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変換なしの雑食夢

ran

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大家さんとOL 6

「まあまあまあ!」
「初めまして。サクラと申します」
「あなたがサクラさんね!龍さんったら先に会ったんでしょ?ずるいわ!!!」
「母さん。サクラさんが驚いてるから」
「だって!こんな可愛らしいお嫁さんが来るなんて!」
「およ?!」
「母さん!」
「だって!結婚前提に」
「それは、そうですけど」
「なら、お嫁さんよ!お嫁さん」
「母さん!」
「今日はいい式場を持ってきたの!結納も必要でしょ?」
「え、その」
「ご両親にもご挨拶しないと」
「母さん!」
「あ、の!」
「如何したの?」
「少し、すいません」
「サクラさん」
「文世さん…」
「っ」
「ごめんなさい」
「???」





そして彼女は失踪した









「で、見つかった?」
「まだじゃよ。」
「会社の方は?」
「律儀に有給取ったらしいなぁ。逆に何かあったのかと心配してるみたいじゃ」
「大家さんは?」
「…あはは」
「正ちゃん!」
「でも本当に如何したのかなぁ…割とすんなり付き合ってそのまま結婚してもおかしくなさそうだったのに」
「おじいちゃんたち見てだったから…何かあったのかなぁ?」
「先代に?奥さんなんて凄く気に入ってたじゃない?」
「そうなんだけど…」
「何かあったのかい?」
「おばあちゃんが式場のパンフレット持って結納とか顔合わせとかいったらしい」
「あー…」
「サクラちゃんご両親とは縁切ってるみたいじゃもんなぁ」
「言うに言えんか」
「叔父さんも直ぐ追いかけたらしいんだけど」
「足、以外と早いもんねぇ。」
「早く見つかるといいけど」










「ってことになってたわよ」
「東子さん」
「そろそろ帰ったら?みんな心配してるわよ」
「恥を忍んで聞きます」
「ん?」
「好きってどんな感じなのですか?」
「え?」
「私、本当によくわからないんです。文世さんはすごく優しいですしいい人です。」
「ならいいじゃない?」
「恋愛と結婚は違いますから…」
「あ〜そういうわね」
「母みたいに出奔したのは父の度重なる浮気なんですけど…」
「そうなの?詳しく聞かせて」
「東子さん!」
「母も腹たって浮気し返して…もうなんかモラル崩壊した家だったから…凄くいやで堪らなくて。でもその血を引いているわけだし。」
「まぁね」
「このままお付き合いして、あまつさえ奥さんになっちゃうと」
「自信がないか…」
「両親が離婚なんて今の世の中ザラだよ!」
「そうよ!平井の言う通り!」
「でも、うちみたいなのはないと思う。凄かったもの」
「んー…でも親は親でしょ?」
「あんなに良い御両親に…私みたいな」
「色々酷いわよ」
「もう段々何が何だか…」
「んーとね。サクラちゃん」
「はい?」
「私、文世ちゃん好きだから告白するわ」
「え?」
「東子さん!?」
「如何?身を引いてくれる?」
「い、やです」
「如何して?好きか嫌いか解ら無い相手でしょ?」
「そ、うですけど」
「なら、いいでしょ?」
「…」
「嫌?」
「…はい」
「他の女と歩いてるの嫌でしょ?」
「はい」
「なら好きなのよ。」
「…東子さーん」
「泣くな泣くな。誰かと付き合ったこともないの?」
「ないです」
「だろうね!」
「男なんて…どうせ若い子がいいんだろう?!って思ってましたもん。」「そーそー!なんなのかね!あれは」
「でも、文世さんはいつ変わらなくて」
「小姑だよ?細かいし」
「そうですか?」
「東子さんと違ってサクラちゃん几帳面だから!」
「平井!!!」
「さ、サクラちゃんは大家さんのどこが好きなの?」
「どこ、だろう?優しいし、気配りができる人だし。」
「ありきたりね!」
「もー!東子さんは黙ってて!それで」
「朝、おはようございますって言ってくれて帰ってきたらお帰りなさいって。」
「あーあれか」
「大家さん必死だったもんね」
「?」
「朝夕くらいしか接点ないでしょ?ふふふ。文世ちゃんも珍しく必死だったから」
「そう、なんですか?」
「あんたが思っている以上にね。そろそろかな?」
「?!」





そう言うと玄関辺りが騒がしくなる。真逆と思って縁側に走り出るとエンジェルさんに取り押さえられる。困った子猫ちゃんねと言われても血の気が引く感じしかない。





「サクラさん!」
「文世、さん」
「!」
「わー!大家さん?!」
「文世さん!」
「叔父さん?!大丈夫??!!」
「気が抜けてしまいました。」
「さ、サクラちゃん暴れ無い!」
「エンジェルさん!お願いします!!!文世さんのところ!」
「わかったわ」
「文世さん…文世さん」
「泣かないで。少し立ちくらみしただけですよ」
「でも…ごめんなさい」
「…」
「本当に、ごめんなさい」
「それは」
「はい」
「別れたいということですか?」
「!」
「如何なのですか?」
「別れたくは、ないです」
「うん」
「色々、考えすぎて…パニックになって」
「サクラさん」
「私には異性を好きというのが良く、わかりません」
「はい」
「わかりたくはないのかも、しれません」
「はい」
「でも、あなたのそばに他の女性がいるのは嫌です」
「はい」
「側に置いてください」
「貴方しかいませんよ」
「はい」
「泣かないで下さい」
「だって…」
「私達は私たちなんですから。ゆっくり行きましょう」








大家さんとOL 6






「で、寝たと」
「連れて帰ります」
「叔父さん大丈夫?」
「もう平気ですよ。にしても、1週間も匿った代償は」
「サクラちゃんに言いつけるわよ!巻き込またんだから!」
「…」
「サクラちゃんの独白」
「それで手を打ちます」

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大家さんとOL 5

「お邪魔します」
「あーサクラちゃん!」
「おじいちゃん達こんにちは。これ、お菓子です。おやつにどうぞ」
「ありがとう」
「今日は仕事休みかい?」
「はい」
「サクラちゃんは何をしておるんじゃ?」
「え〜っと。ふふふ」
「かわええのう」
「文世さんは?」
「ようやく吃らず言えるようになったなぁ」
「でも顔は真っ赤じゃな」
「少しずつですね…凄く照れてしまう自分が恥ずかしいんですけど」
「「「可愛い」」」




そう言いながら居間に座ると、縁側から声をかけられる。
不意に顔を上げると柔かなお爺さんと何故か硬直し始めるおじいちゃん達と。先代と断末魔のように叫ぶと文世はと朗らかにおっしゃるので私は首をかしげる。そんなに恐ろしい人には見えない




「サクラちゃん!!!一回帰ったほうが良い!!!」
「え?」
「あー君がサクラさんかな?」
「馬鹿っ!」
「逃げて〜!!!」
「え?あの。はい。そうですけど…高田さん?落ち着いて」
「何されるかわかんないから!!!」
「へー…」
「ひっ?!」
「???」
「文世は?」
「大家さんなら多分そろそろ帰ってこられるかと」
「待たせてもらっても良い?」
「玄関に回ってください」
「いや此処で良いよ。」
「じゃあ座布団を」
「ふふふ」
「お茶入れてきますね。」
「ありがとう」
「…」
「如何したの?」
「あ…いえ。」
「?」
「すいません。少しお待ちくださいね」
「あ、行っちゃった」
「先代!サクラちゃんは普通の子だから」
「いたずらしないで下さいよ!」
「しないよ〜」
(((胡散臭い)))
「にしても。文世にしたら良い子を見つけてきたね」
「すっごく良い子なんじゃよな」
「そうそう」
「料理も裁縫も上手じゃし。大概のことは自分でやるからなぁ」
「へー」
「大家さんと結婚したら良い娘さんになるの間違いなしじゃ!」
「君たちに太鼓判押されてもねぇ」
「「「ぐっ」」」
「お茶入りましたよ…あら?如何しました?」
「サクラちゃーん!」
「先代がいじめる!」
「え?あの…いじめちゃダメですよ」
「虐めてないよ。ね!」
「「「はい!」」」
「ま、まぁ。お茶が入りましたから。どうぞ」
「ありがとう」
「暑くないですか?」
「大丈夫だよ…君は?」
「私の平気です。」
「今日は仕事お休み?」
「はい」
「何をしてるの?」
「OLを。」
「総合職?大変だね」
「いえ…笑われませんか?」
「?」
「被服のデザインを。」
「デザイナーさん?」
「そんな大層なものではないです!」
「へー!知らなんだ」
「どこの店じゃ?!」
「お前服屋なんて知らんじゃろ」
「私子供服専門ですから」
「そうなの?!」
「子供好きなんだね」
「はい」
「うん。良いねぇ。」
「?」
「すいません!遅くなりました。サクラ、さん?!」
「お帰りなさい。ご苦労様でした。お客様が」
「父さん!」
「きてます…え?!」
「なんで此処に?!」
「来たっていいでしょ?」
「彼女に変なことしてないでしょうね!」
「してないよ。するならそっちにするし」
「先代ぃぃぃ?!」
「大家さん!大家さん!」
「何ですか?!」
「サクラちゃんが崩れてる!」
「わー!!!」
「本当にすいません」
「土下座になってる!!!」
「落ち着いて!」
「ねーねー。文世」
「なんですか?!」
「こんな可愛い子お付き合いできて良かったね」
「「は?」」
「母さんにも言っておくよ」
「良いです!また私から言いますから」
「お見合い写真用意してたよ?」
「全力でお願いします」
「うん」
「あ、の」
「何かな?」
「…」
「???」
「文世さんとお付き合いさせていただいています。これからも何かとご迷惑をお掛けすることがありますがよろしくお願いします」
「こっちこそ…それはもう色々とあるけど」
「?」
「よろしくね。サクラちゃん」







大家さんとOL 5





「文世さん」
「あ、ありがとうございます」
「ふふふ。」
「?」
「よく似てらっしゃいましたね」
「似てません!」
「ふふふ」
「サクラさん」
「もう遅くなっちゃいましたね」
「それは…すいません」
「謝らないでください。」
「ですけど」
「夕飯、何が食べたいですか?」
「サクラさんの作ったものならなんでも良いですよ」
「!」
「如何しました?」
「いえ…その」
「???」
「嬉しい、です」

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大家さんとOL 4

「そう言えば」
「何ですか?」
「サクラちゃん。引っ越すみたいね」
「は?!」
「えー!?なんで?」
「…エンジェルさん。詳しく教えてください」
「サクラちゃんってなんでも出来るじゃない?屋根修理までしてたから、つい気になって。色々聞いてみたのよ。そうしたら、あの子実家から追い出されたっていうじゃない。」
「そうなの?!」
「お母さんが駆け落ちして、お父さんもすぐ再婚して。困らせちゃいけないってなんでも自分でしてたら子供っぽくないって言われてお金と一緒に追い出されたらしいのよ。身寄りもないし、兄弟もいないから一人で何でも出来るようになっちゃったってねぇ。ここで一緒に食べないのも気を使って…みたいね。」
「そう、何ですか?」
「私はこう言うのだし、話しやすかったのよ、きっと。ご迷惑かける前に引っ越さないとって言ってたから…本当に良い子すぎて大変ね」
「…」
「文世ちゃん!とっとと気持ちいいなさいよ!」
「そうじゃ!あの愛らしい笑顔を見んと1日が始まらん!」
「あの子だけだからな。儂等にまで優しいの!」
「今日も布団かけてくれたし」
「すいません、少し席を外しますが…絶対についてこないでくださいよ」
「「「「「「はい!」」」」」」








お風呂上りに縁側で寛いでいると庭越しに大家さんに声をかけられて驚く。いつもならまだ始まったばかりであろう宴会を抜けてくるほどなのだから大事件が起きたのかもしれないと思いつつ如何しましたと言えば、難しい顔をされる。本当に何をしたのかしら、次は!



「立ち話も何ですから玄関に回ってください」
「…サクラさん」
「また何かありましたか?…あ!料理、美味しくなかったですか?!」
「違います」
「なら…大家さん?」
「驚かないで聞いてください」
「居間に」
「ここで良いです…サクラさん」
「はい?」
「引越しのことエンジェルさんに聞きました」
「あー…すいません。もう少ししたら見つかると思うんですけど…」
「お嫌いですか?」
「え?!ち、違います!本当にみなさん良い人で。ずっと居たかったんですけど…私みたいに一般人がいると何かとご迷惑かと思いまして」
「…」
「本当にすいません。すぐに」
「私は、貴方が店子で本当に良かったと思っています」
「…え?」
「非常識だらけの店子の中で貴方はとても良心的です。皆貴方のことが好きですが、如何せん…ああいう人たちですから。うまく伝わらないことも沢山あるかと思いますが、貴方を嫌っているとかはありません。」
「…」
「…私もです。」
「…」
「出来れば此処に居て、また一緒に食事をしたりしませんか?皆寂しがってます。」
「本当に」
「?」
「お邪魔ではありませんか?」
「本当に邪魔ではありませんよ。此処にいて下さい」
「…」
「嬉しい、です」
「っ」
「態々ありがとうございます。本当に…大家さん?」
「今までのは大家としての本音です」
「?」
「今から個人的な本音をお伝えしてもよろしいですか?」
「え?!」
「違います!!!基本は同じです!此処にいてほしい!」
「大家さん?お、落ち着いてください」
「…ですが、店子とではなく」
「?」
「私は恋人として、貴方と共にいたいです」
「は…?え?!は???」
「サクラさん」
「はひ!」
「結婚を前提にお付き合いしてくださいませんか?」








大家さんとOL 4








あれからみなさんのお節介(大家さん談)と言う助力のおかげで大家さんとお付き合いする事になりました。
同棲コールが凄かったものの、大家さんの一喝で今のまま暮らしている。





「おはようございます」
「おはようございます」
「お仕事気をつけて」
「ふ、みよさんも。お仕事頑張ってください」
「顔真っ赤ですよ」
「は、ずかしいから。許してください」
「くくく…気をつけてくださいね」
「はい」

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大家さんとOL 3

「あ、こんばんは」
「おかえりなさい」
「ご苦労様です。今日は…」
「またあの三人です」
「お疲れですね…」
「今日は些か草臥れました」
「あー…皆さんも?」
「自分のところに帰ればいいんですけどね」
「居心地が良いのですね。」
「夕飯を作るのが面倒なだけの気が」
「え?今から大家さんが作るのですか?」
「ええ。毎度の事ですけど」
「手伝いましょうか?」
「え?」
「あ、お邪魔なら」
「是非、手伝ってください!」
「え、ええ。」





あれから数週間経った後、またおじいちゃん達が揉め事を起こしたらしく大惨事になっていたらしい。行くときは平和だったのに…帰ってきたら大変なことになっていたらしい。駅を降りた途端商店街の人たちが微妙な顔をしていたのでうっすらと何かあったのかなぁと思いつつ多めに食料を買ってきて良かった。




「何を買ってきたのですか?」
「ふふふ。今日、取引先の人が大漁だったってお裾分けしてくれたんです。お魚切れる人は持って帰ろうってなったら私と後三人しかいなくて。うふふ。沢山くれたんです。」
「鯛に鯵に美味しそうですね」
「釣り好きで家の人は辟易してるみたいだけどたまにもらう分には嬉しいですよね〜。刺身にあら炊きに骨せんべえに〜」
「意外ですけど食いしん坊ですね」
「はい。食べるの好きで、自家菜園したくてここに越してきたようなものですから」
「そうだったんですか」
「さてと!お台所汚しちゃダメですから家でした処理してきますね」
「大丈夫ですよ。私も手伝いますから」
「お疲れですから私しますよ。みんなお魚くれたから早く帰れって早く帰らせてくれましたし。」
「ですが」
「菜っ葉取ってこよう。トマトもあったし〜ふふふ」
「では、作るのはここで。お米も炊いておきます。」
「ですけど…わかりました。着替えて来ますので宜しくお願い致します」






急いで蕪を引き抜いて。諸々用意してから大家さんのうちへ行く。みんな疲れているようでピクリともしないのが少し怖かったものの、台所で座っている大家さんまでがうたた寝ているのだから今日の惨事はすごかったのかもしれない。取り敢えず、お米の用意はしてくれてる。調味料は持ってきていて正解だったかも。
きっと呑むだろうからあても用意していたほうが良いかな?いや、刺身あるし大丈夫かな?あ!正ちゃんいるしフライも良いなぁ。








大家さんとOL 3






「ん」
「あ、叔父さん」
「正太郎君…ん?これは?」
「サクラさんがかけてくれてたみたいだよ。俺もさっき帰ってきたからよく知らないけど」
「あ!!!サクラさんは?!」
「家に帰って食べるから皆さんでつまんでくださいだって。明日早いって言ってたし」
「ああ…」
「今もすごいよ!」
「…何で寝ちゃたんだろう?」
「疲れてたんじゃない?起こそうとしたけど寝てたし。サクラさんにも寝さしてあげてって。」
「…」
「食べる?起こそうか???」
「え、ええ。そうですね。私は」
「…叔父さん」
「何ですか?」
「早めに寝るって言ってたから…その」
「…」
「(見るからにしょげてる?!)」

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大家さんとOL 2

「パンの匂い!」
「あ、正ちゃんに理加子ちゃん。今出来立てなの」
「美味しそう!」
「今から大家さんの所でしょう?お裾分け」
「ありがとうござい…サクラさん」
「何?」
「不動産雑誌」
「え?あー…友達のよ」
「本当に本当ですか?!」
「り、理加子ちゃん?近いよ」
「理加子サクラさんのファンだからなぁ〜」
「こんなお姉ちゃん欲しいもん!料理裁縫何でもできて!!!」
「お前致命的だもんな」
「五月蝿い!」
「ふふふ。仲が良いのは良いことね。正ちゃんはい。」
「?」
「おまけ」
「わっ!美味しそう!」
「作りすぎたから。良かったら」
「ありがとうございます!」




そう言って帰る二人の後ろ姿が可愛くていけない。いいな〜若いって。そう思いながら庭に出る。風が涼しい。
離れ、がたいのだと思う。居心地が凄くいいから。騒がしいのと時々起る事件を無視しても居心地はいい。まぁ!浮いてるなら仕方ないさ。





「サクラ、お客さん」
「え?お客?誰ですか?」
「名前聞くの忘れてた。あー…人だかりが出来てるし」
「え〜?何で?」
「和装のいい男。御局様がおっかない位いい笑顔よ。」
「行きたく無いなぁ」
「え?彼氏じゃ無くて」
「アラサーの悲しい生活知ってるでしょ」
「ま、ね」
「本当に誰だろう」
「行ったらわかるよ。応接間に通してるって」
「はいはい…何ついてきてるの?」
「いや〜野次馬?」
「そんな相手居ないわよ」
「あんたはわからなくても相手はそうかもしれないじゃ無い?」
「え〜ってうわっ!何あれ」
「言ったでしょ?」
「凄いなぁ…失礼いたします。」




人混みをかき分けて入ると御局様に微笑まれる。確かに怖い。へらっと笑って来客の顔を見てぎょっとする。大家さん?!何でここに?!と思案したものの極力表情は変えないようにする。
一言二言御局様に話すと嬉々として席を譲ってくれた。そして、野次馬どもを連れて帰ってくれる。優しいけれど有難くはない




「サクラさん」
「あっ?!えーっと市川さん」
「?」
「狙われますよ。益々」
「あー…すいません。」
「いえ、如何しましたか?」
「これを」
「鍵?」
「今朝落として」
「え?!あー…それでわざわざ?」
「こちらに来る用もありましたから」
「ありがとうございます…お礼に昼食でも行きますか?」
「え?」
「良かったらですけ」
「サクラちゃぁぁん!岡田様!岡田様から電話!!!」
「どぉ…すいません。無理みたいです」
「…御勤めは大変そうですね」
「本当にありがとうございます。お礼は必ず」
「いえ…あ」
「?」
「この週末みんなで宴会と言ってましたから。良かったら」
「…」
「サクラさん?」
「すいません。週末は予定が」
「あ、そう、ですか」
「サクラちゃぁぁん!」
「はーい!」
「サクラさん!」
「すいません、大家さん。失礼いたします」








大家さんとOL 2









「で、サクラさんから何も聞けず終いと。」
「だからあんなに機嫌悪いの?」
「何ですか?」
「何でもありません!」
「にしても引越しねぇ」
「東子さんが浮いてるっていうからだよ!」
「うっさいわねー!覚えてないもん」
「覚えてなくていっていいことと悪いことあるでしょ?!いくらネタに詰まったからって!」
「う…」
「すいませーん。あ、皆さんこんばんは」
「サクラさん?!東子さん!!!」
「ごめん!この間酔ってて」
「え???」
「私変なこと言ったんでしょ???????」
「い、いいえ!何も言って無いですよ。大家さんいらっしゃいま、ああ!大家さん」
「どうぞ上がって下さい!」
「いいえ。この後家で仕事の残りがあって…これ、今日のお礼です。本当にありがとうございました」
「そんな…あっ少し待っててくださいね」
「?」
「「「サクラちゃぁぁん!」」」
「わっ?!」
「ここからいなくなるなんて嫌じゃー!」
「え?!あの…」
「まさか結婚?!」
「い、え。ああ!何か割れた音しましたよ!」
「心中穏やかで無いようね」
「???」

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