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変換なしの雑食夢

ran

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初恋の三成 2

「雪」
「あ」
「こんな所で何をして居る?」
「石田様ぁ」
「…」
「あの、ですね!今少し良いですか?」
「すぐに鍛錬場に向かわなくてはならない」
「そう、ですか」
「…」
「忙しいですものね」
「それは…」
「なら後で」
「…何だ?直ぐに終わる用か?」
「1分で終わらせます」
「なら良い。すぐ言え」
「!」
「おい」
「ありがとうございます」
「…早くしろ」
「あ、はい!此れを持ってきました」
「何だ此れは?」
「和紙です」
「そういえば、甲斐は有名だったな」
「石田様は良く書を認めると聞きましたので、昨日のお礼です」
「?」
「私の弓を褒めて下さいました」
「ああ。本当に思っていることを言って礼を貰う謂れはない」
「私にとっては凄く嬉しかったから良いのです!あ!」
「何だ?」
「一分!くらいかな?石田様、ありがとうございました!!!」
「お、おい!転けているぞ!」
「わー!見ないで下さい」
「おい!」
「あ、正確に言えば!」
「?」
「幸村兄様の信州土産です!それ!!!」
「…」







蹴つまずいて起き上がって急いで部屋に行く。佐助兄様は渡せたと呑気に聞いてくるから言われた通り言って渡せたよ〜と呑気に返しておく。但し、佐助兄様が悪い顔になっているのは見逃してはいない。
んーと一つ背伸びをして少し横になる。行儀が悪いと叱らないのは珍しいけど明日からはこの城で雑務をこなす様お館様に言われたのでゆっくり出来るのは今日だけだからかもしれない。



「幸村兄様は?」
「旦那はお館様に用だって」
「少し休んで良い?」
「寝てて良いよ」
「佐助兄様」
「ん?」
「何時になったら帰れる?」
「甲斐の城に?」
「ん」
「雪ちゃんが良い子なら直ぐ帰れるよ」
「…子供の時に佐助兄様がその台詞言って早く帰れた試しがない」
「そう?」
「当分ここかぁ」
「気に入らない?」
「時雨を走らせてやれない」
「さっき厩から苦情が来てたよ。時雨は気性荒すぎでしょ!」
「賢い良い子だから手抜きすると分かるの。ちょっと行ってくる」
「後にしなさい」
「えー」
「雪ちゃん、あんまり休んでないでしょ」
「だってー」
「語尾を伸ばさない」
「はーい」
「もう」





佐助兄様はそう言いながら掛物をしてくれるので大好きだ。
そう言えば、俺様もだよ〜と軽く言う。私は兄として二人を二人は妹として私を大事に思い合っている。きっと二人に良い人が出来たら妹として心配したり喜んだりする、逆なら二人がしてくれる。ただ、この感覚は他人には理解し難いらしい。あのお館様ですら何方が私を娶るのだ!といったものだから、100日程度お館様と話さなかった。随分とまぁ子供じみた事をしたものだけど。凄く腹立たしかったし、他の二人もそうだったらしい。お館様は機嫌を直せと色々してくれた様は思春期の娘の逆鱗に触れた父親の様だったと勘助が言っていた。血は繋がってはいないけれども、強い縁のある3人は実の血縁より、濃くて面倒てこんがらがった。武田家族なのだ。






「佐助兄様」
「んー…」
「いつ結婚するの?」
「俺様が結婚したら誰が世話すんの!今も繕い物の山だよ!!」
「あー」
「何?」
「父様はお館様で兄様は幸村兄様」
「俺様は?!」
「母様」
「雪ちゃん!!!」








三成の初恋 2




「時雨〜」
「雪様!」
「時雨によう言い聞かせてください!」
「時雨、暴れたらダメよ。ここはよその家だから。もう少ししたらお館様に言って外を」
「外を如何した?」
「?!」
「なんだ、その顔は」
「石田様は神出鬼没ですね!」
「私は必要あるところにしかいかん。ん?」
「私の愛馬です」
「…」
「(あの凶惶と雪様の時雨が睨み合っている?!)」
「(スッゲー!!!こぇ!!!)」
「ふん!」
「?」
「貴様には勿体ない馬だな」
「!」
「何だ?」
「そうなんです!時雨は怒りっぽいけど、足も速いし私の意志を直ぐ理解してくれるんです!賢くて最高の馬なんです!」
「そうか」
「でも名前の通りで厩が嫌いなんですよ…一箇所にいると凄く怒って」
「厩には入らないのか?」
「私の家では放し飼いでした。熊が来ても倒す様な子ですし」
「…真実馬か?」
「はい」
「…」
「石田様?」
「今度どうにか出来ないか聞いてやる」
「?!」
「何だその顔は」
「嬉しいんです!」
「…そうか」
「やった!聞いた?良かったね!!」
「其れとだ」
「?」
「手を出せ」
「?」
「やる」
「…?」
「私の故郷から送られてきたものだ。食べろ」
「では皆で」
「皆ではない」
「え?」
「おまえがだ」
「!」
「良いな。確かに渡したぞ」
「え?ああ!ありがとうございました」

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