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変換なしの雑食夢

ran

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拝み屋横丁顛末記 大家さんとOL

「呑まないの?」
「え?」
「あっち」
「みんな飲んでるね〜。あっ!正ちゃんはだめよ」
「呑まないよ!」
「なら良いけど」
「サクラちゃんも呑もうよ〜」
「私は片付けありますし。みんな飲んでください。お皿持ってきますね。」
「「「サクラちゃーん!!!」」」
「手伝いますよ」
「良いですよ。いつも大変なのですから、こういう時は休んでいて下さい」
「あ、行っちゃった」
「あんまり食べておらんようじゃし」
「何処か調子が悪いのかねぇ」
「三爺が無理やり誘ったからじゃないの?」
「何?!」
「東子さんだって!」
「私が何よ!」
「お皿持って…如何したんですか?」
「サクラさん」
「はい?」
「何処かお具合でも?」
「!」
「どっか悪いのか?」
「い、え…あの。そういうわけでは」
「やっぱり三爺が嫌なのよ!」
「東子さん?!いやいやいや!違いますよ!」
「ならどうしたの?」
「いや、あのね…皆さん楽しそうだから、つい見ててしまって。」
「「「サクラちゃーん!!!」」」
「んなわけないでしょ」
「東子さん…酔ってるでしょ!」
「酔ってないわよ!」
「目、すわってますもん!」
「大体サクラちゃんみたいな普通な子が何でここにいるのか不思議なのよ」
「へ?」
「ふつーでしょ!何でいるのかなって思っててさ!」
「本当にのう。何か辛いことでも」
「な、無いですよ?」
「怪しいわね!」
「東子さんたら」
「調べたら色々出てきそう?」
「もー。」
「誰かに捨てられたとか?!」
「店の金に手をつけた?!」
「心中の生き残り!」
「普通ですよ。普通にOL」
「普通すぎて浮いてるの!なにかあるでしょ!」
「東子さんったら」





ある日、大家さんに家賃を支払いに行くとみんなが出来上がっていてなし崩しに参加させられた飲み会で東子さんにそう言われる。確かに私は普通なのだ。家庭菜園したいから庭付きで下町が良いなあと思った時に見つけたこの横丁に住んで早半年。自分がどれ程浮いているかわかっているけど、面倒向かって言われたのは初めてだった。
如何したものかと思案しつつも曖昧に笑って使い終わった食器を片付ける。話は私がいなくても進んで終わっていくから食器を洗って片付けた頃にはみんな他の話に夢中で、私がいなくなっても構わない状態になっていた。正ちゃんが困った顔をして立ち上がろうとするので私は首を振って家賃と家庭菜園のおすそ分けを置いて家を出る。本当に。何で私はここにいるのだろうか?ぼっと考えながら歩いていく。ある意味防犯は優れているし、基本、皆さん優しいし。ずっと一人だったからこう、たくさん人がいるとそれだけで嬉しかったけど。あまりに浮きすぎて良く無いらしい




「あ!」
「平田さん?」
「東子さん知らない?」
「大家さんの所」
「ありがとう…で」
「?」
「サクラちゃん何で泣いてるの?」
「え?」
「何かあった?」
「ん〜ん。ゴミだよゴミ。」
「でも何だか難しい顔してたよ」
「でもそろそろ引っ越そうかなって」
「え?!」
「庭が欲しくて店子になったけど、薄々浮いてるのは…」
「そ、そんなこと無いよ!」
「このままだったらあんまりにも迷惑かもしれないし。物件探そうかなって」
「サクラさん」
「ま、みんなに秘密ね。平井さんも早く行かないと」
「え、あー…あのね」
「?」
「誰もサクラちゃん浮いてるとか迷惑とか思ってないよ」
「!」
「だから」
「平田さん」
「?」
「ありがとう」









大家さんとOL







「おはようございます」
「あ、おはようございます」
「いつもご苦労様です」
「サクラさんも。今からお勤めですか?」
「はい」
「サクラさん…その」
「あ、家賃見ていただけましたか?」
「え?!ああ。はい」
「なら良かったです。」
「サクラさん!」
「いってきま…如何しましたか?」
「…」
「?」
「い、え。お気をつけて」
「ありがとうございます」

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