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変換なしの雑食夢

ran

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日常 21

「やれ行ったか」
「手の掛かる」
「言うてやるな。佐渡」
「嫁入りの支度は私が責任を持っていたしますから」
「別に要らぬ」
「またあの子が何か言われたら…次に首を狙いますよ」
「構わぬよ。あれも今お灸を据えられるると聞く。」
「大体、梅とは何処の女子か…」
「ひひひ。主と一緒よ。しかも」
「…そういうことですか」






「治部様」
「相模?!」
「な、ぜ」
「お前を攫いに来ただけだ。」
「攫う?」
「正確には佐渡より奪還だ。なんと言っても会わせないからな。秀吉様の許可を得てお前を迎えに来た」
「だから…何故」
「私の妻にするために決まっているだろう!」
「っ」
「相模!」
「寄らないで下さい」
「何故だ!」
「あなた様にはもう既に相応しい方がいらっしゃると聞いております」
「いない」
「妹姫様が」
「あれは馬鹿なのだ!」
「…」
「泣くな。少し待て。証を見せる」
「?」
「梅!」
「はっ!」
「?」
「奥方様。お初にお目にかかります。梅と申します」
「え?」
「松!竹!お前たちも出てこい!!!」
「はっ」
「…」
「これらは私が子供の時からの忍びだ」
「殿、方なのですか?」
「…如何にも」
「私は女によく化けて御母堂様にお伝えしに参っておりましたから。妹姫が勘違いしたみたいです」
「妹姫様馬鹿なんですよね。こうと思ったら周りが見えないというか。あれで嫁げるのかね?」
「…北の方様が激怒していた」
「そうそう!もうみんなカンカンで!よーやく三成様が人並みになったと思ったのに」
「貴様ぁ!!!!その愚口を閉じろ!」
「ひゃ!そーやってすぐ怒るから奥方様も怯えて寝込むんだよ!」
「黙れ!!!!」
「ひひひ。はてさて煩き限りよな」
「刑部!!!こいつらを出したら相模が納得するのでは無いのか」
「納得というより説明が先よ。主らはさがりゃれ」
「へーい」
「…」
「梅、早くいかねぇと」
「申し訳ありません。…奥方様」
「は、い」
「この方はご存知の通り噓偽りが言えない方でございます。幼い時からの筋金入りです」
「ひひっ。ほんになぁ」
「ですから。奥方様にお伝えした言葉に嘘偽りはないので御座います」
「…」
「末長く、我らの主を支えてくださいますように」
「梅ぇ!!!」
「では」
「うちの殿様をよろしく!」
「…早く逃げるぞ」
「貴様等ぁぁ!!!」
「…」
「ひひひ。幼馴染というやつよ。久し振りよの。痩せたか?」
「…の、ようで御座います」
「梅を許嫁と思うておったのはあれのみよ。今、奉公に出してみっちりと鍛え直すことに相成った。あのまま、自分中心で生きて居れば何をしでかすかわからぬ故な。大人になって貰う」
「…はい」
「主も。何も案じることは無い。三成はやはり主が良いのよの。主も三成が良いのよの」
「はい」
「…ひひひ。なればいい。三成」
「っち!呼んだか?」
「早う相模を連れ去りゃれ。」
「勿論だ」
「っ」
「痩せたな」
「人が」
「ん?」
「誰かに恋をして死んでしまうなんて絵物語の中だけの話と思っていました」
「ああ」
「貴方が他の人と夫婦になると聞いた時、幸せのうちに死んでいればよかったと何度も思いました」
「もう、思わなくていい」
「治部様」
「行くぞ。」
「はい」







日常 20







「元鞘」
「煩い」
「別にあなた様に言っているわけではありません」
「…」
「刑部様。目録」
「あいあい…相模は如何か?」
「まだ寝させています。大分体調も戻りましたけどすぐ無理を致しますから」
「左様か」
「刑部。仕事を終えた。訓練に行く前に相模のところへ行ってくる」
「あいあい」
「起こさないで下さいませ」
「ぐ…」
「また熱が出たら困ります故」

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日常 20

「あー…佐渡君が本気で怒ってしまったかい」
「左様。賢人からも」
「無理だね。あの子はまだ、彼女の配下なわけだし。奪還するしかないよね」
「?!」
「刑部…用意を」
「あいあい」
「…すまん。話についていけないのだが。竹中様、奪還とは?」
「ああ。君は知らなかったね。三成君」
「大阪の侍女の八割は忍びだ」
「は?」
「秀吉様の衣食住を保つからな…当たり前の配慮だが佐渡はその頭でもある」
「僕が秀吉の右腕で三成君が左腕なら佐渡君は影だね」
「影?」
「それはそれは恐ろしい影だよ…三成君」
「は!」
「殺してはならないよ。相模君もそれは望んではいないだろうし。何より、佐渡君がより強硬になるからね」
「承知いたしました」
「ただむこうは殺す気だろうから、気をつけて」
「は!」
「…吉継殿」
「はてさて。いつもの事よ。何時もの、な」









「あーあ。始まっちゃった」
「これ。相模様に聞こえてはいけません。文官は此処でいるように申しつかっているでしょう」
「そうですけど…妹姫様のせいですよね」
「誰のせいというわけではないでしょうけど…言うなればそうね」
「侍女数百を統べる佐渡様の後継者最有力の相模様だから…武官の方はキリキリしているのよ」
「まぁそうね。相模様は如何?」
「千曲様が付ききりよ」
「黒田様も一緒らしいわね」
「ええ。盾にするって」
「…」




日常 20






「小生は部屋に入らんぞ!」
「当たり前よ。」
「…何かあったら言えよ」
「察してね」
「小生にか?!」
「まぁ当てにしていないけど。相模」
「…ん」
「起きたの?」
「ちくま」
「薬飲めそう?」
「うん」
「座らせるわよ」
「ありがとう…外」
「?」
「騒がしいわね」
「そう?」
「何かあった?」
「不運がいるわ」
「ああ。官兵衛様。…お入りくださればいいのに」
「今池に落ちたところよ」
「ふふふ」
「小生は気にするな。…光。近いぞ」
「あら、もう?」
「ああ」
「?」
「小生は此処にいるがなぁ。おい相模」
「はい」
「お前も大切にされてんな」
「え?…ええ」
「存外、悪い話じゃねぇかもな」

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日常 19

「会えぬのか」
「…」
「左様か。…ここに来て菖蒲とはな。あれは相も変わらず、爆弾よ。爆弾」
「母上の手紙にも菖蒲が一人で勘違いしていると書いてあった。止めたのだが、止められなかったと。」
「であろうな。兄上殿の使者も来たが…時すでに遅しよな」
「…泣かしてしまった」
「致し方ない。妹姫の反対は相模が恐れていたそのものであったからなぁ…」
「佐渡は?なんと言っている?」
「相模が万を可愛がっていたようにあれは相模を可愛がっていたからな…中々」
「行ってくる」
「我も行こう」










あの後、高熱を出してしまった私は祐筆部屋には行けず日がな自室で寝ている。もう、6日にもなるのだろうか。己がこれほどに弱いとは思わなかった。




「水しか飲んでいないじゃない」
「欲しくないの」
「駄目よ、少しは食べないと」
「ねぇ、千曲」
「ん?」
「光って呼んでいい?」
「じゃあ私もりくね」
「ふふふ。ここに上がってきた時のことを思い出すわ。貴方は侍女の見習いで私は下女だったのを佐渡様に引き抜かれてここに来たのよね」
「ええ。びっくりしたけど直ぐに理由はわかったわ。貴方は全部一回で覚えてしまうもの」
「ふふふ。一生懸命だったのよ。だぁれも友達になってくれなかったのに貴方だけは違ったわ」
「そう?」
「何で?」
「んー?何でだろう?普通に友達になりたいと思ったのよね。案の定面白かったし」
「ええ」
「花摘みにいって毒草摘んで行った時なんて二人してこっぴどく怒られたわよね」
「畑に行って泥だらけにもなったわ」
「文字を真似て書いてずる休みした時は死んだと思ったものね」
「佐渡様が鬼のようで」
「いっぱい笑って楽しい少女時代だったわ」
「ん」
「りく」
「ごめんね」
「泣きな。今は相模でもなければ千曲でもないのよ」
「う、ん」
「りく…」
「妹姫様に、ね」
「うん」
「何処の馬ともわからない女って言われちゃった」
「は?!」
「梅様っていうちゃんとした許嫁も居るって」
「何、それ!」
「私、もう死んじゃいたい」
「りく…」
「自分の立場もわきまえず…喜んじゃって馬鹿みたい。でもね」
「…」
「すごく好きだったの。…本当に好きになってしまったの」
「ええ…ええ。知っているわ」
「こんな事なら、恋なんてしなければよかったわ」
「そんな悲しい事言わないで」
「昔に戻りたい」
「っ」






日常 19







「すまぬが、相模に取次を頼む」
「申し訳ありません。佐渡様からきつく言付かっております。相模様の取り次ぎはお受けできません」
「ひひひ。熱を出しておると聞いているからなぁ。ただの見舞いよ見舞い」
「それでも…千曲様」
「下りなさい。刑部様。申し訳ありませんが相模は今人に会える状態ではありません」
「…真逆」
「相当ショックらしくて。ずっと泣いているのですよ。」
「左様か…あれはあの娘の勘違い故。皆、あの娘と一緒の考えではないのだが」
「そう、でございますか。治部様は?」
「あれも食わぬし寝もしない。ここに来ると言っているが暴れては困るからなぁ。われが来ている。はてさてどうしたものか。」
「梅様は?」
「梅か?あれこそ勘違いよ」
「勘違い?」
「あれは…佐渡か?」
「お引取りを。千曲も。仕事に戻りなさい」
「ひひひ。これは、お冠よな」
「…刑部様」
「また来る。…相模を頼むぞ」
「言われるまでもありません」

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日常 18

「相模」
「はい」
「…呼んだだけだ」
「?」
「(お花畑の様よ…)」
「お茶を置いておきます。御用が御座いましたらお呼び下さい」
「?!」
「ああ、そうよ。相模。」
「はい」
「我は一旦太閤にこれを持っていく。主は三成が休む様に見張りゃれ」
「な?!」
「最近寝ておらなんだだろう?少し休息を取りゃれ」
「あいわかりました」
「ひひひ」
「ぎょ?!刑部!!!」





パタリと障子が閉められる。刑部様が気を利かせてくださったのだろうけど、私としては気恥ずかしくていけない。ちらりと治部様を見るといつもの顔色より赤みがさしていた。あれからまともに見ていないから矢張り気恥ずかしくていけない。



「お、い」
「ふふふ」
「何だ?」
「気恥ずかしくて」
「…ば、かを言うな」
「だって」
「珍しいな」
「?」
「恥じらう様だ」
「あら、私にも恥じらいはありますよ」
「くくく」
「治部、様?」
「抱きしめるだけだ」
「ふふふ」
「婚礼は来月と聞いている」
「嫁入り支度も大層にはできなくて…お恥ずかしい話です」
「私が急かしたからな。結納もすっ飛ばした。…側室をあげるようだと叱られてしまった。その、だ」
「?」
「心を害してはいないか?」
「ええ」
「嘘を言うな」
「本当で御座いますよ。お城に詰めることも身内が貴方様の力になることもできない私が貴方様の妻となること自体、有難い話なのですから」
「詰められないのは私の我が儘だ。お前が気にやむ話ではない。」
「ふふふ」
「相模…」
「?」
「(わかっていないか?…まぁいい。それはそれで)」








「兄様!」
「?!」
「まぁ!この昼日向から!!!」
「菖蒲…貴様」
「治部様?」
「っ…これは私の末妹の菖蒲だ」
「これは。治部様付きの相模と申します」
「くだらない」
「菖蒲!それが目上の者に対する態度か!」
「兄様。私、侍女ごときに下げる頭など持ち合わせておりません」
「な?!」
「恐れ多くも太閤殿下の左腕たる兄上が娶るのが…何処の馬ともわからぬ侍女何て!母上様もお嘆きですわ!」
「…」
「貴様がとにかく言う台詞ではない!今日は何の用だ!」
「兄様始め皆をたらし込んだ女の顔を見に来たのです。…そうしたら昼日向から!!!恥を知りなさい!」
「菖蒲!!!」
「姫様。」
「何?」
「…申し訳ございません。」
「?!」
「ふん!」
「代わりの侍女をつけます。少しお待ち下さい」
「早くして!」
「ま、相模!」
「治部様」
「兄様や父上様の話はあてにならないわ。顔も言うほどではありませんし。これなら梅姉様方がずっと綺麗でお似合いでしたわ」
「おい!」
「梅…様?」
「あら、知らないの?兄様の許嫁。才色兼備で武家の出なの。貴方のような侍女が逆立ちしても勝てはしないわ!」
「菖蒲!!!」
「本当のことでしょ?!寺に入ってからのやり取りしていたくせに!!!」
「それを今言う必要が何故ある?!」
「梅姉様が正室になるべきと母上様は仰っておりますのよ!佐和山の城の勝手もよくご存知ですわ!こんな女より」
「何も知らぬくせに!黙れ!!…相模?」
「そう、で御座いますね。」
「お、い」
「姫様。」
「何よ!」
「有難うございます」
「?」
「大切なお話をお聞かせくださいました」
「おい!」
「治部様。」
「話を…相模?」
「失礼致します」
「お、おい!待て!!!」
「兄様!何処においでになるおつもりですか?」
「離せ!」
「離しません!兄様に母上様からの書状でございます」
「あとで読む!相模!!!」
「っ」
「相模ぃぃぃ!!!」






日常 18







「あら、相模」
「千曲」
「今、治部様の妹姫様が行ったでしょ?彼の方、治部様より鬱陶しいのよね。私苦手だわ」
「ちく、ま」
「え?!あら!やだ如何したの?!!」
「千曲、今日の…あら。如何したの?相模???」
「佐渡様。急に…貴方菖蒲様に何か言われたの?」
「…如何いうことですか?」
「今、治部様の妹姫様がいらっしゃっていて」
「彼の方ね…相模」
「はい」
「可哀想に。貴方がこんなに泣く事は一度も見たことないわ。…部屋にいなさい。千曲。貴方も。」
「はい」
「いいえ。申し訳ございません。もう、大丈夫です」
「でも…」
「千曲。驚かせてごめんなさい」
「大丈夫って貴方…」
「…小瀬を呼んで。今日から奈良崎と共に治部様につくよう言って。貴方は祐筆の手伝いをなさい。」
「はい」
「いなくなってはだめよ」
「!」
「私はそれを許しません」
「…わかり、ました」

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日常 17

「外堀から埋められる感じは如何かしら?」
「千曲」
「意外と悪い気はしない?」
「罪悪感にかられそう」
「そう?案外楽しげだけど」
「だって私が怒りながら否定するものではないでしょ?」
「ふーん」
「?」
「私としてはあなたがそう頑なに否定する要因は何かしらと思って」
「…」
「嫌いなの?」
「まさか、そんな訳!…って貴方」
「何?」
「はぁ…貴方がそういう性格だから一緒にいて楽しいのよね」
「うふふ。まぁ私だけなのだから本心言いなさい」
「言わない?」
「悪いようにはしないわ」
「完全に悪者のセリフよ…そうね。ええ。お慕いしているわ。」
「ふふふ」
「でも結婚になると…其れこそ殿下の左腕たるかたなのよ。私のせいで」
「それはないわね。太閤殿下の一兵卒なら彼、満足するでしょ?出世なんて興味ないもの」
「でも」
「でもも杓子もないわ。」
「千曲」
「うちの不運も一緒だけど!明日ここで笑っていてくださるかそれすら分からないのよ!」
「っ」
「相手は武士で誰よりも何よりも先陣を駆ける治部様なのだから」
「…一つ聞いていい?」
「何?」
「貴方は寂しくない?」
「あの人が死んだら一回生き返らせて私が殺すって言ってる」
「過激ね」
「泣いている私に殺されて自分のやった事を後悔しろってね。ふふふでもね」
「?」
「あの人と私の子供を。あの人の血を。如何にか次の世に紡ぎたいって思っちゃったのが運の尽きよ。」
「こ、ども?」
「ええ。あの人の死を終点にしたくはないもの。次へ続く点に。紡ぐことが誰に言われた訳でなく私がしたいと思ったから嫁ぐのよ」
「…」
「ま、貴方がうんと言わないと自然と終点になるみたいね」
「千曲」
「ん?」
「私、」
「ほら、立って」
「っ」
「言うことは?」
「彼の方の命を紡ぎたい」
「ええ」
「私は弱いから。結局邪魔になると思うけど」
「其れは治部様が決めることよ」
「そばにいて良いのかしら」
「ええ。当たり前よ」
「…」
「泣くな。あぁもう。私に言わないで本人に言いなさい」
「千曲」
「何かあったら私が匿ってあげるから。ほら、行って」








日常 17








「刑部…ここはこのままでいけば良いか?」
「ん…そうよな。」
「ん?」
「なんぞ騒がしいなぁ」
「左近!」
「あー!!!三成様いた!」
「何の騒ぎだ!」
「やれ、如何…ひひひ」
「刑部?」
「あちらで人探しをしりゃるのは相模よな」
「?」
「ひひひ」
「相模様!こっち!こっち!!」





「治部様」
「相模」






「ひひひ、行きゃれ。」
「すまん」
「早う赤子の顔を見せりゃれ」
「っ」
「治部様!」
「相模。…落ち着け。汗が」
「こんなに、はしっ、た」
「ああ。お前らしくない…こちらを見ろ」
「…」
「覚悟はできたか?」
「あなた様は?」
「私は早く来い言っていただろう」
「本当に」
「…」
「私は弱くてあなた様にとって良い妻で居られるかすら解りません。ですが、貴方の命を紡ぎたい」
「!」
「治部様」
「何も言うな」
「は、い」
「傍に居ろ。拒否はゆるさん」





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