忍者ブログ
変換なしの雑食夢

ran

大家さんとOL 2

「パンの匂い!」
「あ、正ちゃんに理加子ちゃん。今出来立てなの」
「美味しそう!」
「今から大家さんの所でしょう?お裾分け」
「ありがとうござい…サクラさん」
「何?」
「不動産雑誌」
「え?あー…友達のよ」
「本当に本当ですか?!」
「り、理加子ちゃん?近いよ」
「理加子サクラさんのファンだからなぁ〜」
「こんなお姉ちゃん欲しいもん!料理裁縫何でもできて!!!」
「お前致命的だもんな」
「五月蝿い!」
「ふふふ。仲が良いのは良いことね。正ちゃんはい。」
「?」
「おまけ」
「わっ!美味しそう!」
「作りすぎたから。良かったら」
「ありがとうございます!」




そう言って帰る二人の後ろ姿が可愛くていけない。いいな〜若いって。そう思いながら庭に出る。風が涼しい。
離れ、がたいのだと思う。居心地が凄くいいから。騒がしいのと時々起る事件を無視しても居心地はいい。まぁ!浮いてるなら仕方ないさ。





「サクラ、お客さん」
「え?お客?誰ですか?」
「名前聞くの忘れてた。あー…人だかりが出来てるし」
「え〜?何で?」
「和装のいい男。御局様がおっかない位いい笑顔よ。」
「行きたく無いなぁ」
「え?彼氏じゃ無くて」
「アラサーの悲しい生活知ってるでしょ」
「ま、ね」
「本当に誰だろう」
「行ったらわかるよ。応接間に通してるって」
「はいはい…何ついてきてるの?」
「いや〜野次馬?」
「そんな相手居ないわよ」
「あんたはわからなくても相手はそうかもしれないじゃ無い?」
「え〜ってうわっ!何あれ」
「言ったでしょ?」
「凄いなぁ…失礼いたします。」




人混みをかき分けて入ると御局様に微笑まれる。確かに怖い。へらっと笑って来客の顔を見てぎょっとする。大家さん?!何でここに?!と思案したものの極力表情は変えないようにする。
一言二言御局様に話すと嬉々として席を譲ってくれた。そして、野次馬どもを連れて帰ってくれる。優しいけれど有難くはない




「サクラさん」
「あっ?!えーっと市川さん」
「?」
「狙われますよ。益々」
「あー…すいません。」
「いえ、如何しましたか?」
「これを」
「鍵?」
「今朝落として」
「え?!あー…それでわざわざ?」
「こちらに来る用もありましたから」
「ありがとうございます…お礼に昼食でも行きますか?」
「え?」
「良かったらですけ」
「サクラちゃぁぁん!岡田様!岡田様から電話!!!」
「どぉ…すいません。無理みたいです」
「…御勤めは大変そうですね」
「本当にありがとうございます。お礼は必ず」
「いえ…あ」
「?」
「この週末みんなで宴会と言ってましたから。良かったら」
「…」
「サクラさん?」
「すいません。週末は予定が」
「あ、そう、ですか」
「サクラちゃぁぁん!」
「はーい!」
「サクラさん!」
「すいません、大家さん。失礼いたします」








大家さんとOL 2









「で、サクラさんから何も聞けず終いと。」
「だからあんなに機嫌悪いの?」
「何ですか?」
「何でもありません!」
「にしても引越しねぇ」
「東子さんが浮いてるっていうからだよ!」
「うっさいわねー!覚えてないもん」
「覚えてなくていっていいことと悪いことあるでしょ?!いくらネタに詰まったからって!」
「う…」
「すいませーん。あ、皆さんこんばんは」
「サクラさん?!東子さん!!!」
「ごめん!この間酔ってて」
「え???」
「私変なこと言ったんでしょ???????」
「い、いいえ!何も言って無いですよ。大家さんいらっしゃいま、ああ!大家さん」
「どうぞ上がって下さい!」
「いいえ。この後家で仕事の残りがあって…これ、今日のお礼です。本当にありがとうございました」
「そんな…あっ少し待っててくださいね」
「?」
「「「サクラちゃぁぁん!」」」
「わっ?!」
「ここからいなくなるなんて嫌じゃー!」
「え?!あの…」
「まさか結婚?!」
「い、え。ああ!何か割れた音しましたよ!」
「心中穏やかで無いようね」
「???」

拍手

PR