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変換なしの雑食夢

ran

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勝手すぎる三成17

「幸」
「…」
「寝て、いるか」
「…」
「…熱も高いな」



今日は朝から散々だった。起きあがれる程度の高熱は佐吉を送り出してから酷くなったせいで病院へ行くのも一苦労だった。行きのタクシーの中で大谷さんに佐吉を頼んで、出社中の三成さんには一応連絡して置く。ああ見えてまめな上一度逃げたせいで過保護に磨きがかかっているのだ。帰りには必ず連絡が来る。お風呂に入っていたらひと騒動だったのが記憶に新しい。当たり前のように電話に出るまで鳴らし続けるものだからこういう時にはとても困るのだ。先に手を打ったほうがいいだろうと連絡を入れて薬を飲ん横になっていたらいつの間にか寝てしまっていたらしい。





「ん…何、時?」
「?!」
「…」
「幸?」
「夜?」
「…昼前だ」
「えー…何でいるんですか?」
「心配だから…その。」
「仕事」
「会議までに帰らないといけない」
「ご飯食べました?」
「移動中に食べる」
「今何か用意しますね」
「は?!待て!寝ていろ」
「えー…」
「熱が酷いな。何か食べたか?」
「ふふふ」
「?」
「夫婦みたい」
「夫婦だ。馬鹿者」
「本当ですか?」
「…何か食べられそうか?」
「果物買ってきてますから」
「水分は枕元に置いておく」
「ありがとうございます」
「…」
「?」
「…もう少し寝れそうか?」
「ええ。…会議大丈夫…では無いんですね」
「っち!」
「気をつけて」
「お、起きるな」
「…」
「寝ていろ。良いな。何かあったら連絡をしろ」
「はいはい」
「例えどんなに元気になっても夕餉の支度はするな。刑部と話がついている。」
「でも」
「?」
「ちゃんと食べられますか」
「ああ」
「なら」
「いいな。寝ていろ。寝ないと治らん」
「ふふふ」
「幸」
「?」
「早く良くなってくれ」
「頑張りますね」






勝手すぎる三成17








「あ!三成様!」
「出ろ。」
「はい!お願いしまーす」
「書類」
「これっす!」
「…」
「奥方様、どうでっぶし!」
「気が逸れる」
「すびません」
「今日はとっとと終わらせるぞ!ついてこい」
「げ?!頑張ります!」
「遅れたら、わかっているな」
「はひ!」

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勝手すぎる三成 16

「?」
「秀吉」
「瓜二つよの」
「母」
「ご無沙汰しております」
「…いいかい。僕は未だに反対だ。三成君があれほど必死に頭を下げなかったらこの家の敷居を跨がせるつもりは無かった。…これは温情だよ。君のような無能な女は彼には相応しくない」
「半兵衛。…すまない」
「いえ。その通りだと思います。」
「半兵衛様!私はお伝えした通り、幸以外は」
「わかっているさ…まぁ、唯一の仕事は恙無くこなしてくれたようだしね」
「よく似ているな」
「…」
「如何したんだい?」
「ひひひ。大人の話の最中は話さぬようにと躾けられておってなぁ。本に賢きこよ。」
「ふふふ。僕は君の祖父かな?養父の一人だよ」
「…」
「僕は君と話したいな」
「…刑部」
「構わぬよ。主の好きなようにしりゃれ。なぁ、賢人」
「ああ。勿論だよ。きみは三成君の次に豊臣を背負うものさ。好きにすればいい」
「なら」
「佐吉…三成さん?」
「…秀吉様の命だ」






「貴様は私の一生涯の最たる敵だ!」
「え?!」
「私の母への暴虐の限りの悪言!万死に値する!」
「な?!え!!」
「私は今の今まで貴様に何をして貰った!母には今生で返せぬほどの慈悲慈愛をいただいている!今もそうだ!何を思い上がっている!私にとって母は至上!かけがえの無い方だ!其れを貴様は!!!!」
「ひ、ひでよし」
「主がやりすぎたのよ。」
「ひひひひひっ!我は忠告をしたのになぁ。なぁ佐吉」
「ああ!刑部!こいつは敵だ!母を害するものは」
「佐吉!」
「母!」
「申し訳ございま、せん?」
「…何だい?」
「い、え」
「僕が泣いたらおかしいかい?!」
「半兵衛。…すまない。…佐吉も」
「母を虐げないか?!」
「佐吉!!」
「黙れもやし!大体貴様がなよなよしく女々しいから母が虐げられたのだろう!義理の盾になるのが夫の仕事だろう!!!」
「ああ、もう。佐吉。落ち着いて。母は誰にも虐げられていませんよ」
「あれでか!!!今まで貴様何をしていたー!!!!!やっぱり反対だ!こんな家出て行って刑部と三人で暮らそう!慎ましくあれば困らないはずだ!」
「しっかりしているな…なぁ三成」
「申し訳ありません」
「嘘は言っていない。この幼子が正しいのよ。」
「?!」
「本当に三成に似ている」
「離せー!!!」
「貴様!秀吉様に何を?!」
「離せ!!!!!私に触るな!!!!!」
「ふふふ」
「佐吉!!!」
「っ」
「ひひひ、母御がお怒りよ」
「母…」
「…」
「ごめんなさい」
「母だけ?」
「この人には言う…だが、母が何と言おうともこの泣いてるのには言わん!」
「ひひひひひ」
「僕だって!!!!!楽しみにしてたんだよ!部屋もプレゼントも!…なのに!」
「いらん!」
「ひひひひひ」
「大谷君ばかりずるい!!!!!」
「刑部にまでか!?」




「…目眩がしそう」
「秀吉様の判断だ。…秀吉様」
「これで半兵衛も落ち着くだろう…気を害したか?」
「い、いえ!」
「硬くならなくていい。ただ、時折訪ねてきてほしい。」
「?」
「ああ見えて半兵衛は子供が好きなのだ」
「…」
「見なくていい」
「あ、はい。ですが」
「?」
「私は良いのですか?」
「養子縁組を解消するとまで言われたからな」
「?!」
「なん、だ」
「あの、どこか悪いのですか?」
「…」
「我もそう言った。」
「慎ましやかなれば食うに困らぬ程度の資産はある。刑部もだ。…どうしても許可いただけなければそうするつもりだった」
「熱?!」
「我もやった。医者にも見せた。平常よ」
「…」
「仲良くせよ。吾らも貴様らと離れたくは無い」
「は、い」
「?!な、泣くな」
「夢のようで…」
「…幸」
「ありがとうございます。これからも末長く、よろしくお願いします」






勝手すぎる三成16








「にしても」
「ん?」
「貴方までは珍しいですね」
「ひひひ。祖父は我の役よ」
「「…」」

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勝手すぎる三成15

三成さんのコンクリートは好かん!という一言(今までのマンションは異例中の異例だったらしい。結婚当初の居も日本家屋のような内装のマンションだった気がする)で近くにあるお屋敷に居を移した。此れは元々大谷さんの御宅らしく純和風の平屋の建物でとにかく大きい。古くて不便よと言った大谷さんの台詞を無視して佐吉がキラキラの目で此処が良いと言ったものだから他の候補を見る前に即決定したのだ。お手伝いさんもいないこのお屋敷で私たち4人は生活をする。とりあえず佐吉がご機嫌なので一安心といったところだろう。





「幸」
「はい」
「荷解きは済んだか?」
「ええ。元々荷物も少なかったですし。三成さんは?」
「済んだ。刑部もだ。」
「島様は?」
「?」
「重いもの運んでいただいたのに…真逆」
「帰した」
「お礼言ってません!」
「構わん!」
「そういうわけにはいかないでしょう…携帯電話貸してください」
「何故?」
「お礼を申し上げます」
「!」
「あなたの部下なのでしょ?大切にしないといけませんよ」
「ぐ…」
「それともまだ妻として不足でもありますか?」
「な、ない!」
「なら貸してください」
「…」

『三成様〜!!!まだ何か足りないものあったっすか?』
「島様ですか?」
『え?!な!!』
「石田の妻です」
『は、初めまして!わ、私は』
「ふふふ。いつも主人がお世話になっています。島様の話常々」
『へ?!あ!』
「お礼を申し上げたかったのですけど…本当にありがとうございました」
『いえ!』



「島様?」ときこうした瞬間携帯電話を取り上げられ、強制終了させられる。怒ったところで無駄だろう。憮然としつつも機嫌は良いので失言ではないらしい。本当に最近のこの人の表情はわかりやすい。こんな人だったかと思うものの、現実それなのだからそうなのだろう。人は変わるものだ。




「三成さん」
「礼は言った!」
「はぁ…」
「…」
「なんですか?」
「気に、入らないか?」
「お礼は言えましたし、あなたの性分をよく知った方ですから。」
「今の秘書だ」
「あら」
「何だ?」
「雑賀さんは宜しいのですか?」
「?!」
「?」
「雑賀、とは何もない」
「あら」
「…」
「…」
「信用、していないのか?」
「ある程度」
「!」
「一応妻に戻りましたので必要なことは致します。今までとそう変わりませんが。英雄色を好むと言いますし。浮気するならこの間言った通り貰うものもらって、離婚します。後腐れなく。ありがたいかな、大谷さんが家政婦として雇ってくれるみたいですし」
「お、おい!」
「何か?」
「何故、そういうことを言う?わたしは言ったはずだ。もうお前を泣かさないと」
「あー…」
「浮気などしない。真実、私の愛した女はお前だけだ。」
「…ありがとうございます。」
「幸」






竹中様と言った瞬間、三成さんの顔色が変わった。言いたいことがわかったのだろう。ぐ…とか、う…とか言うもののまともに言語を発せない。





「言ってなかったのでしょ?」
「すまん」
「離婚しろって矢の催促でした」
「?!」
「会長が止めてくださいましたが…私でなくても雑賀さんでも良いとおっしゃってましたよ」
「?!??!?!」
「愛人は嫌です」
「当たり前だ!」
「ですが、今もそんなに変わらないと言われましたよ」
「ぐ…」




まぁ、決まりましたらお伝えくださいとさめざめと言えばすくりとだって何処かに行く。取り敢えずそっとしておこう。










勝手すぎる三成15







「連絡したが聞き入れられなんだか」
「…」
「致し方ない。主は諦めて離縁しりゃれ。何、幸殿も佐吉も安心しりゃれ。我が」
「バカを言うな!」
「賢人とて卑怯よの。佐吉は寄越せ。主は返せ。幸殿は出て行けとは…」
「な?!」
「如何する?」
「今から本宅に行ってくる」
「左様か」
「幸!居るか?」
「はーい…?」
「今から本宅に行ってくる!」
「今からですか?」
「遅くなるかも…いや、帰ってこれないかもしれん」
「はぁ」
「必ず、許可を得くる!いいか、必ずだ!」
「?」
「だから待っていろ!良いな。誰が何といってもだ!」
「え?!三成さん?!…行ってしまいましたけど…笑いすぎですよ」
「これを笑わずして如何する」
「何事だ?」
「三成が本宅に行ったのよ」
「え?」
「もやしがいない?!」
「佐吉」
「あれがいては鬱陶しい。」
「はぁ」
「今日は3人で静かに過ごすぞ!」
「今日は第五シリーズよ」
「!」
「ひひひ」

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勝手すぎる三成14

「ただいま帰った」
「…」
「土産だ」
「…」
「幸」
「…」
「ま、て。そう無言を通さないでくれ」
「…」
「お前を騙そうとしたわけではない。起きようとしたのだが、その」
「…」
「いや、それ以前の話だ。私は本当にろくでもない男だ。お前を傷つけて…守りもしなかった。だが、記憶を無くして共にあったあの安寧を私はずっと得たかったとようやくわかった。すまない。お前になんと詫びれば良いのかそれすらわからない。だが」
「…食事」
「え?」
「食べないのですか」
「あ、ああ。…私の分もあるのか?」
「当たり前です」
「!」
「…お花も」
「わ、私が選んだのだが。…気に入らないか?」
「いいえ。こんな色のコスモスがあるんですね」
「ああ。…幸?」
「怒ってますよ!腹も立ててますし!それはもう。凄く」
「…」
「でも、一周回って馬鹿馬鹿しくなりました」
「は?」
「酷い人とは思ってますから」
「それは!仕方がないが」
「とりあえず大嫌いは取り消しておきます」
「!」
「…」
「…」
「食事」
「食べる」







京都から帰って2日。ほぼほぼ話さないようにしたものの、飽きてしまった。それは先程言ったように一周して馬鹿馬鹿しくなったのが一つ。覚えていない間の彼等が至極優しいの然り。今でもそうだ。席に座ってじっとこちらを見ている三成さんは信じられないほどに優しい。




「美味しい」
「ありがとうございます」
「嘘ではない」
「三成さんはお魚好きですね」
「ああ」
「今年秋刀魚が不作だから残念です」
「そうか」
「…疲れてませんか?」
「私か?」
「ええ」
「心配はない。…お前は?」
「…少し」
「病み上がりでずっと家にいたからな。だが」
「逃げ出したりしませんよ。今度は」
「…」
「面倒向かって出ていきます」
「?!」
「?」
「その、だ」
「三成さん?」
「出て行くのか?」
「貴方が浮気すれば。今度は貰うものもらって出ていきます」
「?!??!?!」
「(凄く焦ってる)三成さん、此れは、その。ものの例えで」
「もう二度とお前を泣かすような真似はしない!」
「…」
「だから!」
「ふふふ」
「!」
「期待してます」
「あ、ああ!」
「…」
「…美味い」
「明日は?」
「遅くなるが…用意していてくれ」
「はい」
「…」
「如何しました?」
「いや、良いものだと」
「かなり遠回りしましたけどね」
「…すまない」
「…ふ、ふふふふ」
「笑うな」







「出るに出られん」









勝手すぎる三成 14







「にしても、手狭よの」
「?」
「一層のこと引っ越しゃれ」
「急に如何したのですか?」
「そのままよ。夫婦として元の鞘に戻った故」
「それは良いが…刑部。貴様は何処に行くつもりだ」
「?」
「その言い口だ。共に来るつもりではないだろう?」
「ひひひ。新婚の家に行くつもりはないなぁ。お邪魔虫よの」
「結婚して7年ですよ?何より」
「…知らんぞ」





「うぐ」






「刑部が、私を、裏切っ」
「さ、佐吉?!」
「共、に。鬼平を、水戸、黄門を」
「や、やれ。なかしゃるな」
「嘘、を」
「わ、我とて今の暮らしが好きだがなぁ」
「うう」
「流石に、我が」
「刑部が来ないのなら!私は帰る!!!」
「佐吉?!」
「何処に帰るというのだ。阿保め」
「うわぁー!!!」
「やれ!三成!!」
「幸も言ってや…如何した?」
「い、え。初めて見ました。佐吉が此処まで泣くのは」
「ひっ?!」
「嫌だ!!!」
「もう家族の一員のようですよ」
「しか、し」
「腹をくくれ」
「…佐吉」
「私から離れるのは許さない!」
「本に三成と瓜二つよ」





「やれ、この世の終わりのような顔をするでない」
「い、や、だ!」
「…」
「落ち込まないでください。そういうものですよ」

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勝手すぎる三成13

「…」
「…」


「此処があの?!」
「そうよ。此処で最後の戦いを」


「楽しそうですね」
「…ああ」
「佐吉に合わせて下さっているのかと。ずっとそう思っていました」
「佐吉と同じくらいから普通に時代劇を見ていたな。」
「あら」
「通りで馬が合うはずだ」
「ふふふ」
「?」
「大谷さんも楽しそうですね」
「平静を保っていたがよほど楽しみだったのだろう。旅館の手配も車の手配も全て自分でしていたな。楽しかったか?」
「お手数をおかけします。私もすごく楽しかったです…でもお忙しいのに」
「嫌なら部下にさせるの男だ。4日では足りんと有給申請をしたが却下されていた。昨日もダメ元で電話をしていた。明後日帰るのはまだ早いと言ってな…明日素直に帰るかどうか…」
「大谷さんがですか?」
「熱を出さないか心配はしているが…ああも楽しそうなのを無碍にもできない。」
「何日にしようとしていたのかしら」
「聞いていない。…刑部の気が済むまでなら相当だ」
「聞かなかったことにします」
「公園も」
「?」
「喜んでいた。私も刑部も。縁がないことだから」
「腕によりをかけて作りますね」
「ああ」
「にしても」
「?」
「まだ紅葉狩りには早かったですね」
「11月くらいか?仕方が無い。お前の快気祝いと敬老の日の礼と言っていたからな。また来ればいい。その頃でもいい。そういって宥めて帰ろう」
「ええ。」
「にしてもだ。敬老の日、敬老の日と。相当似顔絵が嬉しかったのだろう」
「敬老の日」
「私と同じ年の男がだ」
「ほん、とう、に」
「笑ってやるな。」
「いえ。嬉しいのですよ」
「?」
「私がこうなってしまって…佐吉のことしか覚えてないと言っても結婚していたら夫が居ますでしょ?なのに今まで一度も現れませんし、佐吉も父親のことは何も…一人でも多くの方に慈しんでもらえて。親として嬉しいことです。…石田さん?」
「すま、ない」
「え?違いますよ!すごく感謝してます。はじめは戸惑いましたけど…石田さんと大谷さんのお陰で今とても楽しいんですよ?」
「ちが、う」
「石田さん?」
「今の、仮初の安寧を…崩したくはなかった。お前が。全て忘れしまいたいほどの苦痛を与えてしまった咎を許してはくれない事も理解している。然し、」
「何を?言っているのですか」
「その罪を、咎を…見て見ぬ振りをして。罰から逃げて…私はどうしてお前の横に立っていられる?」
「は?」







「お前の夫で佐吉の父親は私だ」









勝手すぎる三成13










「母!」
「さき、ち?」
「大丈夫か?!母、怪我はないか?!」
「え、ええ。」






此処はどこだろうと周りを見渡してはたとする。

そうだ。あの後、私は逃げ出したのだ。発作的といえば良いのだろうか?逃げないとと。逃げ出して、思い出して。









「!」
「母?」
「三成さんは?」
「母?思い出したのか?」
「佐吉」
「もやしは今、救急車に」
「っ?!」







飛び出した私を事もあろうにあの人が庇ったのだ。追いかけて来るなんて思わなかった。何より、私を庇うだなんて思わなかったのに。





至極当たり前のように追いかけて、私を庇って。








「三成さん!」
「?!」
「母は思い出したみたいだ」
「左様、か」
「三成さん、三成さん!」
「幸殿、安心しりゃれ。三成は」
「刑部…」
「ひっ?!」









「何で、目を開けて!」
「…」
「言いたい事も沢山あるのに…!」
「あの…運ばないと」
「私はこの人の妻です。一緒に行きます」
「え?あの」
「真実そうよ」
「貴方も一緒に見てもらいますね」
「大谷さん、佐吉をお願いします」
「あいあい」
「佐吉も」
「わかった」
「ずっと嘘つき続けてたんですから!早く起きて…公園にも行くって…これ以上嘘つくと…私は」
「…あの」
「?」
「大丈夫ですよ?意識ありますから」








「は?」






「石田さん…起きにくいのはわかりますけど歩いて乗れますか?」
「あ、ああ」
「?!」
「徐行の車に肩が当たっただけですから。強いて言うなら突き飛ばされた貴方の方が擦り傷ひどいですね」
「?!??!?!」
「す、すまない。起きようと、そう」
「ひひひひひひひ」
「大谷さん?!」
「言っただろう?母は気がつかないと」
「ふたりっ?!とも!」
「幸」
「な?」
「幾らでも話を聞く。幾らでも謝る。だから」
「っ」
「未来永劫、私の妻でいてくれ」

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