忍者ブログ
変換なしの雑食夢

ran

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

日常 18

「相模」
「はい」
「…呼んだだけだ」
「?」
「(お花畑の様よ…)」
「お茶を置いておきます。御用が御座いましたらお呼び下さい」
「?!」
「ああ、そうよ。相模。」
「はい」
「我は一旦太閤にこれを持っていく。主は三成が休む様に見張りゃれ」
「な?!」
「最近寝ておらなんだだろう?少し休息を取りゃれ」
「あいわかりました」
「ひひひ」
「ぎょ?!刑部!!!」





パタリと障子が閉められる。刑部様が気を利かせてくださったのだろうけど、私としては気恥ずかしくていけない。ちらりと治部様を見るといつもの顔色より赤みがさしていた。あれからまともに見ていないから矢張り気恥ずかしくていけない。



「お、い」
「ふふふ」
「何だ?」
「気恥ずかしくて」
「…ば、かを言うな」
「だって」
「珍しいな」
「?」
「恥じらう様だ」
「あら、私にも恥じらいはありますよ」
「くくく」
「治部、様?」
「抱きしめるだけだ」
「ふふふ」
「婚礼は来月と聞いている」
「嫁入り支度も大層にはできなくて…お恥ずかしい話です」
「私が急かしたからな。結納もすっ飛ばした。…側室をあげるようだと叱られてしまった。その、だ」
「?」
「心を害してはいないか?」
「ええ」
「嘘を言うな」
「本当で御座いますよ。お城に詰めることも身内が貴方様の力になることもできない私が貴方様の妻となること自体、有難い話なのですから」
「詰められないのは私の我が儘だ。お前が気にやむ話ではない。」
「ふふふ」
「相模…」
「?」
「(わかっていないか?…まぁいい。それはそれで)」








「兄様!」
「?!」
「まぁ!この昼日向から!!!」
「菖蒲…貴様」
「治部様?」
「っ…これは私の末妹の菖蒲だ」
「これは。治部様付きの相模と申します」
「くだらない」
「菖蒲!それが目上の者に対する態度か!」
「兄様。私、侍女ごときに下げる頭など持ち合わせておりません」
「な?!」
「恐れ多くも太閤殿下の左腕たる兄上が娶るのが…何処の馬ともわからぬ侍女何て!母上様もお嘆きですわ!」
「…」
「貴様がとにかく言う台詞ではない!今日は何の用だ!」
「兄様始め皆をたらし込んだ女の顔を見に来たのです。…そうしたら昼日向から!!!恥を知りなさい!」
「菖蒲!!!」
「姫様。」
「何?」
「…申し訳ございません。」
「?!」
「ふん!」
「代わりの侍女をつけます。少しお待ち下さい」
「早くして!」
「ま、相模!」
「治部様」
「兄様や父上様の話はあてにならないわ。顔も言うほどではありませんし。これなら梅姉様方がずっと綺麗でお似合いでしたわ」
「おい!」
「梅…様?」
「あら、知らないの?兄様の許嫁。才色兼備で武家の出なの。貴方のような侍女が逆立ちしても勝てはしないわ!」
「菖蒲!!!」
「本当のことでしょ?!寺に入ってからのやり取りしていたくせに!!!」
「それを今言う必要が何故ある?!」
「梅姉様が正室になるべきと母上様は仰っておりますのよ!佐和山の城の勝手もよくご存知ですわ!こんな女より」
「何も知らぬくせに!黙れ!!…相模?」
「そう、で御座いますね。」
「お、い」
「姫様。」
「何よ!」
「有難うございます」
「?」
「大切なお話をお聞かせくださいました」
「おい!」
「治部様。」
「話を…相模?」
「失礼致します」
「お、おい!待て!!!」
「兄様!何処においでになるおつもりですか?」
「離せ!」
「離しません!兄様に母上様からの書状でございます」
「あとで読む!相模!!!」
「っ」
「相模ぃぃぃ!!!」






日常 18







「あら、相模」
「千曲」
「今、治部様の妹姫様が行ったでしょ?彼の方、治部様より鬱陶しいのよね。私苦手だわ」
「ちく、ま」
「え?!あら!やだ如何したの?!!」
「千曲、今日の…あら。如何したの?相模???」
「佐渡様。急に…貴方菖蒲様に何か言われたの?」
「…如何いうことですか?」
「今、治部様の妹姫様がいらっしゃっていて」
「彼の方ね…相模」
「はい」
「可哀想に。貴方がこんなに泣く事は一度も見たことないわ。…部屋にいなさい。千曲。貴方も。」
「はい」
「いいえ。申し訳ございません。もう、大丈夫です」
「でも…」
「千曲。驚かせてごめんなさい」
「大丈夫って貴方…」
「…小瀬を呼んで。今日から奈良崎と共に治部様につくよう言って。貴方は祐筆の手伝いをなさい。」
「はい」
「いなくなってはだめよ」
「!」
「私はそれを許しません」
「…わかり、ました」

拍手

PR