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変換なしの雑食夢

ran

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初恋と三成 4

「大谷殿」
「真田か」
「石田殿は?」
「今自室よ。ひひひ。主の妹に手酷くふられたせいでなぁ。ひどく機嫌が悪いぞ」
「それはあいすみませぬ。我が姉上が大阪に行く前にと色々吹き込んでおったようで、某の落ち度でござる」
「左様か。まぁ、あれにすれば初恋故…些か愚直な言い回しであっただろうしなぁ」
「今が初恋とは…石田殿らしいでござるな」
「あれは豊臣の事しかない故なぁ…ひひひ。後ろの妹君は勘違いしておるのよ」
「気付かれておいででしたか。雪」
「申し訳御座いません」
「こちらの台詞よ。本にすまぬなぁ。いきなり好を通じろと言われれば不審がっても仕方がない。我とてこういうのが不手ながらも贈り物を致して、親交を深めて後に筋を通していわしゃれとはいうたが…早々とはなぁ。賢人も呆れておったが、それ程主を好ましく思ったのよの。微笑ましい事よ」
「あの方が雪に見せる顔は見た事ない顔でござったなぁ」
「左様さよう。」
「ですが」
「如何した?」
「男は狼になる聞きました。特に遠方より来て帰ってしまう女に声をかける男など言語道断と。そういう男は女を大切にはしないそうです。松様の仰ったあれは嘘でございますか?」
「嘘、ではないが」
「ひひひ。あれは狼よりタチが悪い。ああ、違う意味よ。違う意味。主とて凶惶の姿、知っておろう」
「はい」
「故に狼などと比べしゃるな。それにその狼は好色を指すのよ。それこそそう言う狼を睨みつけていたのが三成よ。主に無頼な輩が近づかぬようにしておったからなぁ。ひひひ、どこの国にも遊ぼうとする男がおるのも事実。真田の姉君のいわしゃる通りよ。しかしなぁ。そういう意味ならば三成はくだらんと一蹴するだろう。あれはそういう意味での欲に欠落しておる」
「くだらないのですか?」
「仕事女も好かぬからな。というより不必要よ。全ては豊臣の為に生きてきた男よ。紅蓮の虎と一緒よな。破廉恥と叫ばぬだけよ。あれは女などいらん。必要ないとよう言って我らを困らせていたのになぁ。あの軍事演習を見た折より主に対しては違うようよ。主の顔を見て喜び、悋気し。その様は唯の懸想した男よの。賢人と二人で喜んだが…」
「私は」
「雪?…如何した?」
「甲斐に帰りたい、です」
「やれ、泣かしゃるな。すまぬすまぬ。困らせたか」
「すみませぬ。本の子供故…雪」
「好を通じたら、私、甲斐に帰れなくなる」
「あい解った。そうよな。急な話よの。主にとっての甲斐の地は三成の大坂と同じか。…ただ、覚えておいてほしい」
「?」
「昨日主の言った言葉で田舎の女武者を落として遊ぼうとしていると申したのはまるで反対よ。あれが遊べる性があれば我らとて楽よ楽。あれは真実不器用でなぁ。一生懸命主が喜ぶ事や物を探しておってな。主が笑う姿が好きでなぁ。ひひひ。甲斐には海がないと…あの三成が太閤に願い出て借り受けたのよ。」
「あの、石田殿がでござるか?」
「?」
「本に主だけしか興味がないようよ」
「!」
「海は綺麗だったか?」
「…はい」
「三成が嬉しそうに言うておった」
「…あの」
「ん?」
「私は親も兄弟もおりません。たいそうな家柄でも」
「主の事は真田より聞き及んでおる。甲斐の虎が必要あらば養女にすると申しておった。」
「!」
「故に心配は要らぬいらぬ。大体…そんな事に気が回る男ならば我とて大変ではない。きっと主がどこぞの姫でも婢女でも。関係ないというし、言いよったしなぁ。まぁまだ、主自体が嫁ぎたいとは思わぬのなら時期ではないなぁ」
「…でも」
「ん?」
「私が勝手に勘違いをしてしまったのなら…謝りたいです」
「何故?」
「…時雨を」
「ん?」
「これの暴れ馬でござる。時雨の父馬がこれの家が焼け落ちそうになった時…幼女の雪を助け申した。あれとよく似た暴れ馬でしたが雪にはとても懐いておったのでござる」
「ひひひ。主は面倒なものに好かれるようよな。してその馬を?」
「褒めてくださいました」
「?」
「時雨も。石田様の時は暴れ無いんです!」
「何?!あの時雨がか!」
「はい!」
「???」
「ああ。申し訳ござらぬ。時雨は雪に仇なすものを…それは口にできぬようなやり方で屠ろうとするのです」
「三成と似ておるなぁ」
「時雨が何もしなかったのは石田様だけです」
「主らは?」
「…空気なのでござろう。きっと世話係兼盾程度にしか思ってないと」
「面白き馬よなぁ。左様か。」
「私は時雨を邪険に扱われるのがすごく辛くて。厩の件も。すぐ手配して下さったし、遠乗りも。お菓子も美味しかったし」
「佐助が一つ食べたと言って拗ねておったぐらいでござる」
「ひひひ」
「だって石田様が私にくれたのですから!…とても親切な方だと思っていたらその。まつ様が言っていたみたいな男方だったので…あの、逃げないとと!そう、おもってしまって…」
「違うよなぁ」
「はい。だから」
「ついてきりゃれ」







三成と初恋 4






「はよ行け、左近」
「マジっすか?!?!?無理無理無理!死んじゃう!!!!」
「三成の人生がかかった大戦よ。左腕になろうとしておる主以外にはできぬ役よなぁ」
「えー…明らかに違うじゃ無いっすか!」
「ひひひ。ほんとよ、ほんと」
「…開けてはいけないのですか?」
「主は真田の後ろに隠れしゃれ。良いか?」
「某は大丈夫でござる!」
「では…ほれ」
「ぎゃー!!!!!」




すごい物音の後吹っ飛ばされた左近様を見る。お館様と幸村兄様のそれに似ているけれども禍々しい。
兄様は破片を落としているらしく二槍を奮っているし大谷様も同じのようだ。島様は生贄だったのだろう。のそりと出てきた石田様は禍々しい





「近づくなと言ったはずだ」
「っててて。俺じゃ無いっすよ!」
「では」
「我よ、三成」
「刑部か…何用だ?何故真田がいる?!」
「ひひひ。我は道案内よ」
「某は保護者でござる」
「?」
「いいいいい石田様!」
「な?!」
「お話よろしいですか?!!!!!」
「落ち着け、雪」
「だって兄様…すごく怒って」
「刑部!!!!!」
「やれさて。矛先はこちらか…左近」
「へいへいっと」
「真田も」
「佐助!行くぞ!!!」
「えー!?無理無理無理!!!こんな状況で雪ちゃん置いてけない!!」
「煩い!早く来い!!!給料減額されたいか!」
「理不尽!」
「ま、待て!おい!話が見えん!」
「わわわわわたしが」
「お、落ち着け!何を言っているのか皆目わからん!」
「石田様」
「頼むから落ち着いてくれ。その、だ。何かあったか?」
「…」
「どうした?」
「やっぱり石田様は優しい」
「っ!」
「石田様のこと誤解してすいませんでした…石田様?」
「な、なんでも無い!」
「あの…」
「ふ、不用意に近づくな」
「?!」
「す、すまん!そういう意味では」
「…うぐ…ごめんなさい」
「ま、待て!雪殿!!!…行ってしまった…」






「前途多難よの」
「見ている分には娯楽性が高いでござるがな」
「ひひひ。して、その左手で押さえている忍びはいかがいたしゃる?」
「よーくーもー!!!」
「五月蝿い!佐助!!!邪魔立てすると足腰立たぬようにするぞ!」

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