忍者ブログ
変換なしの雑食夢

ran

アメジストと道化

恋愛の終わりはいつですかと聞かれたら労いがなくなった瞬間だと私は答える。たとえ夫婦になったとして。ありがとうとごめんなさいが無くなってしまって、悪い事を反省せず何事も感謝しなくなったら。そこには何が有るのだろうか?言葉がそんなに大事だとは思わないけど、全く大事でないとは私はいえない。言葉と態度。人それぞれ重要度のウェイトは違うだろうけど、口下手な人の取り留めのない行動で、意を汲んだり報われたり出来れば…賛美を並べた言葉よりずっと意味のある一言がある事を私は知っている。

三成さんと私。

口下手な彼は付き合う前後。よく労ってくれた。ただ一言のありがとう。すまん。助かる。寝てろ。美味い。左近君達みたいに5W1Hの会話ではなく。捨て台詞のように言われるこれらの台詞は聞きようによっては傲慢で尊大だけれども彼の性格からすれば奇跡に近しい労いの言葉だったから純粋に嬉しかったし報われていたのだ。




「…割れた」





月日が経つにつれありがとうは無くなった。まだか?遅い。無駄だ、後にしろ。忙しい、またか!に変わっていき、目を見るどころか顔を見る事すら無くなってきていた。尊大でいて傲慢。居て当たり前の態度は、慈しみや労いには程遠い。私は何のために彼と共にいるのだろうかは抑恋人だったのか?という疑問に変わり、もう終わりなのだに回帰する。いや、元々始まってすらなかったのかもしれない。現に、デート何てまともに行ったことがなければデート中でも彼は会社を優先する。会社…お父さんが彼にとっての最優先事項なのだ。私は2番手にもなれない。
連れて帰ろうとしているのは見えなのか虚栄なのか。もうほっておいてほしい。下手に動いて傷口を広げて何が楽しいのだろうか。それに手を貸す皆が嫌いだ。大嫌い。







「片付けないと」








大泣きした後の虚脱感は久々なのに頭だけが空回る。少し頭が痛いなぁと思いながら割れた鏡の破片を片付ける。
バラバラの破片が今の自分を象徴しているようで泣ける。





「おい」
「?!まだいたの?」
「大丈夫か?」
「大丈夫よ。ほっといて」
「ほっとけれるか」
「今まで放置してたでしょ?」
「…あんなに泣いたのを聞いたのは久しぶりだ」
「だから?何よ今更」
「本当だな」
「二人は?」
「返した。」
「そう」
「私は」
「?」
「何処かでお前はどこにもいかんとタカをくくっていた。」
「そう」
「自惚れだった」
「そうね。」
「もう一度」
「はないわよ」
「ならば、」
「?」
「もう一度恋人になれる努力をする」
「…は?」
「良いか?」
「良くない」
「何故」
「そういうものだから」
「しかし、私は」
「?」
「いや、何でもない」
「???」
「その、だ」
「何?」
「女々しいのはわかっている。もう一度チャンスを与えてはくれないか?」
「ヤダ」
「なら、顔を見せてくれ」
「ヤダ」
「…そこまで嫌われていたのか」
「うん」
「そうか」
「早く帰りなよ」
「…今帰ったらいなくなる気がする」
「(勘がいいな)これ以上どこに行くのよ」
「お前は昔からそうだからな」
「そういう風に言うなら最初からこうなることわかってたでしょ?」
「そうだな」
「ばかみたい」
「ばかだな」
「そうね。」
「だ、が、」
「?」
「もう一度やり直したい」
「…どうしたの?あっさりと帰ると思ってだだけど」
「お前のことなら話は別だ。」
「お父さんのお陰かしら?」
「秀吉様とお前は違う。」
「そう、ね。」
「お前は」
「お父さんの娘だからかしら」
「は?」
「もう良い。話すのも面倒だわ」
「おい」
「帰って」
「嫌だ」




以外と粘るなと舌打ちしながら私は三成さんとよぶ。このまま扉を開けて胸に飛び込めばハッピーエンドなのかもしれない。それは誰の?きっとお父さんと半兵衛さんと三成さんと大谷さんと左近君の。そこに私はいるのだろうか?いや、違うだろう。
…墓場まで持って行くつもりだったんだけどと思ってドアに手をつく。



大好きと大嫌い
憎いと恋しい


愛と無関心




今まで平気だったこの関係に疑問をもたせたのは一人の女性で。そこから紡ぎだした事実と現実を照らし合わせて、今の私の行動が生まれる。
終わりは始まりの表裏なら死の後には何があるのだろうか?





恋愛の終わりの日はお互いの慈しみがなくなったとき。



恋愛が死んだ日は相手を裏切った時なのだ。










「三成さん」
「?!何だ」
「受付けの可愛らしいちっちゃい子。」
「は?」
「…堕ろさせたの?」
「何故、知ってる?」
「知らないと思ってた?ずっと」
「…」
「ずっと待ってたのに」
「あれは!」
「小さな命を蔑ろにする人は私は好きになれない。況してや…いいえ。私が遊びだったのかしら?」
「ちがっ!」
「酷い男」
「話を」





大好き。





「あんたなんて大嫌い」









アメジストと道化









「もしもし、大谷さん?私。ん?いや、会う気ないよ。ただ、三成さんの回収お願い。え?元サヤ?ないない。本当にやになるなぁ。うん。みんな嫌い。じゃー死なない程度にね。じゃーねー」





半年前からの秘密の暴露のおかげで随分と楽になった。これからどうしようかなぁと思いながら夜空を見る。マンスリーにして正解だった。更新せずに退去しよ。

拍手

PR