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変換なしの雑食夢

ran

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初恋と三成 4

「大谷殿」
「真田か」
「石田殿は?」
「今自室よ。ひひひ。主の妹に手酷くふられたせいでなぁ。ひどく機嫌が悪いぞ」
「それはあいすみませぬ。我が姉上が大阪に行く前にと色々吹き込んでおったようで、某の落ち度でござる」
「左様か。まぁ、あれにすれば初恋故…些か愚直な言い回しであっただろうしなぁ」
「今が初恋とは…石田殿らしいでござるな」
「あれは豊臣の事しかない故なぁ…ひひひ。後ろの妹君は勘違いしておるのよ」
「気付かれておいででしたか。雪」
「申し訳御座いません」
「こちらの台詞よ。本にすまぬなぁ。いきなり好を通じろと言われれば不審がっても仕方がない。我とてこういうのが不手ながらも贈り物を致して、親交を深めて後に筋を通していわしゃれとはいうたが…早々とはなぁ。賢人も呆れておったが、それ程主を好ましく思ったのよの。微笑ましい事よ」
「あの方が雪に見せる顔は見た事ない顔でござったなぁ」
「左様さよう。」
「ですが」
「如何した?」
「男は狼になる聞きました。特に遠方より来て帰ってしまう女に声をかける男など言語道断と。そういう男は女を大切にはしないそうです。松様の仰ったあれは嘘でございますか?」
「嘘、ではないが」
「ひひひ。あれは狼よりタチが悪い。ああ、違う意味よ。違う意味。主とて凶惶の姿、知っておろう」
「はい」
「故に狼などと比べしゃるな。それにその狼は好色を指すのよ。それこそそう言う狼を睨みつけていたのが三成よ。主に無頼な輩が近づかぬようにしておったからなぁ。ひひひ、どこの国にも遊ぼうとする男がおるのも事実。真田の姉君のいわしゃる通りよ。しかしなぁ。そういう意味ならば三成はくだらんと一蹴するだろう。あれはそういう意味での欲に欠落しておる」
「くだらないのですか?」
「仕事女も好かぬからな。というより不必要よ。全ては豊臣の為に生きてきた男よ。紅蓮の虎と一緒よな。破廉恥と叫ばぬだけよ。あれは女などいらん。必要ないとよう言って我らを困らせていたのになぁ。あの軍事演習を見た折より主に対しては違うようよ。主の顔を見て喜び、悋気し。その様は唯の懸想した男よの。賢人と二人で喜んだが…」
「私は」
「雪?…如何した?」
「甲斐に帰りたい、です」
「やれ、泣かしゃるな。すまぬすまぬ。困らせたか」
「すみませぬ。本の子供故…雪」
「好を通じたら、私、甲斐に帰れなくなる」
「あい解った。そうよな。急な話よの。主にとっての甲斐の地は三成の大坂と同じか。…ただ、覚えておいてほしい」
「?」
「昨日主の言った言葉で田舎の女武者を落として遊ぼうとしていると申したのはまるで反対よ。あれが遊べる性があれば我らとて楽よ楽。あれは真実不器用でなぁ。一生懸命主が喜ぶ事や物を探しておってな。主が笑う姿が好きでなぁ。ひひひ。甲斐には海がないと…あの三成が太閤に願い出て借り受けたのよ。」
「あの、石田殿がでござるか?」
「?」
「本に主だけしか興味がないようよ」
「!」
「海は綺麗だったか?」
「…はい」
「三成が嬉しそうに言うておった」
「…あの」
「ん?」
「私は親も兄弟もおりません。たいそうな家柄でも」
「主の事は真田より聞き及んでおる。甲斐の虎が必要あらば養女にすると申しておった。」
「!」
「故に心配は要らぬいらぬ。大体…そんな事に気が回る男ならば我とて大変ではない。きっと主がどこぞの姫でも婢女でも。関係ないというし、言いよったしなぁ。まぁまだ、主自体が嫁ぎたいとは思わぬのなら時期ではないなぁ」
「…でも」
「ん?」
「私が勝手に勘違いをしてしまったのなら…謝りたいです」
「何故?」
「…時雨を」
「ん?」
「これの暴れ馬でござる。時雨の父馬がこれの家が焼け落ちそうになった時…幼女の雪を助け申した。あれとよく似た暴れ馬でしたが雪にはとても懐いておったのでござる」
「ひひひ。主は面倒なものに好かれるようよな。してその馬を?」
「褒めてくださいました」
「?」
「時雨も。石田様の時は暴れ無いんです!」
「何?!あの時雨がか!」
「はい!」
「???」
「ああ。申し訳ござらぬ。時雨は雪に仇なすものを…それは口にできぬようなやり方で屠ろうとするのです」
「三成と似ておるなぁ」
「時雨が何もしなかったのは石田様だけです」
「主らは?」
「…空気なのでござろう。きっと世話係兼盾程度にしか思ってないと」
「面白き馬よなぁ。左様か。」
「私は時雨を邪険に扱われるのがすごく辛くて。厩の件も。すぐ手配して下さったし、遠乗りも。お菓子も美味しかったし」
「佐助が一つ食べたと言って拗ねておったぐらいでござる」
「ひひひ」
「だって石田様が私にくれたのですから!…とても親切な方だと思っていたらその。まつ様が言っていたみたいな男方だったので…あの、逃げないとと!そう、おもってしまって…」
「違うよなぁ」
「はい。だから」
「ついてきりゃれ」







三成と初恋 4






「はよ行け、左近」
「マジっすか?!?!?無理無理無理!死んじゃう!!!!」
「三成の人生がかかった大戦よ。左腕になろうとしておる主以外にはできぬ役よなぁ」
「えー…明らかに違うじゃ無いっすか!」
「ひひひ。ほんとよ、ほんと」
「…開けてはいけないのですか?」
「主は真田の後ろに隠れしゃれ。良いか?」
「某は大丈夫でござる!」
「では…ほれ」
「ぎゃー!!!!!」




すごい物音の後吹っ飛ばされた左近様を見る。お館様と幸村兄様のそれに似ているけれども禍々しい。
兄様は破片を落としているらしく二槍を奮っているし大谷様も同じのようだ。島様は生贄だったのだろう。のそりと出てきた石田様は禍々しい





「近づくなと言ったはずだ」
「っててて。俺じゃ無いっすよ!」
「では」
「我よ、三成」
「刑部か…何用だ?何故真田がいる?!」
「ひひひ。我は道案内よ」
「某は保護者でござる」
「?」
「いいいいい石田様!」
「な?!」
「お話よろしいですか?!!!!!」
「落ち着け、雪」
「だって兄様…すごく怒って」
「刑部!!!!!」
「やれさて。矛先はこちらか…左近」
「へいへいっと」
「真田も」
「佐助!行くぞ!!!」
「えー!?無理無理無理!!!こんな状況で雪ちゃん置いてけない!!」
「煩い!早く来い!!!給料減額されたいか!」
「理不尽!」
「ま、待て!おい!話が見えん!」
「わわわわわたしが」
「お、落ち着け!何を言っているのか皆目わからん!」
「石田様」
「頼むから落ち着いてくれ。その、だ。何かあったか?」
「…」
「どうした?」
「やっぱり石田様は優しい」
「っ!」
「石田様のこと誤解してすいませんでした…石田様?」
「な、なんでも無い!」
「あの…」
「ふ、不用意に近づくな」
「?!」
「す、すまん!そういう意味では」
「…うぐ…ごめんなさい」
「ま、待て!雪殿!!!…行ってしまった…」






「前途多難よの」
「見ている分には娯楽性が高いでござるがな」
「ひひひ。して、その左手で押さえている忍びはいかがいたしゃる?」
「よーくーもー!!!」
「五月蝿い!佐助!!!邪魔立てすると足腰立たぬようにするぞ!」

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初恋と三成 3

「雪」
「はい」
「お前…石田殿に何を言ったのだ?」
「?」
「野駆けの誘いをいただいた。」
「!」
「…行ってこい」
「…」
「首を縦にふるだけか?如何した???」
「ごめん!俺様の所為」
「佐助?」
「…」
「に、睨まないでよ。ごめんってば」
「ふむ。佐助だけなら俺は関係ない」
「旦那!」
「佐助兄様が、石田様から頂いた飴を勝手に食べた」
「だから」
「ああ。あれか。…佐助」
「いっ!痛いって!!!」
「殴ったから許してやれ」
「…」
「雪」
「…はい」
「良い子だ。でだ」
「時雨の所でお会いしたの。…野駆け行ってきて良いですか?」
「雪がその言い方をして否と言ったお館様の末路は酷いものだったな。…佐助」
「駄目!田舎娘で遊ぶ気だよ」
「佐助兄様ウザい」
「酷い!」
「過保護すぎる」
「過保護すぎた方が女の子は良いの!」
「素手でクマと戦う女子をか?」
「当たり前でしょ!」
「…雪、行ってこい」
「はーい」
「まっ!まだ話は」







煩い佐助兄様を無視して厩へ向かうと、既に石田様がいらっしゃっていて遅参をお詫びする。



「構わん。行くぞ」
「はい。時雨」
「本当に好きだな」
「大好きです〜」
「…」
「石田様?」
「何だ?」
「いえ…今日はありがとうございます」
「礼はまだいい。行くぞ」
「はい」









大阪は開けたところだからあまり散策する場所がないのかと思ったら海辺に連れて行ってくださる。ここは太閤殿下の私的な場所の一つらしく人っ子一人居なかった。もの寂しいもののここならば気兼ねなく遊べるだろうとのこと。遊んでおいでといえば時雨は海の方へ行く。新し物好きめ。
そう言うものの私も海に釘付けだ。甲斐には海がない。このキラキラとした水面が羨ましくていけない。





「如何した?」
「羨ましいのです」
「?」
「海」
「ああ」
「綺麗ですね」
「甲斐には海がなかったな。」
「山ばかりです。山と新緑。あと雪の白」
「そうか」
「こちらは暖かいから驚いています。まだ雪が降りませんもの」
「甲斐でも秋にはふらんはずだ」
「あっ」
「?」
「そうかもしれません」
「…」
「石田様?」
「雪」
「はい」
「そう、男の前で笑うな」
「は?」
「私の前の話ではない。…そうお前がだ。屈託なく笑うから」
「???」
「お前に邪な…嫌、いい。大体、素手で熊と戦うと聞いているから並大抵の男は退けると思うが」
「…誰に聞きました?」
「忍びだ。今日何やら言っていたが私が言う前に真田が一喝していた」
「…」
「そんなことは如何でもいい」
「?」
「外にも連れて行く。」
「本当ですか!」
「…」
「やった!時雨!」
「だから」
「石田様?」
「私と好を通じろ」







初恋と三成 3






「で、何と返した?」
「私と好を通じても武田に関することは漏れませんよって言いました」
「で石田殿は?」
「何か仰っていたので…ああこれが所謂男は狼ってやつかと。田舎の女武者を落として遊ぼうとしてるのだろうなぁと思って、そういう方とは思いませんでしたと言いました」
「賢い!流石雪ちゃん」
「佐助兄様の過保護が増してる」
「まぁなぁ。面倒な話石田殿と奥義だして戦ったからな。佐助」
「何?!だって!」
「雪も嫁の貰い手がないと困るのも事実だ」
「良いの!雪ちゃんは俺様とずっといるの」
「ではお前が娶るのか?」
「「やだ!」」
「では如何する気だ?実際問題、もういつ嫁に行ってもおかしくない歳だ。今回お館様にも良く良く言われておる。武田ではお前の貰い手は俺が佐助だ。俺も辞退した。ならば他家でしかおらんだろう?」
「私は結婚なんて」
「そういうわけにはいかん。無理矢理は致さぬが良き縁があれば結んだほうが良い。その内俺も佐助も嫁をもらう。それは曲がらない事実だ。その時お前が一人でいるという事が必然ならば仕方がないが縁を見て見ぬ振りをして一人というのは頂けん。」
「良いもん」
「良い悪いではない。俺が納得しない」
「暴君!」
「旦那…もっと言い方あるでしょう」
「無い!」
「もー!」
「過保護にした所で何になる。転けて立ち上がれんほど柔な妹を持った覚えは無い!」
「それは…そうだけど。」
「大体、あの御仁が他人の目などいちいち気にする方と思うか?」
「あー…」
「清廉潔白の方だ。お前が要らんことをいうから」
「佐助兄様ではないよ」
「では誰だ?」
「松様」
「…」

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初恋の三成 2

「雪」
「あ」
「こんな所で何をして居る?」
「石田様ぁ」
「…」
「あの、ですね!今少し良いですか?」
「すぐに鍛錬場に向かわなくてはならない」
「そう、ですか」
「…」
「忙しいですものね」
「それは…」
「なら後で」
「…何だ?直ぐに終わる用か?」
「1分で終わらせます」
「なら良い。すぐ言え」
「!」
「おい」
「ありがとうございます」
「…早くしろ」
「あ、はい!此れを持ってきました」
「何だ此れは?」
「和紙です」
「そういえば、甲斐は有名だったな」
「石田様は良く書を認めると聞きましたので、昨日のお礼です」
「?」
「私の弓を褒めて下さいました」
「ああ。本当に思っていることを言って礼を貰う謂れはない」
「私にとっては凄く嬉しかったから良いのです!あ!」
「何だ?」
「一分!くらいかな?石田様、ありがとうございました!!!」
「お、おい!転けているぞ!」
「わー!見ないで下さい」
「おい!」
「あ、正確に言えば!」
「?」
「幸村兄様の信州土産です!それ!!!」
「…」







蹴つまずいて起き上がって急いで部屋に行く。佐助兄様は渡せたと呑気に聞いてくるから言われた通り言って渡せたよ〜と呑気に返しておく。但し、佐助兄様が悪い顔になっているのは見逃してはいない。
んーと一つ背伸びをして少し横になる。行儀が悪いと叱らないのは珍しいけど明日からはこの城で雑務をこなす様お館様に言われたのでゆっくり出来るのは今日だけだからかもしれない。



「幸村兄様は?」
「旦那はお館様に用だって」
「少し休んで良い?」
「寝てて良いよ」
「佐助兄様」
「ん?」
「何時になったら帰れる?」
「甲斐の城に?」
「ん」
「雪ちゃんが良い子なら直ぐ帰れるよ」
「…子供の時に佐助兄様がその台詞言って早く帰れた試しがない」
「そう?」
「当分ここかぁ」
「気に入らない?」
「時雨を走らせてやれない」
「さっき厩から苦情が来てたよ。時雨は気性荒すぎでしょ!」
「賢い良い子だから手抜きすると分かるの。ちょっと行ってくる」
「後にしなさい」
「えー」
「雪ちゃん、あんまり休んでないでしょ」
「だってー」
「語尾を伸ばさない」
「はーい」
「もう」





佐助兄様はそう言いながら掛物をしてくれるので大好きだ。
そう言えば、俺様もだよ〜と軽く言う。私は兄として二人を二人は妹として私を大事に思い合っている。きっと二人に良い人が出来たら妹として心配したり喜んだりする、逆なら二人がしてくれる。ただ、この感覚は他人には理解し難いらしい。あのお館様ですら何方が私を娶るのだ!といったものだから、100日程度お館様と話さなかった。随分とまぁ子供じみた事をしたものだけど。凄く腹立たしかったし、他の二人もそうだったらしい。お館様は機嫌を直せと色々してくれた様は思春期の娘の逆鱗に触れた父親の様だったと勘助が言っていた。血は繋がってはいないけれども、強い縁のある3人は実の血縁より、濃くて面倒てこんがらがった。武田家族なのだ。






「佐助兄様」
「んー…」
「いつ結婚するの?」
「俺様が結婚したら誰が世話すんの!今も繕い物の山だよ!!」
「あー」
「何?」
「父様はお館様で兄様は幸村兄様」
「俺様は?!」
「母様」
「雪ちゃん!!!」








三成の初恋 2




「時雨〜」
「雪様!」
「時雨によう言い聞かせてください!」
「時雨、暴れたらダメよ。ここはよその家だから。もう少ししたらお館様に言って外を」
「外を如何した?」
「?!」
「なんだ、その顔は」
「石田様は神出鬼没ですね!」
「私は必要あるところにしかいかん。ん?」
「私の愛馬です」
「…」
「(あの凶惶と雪様の時雨が睨み合っている?!)」
「(スッゲー!!!こぇ!!!)」
「ふん!」
「?」
「貴様には勿体ない馬だな」
「!」
「何だ?」
「そうなんです!時雨は怒りっぽいけど、足も速いし私の意志を直ぐ理解してくれるんです!賢くて最高の馬なんです!」
「そうか」
「でも名前の通りで厩が嫌いなんですよ…一箇所にいると凄く怒って」
「厩には入らないのか?」
「私の家では放し飼いでした。熊が来ても倒す様な子ですし」
「…真実馬か?」
「はい」
「…」
「石田様?」
「今度どうにか出来ないか聞いてやる」
「?!」
「何だその顔は」
「嬉しいんです!」
「…そうか」
「やった!聞いた?良かったね!!」
「其れとだ」
「?」
「手を出せ」
「?」
「やる」
「…?」
「私の故郷から送られてきたものだ。食べろ」
「では皆で」
「皆ではない」
「え?」
「おまえがだ」
「!」
「良いな。確かに渡したぞ」
「え?ああ!ありがとうございました」

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初恋の三成 1

「赤揃え…武田か?」
「ん?…のようよの。今、演武の最中か。」
「遅くなった。急ぐか」
「主にしては珍しいよの」
「?」
「他家の軍事演武を見るとは」
「秀吉様の一兵がどれだけの力量があるか。知っておく必要がある」
「…其処は主らしいなぁ」
「行くぞ、刑部」
「あいあい」





急いで秀吉様と半兵衛様の前に額付き遅参の許しをこう。
すると周りが騒がしくなるので視線を向ける。





「何だ…あれは?」
「ふふふ。武田の騎馬武者の一人だよ」
「にしてはずいぶんと童よの。」
「真田の片割をしているのか?…弓か」
「忍びはおらぬ時はおらぬ故…ひひひ。にしても」
「いい腕だよ。ね、秀吉」
「…」
「後で話してみたいな。」
「おゝ、鞍に乗りよったなぁ。まるで曲芸よ」
「だが」
「ひひひ。ただの道化ではあるまいに」
「ふん」
「よく見て使えるか否か…確かめしゃれ」
「ふふふ。彼女、まだ16だってね」
「は?」
「あゝ、女子か。ようよう合点がいった」
「幸村君の奥方かな?」
「あの男がか?ひひひ、無いない」
「まぁ何はともあれ。強ければ男も女もないさ。後で、謁見室に…君たちも来る?」
「ひひひ」
「悪趣味な事考えてない?」
「はてさて。何の事か」
「おい」
「おお、終わったか?如何よ、三成」
「悪くはない…」
「では参るか」
「?」
「三成君」
「はい、半兵衛様」
「よく見ておいで」
「?」
「いいね」
「はい」
「さて、行こうゆこう」
「待て、刑部」
「…行ってしまったね」
「半兵衛」
「いや、ね。意外とお嫁さん候補にいいかなぁと」
「…先日雑賀に仕掛けられたのを忘れたか?」
「だってさ。浮いた話もないんだもの。僕が見つけないと!」
「(三成が絡むと母のようよ)」
「何だい?」
「何でもない」







三成の初恋







「真田幸村」
「石田殿!」
「ひひひ」
「大谷殿も!見てくださいましたか?」
「…甲斐武田の騎馬隊を見せてもらった」
「左様でござったか。此れからは同盟国として共に精進していきましょうぞ!」
「相も変わらずよ…とはいえ」
「如何いたしましたか?大谷殿?」
「主の相棒は忍びではなかったか?」
「佐助でござるか?如何にもそうでござる」
「今日は違うようよ」
「ああ。あれは拙者達の妹分でござる。そう言えば、まだ紹介しておりませなんだ!少し待たれよ」
「あいあい」
「刑部」
「ひひひ。主も少し興味があろう」
「…ふん」
「ひひひ」
「お待たせ…如何いしたましたか?」
「何でもない!…それか」
「はい。若輩者でござるが弓の腕前は日の本一と言われております」
「ひひひ。姫が怒りしゃるか?まぁいい」
「鶴姫殿、でございますか?弓の名手とか。一度手合わせしてみろ!」
「兄様ぁ〜」
「しゃんと致せ!」
「はい。」
「先と随分と違うなぁ。名は何と?」
「雪と言います」
「申しますだ!」
「痛ぁ〜い。幸村兄様痛いです」
「いつまでも童のように話すからだ!申し訳ござらん。見ての通りの娘で、お許し下され」
「あいあい。して雪殿」
「殿なんて!そんな一兵卒に畏れ多いです。呼び捨てて下さいませ」
「ひひひ。では雪。主は真田の嫁御か何かか?」
「「え?」」
「ちょっとー!!!大谷の旦那!俺様のいない所で何恐ろしい事言ってんの?!」
「猿飛」
「石田の旦那も久し振り!信濃の荷物が届かなくてさ。もう嫌になっちゃう」
「相も変わらず酷使されておるなぁ」
「給料分きっちりと働いてもらいまする」
「荷物運びは忍びの仕事か?」
「はてさて」
「佐助兄様ご苦労様です」
「雪ちゃんも。変な事しなかった?」
「多分しておりません」
「大体はしておらぬ」
「ならいいけど。…この二人、小さい時からの馴染みでさ。そんな関係じゃないよ。」
「なれば主のか?」
「えー…やだ、それ」
「某もでござる」
「何故?」
「おしめまで代えてんだよー。なんかさ、妹と娘の間?みたいで…そういうの気持ち悪い」
「某も…怒るな、雪」
「気持ち悪いはひどいです。」
「そうか?」
「?」
「どうしたの石田の旦那」
「騎馬姿や弓の姿は私が見ても無駄がなく美しいと思ったが」
「「?!」」
「ひひひ。」
「如何した?」
「?!」
「顔が赤い」
「?!」
「…このような御仁であったか?」
「都会は怖い」

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父と母と子 7

「やあ」
「竹中様」
「仕事中?」
「はい。衣装の整理を」
「君らしいね」
「?」
「いや、褒めてるから気にしないで」
「はい」
「ふふふ。如何かな、新婚は?」
「?!」
「持ってたものが着物でよかったね。三成君なんて無名刀を落としかけたよ」
「竹中様」
「からかい甲斐があるよね。」
「…」
「いや、ね。君とは一度二人で話してみたかったんだ。…僕は君と同じ何だよ。彼が其れこそ佐吉と呼ばれた頃に彼を養育したのは僕だから」
「私はそのように大層なことをしておりません。旦那様と竹中様の関係よりずっとお粗末なものかもで、其れこそ身の回りの世話をしたのみでございます」
「ふふふ。僕はね、ありとあらゆる事を彼に教えたよ。豊臣の…秀吉の後継者として何の不足のないように育ってくれた。けどね。後継者というより、崇拝者だ。其れは当たり前だからいいけれども、彼の精神支柱は思った以上に細くてね。家康君が離反した折は見ていられなかったよ」
「荒れておられましたから。」
「君はその頃に来たんだよね?」
「はい」
「佐吉の事を見る間もなくなったというのが本音だよ。でも、それだけではなくてね…僕は僕では与えられないものを君に求めていたんだよ」
「?」
「君のことをこの子だと思ったのは君島を罰した折、其の儘佐吉に触れようとしただろう?錯乱していたから全てを敵だと思い込んでいたと珍しく反省していたよ。」
「そんなこともありました。其れからは、佐吉様にご無体をする事はなくて…」
「其れは君のせいだよ」
「?」
「忘れてしまったかな?怯えた佐吉が逃げ出せもできずにいたら、君が庇って…三成君に手を挙げたの」
「…」
「と言っても避けられていたけど。ふふふ。佐吉様に刃を向けるのならたとえお父上君でも許しはしない。過去の呪縛で今が見えない者に未来があるはずもない。いい加減今を見なさい!と啖呵をきってね」
「…お忘れください」
「ふふふ。そのお陰で勝てたと言っても過言ではないよ。彼は彼の意思で戦さ場に赴いた。逆に家康君は違ったみたいだね。そういうちょっとした事が全てを変えてしまうものなんだよ」
「…」
「あの時、母親というものは何て強くて恐ろしいのだろうと驚嘆したよ。だって考えてごらん?刀を持った鬼のような男に君の様なおっちょこちょいが立ち向えるのだから。」
「あれから旦那様が凄く恐ろしい方だと思いましたもの。確かに、よくやりましたね」
「そうだね。無条件ではないとしても僕にはないものだ。お陰で佐吉は人間としても豊かかな?まぁ、君に良いところを見せたいのは二人して同じだけどね」
「…」
「?」
「旦那様とこのような縁になりまして熟思います。旦那様は本当に皆様から愛されていると」
「そうだね」
「ただ、殿方の中で住まわれておりましたから如何すれば表現できるのかがお分かりにならなかったのでしょう。少しずつ、表現されるのでは?」
「其れは」
「?」
「凄く面白そうだね」
「ふふふ」
「まぁ、目下君に頼みたい事がある」
「?」
「石田軍の訓練が苛烈でね。いや、左近君だけかな?助けてあげて」
「あらあら」





父と母と子 7






「失礼します」
「奥方様?!」
「…奥?」
「旦那様。竹中様から火急の用と」
「っち」
「奥方様ぁぁぁ〜!」
「左近様?!大変!医師を」
「捨て置け」
「旦那様!」
「な、何だ?!」
「…」
「今すぐ行く!誰か医師に見せてやれ!奥」
「はい」
「行くぞ」

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