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変換なしの雑食夢

ran

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群青色

「申し訳ありませんでした!」
「石田様。もう良いでから」
「いえ!家康のせいとはいえ…あなた様に水頭からかけてしまうとは!」
「今松が急いで服を取りに行ってくれていますから」
「私の予備のシャツにお着替えください。風邪を召してしまっては大変ですから」
「ありがとうございます」




今日、姫様が内府に来られたのだ。半兵衛様に用があったそうなのだが、私の執務室においでくださったのだ。至上の喜びなことなのに家康の所為で姫様に水をかけてしまったのだ。瓶一本分。頭から。
血の気が引く我々とご立腹な半兵衛様をよそに姫様は私が先に入ってよかったですね。半兵衛なら何しでかすかわかりませんよとにこりと微笑まれた。悲鳴とともに家康は連れて行かれ。半ば放心状態の私はくしゅんと姫様のくしゃみで我に帰る。抱きかかえて執務室横の仮眠室にお連れする。とりあえず予備シーツで髪を拭こうとしたものの髪飾りのせいでどすれば良いのか思案する。とまたくすくすと御笑わいになられ冒頭へ至る。




「水ですから」
「ですが」
「石田様が濡れてしまわれる」
「私は良いのです」
「…髪飾り!」
「え?」
「石田様に頂いた」
「あれは漆塗りですから。ほら、」
「良かった。」
「髪をふいてください」
「ええ」
「シャツと上着です」
「すいません」
「火鉢を持ってきます。」
「はい」


ぱたりと閉めて左近に誰も近づけるなと釘指す。すると俺が火鉢持ってきますよと言ってとっとと走って行ってしまった。





「姫様」
「はい」
「温かい飲み物を淹れます」
「大丈夫ですよ」
「わざわざ御いでくださったのに…」
「半兵衛に呼び出されて貴方様に用がありましたから」
「私に?」
「はい。」
「?」
「石田様にもお聞きしたかったのですが」
「なんですか?」
「新居は本当に離れでよろしいのですか?」
「そのつもりでしたが…」
「無理なさっていませんか?」
「いえ」
「結婚式ももう少しですが…本当によろしいのですか」
「…くくくくく」
「笑っておられませんか?」
「いえ、随分と不安げですから」
「石田様は兄様の命に反することはしないからと」
「貴方がいるのならば。どこでも至極なのですよ」
「っ」
「姫様」
「あ、あの!」
「ああ。少し待ってください。左近!なんだ?」
「火鉢です。あと残念な話、今雪のせいで交通が麻痺してまして…松さんが帰れなかったそうです」
「は?」
「それどころか今日はここに泊まりです。」
「では姫様は秀吉様の元へ」
「いえ…婚約しているのだから問題ないと。逆に兄妹で寝具一つの方が外聞が悪いから三成様のところへ泊まるようにと」
「は?」
「俺、半兵衛様の命令で色々行かないといけないっす。姫様の事。お願いします。秀吉様が側にいるようにと!」






なんだ今日は!厄日なのか?!







群青色







「ひ、めさま」
「きこえ、ました。あの」
「まず、火鉢を」
「はい」
「入ります」


扉の向こうには着物でも洋装でもない姫様がいて思わず火鉢を落としそうになる。随分と大きかったのだろう。肩が落ちてしまっている。



「ズボンをお渡しします!」
「え?!いえ…合わないかと」
「ならシーツで…ああ。予備を使ってしまった!」
「石田様?」
「あ、しが」
「っ!」
「いえ!そういう意味ではなく!!!」
「…」
「あ、の。」
「すいません。色気がないので…御見苦しい限りでしょうが」
「とても!美しいです!!!」
「!」
「ですか…いえ?!あの。そういうつもりではなく!」
「私」
「…姫様?」
「心配だったんです。石田様のお好みがわかりませんし。こんな貧相な体と思われて嫌われたらと」
「っ」
「石田様?」
「今、理性と本能との葛藤が…」
「っ」
「何もしてはならないのは当たり前ですが…秀吉様と半兵衛様に命じられておりますので私も別室というわけにはいきませんし。ここにいる愚者に何かされでもしたら…それこそ。御側にいてお守りしたいという気持ちと私のものにしてしまいたいという気持ちが…何を言っているんだ?!私は!こんな邪な」
「邪なのですか?」
「い、え!ですが!」
「私は石田様が好きですから。」
「姫様」
「難しく考えすぎですよ。私は嫌われてないとわかっただけで嬉しいのにそんなに求めていただいて」
「煽らないでください」
「さすがに私も此処では…いえ!場所ではなく。周りが…」
「当たり前です!」

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