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変換なしの雑食夢

ran

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深緋色

「何ですか?」
「おい、熱下がったか?」
「兄上は仕事をして下さい。くどくど女々しくいうものですから特別に同室でしているのですよ。」
「休憩だ。きゅーけー」
「っち。まぁ仕事せずウロウロするよりマシか」
「俺、当主なのに」
「黙って手拭いを変えなさい。…大谷殿からの書状で今の戦が終わり次第迎えに行くと」
「へー」
「あの進軍スピード。傘下に下るのは甚だ遺憾ですか英断だったのかもしれません」
「俺は豊臣の参加じゃねぇよ。姫さんのだ」
「まぁ、この方を見ていたら案外悪くないかもしれませんね」
「ははは。本当だな」
「ん…」
「姫様?」
「…」
「薬飲めそうかい?」
「…」
「っ!」
「さ、きち」
「は?」
「…」
「寝てしまったみたいですね」
「さきち?」
「にしてもあのように笑われるのですね」
「んー…どっかで聞いた様な。」
「石田様の幼名ではありませんでしたか?」
「そういや。銀髪で見間違えたか。…ん?」
「どうしました?随分酷い顔をしておいでですが」
「いや、ね。」





目が醒めると体が楽になっていてほっとする。周りを見ていると吉良様がいて苦笑してしまう。



「お気づきですか?」
「ご迷惑をおかけしました。」
「いいえ。」
「大分体調も良くなりました。長曾我部様は?」
「先に言っておきます」
「?」
「今から兄上が碌でもないことをしようとしても我らには何の関わりもないこと。処罰は兄上だけにして頂き、我らには火の粉が降りかかれませぬ事平にお願い申し上げます」
「何か、あったのはわかりましたが。とりあえず胃薬をお飲みください」





深緋色





「元気になったみてぇじゃねぇか!」
「はい」
「…」
「で不躾なんだけどよ」
「?」
「さきちって誰だ?」
「治部ですね」
「…あんたらそういう関係?」
「いいえ。違いますよ」
「の、わりには」
「?」
「魘されている間とか寝ぼけてる時なんかいい顔だったぜあんた」
「ふふふ。これですね」
「ええ。あいすみません」
「いえ。いいのですよ。永遠の片思いの様なものです」
「ふーん」
「兄上」
「お気になさらないでください。半兵衛なんてもっと酷いものですよ。ですが…長曾我部様吉良様。決して治部には言わないで下さいません」
「どうしてだよ」
「治部は兄様に忠誠を誓っております。…お心の内と反する事は私としても遺憾なのです」
「そんな顔すんなって。な」
「ふふふ。ありがとうございます。」

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