう?」
「そうよ」
「じゃ、着物にしよう」
「…」




ふふー楽しみって言うと横では恐ろしい引き笑いが聞こえる。
取り敢えずご機嫌そうで何よりと思っていたら秋と呼ばれるのでそちらを向く。大谷さんの目は不思議だ。春ちゃんと似ていて、それいて少し暗い。お星様のない夜空見たいと言えばまた笑われた。





「ぬしは我を不思議というがな…我にとってぬしも不思議よ」
「?」
「まぁ、それはおいおい。にしても」
「何?」
「皆名前なのに何故、我だけ苗字か?」
「は?」
「吉継と言わしゃれ」
「吉継さん?」
「ひひ」
「寂しかったの?」
「そうよな。我のみ仲間はずれよ」
「じゃー吉継さん。針刺さるよ」
「それは勘弁願いたいなぁ」
「今日、何食べます?」
「春を迎えに行ってゆるりとめしゃれ」
「んー…」
「?」
「出来たかな?如何です?」
「可愛い、可愛い」
「布余ったからシュシュ作ろー。吉継さんと三成さんの分作ってあげるね」
「…」
「仕事の時前髪うざそう」
「ひひひ」
「特に三成さん」
「そうよなぁ」
「…今日帰ってきますかね」
「帰ってこよう。案外今の生活が嫌ではなのであろう」
「なら、いいけど」
「主は心配しりゃるな」
「?」
「何とかなろう」
「そーですね」







大谷兄妹と三成と私 3









「かっわいー!!!」
「煩い黙れ!」
「一眼レフ!?…吉良兄を彷彿とさせる」
「私は変態ではない」
「如何ですか?」
「天使!マジ天使!!!」
「秋お姉ちゃんありがとう」
「吉継さん。私生きててよかった」
「左様か。ひひひ。くるりとまわしゃれ」
「こう?」
「うぉー!!!」
「五月蝿い!」
「黙れハシビロコウ!」
「何だと貴様!」
「ねーねーハシビロコウって何?」
「そうよなぁ
…今度の休日動物園にでも行くか?」
「行く!」
「お弁当作るね!三成さん!」
「心配するな。バッテリーは予備で2つある」
「よし!」
「ひひひ。良かったなぁ」
「はい」

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大谷兄妹と三成と私 2

「ただいま帰った」
「お、おかえり〜。早かったね」
「二人は如何だ?」
「春ちゃんはもう大丈夫。明後日から幼稚園。」
「そうか。…刑部は?」
「んー…年、かな?」
「聞こえておるわ」
「あはー。熱が下がりきらないのよ。」
「土産だ」
「わー!何々?」
「羊羹だ。それなら食べられるだろう」
「三成兄様、お帰りなさい」
「良かったな」
「はい」
「羊羹のお土産」
「わー!ありがとうございます」
「頑張った褒美だ」
「ふふふ」
「可愛い…」
「同じ紅一点なのになぁ」
「それ会うたびに元就兄に言われるわ。良いのよ。私は別に。」
「左様か?」
「左様ですー。早く服着替えておいでよ。夕食にしよう」
「ああ」
「はーい」




食卓を囲むものの年季の入った卓袱台には三成さんと春ちゃんが。私は大谷さんの横で介助しながらつついている。部屋は一緒だから寂しくないね!と言う春ちゃんを目の保養にしながら。マジ、半端なく可愛い。
癒されるわぁ〜と言いながら大谷さんを見るとゴミを見る様な目付きだった。





「ゴミを見る様に見ないでくださいよ」
「はてさて」
「わたしんちの惨状知ってるでしょ?」
「まぁなぁ。」
「ここん地に住みたい。」
「ひひひ、住みゃればよかろう?」
「は?」
「三成も就職してなぁ。我とて連載が増える。家事をしてくりゃれば助かる」
「住み込み?!家政婦?!」
「やれ叫ばしゃるな。今回の一件で春に一番苦労をかけたからなぁ。何が欲しいと聞けば主とのこと。」
「春ちゃん!」
「秋お姉ちゃんもう帰っちゃうんでしょ?…なかなか会えなくなるんでしょ?」
「ここに住み着く!」
「おい」
「三成兄様は反対?」
「…別段どちらでも良いが。良いのか?長曾我部が五月蝿いだろう」
「いやー…まぁ聞いてみるわ」
「ひひひ。」
「もしもし〜。ん、そう。それがさ。春ちゃんがここに住んでって。え?そうなのよ。うんうん。だってうちの愚弟は来月から寮に入るじゃん。にーちゃんも彼女さんと籍入れるんでしょう?小姑いたら嫌じゃん。えー…吉良兄?ダメって言ったら死ぬって言って。うん。そう。面倒!はいはい。結婚?ないない。私結婚願望ないし。誰が貰ってくれんのよ。そーそー。多分殺れると思うよ。ふふふ。え?家政婦みたいなの。そう見たってやつ。雇い主は?大谷さんかな?代わるの?まだ熱あるから程々にね。…大谷さん」
「あいあい」
「帰らなくて良いの?」
「うーん。吉継兄様次第」
「ぐほっ?!」
「わー!噎せた!!大丈夫?」
「はてさて…ひひひ。」
「大丈夫かな?」
「長曾我部がうんと言うのか?」
「いやー」
「「?」」
「にーちゃん結婚するのよ」
「ああ。」
「店手伝ってくれる上、小姑付きって…ねぇ。良い人でさー。楽しみって言ってくれるんだけど申し訳なくて。弟どもは寮に行くから私は吉良兄のとこ転がりこもうかと思ってて。」
「ああ」
「でもあっちにも彼女さんいるし。仕事探して…思った矢先だから逆にありがたいです」
「秋お姉ちゃんがうちのお姉ちゃんになる!」
「それは…まぁ良いか」





長男、大谷さん次男、三成さん。長女、私。次女春ちゃんね。といえばすごく喜んでくれるからまぁいいか。



「ほれ」
「電話終わりました?」
「号泣しておったわ」
「え…」
「ドン引きしてやるな。あれとて吉良殿と変わらぬ程度のシスコン故」
「私を嫁にしたけりゃ俺らの屍を超えてからにしろって言ってたわ」
「春もなぁ。」
「私を倒してからにしてくださいよ!」
「…なぜ私を見る?」
「若紫になんてさせませんからね!」
「…馬鹿女が」
「さてと。とうとう…うちの子になりゃれたか」
「え?!なっちゃ駄目だった?」
「粥」
「はい」
「よろしゅうな」
「!」
「秋お姉ちゃん!」
「春…少し落ち着け」
「宜しくお願い致します」
「ひひひ」







大谷兄妹と三成と私 2







「おはようございまーす」
「…ついに誘拐でもしたの?」
「んにゃ。家政婦の三田ですぅ」
「大谷の旦那も切羽詰まってたんだろうね…おはよう春ちゃん」
「おはようございます、さすけせんせい」
「今日はいつもより可愛いね」
「秋お姉ちゃんがしてくれたの!」
「要項見てだから違反はないと思うけど」
「大丈夫だよ。あーそうそう。大谷の旦那たちに言ってる?」
「…」
「何?如何したの?」
「発表会の衣装なんだけどね」
「任せて。得意」
「本当?!」
「ねー、佐助」
「それは保障するよ。プリント渡すよ」
「ありがとう。春ちゃん、帰りに布見に行こうね」
「はい!」
「マジ天使!」
「行ってきまーす」
「はぁ。可愛すぎ。怪我させたら潰すからね」
「大丈夫でしょ?めちゃモテるし」
「そりゃね。…でもやっぱり気を使ってんだね」
「今まではなんとか出来てたんだけど。今年は衣装凝ってる人多くてね。助かったよ。既製品だと浮くからさ」
「そういう意味でにーちゃんは偉大だったわ」
「ま、ね」
「プリントありがとう。これから宜しくね」
「はいはいっと」
「…悪い虫ついたら…」
「大丈夫。うちの旦那と独眼竜の旦那だから」
「片倉さんとこか…マー君、この間まで私をお嫁さんにするって言ってたのに!」
「そりゃ、ね」
「きー!」

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大谷兄妹と三成と私

「はい、中華西海。…ん?ああわかった。なくなって。待ってろよ。おーい!秋」
「にーちゃん如何したの?出前?」
「んにゃ。お前に電話。」
「電話?!この昼の忙しい時間に?!」
「春ちゃん」
「なら例外!代わって。」
「野郎ども!秋は今から居なくなるからなぁ!遅れても怒るなよ!」
「はい!兄貴ー!!!」
「うっさ!兄貴!2.3日帰んないけどいけそう?」
「吉良呼ぶ」
「なら私から電話しとく。えーと。もしもし吉良兄?ん?吉良お兄ちゃん。お願い!秋のお願い聞いてくれないの?…お兄ちゃんの馬鹿。もう大嫌い…ん。いいの?本当?吉良お兄ちゃんだから大好き!お願い。じゃ!」
「姉御…こえぇ」
「はっ!操縦してるっていいな。吉良兄行きてくれるって。取り敢えず、車借りるよ」
「おう!すまねぇな。落ち着いたら俺も行くわ」
「取り敢えず行ってから連絡するわ。泣いててよくわかんなかったから。あ、食材貰うよ。買いに行く間あるかどうかわかんないし。泰達はお願い。高校生だし自分の事はできるでしょ?洗濯はしてるから。」
「了解!」





エコバックに食材を入れて車を走らす。自転車でもいい距離だけど有事の際車はいるだろう。死んだじいちゃんの介護で買った介護カーを売らなくて良かったわと思いながら目的地に着く。店は開いてるけど、店番は官兵衛さんらしい。わたしをみて天の助けじゃ!と叫ぶのだから自体は急を要するらしい。





「おいちゃん。車置かせてね!」
「あいよ。」
「官兵衛さん。こんにちは!」
「助かった!小生では手に負えん。春が近づかせてくれんのだ!」
「また余計なこと言ったんでしょ?昼ごはんは?」
「小生はいい。あの二人を頼む」
「はいはい」





ぱたぱたと歩いて行くと奥から咳込む音が聞こえる。開けるよと言いながら開けると凄惨な感じに草臥れる二人がいて血の気が引く。




「二人ともなの?!しかも春ちゃん布団入ってない」
「ん…」
「携帯片手に寝てる…わたしに電話して落ちたの?!やだ、嬉しい…じゃなかった。熱高いわね。体温計体温計」
「や、れ」
「あ、大谷さん。どれどれ…熱高っ。何してんの?!」
「何故主が?」
「春ちゃんに感謝しなよー。SOSくれたの。病院は?」
「ひひひ」
「行ってないのね。三成さんは?出張?」
「言うでないぞ」
「春ちゃんの賢明な判断を無にすると思ってんの?マジ天使。さてと。もしもし〜今から2人連れてくから。時間外?いつもうちに時間外で来るでしょ?松永先生っんとこ?駄目!春ちゃんになんかあったら刺すよ。え?!先生を?違う。元就兄を。当たり前でしょ?!先生は肉切り包丁借りる…もう良いの?じゃ連れてくから。ん。ありがとう」
「ぬしの人脈と行動力はいつ見ても。」
「しゃべんなくていいよ。しんどいでしょ?官兵衛さん。ちょっくら病院行ってくる。」
「あとは小生に任しておけ」
「上着着て。春ちゃんは毛布包むから」
「頼んだ…頼んだ」
「ありゃ。こりゃやばい。官兵衛さん。車椅子」







ただの風邪ぞと元就兄が言っても二人はピクリともしないので心配になる。わたしの知っている中でこの人ほど腕の立つ人はいないので疑いはしない。



「にしてもだ」
「ん?」
「大谷と春を担いできた瞬間、貴様が男に見えたわ」
「あはー。段差が面倒で」
「嫁の貰い手がなくなるぞ」
「いいよ別に。何より、うちの男どもと戦わないといけないのよ。無理ゲーだね」
「まぁな」
「こんなに成るまで辛抱して…可哀想に」
「小さなときのお前のようよ」
「え?!こんなに天使だった?」
「…いや」
「否定かよ!まぁ良いや。入院?」
「せぬだろう。と言うかしたらうるさい」
「じゃあ通院?」
「我が行く。こう殴り込まれても困る。昼飯を所望する」
「助かる!メールしてね。」
「ああ」
「…ん」
「春ちゃん?起きた?」
「秋お姉ちゃん?」
「元就兄。駄目。わたし今鼻血出そう」
「黙れ変態。おい、口を開けろ」
「あー」
「兄妹揃って咽頭炎が酷いな。…肺も正常だ。寝てれば治る」
「ありがとうございます」
「しっかり食べろ。わかったな。秋」
「春ちゃんもー大丈夫だからね!」
「秋お姉ちゃん…」
「泣かないでー!」
「煩い」
「冷血漢!吉良兄ならはあはあ言って喜ぶのに」
「あの変態と一緒にするな」
「シスコンなの。今点滴してるからちょっとじっとしておこうね」
「兄様は?」
「育ちの違いが如実に現れるな」
「当たり前よ!春ちゃん天使だもん!横で点滴打ってるよ。熱が高くてね、まだ朦朧としてるけど」
「入院させるか?」
「?!」
「したほうが良い?」
「やら!」
「春ちゃん?」
「帰る」
「そうか。なら、秋。夕食も用意しろ」
「弁当にするよ。…大丈夫。寝かせたまま帰れるからね。点滴済んだら帰ろうね」
「うん」
「やばい。すごく可愛いわ」
「この変態が」



そう言いながら携帯を見る。マナーモードにしてたから誰かから連絡ないかなという確認に見ようとしたらスマホに代えよと外野は煩い。無視しておこう。いまさら覚えるのがめんどくさいのだ。
すると鬼電。うわっ、石田さんだ。





「もしもしー」
『貴様!今どこだ!』
「ちょっと待って。兄、春ちゃんお願い。少し煩いのと電話してくるね」
「三成兄様?…怒られる」
「怒らないって。でも煩いから、ね?」
「うん」
『貴様ー!!!』
「煩いな。何?」
『今出張から帰ったら暗がいて洗いざらい吐かせた』
「風邪よ。でも思いの外熱が高いしで元就兄のとこで点滴してもらってる。」
『何故貴様が!』
「店屋物で番号覚えたからでしょ?店にかかってきたの。…二人を叱らないでよ。ギリギリまで我慢してたんだから」
『何?』
「子ども心に迷惑かけたくなかったんでしょ?健気よねー。ほんと可愛い。今でも叱られるって泣くのよ?あんたうちの可愛い春ちゃん叱ってんの?!」
『誰が貴様のだ…そうか。すまない。迷惑をかけた』
「にーちゃんにも言ってるから2.3日は最低看護で泊まるから。」
『ああ…入院か?』
「うんん。元就兄に頼んで往診に来て貰う。あの二人、入院は無理よ。」
『そうだな』
「三成さんもお疲れ様。ちょっと休んでて。帰ったら買い出し行く間見てもらわないといけないから」
『米は炊いておく』
「3合お願いします」
『任せておけ』
「あと春ちゃん褒めてあげてね」
『ああ』







意外と優しい男なんだよなと思いながら部屋に戻ると泣きそうな顔で三成兄様怒っていた?と聞いてくるので大丈夫。心配してただけよと言えば可愛い笑顔になったのだ。

うん、マジ天使








大谷兄妹と三成と私







「…やれ」
「起きたか?」
「帰ってきりゃれたか?」
「ああ。体調は如何だ?」
「ひひひ。寝ていたようよな」
「?」
「にしても西海の妹が来ていたかと思うたが。夢か」
「刑部」
「ん?」
「腕を見ろ」
「…点滴?はて?」
「春が秋に連絡したそうな。貴様は高熱で意識がなかったそうだ」
「…」
「あれが横抱きしながら家に入ってきたときは男かと見間違えたがな」
「年々逞しゅうなりよるなぁ」
「そのうち長曾我部の様になるかもな」
「ひひひ。笑えぬ冗談よ。春は?」
「横で寝ていたがな。今、春が服を着替えさせている。…帰ってきたか」
「あ、起きた。」
「兄様」
「やれ、面倒をかけたな」
「春ちゃんからラブコール貰ったら忙しくても来るわよねー」
「はい」
「ダメ。かわいすぎ。うちの愚弟どもと変えて欲しい」
「ぬしのところは男ばかり故なぁ」
「ガチムキばっかだもん。起きたならちょうどよかった。なんか食べれそう?」
「要らぬ」
「治らないわよ。…味噌汁くらい飲んで」
「あいあい」
「三成さんは?」
「食べる」
「ここでいい?」
「ああ」
「じゃあ用意するわ」
「秋お姉ちゃん」
「ぐ…直ぐ帰ってくるからね」
「…うん」
「直ぐ行ってきます!」
「ひひひ。本に惚れられているなぁ。春」
「私秋お姉ちゃん大好き」
「左様か」
「あまり本人の前で言うな。」
「如何して?」
「煩いのよ。とてもなぁ」

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