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変換なしの雑食夢

ran

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勝手すぎる三成14

「ただいま帰った」
「…」
「土産だ」
「…」
「幸」
「…」
「ま、て。そう無言を通さないでくれ」
「…」
「お前を騙そうとしたわけではない。起きようとしたのだが、その」
「…」
「いや、それ以前の話だ。私は本当にろくでもない男だ。お前を傷つけて…守りもしなかった。だが、記憶を無くして共にあったあの安寧を私はずっと得たかったとようやくわかった。すまない。お前になんと詫びれば良いのかそれすらわからない。だが」
「…食事」
「え?」
「食べないのですか」
「あ、ああ。…私の分もあるのか?」
「当たり前です」
「!」
「…お花も」
「わ、私が選んだのだが。…気に入らないか?」
「いいえ。こんな色のコスモスがあるんですね」
「ああ。…幸?」
「怒ってますよ!腹も立ててますし!それはもう。凄く」
「…」
「でも、一周回って馬鹿馬鹿しくなりました」
「は?」
「酷い人とは思ってますから」
「それは!仕方がないが」
「とりあえず大嫌いは取り消しておきます」
「!」
「…」
「…」
「食事」
「食べる」







京都から帰って2日。ほぼほぼ話さないようにしたものの、飽きてしまった。それは先程言ったように一周して馬鹿馬鹿しくなったのが一つ。覚えていない間の彼等が至極優しいの然り。今でもそうだ。席に座ってじっとこちらを見ている三成さんは信じられないほどに優しい。




「美味しい」
「ありがとうございます」
「嘘ではない」
「三成さんはお魚好きですね」
「ああ」
「今年秋刀魚が不作だから残念です」
「そうか」
「…疲れてませんか?」
「私か?」
「ええ」
「心配はない。…お前は?」
「…少し」
「病み上がりでずっと家にいたからな。だが」
「逃げ出したりしませんよ。今度は」
「…」
「面倒向かって出ていきます」
「?!」
「?」
「その、だ」
「三成さん?」
「出て行くのか?」
「貴方が浮気すれば。今度は貰うものもらって出ていきます」
「?!??!?!」
「(凄く焦ってる)三成さん、此れは、その。ものの例えで」
「もう二度とお前を泣かすような真似はしない!」
「…」
「だから!」
「ふふふ」
「!」
「期待してます」
「あ、ああ!」
「…」
「…美味い」
「明日は?」
「遅くなるが…用意していてくれ」
「はい」
「…」
「如何しました?」
「いや、良いものだと」
「かなり遠回りしましたけどね」
「…すまない」
「…ふ、ふふふふ」
「笑うな」







「出るに出られん」









勝手すぎる三成 14







「にしても、手狭よの」
「?」
「一層のこと引っ越しゃれ」
「急に如何したのですか?」
「そのままよ。夫婦として元の鞘に戻った故」
「それは良いが…刑部。貴様は何処に行くつもりだ」
「?」
「その言い口だ。共に来るつもりではないだろう?」
「ひひひ。新婚の家に行くつもりはないなぁ。お邪魔虫よの」
「結婚して7年ですよ?何より」
「…知らんぞ」





「うぐ」






「刑部が、私を、裏切っ」
「さ、佐吉?!」
「共、に。鬼平を、水戸、黄門を」
「や、やれ。なかしゃるな」
「嘘、を」
「わ、我とて今の暮らしが好きだがなぁ」
「うう」
「流石に、我が」
「刑部が来ないのなら!私は帰る!!!」
「佐吉?!」
「何処に帰るというのだ。阿保め」
「うわぁー!!!」
「やれ!三成!!」
「幸も言ってや…如何した?」
「い、え。初めて見ました。佐吉が此処まで泣くのは」
「ひっ?!」
「嫌だ!!!」
「もう家族の一員のようですよ」
「しか、し」
「腹をくくれ」
「…佐吉」
「私から離れるのは許さない!」
「本に三成と瓜二つよ」





「やれ、この世の終わりのような顔をするでない」
「い、や、だ!」
「…」
「落ち込まないでください。そういうものですよ」

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