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変換なしの雑食夢

ran

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大谷兄妹と私 12年後 14

「春殿!」
「あ、幸君」
「今帰りか?」
「うん。部活は?」
「今日は休みだ。補修組がいたからな」
「幸君賢いものね」
「お前に言われたくない」
「この間負けたよ」
「…そうだったか?」
「そうだよ。政君地団駄踏んでたよ」
「そう言えば…」
「今年のチョコレートも大変そうだね」
「…」
「?」
「今年は受け取らんと言っている」
「?!」
「…何だその顔は?」
「あの、甘いもの大好きな幸君が?!」
「もう俺も3年だ。」
「4月から大学生だものね。私たち」
「だから」
「?」
「結婚を前提に交際を申し込みたい」
「は?」
「だから今年はお前のしかいらん」
「!」
「…」
「あの、ね」
「何だ?」
「佐吉君とか吉君とかにはあげないといけないし。兄様と三成兄様もあげるけど、それは許してくれる?」
「ああ」
「なら、私も…その。そういう意味のは幸君だけにします」
「誠か!?」
「誠です」







という流れがあったらしい。なにその甘酸っぱいの?!と言いながら私は食器を洗う。まだ兄様には言わないでねという春ちゃんマジで天使だわ。まー君さすがに見る目あるね!



「姉様。私どうすればいいですか?」
「私が手伝うより春ちゃんが一人で作った方がいいわね。」
「はい」
「箱とか週末見に行きましょう。夏も作りたいって言ってたから。」
「夏ちゃんも?」
「佐吉君じゃない?吉にも作るって言ってたけど」
「姉様は?」
「一番愛情入れてるのが吉継さんかな?吉は最近冷たいし。佐吉は夏にぞっこんだしね」
「相思相愛だから兄様ギリギリしてますものね」
「あれはポーズよ。何処ぞの変な奴なら呪うって…あの人が言うと禍々しいわ」
「ふふふ」
「でもあの幸君がね」
「はい」
「義親が佐助だから何かあったらのしに行ってあげる」
「はい」
「本当に可愛い!さすが私の春ちゃん!よしっ!頑張ろうね!」









大谷兄妹と私 12年後 14









「秋」
「はい?」
「一つ尋ねる」
「?」
「我に隠し事はないか?」
「ん??」
「もう一度聞く」
「私はないよ」
「…っち」
「舌打ちしない。女の話に首突っ込むと嫌われるよ」
「わかっておる、が」
「大丈夫。変なのにはくっついてないから」
「…本当か?」
「本当」
「にしても若いっていいなぁ」
「?」
「キラキラしてるわ」
「…」
「吉継さん?」
「来週、あれらが帰ってくるまで逢い引きせぬか?」
「あら」
「…」
「行く!何処へ行きたい?」
「主となら何処でもいい」
「吉継さん!大好き!!!」
「左様か」








「…ぐぅ」
「夏は母に似ているな。よく寝る」
「佐吉、鬱陶しくはないか?」
「?」
「まぁいい。我の妹故泣かすでないぞ」
「当たり前だ」
「佐吉君重くないの?」
「春姉様。これは私の仕事ですから」
「そう…ふふふ。仲良しね」
「夏を寝かせます。あとはよろしくお願いします」
「はいはい」
「やれ、春姉様。」
「ん?」
「父が邪魔せぬよう我も讒言して置く故安心しりゃれ」
「!」
「ぬしはよう顔にでる。ひひひ」
「あ、ありがとうございます」
「ではなぁ。おやすみ」
「おやすみなさい。」
「おやすみぃ〜(年々兄様に似てきてる)」

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大谷兄妹と三成と私 12

前ふりが欲しかった。



「やれ」
「吉継さん?」
「聞こえておったか?」
「一、応」
「さようか」
「…」
「もう一度言う。我は主に結婚を前提に交際を申し込んでいる」
「え?!」
「何が不服でも?」
「急すぎて…」
「何度か匂わしたが」
「え?!えー…あう」
「主は判らぬようでな。致し方ない」
「…」
「ひひひ。やれ困った」
「?」
「その様に辛い顔をされるとは思わなんだ」
「これ、は!」
「…やれ忘れしゃれ。今まで通り春のためだけにいてくれれば良い。無理なら通いで」
「違うってば!聞いて!」
「何を」
「困惑!耳から水状態なので!」
「ひひひ」
「私の中では前振りなかったの!…もう!」
「断るならとっとといたせ」
「?」
「そうなると思うておるゆえ安心致せ」
「はぁ?」
「…」
「あのね!私本当に男運ないの!周りはシスコンこじらせた兄妹ばっかだし!主夫とかさ!信奉者とか!!!」
「まぁなぁ」
「恋人は…DV男だし。」
「それは聞きたくないが、聞いた」
「だから!」
「二の足を踏むか?」
「そうなの!」
「押せば転がってくるか…ふむ」
「…ん?」
「左様か」
「ちょっ?!吉継さん!今怖いこと言ってない?!」
「安心致せ。」
「聞いて!」
「端的に言えば主に捻り殺されても我に無理よ」
「何その言い分!」
「我は病弱故…ひひひ」
「う…それは否定出来ない」
「何よりなぁ。我は主が笑っているのが好きなのであって泣いているところに快感を覚える性壁など持ち合わせておらん」
「おお?!」
「今までの男がどうか知らぬが我は主を大切にすると誓えるし苦労もさせん。主に災いするものなれば悉く塵に」
「怖い!」
「ひひひ。故に安心して我のものにならしゃれ」
「…」
「何ぞ?」
「いや…意外と私のこと好きなのかなぁと」
「…心外よ」
「うひひ」
「笑うな」
「だって」
「とっとと転がってこりゃれ」
「ふひひ」
「春の義姉になれる特典付きよ」
「何そのご褒美!」
「結婚式には親族席よ…あれには母がおらぬから主への手紙を読んでくれよう」
「うぉぉぉぉぉ!まだ許しません!」
「鼻血を止めしゃれ。どうよ」
「…」
「?」
「意外と破れかぶれ?」
「捨て鉢よ!」
「えー?」
「?」
「そんなにいい女ではない気が」
「良い女よ」
「?!」
「我にとって主は唯一無二の良い女よ」
「うへ…」
「変な声を出すでない」
「だって」
「?」
「そんなこと言われたの初めてで」
「なれば今までの男が節穴なのよ。秋」
「は、はい!」
「返事」
「…嫌になったら嫌って言ってくださいよ!」
「嫌になるか」
「だって」
「自信をもたしゃれ。主は我が見初めた女よ」
「っ!」
「秋」
「よろしく、お願いします」
「ひひひ」








ということがありまして婚約者になりました。あんまり変わんないけどさ!そう言って三成さんに攻撃を加える。恥ずかしいのかと揶揄う彼奴が悪いのだ。さやかさんに至っては煽ってくるだけだし。流石、三成さんのお嫁さん。弱点を知り尽くしている!





「にしてもだ」
「何をのんきに言っている!この馬鹿女を止めろ!」
「私は身重でな。何かあったらよろしくないのだ。」
「抑三成さんが揶揄うからでしょ!」
「ひひひ。やれ、秋。落ち着きゃれ」
「無理!」
「春」
「秋姉様!頑張って!」
「春?!」
「ふははは!ついに私も姉様呼び!」
「ぐ…」
「兄妹のようだな」
「左様よなぁ。」
「秋姉様が来て家が明るくなりました。さやか姉様が来てもっと!ね!兄様」
「これからは益々騒がしくなろう。やれ、秋。プロレス技はやめよ。いくら三成でもそれは痛い」
「ふふふ。秋の照れ隠しは痛そうだな」
「秋ぃ!きさまぁ!」
「揶揄うからだ。鴉め」
「ぐ…」
「さやかさーん!」
「ふふふ。確かに良い嫁になりそうだな」
「そうであろう?」
「私も!」
「何これ?!幸せ!!!両手に花!!!」
「…これがなければの話だ!」
「そこもまた愛いのよ」
「意外とベタ惚れだな」
「でなければ欲しがらぬよ」
「まぁ。そうだな」





大谷兄妹と三成と私 12







「そう言えばおめでとう」
「?」
「ん?」
「何の話?」
「言っていないのか?」
「失念しておった」
「それどころではなさそうだったからな」
「何の話?」
「これを見ろ」
「七起き賞?あの有名な賞でしょ?如何したの?」
「受賞者のところだ」
「ん?『大谷刑部』…?」
「秋?」
「え?!は??!えー!!!」
「本当に知らなかったのか」
「知らな?!えー!!!」
「いいリアクションだな」
「だ、えー!!!?」
「別にとったからとてかわりはせぬよ」
「そうだけど」
「ん?」
「おめでとうは言いたかったです」
「すまぬすまぬ。実際それどころではなくてな」
「?」
「秋を嫁にする方に神経が入っていたのだから仕方がないだろ!刑部が珍しく思案していたのだからな!貴様が鈍感すぎなのがてなんだ?刑部?」
「烏め…」
「本当のことだろう。なぁ春」
「それをあえて言わない兄上の美学を…」
「ひひひ」
「吉継さん」
「いや、何。…ひひひ」
「今度は教えてください」
「ん」
「おめでとうございます」
「ありがとう」
「授賞式は如何する気だ?」
「暗に行かす。我はああいう所は好きではない」
「そういうものか」
「じゃあ!お祝い会!」
「あいあい」
「春はお花作ります」
「っ!天使!花園!」
「まだ天国に行くのは早かろう。落ち着きゃれ」
「へい!」
「秋…」
「いや、だって」
「ひひひ。」

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大谷兄妹と三成と私 11

「吉継さん」
「ん?」
「電話機外れておりますが…何?おまじない?」
「朝からちとうるさいのよ。」
「あっちの仕事用携帯もひどいことになってますが」
「我の眠りを邪魔するからよ」
「真っ二つ…データーは?」
「こちはいらぬものばかりよ」
「こっちのスマホは無音になってる…何したの?」
「ひひひ」
「?」
「もし闇が来たら嘘をつこう。追いだせ」
「えー?」
「良いな」
「ふぁい」



大福のようよなとふにふにとほっぺたを引っ張ると面白い顔をする。そのついでに外出禁止令を出すとえー!と叫ぶもののPCがあれば良いとのことを伝えればぐずぐずし始める。2.3日のことなので若干不服ながら頷くので危険故春も休ませておると言えば春が嬉しそうに抱きつくので興味はそれたらしい。相変わらず仲の良いことよとひひひっと笑うとウフフと笑う。たわいのない時間を過ごしながら秋がふと時計をみた。






「もうこんな時間」
「ほんにな。」
「今日の昼は何にしようかなーと」
「ここで少し仕事をする。何かあったらよばしゃれ」
「はーい」
「…」
「…」
「春?」
「行きました!」
「左様か。」
「良いんですか?」
「良い良い。もう少し内緒にしたい」
「でも明後日には決まるんでしょ?」
「ああ。その時に言うつもりよ」
「姉様になりそう?」
「さあなあ」
「兄様のことだから策があるのでしょ?」
「ひひひ」
「?」
「主にも秘密よ」
「酷い!」
「我とて自信がないのよな」
「そうなのですか?」
「当たり前よ。このような姿の男に添いたい奴がどこにおる。おぞましい顔を好む女子はおらぬよ。しかも賢人が障害になってしもうたしなぁ。…勝算は低かろうから姑息なことも考えてしまうわ。それでももし駄目なら我はどこぞに逃げる」
「えー」
「どの顔をしておれば良い?1年逃げる」
「…」
「主は秋とおりゃれ。生活費と給与はとどこおらせぬからな」
「はい!」
「…」
「?」
「来ぬのか?」
「行きません」
「…さようか」
「だって私は秋お姉ちゃんが良いんだもの」
「?」
「ここで一緒にいられれば邪魔者を排除できます!」
「ようできた妹よなぁ」




というとガンガンいう音がする。きっと暗だろうが無視しておく。
すると案の定で最終秋に喧しいと追い立てられてしまったらしい。あの一件より警戒が増したのは良いことだが若干強くなりすぎてきたなぁと思う。まぁそれはアレらしいのだろう。ふふふと笑いながら物を暗に投げつける我が妹とは違って強く美しい。

なぜこんな気持ちを抱いたのか。あれが馬鹿なくせに聡明で、雑なくせに優しく、我に、二心なく笑いかけてくるからだろう。


言葉にすれば色々あるだろうがそれすら無駄なことのように思えてするのはアレが恐ろしく自然に我らのそばに居ついたからだろう。




ごはんできましたよーと呑気な声が聞こえてくる。それが聞き続けるために通る道は相反することも起きる道だ。




「煩いから退治してましたけど」
「ん?」
「兄様、いつもこんなに美味しい昼食なのですか?」
「左様よ」
「秋お姉ちゃんおかわり!」
「聞きました?!吉継さん!美味しいって」
「いつも言っておるよ。…おかわり」
「炊き込み御飯するとお米すぐになくなっちゃいますね。私のもつけてこよう」
「美味しい!」
「今日の三成さんの夜食はそれで焼きおにぎり茶漬けにしよう」
「「?!」」
「おやつそれにする?」
「うん!」
「我は三成と食べる」
「はーい。」
「秋お姉ちゃん」
「ん?」
「大好き」
「私もー!!」
「やれ食事中よ」
「吉継さんも好きですよ」
「…ん」




その言葉が我と同じ意味ならどれほど良いか。






大谷兄妹と三成と私 11





「帰った」
「お帰りなさい!」
「あーお帰り。ありゃ?さやかさんは?」
「仕事が押した。お前に会いたがっていたからな。悔しがっていたぞ」
「そっか」
「明日弁当を二つ作ってくれるか?」
「?」
「さやかに会うからな。最近まともに食べていないらしい」
「そりゃいけませんぜ!作るって言っておいて」
「助かる」
「三成兄様、これは何?」
「さやかから二人にだ。」
「ケーキだ!」
「あらま。申し訳ない。」
「夕餉を食べたあとこれが食べたかったらしい。このあいだの紅茶が気に入ったらしくてな」
「あらま〜。ぎりぎりしてるのが目に浮かぶわ。ちょっと待ってね。食事の支度するわ」
「ああ頼む」





そう言って踵を返すとひょこりと吉継さんが部屋から顔を出してくる。はよ持ってこりゃれ。というところを見ると美味しいところらしい。先に三成さんの食事を温めて、薬缶に火をかける。




「三成さんのお土産」
「なれば夕餉ののちともにいただこう」
「はー…ん?」
「如何した?」
「…」
「?」
「三成さん!何処!!!」
「ひ?」
「こっち来い!」
「や、やれ」
「何だ騒々しい」
「ととととととととととととととと」
「貴様、鳥になったつもりか?」
「ちが!…落ち着いてくださいね!」
「?」
「やれ、秋。落ち着きゃれ」
「だってぇ」
「?!」
「なぜ泣き始める?」
「…三成。」
「何もしていない!」
「取り敢えず!そこ座って!雑賀さんに電話する支度!」
「?」
「これ!」
「何だ?このちゃちな写真用…っ!何をする!!!」
「馬鹿!酷い父親!!!馬鹿三成!!!」
「何が馬鹿だ!この馬鹿女!腹が減った!はやく!」
「目出度い!そういうことか!」
「そ!さすが吉継さん!」
「何々?」
「春ちゃん!明日はお赤飯よ」
「だから!」
「この!おめでとう!」
「秋!」
「やれ、ぬしも父親になるのよ」
「えー!赤ちゃん!」





「…」






「電話!電話して!!!(吉継さん動画準備!)」
「落ち着きゃれ。(あいあい)」
「おめでとう!」
「あ、ああ……もしもし。さやかか?ああ。今、確認した。…ん。ああ。当たり前だ。私とお前の子だ。嬉しいに決まっている。…ん。泣くな。明日、雑賀殿に挨拶に行く。あ?馬鹿を言うな。きちんとお前を嫁にもらう許可をもらいに行くだけだ。ああ。吉継はニヤニヤしている。秋か?春と飛び跳ねて喜んでいる。…心配するな。皆喜んでくれている。ああ。今から迎えに行く。当たり前だ。そこにいろ。ではな…」
「なんて?」
「三ヶ月だ」
「ひゃー!」
「迎えに行ってくる」
「やれ、タクシーを呼ぶ」
「構わん」
「事故にあったら大変よ」
「だが…」
「あの車(スポーツカー)に乗せて大丈夫?」
「もしもし。はい。一台。一番上手な人で!」
「春!」
「すぐ来るから。急いで!」
「ああ」
「…やれ」
「刑部?」
「良かったなぁ。…しあわせにならしゃれ」
「!ああ」

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大谷兄妹と三成と私 10

「おい」
「何?」
「刑部が落ち込んでいるが…何をした?」
「え?!何もしてないけど…毛糸買ってもらったくらい?」
「毛糸?」
「¥1000位だったけどやっぱり買いたくなかったのかな?」
「高々¥1000であの刑部が落ち込むか!高給取りだぞ。大体その内我が社に帰ってくる予定だ。」
「我が社?」
「私が勤めている会社だ。豊臣商事。彼奴は私の補佐だ」
「…そうなの?」
「そうだ!そして秀吉様と半兵衛様の為に」
「?!」
「如何した?椅子からころげ落ちて」
「はははははははははんべえ?!」
「貴様!半兵衛様を呼び捨てするとは!」
「竹中、半兵衛!?」
「一度ならず二度までも!」
「?!???!!??!」
「お、おい」
「…」
「何荷物を纏め始めている?!」
「実家に」
「長曾我部が如何した?」
「実家に帰らせていただきます!」
「は?!」
「でわ!」
「お、おい!!!ま、」
「離して!きゃー!!」
「叫ぶな!」
「やれ如何した?…三成。」
「何だ!」
「やれ、それは我のと言うたはずよの」
「馬鹿を言うな!私にはさやかがいる!そんな事よりだ!」
「ん?」
「離して!」
「…何ぞ、その荷物は?」
「実家に帰る!」
「…は?」
「離してってば。」
「離せるか!おい刑部!」
「やれ、秋よ」
「っ」
「ひひひ」
「…やだ」
「何をそんなに怯えてる?安心致せ。怖いものは何も無い」
「よし、つぐさん?」
「なかしゃるな…ほれ、こちにこりゃれ」
「う…」
「秋」
「うわーーーーん!」
「うぐっ…飛びつかりゃるな」
「吉継さんー!!!」
「やれ、落ち着きゃれ。」
「猛獣使いだな」
「ひひひ。可愛らしい猛獣よな…やれ、秋。主は我らが嫌にならしゃったか?」
「ちがう…ううう」
「なら此処におりゃれ。我とてぬしが居らぬのは好かぬ」
「吉継さん…」
「急に如何した?」
「半兵衛様の話をしたら急にだ」
「賢人の?」
「…」
「そう怯えるな。」
「だって…」
「賢人が如何した?」
「…にいちゃんに聞いてください…」
「顔が真っ青よ。ひひひ。少し横になりゃれ。三成」
「出前を取ればくるだろう。」
「…吉継さん」
「ん?昼食は安心致せ。主は食べれるか?」
「うんん。」
「ちと食べぬとならぬよ」
「ん…」
「手でも繋ぐか?為れば寂しゅうないな。」
「吉継さぁん」
「ひひひ。よしよし。安心致せ。我がおるからなあ。」







「で如何いうわけよ!」
「あー…それなら吉良の所為だな。昔家庭教師させてたんだよ」
「?!」
「吉良と同卒でよー。そんとき秋の成績落ちてたから。まぁ吉良が自分で教えても良いんだろうけど甘いだろ?だからってな。其れまで成績真ん中くらいだったのが主席になったくらいだぜ」
「其れなのになぜあんなに怯える?あの能天気な女がだぞ」
「まー有り体に言えばトラウマだな。うまいか春」
「はい」
「よっし!良い子だ」
「…やれ。トラウマとは?まさか?!」
「変な関係じゃねぇって。かてきょうでそういう関係なら俺が許さん!…純粋に勉強でだ」
「?」
「問題間違えるだろ?宿題がでるんだよ。10倍…とか言ってたか?週三来てたからよ。10冊なんて出来るわけねぇじゃん。」
「は?」
「手製と言えば良いのかね?20枚のプリントを一冊にしてたっけか?テストで間違えりゃならこーんな束だぜ?可哀想でよ。吉良にも言ったんだけど今勉強させないと馬鹿になるって言われたらなんともな。俺も人のこと言えねぇし。良いところに入って選択肢を広げてやりてぇっていう吉良の気持ちも分かるしな」
「といってその量如何してこなしておった?」
「あとから知った話2時間睡眠はざらだったらしいな。うちのチビどもの面倒みてそれだろ?あいつもぜってぇ弱音いいやがらねぇし」
「愚かな!よう止めなんだな!」
「彼奴も意地になって。2年続けたんだけどな、最後に高熱出して10日入院してな。二人とも即呼び出されて毛利に絞られてたぜ。まぁ大学生以上のところまでさせてたみたいだからよ。そのあと主席でい続けたけど。竹中も加減がわからなかったんだろ?ぶっ倒れたとき彼奴らしくないけどすげぇ謝ってて。其れ以来目の前に現れてねぇもんな。此処にいるのも彼奴知ってるから来ないだろ?」
「そうよな」
「今度半兵衛様にお伺いしてみ…春?どこに電話している?」
「やれ春?」
「もしもし。はい。春です。今、秋お姉ちゃんにひどいことをしたと聞きました」
「「?!」」
「え?それは言い訳ですよね。…見苦しいです。私半兵衛様が嫌いになりました。もしこれで兄様お嫁さんにならなかったら一生恨みます。ええ。半兵衛様なんて大嫌い!」
「春ーーー!」
「お前?!何て事を!」
「秋お姉ちゃんをいじめる奴は万死あるのみです!」
「ははは。吉良に言っとくわ」
「やれ、頼む。…春」
「謝りませんよ」
「いや…秋が聞いたら喜ぼう」
「手紙書きます!私がお守りしますって」
「ひひひ」
「ちっちぇーナイト様だな」








大谷兄妹と三成と私 10







「駄目、目眩がしそう」
「さようか」
「春ちゃんが私のためにあの極悪男に…!!!」
「そこまで嫌いか?」
「歯医者みたいなものですけどね」
「なんとのう、わかる」
「にしても…」
「ん?」
「春ちゃん」
「ひひひ。ほんに春に好かれておるなあ」
「本当?!」
「ああ」
「ふふふ」
「…なぁ」
「はい?」
「秋」
「何ですか?」
「…」
「?」
「…」
「…」
「…秀吉公は知っているか?」
「豊臣さんはすごく良い人です!」
「左様か」
「?」
「…」
「?!」
「違う」
「なにも思ってませんよ」
「嘘つきはいかぬな。あれを崇拝しておるのは三成よ」
「部屋の掃除したら豊臣さんのポスターが貼られてましたから…さやかさん可哀想」
「彼奴は彼奴で雑賀の当主のオタクよ。似た者似た者」
「へー…」

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