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変換なしの雑食夢

ran

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初恋と三成 3

「雪」
「はい」
「お前…石田殿に何を言ったのだ?」
「?」
「野駆けの誘いをいただいた。」
「!」
「…行ってこい」
「…」
「首を縦にふるだけか?如何した???」
「ごめん!俺様の所為」
「佐助?」
「…」
「に、睨まないでよ。ごめんってば」
「ふむ。佐助だけなら俺は関係ない」
「旦那!」
「佐助兄様が、石田様から頂いた飴を勝手に食べた」
「だから」
「ああ。あれか。…佐助」
「いっ!痛いって!!!」
「殴ったから許してやれ」
「…」
「雪」
「…はい」
「良い子だ。でだ」
「時雨の所でお会いしたの。…野駆け行ってきて良いですか?」
「雪がその言い方をして否と言ったお館様の末路は酷いものだったな。…佐助」
「駄目!田舎娘で遊ぶ気だよ」
「佐助兄様ウザい」
「酷い!」
「過保護すぎる」
「過保護すぎた方が女の子は良いの!」
「素手でクマと戦う女子をか?」
「当たり前でしょ!」
「…雪、行ってこい」
「はーい」
「まっ!まだ話は」







煩い佐助兄様を無視して厩へ向かうと、既に石田様がいらっしゃっていて遅参をお詫びする。



「構わん。行くぞ」
「はい。時雨」
「本当に好きだな」
「大好きです〜」
「…」
「石田様?」
「何だ?」
「いえ…今日はありがとうございます」
「礼はまだいい。行くぞ」
「はい」









大阪は開けたところだからあまり散策する場所がないのかと思ったら海辺に連れて行ってくださる。ここは太閤殿下の私的な場所の一つらしく人っ子一人居なかった。もの寂しいもののここならば気兼ねなく遊べるだろうとのこと。遊んでおいでといえば時雨は海の方へ行く。新し物好きめ。
そう言うものの私も海に釘付けだ。甲斐には海がない。このキラキラとした水面が羨ましくていけない。





「如何した?」
「羨ましいのです」
「?」
「海」
「ああ」
「綺麗ですね」
「甲斐には海がなかったな。」
「山ばかりです。山と新緑。あと雪の白」
「そうか」
「こちらは暖かいから驚いています。まだ雪が降りませんもの」
「甲斐でも秋にはふらんはずだ」
「あっ」
「?」
「そうかもしれません」
「…」
「石田様?」
「雪」
「はい」
「そう、男の前で笑うな」
「は?」
「私の前の話ではない。…そうお前がだ。屈託なく笑うから」
「???」
「お前に邪な…嫌、いい。大体、素手で熊と戦うと聞いているから並大抵の男は退けると思うが」
「…誰に聞きました?」
「忍びだ。今日何やら言っていたが私が言う前に真田が一喝していた」
「…」
「そんなことは如何でもいい」
「?」
「外にも連れて行く。」
「本当ですか!」
「…」
「やった!時雨!」
「だから」
「石田様?」
「私と好を通じろ」







初恋と三成 3






「で、何と返した?」
「私と好を通じても武田に関することは漏れませんよって言いました」
「で石田殿は?」
「何か仰っていたので…ああこれが所謂男は狼ってやつかと。田舎の女武者を落として遊ぼうとしてるのだろうなぁと思って、そういう方とは思いませんでしたと言いました」
「賢い!流石雪ちゃん」
「佐助兄様の過保護が増してる」
「まぁなぁ。面倒な話石田殿と奥義だして戦ったからな。佐助」
「何?!だって!」
「雪も嫁の貰い手がないと困るのも事実だ」
「良いの!雪ちゃんは俺様とずっといるの」
「ではお前が娶るのか?」
「「やだ!」」
「では如何する気だ?実際問題、もういつ嫁に行ってもおかしくない歳だ。今回お館様にも良く良く言われておる。武田ではお前の貰い手は俺が佐助だ。俺も辞退した。ならば他家でしかおらんだろう?」
「私は結婚なんて」
「そういうわけにはいかん。無理矢理は致さぬが良き縁があれば結んだほうが良い。その内俺も佐助も嫁をもらう。それは曲がらない事実だ。その時お前が一人でいるという事が必然ならば仕方がないが縁を見て見ぬ振りをして一人というのは頂けん。」
「良いもん」
「良い悪いではない。俺が納得しない」
「暴君!」
「旦那…もっと言い方あるでしょう」
「無い!」
「もー!」
「過保護にした所で何になる。転けて立ち上がれんほど柔な妹を持った覚えは無い!」
「それは…そうだけど。」
「大体、あの御仁が他人の目などいちいち気にする方と思うか?」
「あー…」
「清廉潔白の方だ。お前が要らんことをいうから」
「佐助兄様ではないよ」
「では誰だ?」
「松様」
「…」

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