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変換なしの雑食夢

ran

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アメジストと道化

恋愛の終わりはいつですかと聞かれたら労いがなくなった瞬間だと私は答える。たとえ夫婦になったとして。ありがとうとごめんなさいが無くなってしまって、悪い事を反省せず何事も感謝しなくなったら。そこには何が有るのだろうか?言葉がそんなに大事だとは思わないけど、全く大事でないとは私はいえない。言葉と態度。人それぞれ重要度のウェイトは違うだろうけど、口下手な人の取り留めのない行動で、意を汲んだり報われたり出来れば…賛美を並べた言葉よりずっと意味のある一言がある事を私は知っている。

三成さんと私。

口下手な彼は付き合う前後。よく労ってくれた。ただ一言のありがとう。すまん。助かる。寝てろ。美味い。左近君達みたいに5W1Hの会話ではなく。捨て台詞のように言われるこれらの台詞は聞きようによっては傲慢で尊大だけれども彼の性格からすれば奇跡に近しい労いの言葉だったから純粋に嬉しかったし報われていたのだ。




「…割れた」





月日が経つにつれありがとうは無くなった。まだか?遅い。無駄だ、後にしろ。忙しい、またか!に変わっていき、目を見るどころか顔を見る事すら無くなってきていた。尊大でいて傲慢。居て当たり前の態度は、慈しみや労いには程遠い。私は何のために彼と共にいるのだろうかは抑恋人だったのか?という疑問に変わり、もう終わりなのだに回帰する。いや、元々始まってすらなかったのかもしれない。現に、デート何てまともに行ったことがなければデート中でも彼は会社を優先する。会社…お父さんが彼にとっての最優先事項なのだ。私は2番手にもなれない。
連れて帰ろうとしているのは見えなのか虚栄なのか。もうほっておいてほしい。下手に動いて傷口を広げて何が楽しいのだろうか。それに手を貸す皆が嫌いだ。大嫌い。







「片付けないと」








大泣きした後の虚脱感は久々なのに頭だけが空回る。少し頭が痛いなぁと思いながら割れた鏡の破片を片付ける。
バラバラの破片が今の自分を象徴しているようで泣ける。





「おい」
「?!まだいたの?」
「大丈夫か?」
「大丈夫よ。ほっといて」
「ほっとけれるか」
「今まで放置してたでしょ?」
「…あんなに泣いたのを聞いたのは久しぶりだ」
「だから?何よ今更」
「本当だな」
「二人は?」
「返した。」
「そう」
「私は」
「?」
「何処かでお前はどこにもいかんとタカをくくっていた。」
「そう」
「自惚れだった」
「そうね。」
「もう一度」
「はないわよ」
「ならば、」
「?」
「もう一度恋人になれる努力をする」
「…は?」
「良いか?」
「良くない」
「何故」
「そういうものだから」
「しかし、私は」
「?」
「いや、何でもない」
「???」
「その、だ」
「何?」
「女々しいのはわかっている。もう一度チャンスを与えてはくれないか?」
「ヤダ」
「なら、顔を見せてくれ」
「ヤダ」
「…そこまで嫌われていたのか」
「うん」
「そうか」
「早く帰りなよ」
「…今帰ったらいなくなる気がする」
「(勘がいいな)これ以上どこに行くのよ」
「お前は昔からそうだからな」
「そういう風に言うなら最初からこうなることわかってたでしょ?」
「そうだな」
「ばかみたい」
「ばかだな」
「そうね。」
「だ、が、」
「?」
「もう一度やり直したい」
「…どうしたの?あっさりと帰ると思ってだだけど」
「お前のことなら話は別だ。」
「お父さんのお陰かしら?」
「秀吉様とお前は違う。」
「そう、ね。」
「お前は」
「お父さんの娘だからかしら」
「は?」
「もう良い。話すのも面倒だわ」
「おい」
「帰って」
「嫌だ」




以外と粘るなと舌打ちしながら私は三成さんとよぶ。このまま扉を開けて胸に飛び込めばハッピーエンドなのかもしれない。それは誰の?きっとお父さんと半兵衛さんと三成さんと大谷さんと左近君の。そこに私はいるのだろうか?いや、違うだろう。
…墓場まで持って行くつもりだったんだけどと思ってドアに手をつく。



大好きと大嫌い
憎いと恋しい


愛と無関心




今まで平気だったこの関係に疑問をもたせたのは一人の女性で。そこから紡ぎだした事実と現実を照らし合わせて、今の私の行動が生まれる。
終わりは始まりの表裏なら死の後には何があるのだろうか?





恋愛の終わりの日はお互いの慈しみがなくなったとき。



恋愛が死んだ日は相手を裏切った時なのだ。










「三成さん」
「?!何だ」
「受付けの可愛らしいちっちゃい子。」
「は?」
「…堕ろさせたの?」
「何故、知ってる?」
「知らないと思ってた?ずっと」
「…」
「ずっと待ってたのに」
「あれは!」
「小さな命を蔑ろにする人は私は好きになれない。況してや…いいえ。私が遊びだったのかしら?」
「ちがっ!」
「酷い男」
「話を」





大好き。





「あんたなんて大嫌い」









アメジストと道化









「もしもし、大谷さん?私。ん?いや、会う気ないよ。ただ、三成さんの回収お願い。え?元サヤ?ないない。本当にやになるなぁ。うん。みんな嫌い。じゃー死なない程度にね。じゃーねー」





半年前からの秘密の暴露のおかげで随分と楽になった。これからどうしようかなぁと思いながら夜空を見る。マンスリーにして正解だった。更新せずに退去しよ。

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ラピスラズリの合言葉

現パロ


ピンポーンと有難くない音とともに目が醒める。誰だ?此処を知る人は少ない。失踪して早三月。生活に慣れてきたのと色々で久々の安眠だったのに。チェーン越しに(佐助ママに言われたので守っている。)はーいと言えばがしりとドアを掴まれた。いや何?!怖っ!!!ボーとした思考で取り敢えず、鉄パイプを持つ(かすがパパが置いてった)殺られる前にヤれ!と思ったけど無理だった。未だかつてないほどに痩せて、狂王に成っている三成さんは見たことない。完全覚醒だ!ひひひと引き笑いが聞こえているところ大谷さんと三成様ぁと気の抜けた声が聞こえている辺り左近君も居るのだろう。流石、大谷さん。生贄は連れてきたらしい。




「離せ!ドアが壊れる!」
「開けろ!」
「嫌よ!!」
「壊すぞ!」
「警察呼ぶわよ!」
「構わん!開けろ!!!」
「嫌よ!絶対嫌」
「嬢!流石にバットは危ないっすよ!」
「うるさいチャラ男!」
「左近と話す間が有るのなら開けんか!!!!!」
「何故?!」
「何故だと?!!!」
「あける理由聞いておかしい?!!!」
「失踪した女が言う台詞か!!!」
「はっ!三月もかかったくせに」
「いきなりいなくなる理由にはならんだろう!!!」
「ずっと言ってたわ!書類も見せたし!」
「?!」
「お父さんには言ったから誰にも迷惑かけてないわ!」
「私には?!」
「言ったっつーてるでしょ!覚えてないの?取り壊す予定だから出てかないとって。まぁそうよね!夏くらいからまともに話したことないもの!ね!!!」
「あちゃー…」
「やれ三成」
「いつ気がついたのよ。」
「…ひと月前だ」
「仕事も行ってなかったのに。そんなにかかった?いや…そうよ、そうよね。」
「…すまん」
「と思うなら手を退けて!」
「そうすれば開けないだろう!」
「どうやっても開けないわよ!そこの保護者と下僕!!!連れて帰って」
「ったって、三成様あの手紙見てから仕事と並行して嬢探したりして食べたり寝たりしてないんっすよ」
「…だから?」
「可哀想だと思うなら入れてやらしゃれ」
「大谷さんには言ったでしょ?みんな嫌い!もう恋人でもなんでもないのよ。」
「許可しない!」
「失踪したの二ヶ月も気がつかなかったくせに!」
「それは…」
「忙しかったのよ。なぁ…!いや、これはなぁ別に三成だけを重んじて…」
「そうやって三成さんの味方するから嫌いなのよ!」
「お、大谷さん!!!酷えっすよ。大谷さんが塩かけたナメクジみたいになっちまった」
「知らないわよ」
「…開けろ」
「嫌よ。」
「別れない」
「別れてたみたいなものよ。それに童扱いするのだから恋人ではないでしょう。三成さんはお父さんの息子に成りたいのなら、養子にして貰えばいいわ。私は」
「開けろ」
「私だけが貴方が好きで馬鹿みたいじゃない」
「私も、お前が好きだ。」
「嘘つけ」
「どう言えば信じる?」
「行動から信じれないわ。口ならなんとでも言えるもの。人は平然と嘘をつく動物よ!」
「おい」
「二ヶ月。貴方は私のことなど歯牙にもかけなかったわ。気づいてもないんなもの!否定できないわよね。お父さんにもこうなったからといって三成さんをどうこうする気はないと聞いているから安心して。だいたいお父さんは私より貴方の方が可愛いもの」
「それは」
「お父さんのことで無理しなくてもいいわ。早く手を退けて」
「…」
「いなくなったから?飼い犬に手を噛まれたとか小石に躓いてこけたとか。そう思えばいいわ。でもね。貴方は私が一人で泣いている夜も辛いと相談したい時も。側にはいないし、向き合ってくれたことがあった?」
「私は」
「ここに越してきて一月は泣いたけどあとは諦めたの。貴方は私をどうとも思ってないってわかったから。」
「ちがっ!」
「もう良いわ。終わったのよ」
「終わってなど」
「じゃあ私の好きな食べ物言ってみて」
「は?」
「色は?」
「まて」
「髪型は?」
「おい」
「お気に入りの服」
「…」
「初めてデートした時の場所」






好きな映画。二人で初めて行ったドライブ。その時かかっていた歌の名前。私が貴方に最後あった時の服の色。よく歌う鼻歌の誰にも題名。よくキスする場所。得意な料理。

そう紡いで言っても何も言わない。それはそうだろう。この人は私のことなど見ていない。




「言えない?」
「…」
「そっか」
「…お前は言えるのか?」
「藤色。半兵衛さんに勧められて成人してから変わらない髪型。アルマーニのスーツとグレーのシャツ。日頃はパンツとシャツの比較的ラフな格好。初めてのデートは水族館。映画は見ない。ドライブは仕事帰りだったから直帰で寄らずに帰ったからものの30分。月がまんまるで綺麗だった。その時ピアソラがかかってビビったもの。まさかタンゴなんてって!最後に会った時はダークグレーのスーツと同系統のシャツ。時々鼻歌歌うけど節だけで歌ではないわね。料理はご飯炊けるようになった?」
「…」
「残念。貴方との思い出は覚えててね。とってもくだらない事でも私にしたらキラキラした宝石みたいで。ひとつひとつ大切だったの」
「そう、か」
「そういう事。じゃあね。」
「どうすればいい」
「どうもしなくて良いよ」
「貴様を失いたくはない」
「もともと持ってないかったんだから。気にしない」
「そうじゃない!」
「そういうものよ」
「っ」
「どうやっても開けるつもりないよ」
「…」
「じゃーね。」
「まっ」
「みんな大嫌い。もう二度と会いたくないわ!」








ラピスラズリの合言葉








流石にいなくなっただろうと外へ出ると三成さんが立っていてひいた。3時間。ずっと居たのかよと思いつつ、ドアを閉める。何これ。籠城戦?!備蓄無いよ、と思っていたらこんこんこをとドアを叩かれる。




「何?」
「私はお前のことを蔑ろにしたつもりも軽んじていたつもりもなかった」
「保身なら他所でやって」
「誰よりも大切で守らなければいけないと思っていた」
「嘘付け。」
「…その通りかもしれない」
「?!」
「思い出も全部。言われるまで忘れていた。誕生日すら祝ってやれていなかった」
「そういうのは良いよ別に」
「最後の日の姿ですら曖昧だ。髪が長いのか何色なのかもよくわからん」
「ふーん」
「だが」
「何?」
「好きだと言った時の日の事だけは覚えている。」
「…」
「守ると誓った。泣かさないとも」
「嘘つき」
「ああ。その通りだ」
「…」
「今度こそ守るし泣かせない。側に…」
「出来ないくせに」
「っ」
「そういう約束軽々しくしないで!」
「泣くな」
「風邪ひいたら看病してほしいわけじゃ無いけど大丈夫くらいあっても良いでしょ?」
「…」
「それもない。相談しても五月蝿いか後にしろかどちらかだけ!」
「すまない」
「そんなの恋人以前だわ」
「もう、しない」
「嘘つき」
「嘘じゃない」
「信じれないわ」
「おい」
「貴方なんて大嫌い」
「そんな事言うな」
「もう会いたくない」
「私は」





お前が大切だと言われた瞬間、手に持ったバックをドアにぶつける。バラバラと音を立てて中身が飛び散るものそんな事を気にしてはいられない。私はうつ伏せて声を上げて泣くのだった

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ルビーの憂鬱

現パロ




「今頃慌てふためけば良いのよ」
「帰ってきてないんじゃないか?」
「あー…あり得る。日付入れてきて正解だったわ」
「なあ。」
「何?」
「本当に良いのか?」
「一応辞表書いておいておいたし。」
「辞表?!」
「いや、恋人っていうより上司と部下みたいなものだったし。メールなんて何時に行くとか行かんとか。大体一行で終わるのよ。私たちの性格上ハート送れとか言わないししないだろうけどさ。風邪ひくなよとかご飯食べたかとかあって良いと思う。」
「…望みが低すぎないか?」
「高望みしたって良いことないし。ちっちゃい頃で学習しました」
「で恋人に辞表書いて勝手に引越ししたのか」
「何回かは言ったよ。口頭で。返事は眠いか五月蝿いか後にしろだったけど」
「本当に恋人同士が?」




私もそう思う私もと言いながら酎ハイを飲む。荷物は少ないからあっという間に終わったし。
石田三成という男は優秀で、今や父の会社の重役の一人だ。幼い頃からの片思いがようやく実を結んで恋人に慣れたものの会社の延長線を地でいく生活は甘さからはかけ離れていた。労りもない。心配もない。風邪をひこうが如何なろうが興味がないのだろう。現にインフルエンザに罹った時は感染ると仕事に影響すると言って私を捨てて大谷さんちいくし。風邪を引いても同じだ。いつも看病してくれるのはかすがか佐助くん(かすがの恋人)。本当に頭が上がらない



「にしても、やりすぎてはいないか?」
「そう?」
「失踪だぞ」
「行き先は書かなかったけどお父さんにも捺印さしたから。文章としても信憑性は高いと感じたことでしょう」
「貴様のそういう動力を…おい、携帯は?」
「置いてきた。新しいのが此れ!」
「本気だな」
「本気じゃないと8月から準備しないよ!」
「夏から!?今は冬だぞ!」
「そうなの!家財が片付けられていくの気がつかないほど仕事が好きなら会社で生活しろ!って。もう殆どそんな感じか」
「おい」
「あー…やっぱりお父さん目当てだったか」
「そうではないと思うがな」
「かすがちゃんありがと。でもさ、そう見えたって仕方ないでしょ?大切な仕事と私とどっちが大切なんて聞くほど野暮ではないけど。私はまだ子供なのよ」
「構ってちゃんだし抱っこちゃんだものな。」
「そーなの!ちっくしょー!今度は優しい人と付き合います」
「相手が死ぬぞ」
「何で?」
「あいつはお前が好きだし、お前はあいつが好きだろう。」
「さぁ」
「意地をはるな」
「んふふふ」
「気持ち悪いなぁ」
「だってさ。聞きたくないけど。私よりお父さんのこと好きだろうし。」
「否定はしないな」
「お父さんの息子に成りたかっただけだよ。」
「泣くな」
「うん」
「泣くくらいなら」
「ずっーと泣いてたよ。心の中で。やっと」
「…」
「涙が出てくれた」
「…そうか」
「かすがちゃーん」
「うん」
「何がいけなかったのかなぁ。結構頑張ってたと思うけど」
「頑張りすぎだ」
「あは。言われちゃた」




そう言って空になった缶を潰す。グシャという音ともに涙が再びこみ上げてくるだ。








ルビーの憂鬱







「おはようございます」
「…やれ、昨日はどこに行っていた?」
「大谷さん。セクハラで訴えますよ」
「ひひひ。それは怖いこわい」
「昨日は飲んでました。」
「左様か」
「?」
「三成は気付いておらぬ様だが、良いのか?」
「良いも悪いも。気がつかない程度でしょう?同居してたわけでもないけど、それでも少なくなる家財に気がつかないで居られる程度の人間関係ですから」
「ぬ」
「お父さんの息子に成りたいのなら…何で大谷さん知っているの?」
「昨日たまたま外を通りかかったらヌシが引越ししていたからなぁ。ついに同居するかと思って三成に聞いてみたら知らぬという」
「ばらした!?」
「いや、気付いておらてようだったがな」
「…」
「如何した?何があった???」
「大谷さんにもきっと分からないよ。」
「は?」
「子供の時はいろいろ聞いてもらってたけど。三成さんの幸せしか望んでないでしょ」
「…」
「お父さんも半兵衛さんも。貴方も三成さんも。みんな嫌い」
「やれ、」
「この間、次期社長は三成さんにって半兵衛さん言ってたでしょ?私もそれで良いと思う。だから、これあげる」
「…辞表?」
「うん。ここも出て行く。」
「如何いうこと」
「…みんなで幸せになれば良いわ。私は私の道を行く。」
「嬢」
「それ」
「?」
「すっごく嫌いだった。半兵衛さんの女ゴリラの次くらいに。私は名前があるの。それを嬢だのお嬢様だの!もうこりごりよ!」
「それで全て捨てると」
「捨ててないよ。」
「…」
「元より私のものじゃなかったし。」
「…そのよ」
「吉継!!!!!」
「あ、」
「や、やれ。三成」
「大谷さん!」
「何を童と遊んでいる!貴様は研究室へ早く行け!吉継会議だ!すぐ行くぞ!!!」
「…ほら早く」
「貴様もとっといけ!!!」
「三成」
「ほらね。じゃあ行くわ」
「ま、待たれよ!」
「吉継さんも秘密にしててね。ちょっとしたら理解できるわ」
「?!」
「何をしている。早く!!!」
「…行ってしまわれた」
「研究室にだろう!早く行くぞ!」
「やれ、わかった。わかっ、た」

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ダイアの涙

現パロ




「三成が、デート、だと?!」
「死ね、痴れ者が。姦しい!我は休憩中よ!静かに喋れ!!!」
「いつもより辛辣だな」
「こいつもお気に入りだったからな」
「長宗我部…貴様」
「ひひひ、暗よ。ヌシの今生はここまでよ。また来世で会おうなぁ」
「不吉なこと言うなよ!あの仕事命で!秀吉様ぁぁ!叫ぶあいつがかよ!」
「あー?知らねぇのかよ。」
「ああん?!元親知ってんのかよ」
「我も知っている。ここに居る中で知らぬのは貴様くらいだろう。大体。ありゃまだ未満だ。」
「ほっほーう」
「あ、下手なことすんなよ!したら、左遷されるぜ」
「…それも良い考えよの」
「何故だ!」
「ひひひ。嬢に不幸がうつってはならぬよのぅ」
「何故じゃぁぁぁ!!!」
「そーいや、政宗たちが出歯亀にいくっつってたな」
「は?」







デートなのだろうかと思案しながら駅の前で待つ。昨日三成さんがここに来るようにと言ったのだが…寒い。学校が早く終わってしまったから思いの外早く来てしまった。外で待とうか…駅の中と言っても然程変わらないし。大体何のようなのだろうか?吉継さんに「ひひひ、逢いびきの誘いよのう」と言われたが抑そんな関係ではない。父の部下と上司の娘。ただそれだけの関係だ。家に三成さんと吉継さん。永遠の敵の半兵衛さんの自室がある程うちによく来るのだから用が有るのなら家でいい気がする。なにより寒い。すごく寒い。帰りたい。今日はさよさんにおでん食べたいって言って正解だった!




「寒いなぁ」
「お嬢様?!」
「あー…三成さん」
「如何したのですか?!約束の時間より早く来たのですが…」
「講義が休講になって…電話とメールしたけど」
「申し訳ございません!仕事の連絡だと思い」
「いや良いよ。どちらにしろ仕事中は無理だろうし。」
「…ですが」
「で、用は何?」
「は?」
「態々呼び出して…何?如何したの?」
「…あ、の。ですね。」
「?」
「お嬢様」
「…すごい勢いで電話鳴ってるよ」
「…いえ」
「…きっと左近君じゃない?本当に出なくて良いの?」
「すいません。失礼致します!…左近!貴様ぁぁぁ!!!」
『早く帰ってきてくださいよー!!!この仕事量!俺たちには無理っすよ』
「会社に帰ったほうが…」
「あと一時間待て!良いな。」




断末魔を無視して電源を切った三成さんは忌々しいものを見るように睨めつけ舌打ちをし電源を落とし始める。いや、それはダメだろう!と思ったものの父にも天敵にも許可を得ているらしい。流石。仕事のできる男は違う。




「本当に、如何したの?」
「…」
「み、三成さん?!」
「…お嬢様」
「?」
「手を」
「手?」
「右手ではなく左手で」
「???」
「手袋外しますよ」
「は?!寒い!!!」
「…指伸ばして」
「無理だよ。」
「お嬢様」
「…はい」
「…」
「…」
「…」
「…三成さん?」
「何か?」
「薬指にキラリと光る輪っかが」
「ああ」
「何ですか、此れ?」
「来年卒業した後」
「後」
「私と結婚してください」
「…」
「…」
「…」
「…あ、手袋はつけてくれるんだ」
「冷たいでしょう」
「うん。でも今はのぼせそう」
「ん」
「大体」
「はい」
「私たち恋人同士以前にそういう浮いた話ないよ。」
「…」
「色々段階を飛ばしたね。」
「昔から」
「ん?」
「秀吉様の第一秘書になったら言おうと思っていました」
「?!凄い!出世じゃない!」
「…」
「おめでとうございます」
「今は、それより」
「?」
「答えが欲しいのですが」
「良いよ」
「は?」
「結婚。いいよ。」
「…」
「何その顔?」
「いや、その。答えが余りにも早く、簡単に決められていたので」
「簡単じゃないよ」
「お嬢様」
「三成さんの他の人への対応を見てたら手を挙げられてるとか暴言吐かれるとか…結婚したら心身ともに傷ついて大変だろうけど。」
「…」
(あっショック受けてる)
「天地神明に誓って貴方には致しません」
「嘘だー。この間、半兵衛さんと二人掛かりで色々暴言吐いてきたじゃない。」
「?」
「無意識だとは思っていたけどね!本当…返事早まったかな」
「は?」
「いや、良いと思ってたけど。要約すれば女ゴリラとかの暴言を肯定するような人だし。大体父は当たり前で、半兵衛さんからも守ってくれない人だし」
「いえ、あの」
「子供の時は折檻されてたしなぁ。うん。やっぱりなしで!」
「お嬢様!」
「抑三成さん私のこと好きじゃないでしょ?」
「?!」
「戦略結婚的に必要なの?半兵衛さんに命令された???実はそこの陰にいるとか」
「…何故そのようなことを仰るのです」
「私は三成さん好きだよ。でも三成さんは父が好きでしょ?」
「誰よりも尊敬しています」
「でしょ?」
「ですがその感情は貴方に対する此れとは一線を画しています」
「父と私同時に何かあったら如何するの?」
「緊急度の高い方に参ります」





ますます仕事じゃない!と言えば目をまん丸にして私を見てくる。ので、ゆっくりと指輪を外して三成さんの上着のポケットに入れる。ダイヤの入った可愛い指輪は何の抵抗もなく消えていく。期待して損した。結局は父命で命令に従っているだけじゃないか。





「何がいけませんか?」
「んー…三成さんが自分を大切にしてないとこかな」
「私は」
「結婚したら幸せになりたいもの。」
「当たり前です」
「仮面夫婦になるでしょう?」
「何故?」
「何故って」
「私は貴方を始めてみ似た時から愛しておりますし、貴方以外の女を妻に娶るつもりは有りません。何より」
「…」
「恋愛や結婚を出しにとらぬとならない程度で貴方を妻にとは申せません」
「三成さん?」
「確かに秀吉様は誰よりも尊敬いたしておりますし半兵衛様とお二人は私をここまでにしてくださった大恩人です。忠誠というのであれば私はこのお二人に誓っています。然し、夫婦の情愛とは別の事です。貴方がそれに足りぬ方ならば私は話も致しませんし、顔も名も覚えません。例え秀吉様のご息女で有ろうとも。私は会社や豊臣家に忠誠を誓った訳ではありませんので。幼い頃より、明るく聡明で。…誰よりも頑固で寂しがりやの貴方が好きなのです」
「…」
「顔が赤い」
「いや、だって」
「もう一度申します。」
「…三成さん」
「愛しています。私と結婚してください」




ダイアの涙




「…此れから如何しますから?」
「特には」
「でしたら帰ってあげてください。左近さんが」
「ですが…」
「後」
「?」
「婚約者なのですからいつも他の人へ話しているみたいに尊大に話せば良いですよ」
「…」
「?」
「貴方は私のことを如何思っているのですか?」
「ドエス」

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49

「…う…ぐぅ」
「入り…姫様?!」
「あ、ああ。治部か。」
「お加減が悪いのですか?!骨が痛みますか?!すぐに医師を!!!」
「いや違うのだ。さよ」
「!」
「はい、姫様」
「いつものだ。っち!このような時に」
「あらまぁ。それは大変ですわ!おしん。香を焚きなさい」
「香だと?!何を悠長な!!!」
「いや、助かる、さよ。ありがとう」
「!」
「…治部下がれ。」
「で、ですが!!!」
「お召し替えの準備を致します。石田様。どうぞお願いいたします。」
「しかし…」





人前で着替えるわけには参らぬよと言って笑うと歯軋りをしながら一礼して退室していった。本当に面倒な男だ。とため息まじりに言えば悋気とは可愛らしいですねと笑われるので意味がわからん。





「…」
「やれ三成よ。歯がなくなってしまえば大変よ。歯軋りはやめしゃれ」
「刑部」
「ん?」
「最近姫様が」
(またか)
「何だ?」
「いや、何でもない」
「…あのさよとかいう女を寵愛し過ぎていらっしゃる」
「さよ殿は姫の教育係でもあらしゃる。自然とそうなろう」
「然し!その度が過ぎてはいないか!!!私は…」
「…寂しいか?」
「寂しくない!ただ、あの女が憎い!」
(出生を聞けば驚く…か。何せ賢人の姉君よ)
「何処の馬の骨かわからぬものが!如何様にして姫様の御寵愛を獲たのか知らんが!」
「やれ、落ち着かしゃれ。あのものの身元は太閤、賢人が保証しておる。」
「益々もって!腹立たしい!!!」
「…」
「刑部!」
「ん?」
「あの者のせいで私は姫様に近づけぬし、看病も出来ん!!!」
「ひひひ。」
「どうすればいい?!」
「我とてわからぬが…姫の調子が悪いのか?」
「ああ!」
「骨の治りも遅い故…」
「それとは別のようだ。いつものと仰っていた」
「何時もの?」
「ああ」
「…誰ぞ。小豆を袋に入れて暖めよ。湯湯婆も?」
「???」
「冷えてきたから特になぁ。その上故に痛かろう。」
「何だ?!どういうことだ!!!」
「月の物よ」
「?!」
「狼狽えるでないわ。持って行って差し上げようか。見舞いついでにな」
「あ、ああ」






痛いと唸れば、致し方ないですわとさよに言われる。今回は特に酷い。痛いし、目眩で気持ちが悪いし。食事も水も欲しくない。
「やれ入る」という声を聞いても「姫様?!」という声を聞いても何も返せずにいた。



「これを使われよ」
「ありがとうございます。助かりますわ」
「姫様」
「じ、ぶ」
「っ!!!」
「血が入りような時に…誠女は大変よ」
「今回は眩暈も酷い様で…」
「う…」
「誰か桶を!大丈夫ですか?」
「さ、よ。」
「この様な状態ですので…申し訳ございませんが」
「あいわかった、行くぞ…」
「石田様」
「…苦しいか?」
「…ん」
「背中を摩っている。痛くないか?」
「う、ん」
「吐いた方が楽だ。遠慮するな」
「…うん」
「待っていろ。女!」
「はい」
「襷を持ってこい!後匙と水、はちみつも持て」
「只今」
「三成」
「刑部。左近に兵の訓練は午後から行うと伝えてくれ。其れまでは各自、武具の手入れと休息に当てよと」
「あいわかった。訓練は我が行おう。」
「…すまない」
「姫が寝られた後、書類は後でこちらに運べ。さよ殿も休まりゃれ。長の看病でこれはちと荷が重い」
「すいません。ですが…」
「一度休め!私はずっと貴様の様に看病はできん。代わるまで休め!」
「…横に控えています。何かありましたら。」
「わかった。」
「う…痛、い」
「姫様」
「…」
「襷!」
「はい」
「治部」
「側にいる。安心しろ!」
「手、」
「少し待て、襷をしたら場所を移動する。」
「治部」
「手を出せ。ここに居る。安心しろ」
「うん」
「書類も後日でいい様に采配しておく。」
「助かる」
「これは姫が高熱が出た時以来よの。後は任しゃれ。」
「ああ」
「…寝てしまいましたね…流石石田様」
「…」
「では横で休ませていただきます。石田様のはこちらに用意しておきます。後、水と蜂蜜です」
「ああ」
「で、さよ殿。此れは月の物か?」
「ええ。元々重い体質ですのに怪我で…」
「そうか」
「やれ休まれよ。我も行く」
「…宜しくお願い致します」
「貴様に言われる筋合いはない!」
「…姫様は絶望の淵にいた私を助けてくださった恩人でございます。」
「?!」
「平に…平にご容赦下さい。ですが…」
「やれ、さよ殿。我が送ろう。ヌシも疲れておろう」
「すいません」
「…」






からんころん 番外編






「ん…」
「姫様」
「治部か?すまんな。」
「痛みは?」
「ははは。」
「引かんか…」
「明日にはましになろうがな。もう先ほどのように錯乱はせんよ。」
「私にはわからぬが…吐き気は?」
「ん」
「水は飲めるか?」
「…」
「匙で一口でいい。飲め」
「…甘い」
「蜂蜜水だ。ただの水よりましだ。」
(話し方が昔のようだな)
「如何した?」
(意外と心乱れているのかな?)
「姫様…湯湯婆が冷えてきたな。しばらく待っていろ。」
(まぁ。あり得んか)
「熱くないか?」
「大丈夫だ。」
「…苦しくはないか?」
「いや、治部こそ…ずっとさすってくれて。体は辛くないか?」
「私の心配などはいい。今は己の身だけいとえ。」
「ありがとう。あ…」
「如何した?」
「さよは?」
「…」
「?」
「横で寝ている。」
「そう、か。無理ばかりさせていたからな。」
「御重用しているな。」
「ん?」
「…最近特に」
「よき、理解者だからな」
「そう、か」
「ああ。治部?」
「私は…」
「其方は父上のためによくやってくれていると。流石左腕、第一の力だ」
「…」
「父上の後継者は其方の方がいいと思うがな。っう!」
「馬鹿を言うは。どのような状態でも秀吉様が居ない世界に私は生きてなどいない」
「そうだ、ろう。痛たた」
「!」
「治部、そこは!痛い。」
「す、すまない!」
「いや、すまんな。治部」
「いえ…」
「其方の妻になるものは憐れだなぁ。」
「は?」
「悲しい…な…」
「姫?…」
「…」
「寝てしまったか。…悲しい。憐れ、か」
「すぅ…」
「貴方にこの心を吐露する事を許可されぬこの身が憐れでこの心にあるものは悲しみだ。貴方はそれを気付いているのか?」
「…」
「此処でこう論じても無駄なのだがな」



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