忍者ブログ
変換なしの雑食夢

ran

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

空色

「姫様、が?」
「いててて。もっと優しくしてくれないかい?秀吉」
「…うむ。」
「君も結婚したら気をつけたほうがいいよ。あの馬鹿力で叩かれたら。侮っていたよ。かなりな馬鹿力だね」
「昔より言っていただろう。あれは加減をしていると。人形をへし折ってから改心したのだ。」
「冗談だと思っていたよ。ね、三成君」
「いえ、その」
「どうしたの?」
「どうしたてそのような…姫様は無闇矢鱈にその様な」
「ふふふ。君と違ってね」
「?!」
「半兵衛」
「実はね。三の事でウジウジするなってね。怒られてしまったよ」
「まさか…姫様はご存知ないはずでは」
「知ってるみたいだね。気づいたんだろう。ね、秀吉」
「ああ」
「し、しかし。ご心中穏やかでは…そのため内々に」
「余計な心配だったのかもしれないよ」
「は?」
「ふふふ。殴られるは惚気られるわ。今日は散々だね。でも心地もいい」
「姫からだ」
「?」
「どのような尊い方でも。素晴らしい方でも、君には代えられないってさ。共に生きて支えるのが今の望みだから。君の重しになったりただ、守られる存在になどなりたくないってさ」
「…あの方はとてもではありませんが死を享受出来る方では」
「それを僕が言ったら叩かれたんだよ。怖い怖い。武人に嫁いで妻として支えると決めた以上覚悟なんてとっくに出来てる!ってね。」
「あれはあれで大人になったという事だ。」
「愛しているとか当たり前でそれ以上の何かを彼女は彼女なりに考えて覚悟を決めてたみたい。今度こんな事あったら両頬、拳で殴る!覚悟しろって泣きながら出て行ったよ。そこは相も変わらずだ」
「っ」
「君にはとんでもないじゃじゃ馬を押し付けてしまうのかもしれないね。」
「いえ…これ以上ない方です。」
「さぁいきなよ。良く言い聞かせておくれよ。両頬、拳はさすがに嫌だからね」
「は」







空色







「姫様!」
「いし、ださま」
「あああ!涙をお止め下さいませ」
「だっ、て」
「半兵衛様にあとで謝りに行きましょう」
「は、い」
「姫様?」
「いし、ださまも!わたしに、かくしごと!」
「あああ。逃げないで下さい!擦りすぎです。お顔が腫れてしまいます。」
「なん、で!!!」
「姫様が悲しむのが嫌でした。泣かすのが嫌、でしたのに。泣かせてしまいました」
「し、ごと!」
「仕事?」
「いが、の!かくし、や!」
「伊賀の学者?」
「いがいの!」
「お、落ち着いて下さい。何を言ってるのかわかりません!」
「いし、ださまの!ばかぁ…」
「姫様?!お逃げにならないで!」
「うわぁぁぁん!」
「っ!姫様!」






「やれ松」
「なんですか?」
「あれは?」
「ああ。姫様が泣いているのを追いかけているのでしょう?ああ。捕まった」
「小猫が引っ掻いておるわ」
「石田様にとっては必死でしょうが」
「ひひひ。」
「あら、抱きしめた」
「後頭部殴打しておるな。昔の姫なら考えられん」
「それが今の姫様ですよ。ほら」
「ほんにな。三成もデレデレよ。」
「そろそろ終わりましょう」
「…主は慣れておるなぁ」
「初めて見ましたから。わたしが相手でなくて本当に良かったと思っておりますよ」
「ほう」
「刑部!」
「やれ煩いのが帰ってきた」
「姫様が怒って不貞寝された!どうすればいい?」
「逃げぬ様に見張りなしゃれ」
「その前に傷薬をお持ちします。ここまで暴れられるとは」
「私はいい!姫様の足が!」
「…怪我してませんよ。汚れているだけです」
「本当か?!感染してしまったら」
「…何より、姫。狸寝入りは」
「っ!」
「なっ?姫様!!!」
「あー…本気で怒っていますね」
「なに?!姫様!姫様!!!!!!」

拍手

PR

時雨色

「兄様」
「姫か。如何した?」
「お部屋ありがとうございます」
「別棟でも良かったが」
「そのような大金を私におかけ遊ばすのならば孤児や寡婦に。職業指南場を作られるとか。半兵衛が怒っておりました」
「いや、理はあるが本心はお前達に館を作りたかったのだろう。…三成は?」
「今溜まったお仕事中です。」
「ああ」
「訓練も島様が代わっていたそうですがやはり納得いかないようで。大谷様は巻き込まれています。松はこの部屋の前です」
「そうか」
「兄様。」
「何だ?」
「三姉様は」
「今…」
「兄様。皆私に隠し続けるでしょう。ですから松もこの前に置いてきました。本当の事をおっしゃってください」
「姫」
「覚悟もしてきております」
「…お前はこういう時に隠し事が出来ないな」
「お亡くなり遊ばされたのですね。」
「ああ。最後には自らの毒を煽って死んだ」
「そうですか。その毒は私に?」
「ああ」
「…そんなに嫌われていたのですね」
「逆だ。」
「?」
「あれは三成になりたかったのだろう。」
「…半兵衛は?」
「自主的に謹慎している」
「仕事をしろと言ってください。貴方が働かないと兄様に。この国にどれほど損害があるか、理解しているのかと!叱責して。あまりぐずぐずすると私もハンストいたしますとお伝えくださいませ」
「伝えておく」
「兄様」
「ん?」
「兄、様」
「泣くな」
「ごめんなさい。覚悟はしていたのですが」
「よく慕っていたからな」
「尊い方でした。知識も人格も。私より何倍も尊い人でした。…私はその命に購える人なのでしょうか?」
「わからんが。我にとってはそうだと言える。」
「ありがとうございます。」
「姫」
「?」
「三成が、お前が死んだ後。死んだのは知っているか?」
「は?」
「人としての何かがだ。我と半兵衛。吉継と左近。これ以外とは話さず、戦のみを行い。そして死んだ。大国の礎の原動力だったが傷ついても、癒さず死に急ぐ様は我が見ていても痛いしいものだ。子を成したのも命としてだ。三もお前を唯一抱いた男だからだろう。跡取りが産まれたらそれまでだった。三成は紛れもなく強かった。ただそれだけだ。殲滅するのみの機械と成り果てた。そしてそれだけの男として名のみ残してやつは死んだ。その程度の男ではないのにな」
「私は」
「今の彼奴は、我らが求めていた男になると思っている。お前もだ。人形ではないお前と強いだけではない三成が共に歩くとなればそれはどのような事なのか。楽しみにしている」
「兄様」
「三の死を忘れるな。ただ、元々敵兵だけではない。護衛、平民…貴様らの足ものにはたくさんの死が横たわっている。それをただの死にするな。」
「はい」
「いい目だ」
「ふふふ」
「支えがいのある男だ。綱取りを頼んだ」
「頑張ります」
「さて、我ももう一人の男を引きずり出すか」
「あちらはあちらで大変そうですね」
「頑固だ」
「存じ上げています」
「婚礼を来月にすると息巻いていたぞ」
「…」
「我も早く添うところが見たいな」
「御心のままに」






時雨色







「姫様」
「石田様」
「何故、このようなところに」
「いえ。ご尊顔を拝して帰ろうと思ったのですが、申し訳ございません」
「?」
「やれそろそろ休憩を。丁度姫が来た故」
「いえ、刑部様。お邪魔になるのは」
「姫様ーーー!!!休むように言ってくださいよ!」
「左近!貴様…」
「ヒィー!!!」
「ふふふ。石田様」
「…もう少しお待ちくださいませ。」
「いいえ。一度部屋に帰ります。」
「姫様」
「貴方様のお姿を見れてよかった。」
「っ」
「あまり根をお詰め遊ばされませんように」
「はい」

拍手

劣化色

「言いたい事ある?」
「いいえ」
「そう」
「私は貴方の手で死んでしまいますか?」
「いや。これ」
「…やっぱり嫌な人」
「そう?前世の遺恨を今生でもやろうとする君の方がどうかと思うよ」
「…」
「ねぇ。最後に聞かせてくれる?」
「?」
「なぜ、姫を殺そうとするの?彼女が君を」
「私のものになりませんから。」
「そう」
「どんなに愛しても。どんなに恋い焦がれても。彼女は私のものになりはしない。」
「…時間だね」
「…最後に貴方なのは最低だわ」
「僕もだよ」
「さようなら」
「来世ではもっとまともになりなね」
「来世では、男になりたいわ。ねぇ」
「…」
「兄さん」










劣化色









「三姉様は結婚式来てくださるかしら?」
「は?」
「小さな時に約束してくださったのです。ウエディングドレスを一緒に選んでくださるって」
「仲が良かったのですね」
「ええ。私は兄様と半兵衛とに育てられましたから。松は姉いうより双子とか母とかみたいなところがあって。ふふふ。姉様は三の姉様です」
「そうですか」
「でもお忙しい方ですから」
「…前線に行かれるそうです」
「え?」
「交渉役ですから。」
「そうですか。…そうですね。うん」
「姫様」
「石田様?」
「いえ。食事を致しましょう」
「はい」
「…やれ、二人。」
「刑部」
「大谷様。御機嫌よう。お食事まだでしたら如何ですか?」
「ひひひ。頂こう。」
「では支度してきます」
「私も手伝います」
「あら、松。お帰りなさい」
「…半兵衛様は?」
「事がなったと。」
「そうか。さぞ」
「いうな。普通にしろという事だ。」
「…石田様?」
「何でもありません。…頂こう」
「?」


拍手

深墨色

「…」
「すう…」
「はぁ…」
「ん…」
「?!」
「石田、様?」
「起こしてしまいましたか?」
「すいません。寝てしまって…」
「いえ。私に合わせると姫様の体調に差し支えますので…」
「…お仕事は?」
「まだかかります。…眠れそうですか?」
「…」
「姫様?」
「ランプの炎が」
「眩しいですか?」
「キラキラ光って貴方様の御髪がすごく綺麗」
「…」
「石田様は本当に美しいですね」
「そう、ですか?」
「ええ」
「…お願いですから」
「?」
「私の忍耐を試すような事はなさらないでください」
「だって」
「私にとって姫様はただの姫ではないのです。美しく清らかで唯一無二の存在。…私のものにしてしまいたいのですから」
「?」
「姫様?」
「もう、貴方様のものでしょう?」
「そう、なのですか?」
「ええ」
「ですが…そういう事はやはり儀式の済んだ後に」
「???」
「わかっておられない分たちが悪い」
「まぁ非道い」
「姫様?」
「石田様まで私を子供扱いなさるのね。」
「まで?」
「えっと…」





そう言って姫様は素足のままベットから降りる。白い足が目の毒以外の何物でもない。きっとこの方は私の葛藤など理解してはいないだろう。自然、姫様と呼ぶ声が引きつる。大人しくベッドの中で寝ていてほしいのだが美しい髪を靡かせて私の元にかけてくる。

それが何よりも禁断的で、魅惑に満ち、愛おしくていけない。

はいと手渡された白い紙。姫様はなぜか私の手を握られる。白い小さな手。同じ人間ではないと思う位華奢なそれは少し暖かい。読んでみてと促されるのだが、その手を離す事はできない。




「半兵衛様と」
「兄様から」
「なっ?!よろしいのですか」
「ええ。…きっと」
「…っ!」
「兄様も同じようなこと書いていらっしゃるの」
「あ、の」
「石田様も私は子供のままなのですか?」
「い、え」
「良かった」
「良くないです」
「?」
「新枕の意味は?」
「淑女の嗜みとしてある程度には…」
「?!」
「石田様?」
「そう、なのですか?」
「え?ええ。」
「…」
「あ、ですが知識だけですので。経験は」
「っ!」
「寝、ます。すいません。寝ぼけてお仕事の邪魔を!」
「まっ」
「っ!」
「…」
「石田様?」
「事がなったら…」
「事?」
「はい。事がなれば、貴方様を名実ともに私のものとする、許可、を」
「!」
「半兵衛様ではありませんが…貴方様に子のなす方法を、その。御教授する許可を」
「また半兵衛が私を揶揄っているのですね」
「それは…」
「…事が何なのか。私にはわかりませんが。何年でも待ちます」
「はい」
「石田様?!わっ」
「ベッドで寝いて下さい」
「は、い」
「…」
「仕事」
「…」
「石田様?」
「姫様」
「はい!」
「どうぞ健やかに」
「その言葉」
「?」
「そっくりお返しいたします」
「くくくくく」





深墨色






「松君…のところかな?」
「配下の者です」
「拷問は楽しかったって?」
「元々右に出るものがいない方ですので。これを」
「ん。秀吉は僕が言う。」
「大谷様には別のものが。石田様には…頭は大谷様か竹中様からお伝えくださればと…」
「如何したものかな?あ。これを調べて」
「?」
「これの如何で決める。いつまでに出来る?」
「明朝までには」
「うん。出来るだけ早めにお願い。それまでは」
「自害させず、姫をお守りいたします。何より」
「三成君が閉じ込めているからね。野菜も何もかも信用のおける者からだしね…」
「はい。我々も気をつけております。」
「頼むよ」



拍手

菖蒲色

「姫が殺された?そう言ったの?」
「のようで」
「どういう事?!」
「わからぬが…三成は心当たりがあると」
「三成君が?」
「今、姫は?」
「石田の屋敷に。炊事洗濯全て二人でするそうで」
「…新婚さんだね。」
「それはいいが」
「ひひひ。暑くて暑くて、我は行きたくない」
「え?!吉継君まで?松君は?」
「引き攣っておる。」
「想像がつきやすい。まぁ。二人がいるし…大丈夫だろうけど…ん?」
「兄さん」
「三?如何したんだい?」
「姫は?今日見てないんだけど」
「三成君のところさ。秀吉。荷物も送っちゃう?」
「…離れに住むはずだ」
「君も妹離れしてないね。唯一の弱点だ」
「お前もだろう」
「そうだね。で、三は姫に何の用だい」
「お土産」
「預かっておくよ」
「ん?」
「如何した?」
「いえ。失礼致します」
「…」
「心当たり、ね」
「良いのか?賢人」
「なんの事だい?さぁ。差し入れに行こう」






何故此処にいるのだろうと思いながら人参を見る。片倉様印。美味しいだろうなぁ。何にしようかとチラリと後ろを見ると石田様がいて困った顔をされる。それはこちらも同じだ





「この際です。しっかりと休んでいただこう」
「姫」
「はい?」
「作りすぎでは?」
「…食べないのですか?」
「食べますが」
「食べて下さい」
「…二心ありませんか?」
「しっかり休んでいただきたいだけです」
「私は…」
「石田様!婚礼した後もこういうのがいいかもしれませんね」
「はぁ」
「昔から子供が出来たら自分で育てたかったのです。こういうの好きです」
「…」
「石田様?顔真っ赤ですよ」
「子供…」
「結婚したらそういうものでは?」
「え、ええ。そうなのですが…」
「ふふふ。」
「遊んでおりますね」
「いえだって。半兵衛が結婚したらキャベツが届いて赤子が出来るって聞いてますから!大丈夫ですよ」
「…松」
「恨むのならば興味半分で遊んでいた竹中様を」
「…くっ!」
「ヘタレ」
「何を二人で?でなんで此処に来たんでしょうね?」
「改築です。姫様の部屋を大きくするために」
「そうなの?」








菖蒲色








「姫様は?」
「寝てます。」
「外は?」
「今のところ三人ですかね…。派遣先は今はかしてますが。見た事ある顔もありますし(珍しく)あなたの勘が当たってますね」
「…そうか」
「今生で前世の仇をとれるとは!」
「生き生きするな。」
「で、姫様はお願いしますよ。寝てますから。変な事しないでくださいよ。でも側には居てくださいね」
「貴様」
「理性との間で頑張ってください!」
「何処に行く」
「本業に。狩に行ってきます」

拍手