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変換なしの雑食夢

ran

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「姫様は?」
「其処」
「初めて見ました。兄上が其処まで仕事しているのは。もっと盛っておけばよかった」
「吉良!てめぇ!!!」
「黙れ姫様が起きる!」
「へーへー。あー疲れた。明日は朝から宴開いてやる」
「良いですよ。今月分は終わりましたから」
「マジか!そりゃ良い!一月遊べるぜ」
「貴様…」
「あんたら大阪に送って行って一仕事してくるわ。えーと何処行くかねぇ。」
「最上あたりは如何。あれは見目が些かうざい」
「ははは。いいね。お茶を土産に帰り寄るわ」
「…」
「三成いそいそと羽織をかけしゃるな。こちらの話を聞け」
「貴様に任せる。」
「やれやれ。凶惶とて姫には弱い。今の今まで大阪以外に姫が一月も居ないとは初めて故なぁ」
「ははは。のようだ。」
「黙れ…吉良殿。姫様は」
「殿?!」
「吉良殿は事細かに姫の容態を早船で知らせてくれてなぁ」
「もう安定しています。船もこんな兄上ですが航海の腕はピカイチです。富嶽を走らせたら大きい分酔いにくいのですが流石に憚れますので沖より船を出しましょう」
「あいわかった」
「熱もおさがりのようだ…礼を言う」
「にしてもよー。あっさきちって知ってっか?」
「やれ、如何いう意味ぞ?」
「魘された姫さんが俺をそいつの見間違えてな。眼福眼福。いい顔見せてもらったぜ」
「ヒヒヒッ。主も銀髪故」
「佐吉など知らん」
「死んじまったのかね?恋待ち顔だったぜありゃ」
「兄上」
「…そんなはずはない。何かの勘違いだ、長曾我部」
「そうか。そりゃ残念。」
「その佐吉とやらは姫様を泣かした大罪人だ。もう二度と、口にするな。」
「へいへい。あ、行っちまった。」
「ヒヒヒッ。何処まで知ってる?」
「両方が焦れったい片思いしてるところはな」
「なれば話は早い、が。吉良殿。姫を侍女に頼んで寝所に運んで下され。我は」
「?」
「少し面倒な二人の昔話をしよう」






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白色

「えーと。これは?」
「釣りした事ねぇのかよ」
「ええ、まぁ」
「人生損してんぜ!」
「こちらの海は綺麗ですものね。大阪に繋がっていますが」
「兄上!!!!!貴方という人は!昨日ようやく床上げされたご婦人に体に触る海に連れ出そうとは!!!今日という今日は許しません!そこにお座りなさい!!!」
「げ、吉良がきれた!」
「うふふ。こういう時は逃げかくれせず怒られるのがよろしいかと。逃げれば火の粉が大火になられますよ」
「げー…姫さんまで。助けてくれねぇの?」
「ええ。経験が…吉良様は半兵衛をとても親切に親切にした様な方ですので。怒らせるのは得策ではありませんよ。何より、吉良様が大変そうで大変そうで」
「ほらごらんなさい!」
「しゃーねーな。」
「兄上!」
「あ、そういや。石田から文を貰った。あんた砂糖菓子好きなんだろ?ほれ」
「わ。」
「一緒に送ってきたから礼言えよ。」
「なぜ貴方が偉そうなのです」
「早けりゃ今日こっちに着くだろうに。まぁ普通なら明日明後日か?それまでゆっくり寝てな」
「…干菓子。可愛い」
「本当に好きだな」
「ええ」
「隠す気ないのかよ」
「ここには治部がいませんから。はい、吉良様。あーん」
「美味しいものですな」
「何だよそれ」
「だって吉良様、保護者会には入れそうな程親切なんですもの」
「保護者会?」
「刑部に佐助様。あと片倉様。当主がある意味何かを欠落しているところの右腕です」
「何だよ!欠落って!!!」
「治部は食と休息。真田様と伊達様は…あれですし。お二人は無意識有意識別として政務が。ですので長曾我部様も。仕事をして下さい。絡繰は万歩譲っても釣り三昧は。」
「う」
「言ってやってください。本当はからくりもいい加減にしろと言いたいのですが」
「あれはあれで国益ですけど…長曾我部様」
「な、何だよ」
「はいあーん」
「ん。うめぇなおい」
「美味しゅうございますか?」
「おう」
「先程」
「ん?」
「吉良様の顔色が悪いので如何したのかお尋ねしたのです。もし、私の病をうつしてしまっては大変ですから。ですが、あなた様を探し諌め代行し己が仕事をこなしその上の私の看病でございました。もう、肩身が狭くて狭くて。なにかお手伝いする事はとお尋ねいたしましたら貴方様の案件が疲労の八割との事。長曾我部様」
「…はい」
「お仕事いたしましょうね。菓子も食べましたし頭が働かないという事もありますまい。あと、私、治部や刑部。吉良様程の能吏ではありませんが妥協というのは恐ろしくてできません。さぁ早くお手の荷物を渡してそこに座りましょう」
「…はい」







白色







「やれなんぞあれは」
「躾けて頂いております」
「手伝おう」
「ならぬよ三成」
「何故だ!」
「ここできっちり躾けねば再々海を渡る羽目となろう。今は見守るが吉」
「…無理は」
「させませぬ。無理をさせるのはあのバカのみです。」
「なーなー姫さんよ」
「何ですか?」
「釣り」
「まだ一割もできておりませんよ。」
「でもよー海がよー」
「海も良い主人が来た方が喜びましょう。ほら計算間違ってます」
「うげ…」
「以前左近でも見たの」
「何??!」
「おっ!お二人さん来たのかよ!酒の用意」
「治部、刑部」
「わかっておる。わかっておる」
「おい、何処で荷解きをすればいい」
「夕刻までに終わらせましょうね」
「意外と怖ぇ」
「出ないと鬼ヶ島に単身できませんよ」

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深緋色

「何ですか?」
「おい、熱下がったか?」
「兄上は仕事をして下さい。くどくど女々しくいうものですから特別に同室でしているのですよ。」
「休憩だ。きゅーけー」
「っち。まぁ仕事せずウロウロするよりマシか」
「俺、当主なのに」
「黙って手拭いを変えなさい。…大谷殿からの書状で今の戦が終わり次第迎えに行くと」
「へー」
「あの進軍スピード。傘下に下るのは甚だ遺憾ですか英断だったのかもしれません」
「俺は豊臣の参加じゃねぇよ。姫さんのだ」
「まぁ、この方を見ていたら案外悪くないかもしれませんね」
「ははは。本当だな」
「ん…」
「姫様?」
「…」
「薬飲めそうかい?」
「…」
「っ!」
「さ、きち」
「は?」
「…」
「寝てしまったみたいですね」
「さきち?」
「にしてもあのように笑われるのですね」
「んー…どっかで聞いた様な。」
「石田様の幼名ではありませんでしたか?」
「そういや。銀髪で見間違えたか。…ん?」
「どうしました?随分酷い顔をしておいでですが」
「いや、ね。」





目が醒めると体が楽になっていてほっとする。周りを見ていると吉良様がいて苦笑してしまう。



「お気づきですか?」
「ご迷惑をおかけしました。」
「いいえ。」
「大分体調も良くなりました。長曾我部様は?」
「先に言っておきます」
「?」
「今から兄上が碌でもないことをしようとしても我らには何の関わりもないこと。処罰は兄上だけにして頂き、我らには火の粉が降りかかれませぬ事平にお願い申し上げます」
「何か、あったのはわかりましたが。とりあえず胃薬をお飲みください」





深緋色





「元気になったみてぇじゃねぇか!」
「はい」
「…」
「で不躾なんだけどよ」
「?」
「さきちって誰だ?」
「治部ですね」
「…あんたらそういう関係?」
「いいえ。違いますよ」
「の、わりには」
「?」
「魘されている間とか寝ぼけてる時なんかいい顔だったぜあんた」
「ふふふ。これですね」
「ええ。あいすみません」
「いえ。いいのですよ。永遠の片思いの様なものです」
「ふーん」
「兄上」
「お気になさらないでください。半兵衛なんてもっと酷いものですよ。ですが…長曾我部様吉良様。決して治部には言わないで下さいません」
「どうしてだよ」
「治部は兄様に忠誠を誓っております。…お心の内と反する事は私としても遺憾なのです」
「そんな顔すんなって。な」
「ふふふ。ありがとうございます。」

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「…」
「起きなさったか?」
「ぎょうぶ?」
「昨日より酷いか。しかし…今日明日が病の峠よの。此処から快癒に向かおうが…やはり日を改めるか?」
「いいえ。じぶもあなたもいそがしいみ」
「にしても太閤よりは半月の猶予をもらっておる」
「でも、はんべえがおこる」
「なれば二人を呼ぼうなぁ。誰か」
「ありがとう」
「よく礼が言える。姫は良い子だ」
「ほめられました。」
「姫はようよう良い子故褒める機会がない、ない」
「ふふふ。」
「来よったな」
「やっぱり酷くなってるな。姫さんよ。やっぱり明日にしねぇか?」
「いいえ。でも」
「?」
「うごけません」
「ははは。そりゃそうだ」
「とこからはいけませんか?」
「俺はいいぜ。吉良。おめぇさんも異存はないな」
「兄上がそうおっしゃるのなら」
「我らも構わんよ」
「…わたしもだ」
「では」




そういうと刑部が誓紙と硯を取ってきてくれて座らせてくれる。さらさらと書いてこれでいいですか言うと異存はないようで皆に名と花押。血判を頼む。これだけでも目が回るのだからかなり厳しい。



「姫」
「ああ、わたしのばんてすね」
「あいも変わらず別嬪な字だ」
「…そういえば」
「?」
「血判はどうする。まさか切るとは申しはしまいな」
「え?きらないと…たれかわたしのかいとうをとってください」
「そいつはいけねぇ!」
「ですがけっぱんがないと」
「ならぬならぬ」
「では針を」
「?」
「針でついてなら」
「…」
「じぶ。おかおがこわい」
「申し訳ありません。ですが…」
「…いかがいたしましょう?」
「朱肉で如何か?」
「だめでしょ?」
「いや!ここんとこにその旨書けば良い!なぁ!お二人さん!」
「名案よ名案」
「いいのですね?」
「ヒヒヒッ。誰か朱肉を」
「…過保護ですね」
「おはずかしいかぎりです」










「一旦帰ってまた来る」
「いつでも待ってるぜ」
「もしも何かあった折はこの忍びを使うてくれ」
「ああ」
「三成」
「今行く」
「そういや、聞きたい事があった」
「私的か?公的か?」
「私的。姫さんのことだけどよ」
「?」
「婚約破棄されたって本当かよ?」
「…ああ」
「やれ、三成。西海の。それをどこで?」
「本人に聞いた」
「破棄ではなく…停止よ停止」
「相手は?豊臣の?」
「やけに気にかけるな」
「いやさな。なんな悲しそうな顔させると相手が誰かと思ってな」
「ヒヒヒッ。まぁその話は緩々と。…三成」
「今行く」
「名残惜しければぬしは残るといい」
「構わん。長曾我部」
「おう?」
「姫様を頼む。」

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青藤色

「…」
「やれ三成。ここは同盟の。姫傘下の城ぞ。決して短慮を起こすな」
「わかっている」
「左様か。なれば、良いが」
「失礼いたします。石田様、大谷様」
「!」
「ご案内致します」






そう言うとどうぞ草鞋をお履きくださいと侍女が言う。姫様は奥の離れにておやすみ遊場されておりますと言った瞬間ぴりりとした空気が発せられる。奥に反応したのか、姫に反応したのか。わからないが至極わかりやすい男だ。奥というのは客間で一番景色の美しいところですという侍女の言葉はきっと届いていないだろう。




「ぢょうそかべさま」
「ん?」
「ごめんなさい」
「いや良いって。すげぇ声だなぁ。少し寝てろよ」
「ありがとうございます」
「…おうよ。みかん食うか?」
「たべ、ます」
「にしても。ちゃんと食って寝ねーとそりゃあこうなるわな」
「おいし」
「魚はまだ無理か…果物だけじゃ力でねぇしな…」
「もうひとつ。」
「ほれ口開けな」
「あーん」
「ん。手がつめてぇな。火鉢増やすからな。」
「はい」
「ん?来たな」
「失礼いたします。よろしいですか?」
「ああ。通してくれ。すまねぇな。本来俺の方が行かなきゃならねぇが」
「良い良い」
「あんた等が姫さんの迎えか?」
「石田三成と大谷吉継よ。西海の鬼。以後お見知り置きを」
「へーあんたたちが。」
「姫様は!」
「あんまデケェ声出すなって!頭もかなりいてぇはずだからよ。」
「っ」
「ぎょうぶ?じぶ?」
「!!!」
「やれ、姫。迎えに来たが…はてさて。ひどい様よな」
「ふふふ。」
「今すぐ大阪に帰り、ご養生ください」
「あー…そりゃやめたほうがいいな」
「何?!」
「じぶ」
「やめしゃれ。三成。姫に心配かけるでないわ。西海の、理由は?」
「ひでぇ船酔いすんだとよ。来た時も凄惨だった」
「船酔い?」
「ぬしは舟に酔うか…なれば無理に動かさぬほうが良いか」
「な?!」
「太閤と賢人には私的な文を預かっておる。姫をここで療養したいが良いか?」
「ああ。と言うより、動かせねぇのが正しいな」
「のようよの。やれ、そんな辛そうな顔をなさるな。安心して良いからのう。ぬしも働きすぎ故こうなるのよ」
「刑部!」
「落ち着きゃれ。太閤も賢人も姫の体調如何で柔軟にせよと申しておったよ」
「しかし…わかった。我らは今回の血判書を作って秀吉様に献じてくるという大任がある。刑部」
「それも明日にいたそう。我もクタクタよ。姫」
「ん」
「熱が高いな。西海の。姫は何を食された?」
「今は白湯と果物だけだ。重湯も粥も気持ち悪がって食わねぇ」
「ヒヒヒッ。砂糖水でも啜らすか。」
「私は行く。」
「つめてぇな。おい!お前も姫さんの兵だろう」
「私は秀吉様の兵だ。おい女。休息する。案内しろ」
「はい、ただいま」
「じぶ」
「何か」
「いえ…ありがとう」
「…では明日」
「あーあ行っちまった。姫さんも良いのかよ」
「ん?ええ」
「何でかわいく笑うかね…うっし。砂糖水持ってくるわ」
「ありがとうございます」
「良いってことよ」
「…ヒヒヒッ随分好かれたな」
「ありがたいことね。…ふぅ」
「随分と病んだものよ。太閤、賢人共々心配していた。理由が理由故我が言っておく。取り敢えず全快するまでここで療養されよ」
「はやくかえったほうがいいのでしょ?」
「そうだとしても、だ」
「ぎょうぶ」
「ん?」
「じぶにあやまっていたとつたえて。それとけっぱんしょをしたためるから。ここでいい?」
「今はゆるりと休まれよ。大体どんなに早くとも明日まで帰らぬ故。我とて主が心配よ。」
「ありがとう」
「ヒヒヒッ」
「わたしもあにさまのようならよかったのに」
「…それはちと、愛らしさに欠けるなぁ」





青藤色




「…」
「お?いたいた。宴の準備出来てるぜ」
「黙れ。今姫様はお休み中だ。それに私も刑部も姦しいのは好かん」
「そうかい。じゃあ左近っつうのはいいな。」
「他のものにも休息は必要だ。好きにさせて構わない。左近!!!」
「はいー!!!」
「うるさい黙ってこい」
「酷いっすよ。三成様」
「兵の半分は宴に興じても構わんが半分は待機。酒は飲み過ぎるな。節度を守れ。その他は許さない。わかり次第斬首と伝えろ。あとは任せる。行け!」
「はい」
「…信用されてねぇな」
「信用の如何ではない。そういうものだ。」
「へーへー」
「感謝している」
「は?」
「姫様だ。」
「好きでやってる事だ。礼なんていい。大谷は?」
「刑部は今は姫様の横で安ませている。看病していたが寝たからな。…あれも体が弱い。」
「そうか…なぁあんた」
「何だ?」
「昼間と感じが違うな」
「私は私だ」
「姫さんに対する態度だよ。素っ気なかったから嫌々来てんのかと思ってた。飲むか?」
「頂く…私は姫様の御前に侍る事を出来るだけ控えている。ただそれだけだ」
「ふーん」
「私は人の機微がわからない。お心を害されたらいけないのでな。」
「そういうの気にするような小さな器には見えねぇけどな」
「お優しい方だ。私はあの方が幼少の折より兄君であらせられる秀吉様にお仕えしているが…あの方が泣いたところなど一度しか見た事がない。いつも微笑んでおられるような方だ。…長曾我部」
「ん?おいおい!頭上げてくれよ!!!どうしたんだ?」
「ここにあの方がおられる間。あの方を頼む。刺客や禍からあの方を守ってくれ。」
「…あんたいいヤツだな」
「私の事はどうでもいい」
「ん。わかった!任せなって」
「…?」
「ん?」
「魘されておいでだ」
「は?何も聞こえねぇ…まじかよ」
「姫様。私も刑部も側に居りまする。ご安心くださいませ」
「…よく気がついたな」

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