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変換なしの雑食夢

ran

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勝手すぎる三成13

「…」
「…」


「此処があの?!」
「そうよ。此処で最後の戦いを」


「楽しそうですね」
「…ああ」
「佐吉に合わせて下さっているのかと。ずっとそう思っていました」
「佐吉と同じくらいから普通に時代劇を見ていたな。」
「あら」
「通りで馬が合うはずだ」
「ふふふ」
「?」
「大谷さんも楽しそうですね」
「平静を保っていたがよほど楽しみだったのだろう。旅館の手配も車の手配も全て自分でしていたな。楽しかったか?」
「お手数をおかけします。私もすごく楽しかったです…でもお忙しいのに」
「嫌なら部下にさせるの男だ。4日では足りんと有給申請をしたが却下されていた。昨日もダメ元で電話をしていた。明後日帰るのはまだ早いと言ってな…明日素直に帰るかどうか…」
「大谷さんがですか?」
「熱を出さないか心配はしているが…ああも楽しそうなのを無碍にもできない。」
「何日にしようとしていたのかしら」
「聞いていない。…刑部の気が済むまでなら相当だ」
「聞かなかったことにします」
「公園も」
「?」
「喜んでいた。私も刑部も。縁がないことだから」
「腕によりをかけて作りますね」
「ああ」
「にしても」
「?」
「まだ紅葉狩りには早かったですね」
「11月くらいか?仕方が無い。お前の快気祝いと敬老の日の礼と言っていたからな。また来ればいい。その頃でもいい。そういって宥めて帰ろう」
「ええ。」
「にしてもだ。敬老の日、敬老の日と。相当似顔絵が嬉しかったのだろう」
「敬老の日」
「私と同じ年の男がだ」
「ほん、とう、に」
「笑ってやるな。」
「いえ。嬉しいのですよ」
「?」
「私がこうなってしまって…佐吉のことしか覚えてないと言っても結婚していたら夫が居ますでしょ?なのに今まで一度も現れませんし、佐吉も父親のことは何も…一人でも多くの方に慈しんでもらえて。親として嬉しいことです。…石田さん?」
「すま、ない」
「え?違いますよ!すごく感謝してます。はじめは戸惑いましたけど…石田さんと大谷さんのお陰で今とても楽しいんですよ?」
「ちが、う」
「石田さん?」
「今の、仮初の安寧を…崩したくはなかった。お前が。全て忘れしまいたいほどの苦痛を与えてしまった咎を許してはくれない事も理解している。然し、」
「何を?言っているのですか」
「その罪を、咎を…見て見ぬ振りをして。罰から逃げて…私はどうしてお前の横に立っていられる?」
「は?」







「お前の夫で佐吉の父親は私だ」









勝手すぎる三成13










「母!」
「さき、ち?」
「大丈夫か?!母、怪我はないか?!」
「え、ええ。」






此処はどこだろうと周りを見渡してはたとする。

そうだ。あの後、私は逃げ出したのだ。発作的といえば良いのだろうか?逃げないとと。逃げ出して、思い出して。









「!」
「母?」
「三成さんは?」
「母?思い出したのか?」
「佐吉」
「もやしは今、救急車に」
「っ?!」







飛び出した私を事もあろうにあの人が庇ったのだ。追いかけて来るなんて思わなかった。何より、私を庇うだなんて思わなかったのに。





至極当たり前のように追いかけて、私を庇って。








「三成さん!」
「?!」
「母は思い出したみたいだ」
「左様、か」
「三成さん、三成さん!」
「幸殿、安心しりゃれ。三成は」
「刑部…」
「ひっ?!」









「何で、目を開けて!」
「…」
「言いたい事も沢山あるのに…!」
「あの…運ばないと」
「私はこの人の妻です。一緒に行きます」
「え?あの」
「真実そうよ」
「貴方も一緒に見てもらいますね」
「大谷さん、佐吉をお願いします」
「あいあい」
「佐吉も」
「わかった」
「ずっと嘘つき続けてたんですから!早く起きて…公園にも行くって…これ以上嘘つくと…私は」
「…あの」
「?」
「大丈夫ですよ?意識ありますから」








「は?」






「石田さん…起きにくいのはわかりますけど歩いて乗れますか?」
「あ、ああ」
「?!」
「徐行の車に肩が当たっただけですから。強いて言うなら突き飛ばされた貴方の方が擦り傷ひどいですね」
「?!??!?!」
「す、すまない。起きようと、そう」
「ひひひひひひひ」
「大谷さん?!」
「言っただろう?母は気がつかないと」
「ふたりっ?!とも!」
「幸」
「な?」
「幾らでも話を聞く。幾らでも謝る。だから」
「っ」
「未来永劫、私の妻でいてくれ」

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