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変換なしの雑食夢

ran

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月子の話 6

「ヴォルフ」
「なーに?」
「貴様」
「しー!月子起きちゃうよ」
「馴れ馴れしく名前を呼ぶな」
「えー…月子は月子じゃない」
「そうだが。呼ぶな」
「理不尽」
「うるさい黙れ」
「んー…?」
「月子」
「…ルート、さん」
「起きろ」
「ん」
「上で良い…何だヴォルフ」
「ルー君優しい」
「あぁ?」
「重くないの?」
「重くない」
「ふーん」
「ではな。月子」
「(ピー)は?したの?」
「な?!」
「あー!ルー君真っ赤」
「ううううううう煩い!」
「かっわいー」
「よ、用がないなら行くぞ!」
「紳士だねぇ」



目が覚めたとは言いづらい。おのれ、モツさん!紳士でシャイなルートさんを煽るなよ

そう思いつつもルートさんは私に触れない。髪を撫でるくらいか?キスも頬どまりだし。3ヶ月。小学生の方がもっと進んでるわ、と思いつつこれはこれで良いかなと思う自分もいる…いや、寂しいのが勝ってるけど。
ルートさんはどう思ってるだろうか。




「月子?」
「?」
「目覚めたのか?」
「モツさん、煩いもの」
「寝るなら自室で寝てくれ。」
「つい。ごめんなさい…ルー…」
「聞いたのだろう?」
「?」
「そ、のだ」
「あ!…聞いたけど。というかモツさんいつもあんな感じでしょ?」
「む…」
「無理にルートさんが合わす必要は」
「違う!」
「?」
「お前が、そのだ」
「私?」
「恐ろしくないと、思うまでは…手を出さない」
「…は?」
「あの婚約者のこともある。」
「ちょ?!」
「何だ?」
「私はルートさん恐ろしくないよ」
「?!」
「何でそうなったのか知りませんが!怖いと思ったことない」
「そう、か」
「はい!」
「…月子」
「は、い?」
「すまん」
「る、ー」
「止めてやれんぞ」
「ひゃ」






どうしてこうなった?!








「どうした?」
「い、や」
「どこが痛いのか?!」
「いやいやいやいや!何処に行く気?!」
「医者に」
「いやー!!!やめて!ストップ!ステイ!」
「だ!が」
「あなたが盛っただけでしょ!」
「ぐ…」
「腰は痛いだけだから。落ち着いて!」
「すまん」
「ルートさん」
「ん?」
「ん!」
「…?」
「おい!一人寝させる気か!」
「?!」
「何で逃げるよ」
「い、や」
「恥ずかしがるとこ違う…まぁいいや。一人で寝る」
「!?」
「(結局来るんだ)ルートさん」
「ん?」
「ふふふ」
「笑うな」
「意外と筋肉質だなぁと」
「お前は柔らかい」
「なんか腹立つわ」
「?」
「ふふふ」
「ん?」
「女心わかってないルートさん好きよ」
「ふん!」
「まぁ何でもいいけど…あれ」
「?」





「あの女!先輩にあの言いよう!万死に値する」






「出歯亀はいやかな」
「…貴様!!!!!」









月子の話 6

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月子の話 5

「ルー…」
「起きたか?」
「ん。ルートさんは?」
「?」
「何でここに?」




目が覚めたら自分の部屋で。なぜかルートさんがいる。今何時だ?と思いつつも目覚めて一番最初にルートさんって言うのは好ましい話かもしれない。色素薄いくせに自己主張は激しいんだよね。





「ソファーで寝ていたから連れてきた」
「ありがとう」
「手を離さなかった」
「ありゃ」
「あんなところで寝るな」
「だって」
「だって何だ?」
「ルートさんの音楽が聞こえてたんだもの」
「っ」
「良い声ね」
「なっ?!それをいうなら、お前こそ」
「ありがとう」
「…」
「?」
「月子」
「はい」
「何故、私の前に現れた?」
「?」
「お前が現れた時から私は暗闇に立たされたしがない男に成り果てる。心のざわめきも嵐のようにやってきて私の心を苦しめる。なのに、」
「ルー…」
「お前に触れると、声を聞く、髪に触れる、いや。共にあるだけで美しく晴れた日の田園にあるが如く。俺の心は満たされる。…月子」
「はい」
「あ」
「?」
「愛している」
「?!」
「Meine Göttin」
「ルートさん」
「…」




顔に触れる。怒られた子犬みたい。怒ってもないのに。苦悶し過ぎ。本当に告白してるつもりかしらと言いたくなるもののやめにしておこう。野暮だし。私の矜持に関わるわ。

頬にキスを落とす。見開かれた翡翠の瞳がとても綺麗だからついつい瞼にもキスをしてしまう。




「な?!」
「これを運命と言うのでしょうね」
「月、子」
「私が、あなたに与える苦しみも喜びも痛みも怒りも悲しみも。全てあなたの喉元を締める運命ならば。あなたはそれに立ち向かって、糧にして。全て音楽にかえてしまうのでしょうね。」
「…」
「例え、私がそれを厭い、苦しみ、涙してもあなたは決してやめることはしないわ。」
「そう、かもしれん」
「そう、なのよ。それがあなただもの。そして」
「月子」
「音楽そのものであるあなたの生み出す音に。あなたの血肉になるのならば。私は喜んであなたにこの身を捧げるわ」
「っ」
「愛してる。よく知りしないのに。強情で癇癪持ちなのに。」
「ぐっ」
「私にだけ優しいあなたを私は愛しているわ。」










と言うことがありましてとりっちゃんさんとのティータイムに伝えると思いっきりお茶を吐き出していた。




「な?!え!」
「運命って怖いわ」
「良いの?!あの男!働いていないわよ!」
「良いのよ。」
「よくないでしょ」
「ふふふ。養えない甲斐性なしだと思う?」
「あなたのそう言うところ好きよ」
「ま。相変わらずああ言う人だから」
「(ピー)とか相性は?」
「歌苗がいないとグイグイ来るわね。」
「当たり前よ。で?」
「知らないわ」
「?!」
「そこも好きなのよ。」
「シャイだものね。」
「ええ」
「…ふーん」
「?」
「愛ね」
「そうかもね。あら」
「?」
「コーヒー美味しい」
「そう?」
「?」
「あ、そう言うことね」
「ルートさん…覗いてたのね」
「あなたの飲み物はあいつが淹れたのよ」
「ふふふ。」
「重いわね」
「わかってるから良いのよ。ありがとう、ルートさん」







月子の話 5

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月子の話 4

「…」
「…」




隊長!寝ている月子ちゃんをルー君が発見しました。






「寝て、いるのか?」






きょろきょろと周りを見渡して、ため息をつく。ライダースジャケットを脱いで掛けている様なんてあの短気で頑固なベトさんから想像出来ないほど優しくて、気持ち悪い。






「…」
「風邪をひくか」





もう一度言う。優しくて気持ち悪い。横にいるシューさんは嫉妬で恐ろしい形相になっているし誰得のデバガメだよ。




「む」
「ん」
「おい」
「んー…」




ため息をついてソファーの下に座る。言っておくが此処はベトさんの部屋でも月子さん部屋でもなく共同スペースである居間だ。リア充爆発しろ。





「…」
「…」




先輩の子守唄だとと禍々しいシューさんを横目にパット君は「第九ですね」と説明する。鼻歌かよ。ムジーク出せよ。





「…るー…と、さん?」
「?!」
「だ、いくだぁ」
「あ、ああ」
「もっと」
「?!」



ああ、そのセリフはダメだ!男の理性が試される!
月子さん魔性すぎっしょ!そう言えばリストさんは押し倒しちゃいなさいよと興奮している。ある意味怖い。




「月子」
「?」
「運んでやる」
「んー…」
「触るぞ」
「ん」





お姫様抱っこかよ!いいなおい!様になるやつは!




「るー、としゃん」
「寝ていろ。」
「ん」
「…」
「…」





恭しく運ぶ様はまさに王様だ。擦り寄る月子さんのせいで顔真っ赤なのはお愛嬌としても絵になるなぁ。






「このまま押し倒しちゃうかしら?」
「えー。ルー君には無理だよ」
「死んでも無理そう。」
「そうよねぇ」
「お祖父様も孫の顔見れたらそれでいいみたいだし。」
「まぁ!」
「あの女ぁ!!!!」
「ちょ!五月蝿い!」




「にしても降りてこないわね」
「「「「…」」」」





「私夕飯の買い出し行ってくる」
「手伝うわ」
「あ!僕も!」
「俺も行く!」
「さぁいくわよ」
「先輩ー!!」








月子の話 4

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月子の話 3

「…だ、れ?」
「う、あ!ちょっちゃんさん」
「え?!あ…ひっ?!」
「爪、割れて」
「血?!」
「絆創膏を…探してたので。…ごめんなさい」
「?」
「知らない人怖いのに。部屋に」
「ま、って」
「?」
「手伝う、から」
「あ」
「…」
「っう」
「ご、ごめん」
「い、え」
「…出来た」
「あ」
「薬。塗ったから」
「…」
「?」
「ありがとうございます」
「?!?!?!!」








ってな事があったらしく、ちょっちゃんさんが妙に月子お姉様を怖がらない。そして




「ルー君」
「…なんだ。ヴォルフ」
「こーんな顔してたら怖いって」
「黙れ」
「月子ちゃんに嫌われちゃうよ」
「…黙れ」






ご機嫌が最悪なベトさんが居る。月子お姉様は気がついていない。一族の中で一番しっかり者で最大級の鈍感と定評のある人だ。気がつくはずもない。
ベトさんはどうやら月子お姉様を好きらしい。三味線を聞いてからよく近くに陣取って居る。私の時にはしない手伝いまでして居る。マジでなんだったんだよあの告白。
その状況を誰よりも楽しんで居るりっちゃんさんが直球勝負で月子お姉様に「付き合ってるの?」と聞いてみたらキョトンとしていた。それも可愛かったのだろう。顔が真っ赤になって悶えていた。マジでなんだったんだよ。
月子お姉様いわく「あの脂ぎったの思い出すから嫌」との事。おい、よく聞けよ。悶えるところではない。マジで(以下略)





「爪」
「ありがとうございます。もう大丈夫です」
「洗い物」
「手袋してるから」
「…痛くない?」
「ふふふ」
「?」
「本当に…ん?」
「ひっ」
「代わる」
「ルートさん」
「貸せ」
「あの」
「…何だ?」
「割らないでね」
「知らん」
「ふふふ」






割り込むベトさん。逃げ出すちょっちゃんさん。勝負あったわねと笑うリストさん。確かに。ただし、勝負にすらなっていないと思う。




「割らなかったぞ」
「流石ルートさん」
「…」
「ん?」
「Meine liebe Frau.」
「???」



「「「?!」」」
「え?!どういう意味?」





「ルートさん?」
「何だ?」
「ドイツ語?」
「そうだな」
「わかる言葉で言って下さい」
「そのうちだ」
「?」
「今はこれでいい」
「???」






月子の話 3

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月子の話 2

「歌苗。おはよう」
「お姉様?」
「月子って呼んで」
「月子お姉様」
「もー!」
「いや、それより」
「?」
「朝ごはん作ってくれたの?」
「うん。あ!朝パン派?パン見当たらなかったから」
「違う!」
「嫌いなものあった?」
「違うのぉ」
「嬉しいのよね。子猫ちゃん」
「あらりっちゃん。おはよう。嬉しいって?」
「朝からぁ」
「ふふふ。これから無理な時は頼むけど朝くらいは私が作るわよ?ほらお弁当も作ったから。早く食べなさい。ね?」
「ありがとう」




めっちゃ可愛い!姪ラブ。顔に出ていたらしくりっちゃんに愛ねと言われたので激しく同調する。姉さんもお義兄様も。こんな可愛い子にくろばかりかけて。
そう思いながらご飯をよそう。いつもより美味しいというピンク頭を威嚇しつつ(歌苗の食事が一番だ)賑やかな食卓を楽しむ。本当こういうの久しぶりだわ。



「月子お姉様」
「ん?」
「これから」
「仕事はここでもできるから落ち着くまでお家賃払います。取り敢えず1年分昨日振り込んだから確認して」
「いち?!」
「月子ちゃん凄く金持ちなの?」
「働いてるから、それなりに。」
「何をなさっているのですか?」
「月子お姉様は」
「秘密よ秘密!歌苗」
「ごめんなさい」
「ぶー!狡い」
「ずるくないわよ。私はここに仕事できてるんじゃないの。かわいい歌苗を愛でるために来てるんだもの」
「愛ねぇ」
「愛よ」
「演奏家だろう」
「へ?」
「指にたこが出来ている」
「あ?!あー…おかわり入ります?」
「貰う」
「演奏家?」
「何何何?!なに弾くの??!ヴァイオリン?フルート?」
「三味線」
「三味線?」
「趣味でね」
「趣味?」
「趣味じゃないでしょ?」
「んー」
「弾いてみろ」
「そのうち、ね」
「何故だ!」
「ちょっとベトさん!」
「今は少し怖いから。」
「怖い?」
「そっ。ごちそうさま。食べ終わったら流しにだけ持って行って。歌苗。早く行かないと遅刻」
「え?!あ!」
「私部屋の片付するから。またお昼ね」
「な?!おい!」






食器を持って台所に向かうと後ろからけたたましい音がする。何事?!と振り返れば恐ろしく姿勢の良い男がこちらに向かってくるので喉が変になってしまう。食器置いた後でよかった。びびって落とすとこだったわ。何?と尋ねても翡翠色の目が私を睨む。視線で背が縮むだなんて知らなかったわ。





「おい」
「は、はい」
「俺、は」
「?」
「その、」
「???」
「シャミセンを聴いてみたい」
「…は?」
「…」
「…」
「…」
「ふっ。くくくっ」
「何が、可笑しい?」
「だっ、て」
「未知なる音が有るのなら聴きたいと思うその欲が罪というのか?いや、そうではないだろう!聞ける」
「長いし、くどいし…意味、わかんない、し」
「何?!」
「…」
「なんだ?」
「聴きたい?」
「そうだから言っている!」
「…馬鹿馬鹿しくなっちゃった」
「何がだ!」
「父に結婚したらやめろって言われて。趣味がたまたま当たっただけでのぼせあがるなって」
「そうか」
「確かに調子に乗っていたのね。その程度でいじけて」
「いや…おれに経験がある」
「そう。でも」
「?」
「好きなのね。」
「…は?」
「だからここに来たのよ。色々理由つけてたけど」
「なっ?!は!」
「ベトさん?」
「…ルードヴィヒだ」
「ルートさん」
「なんだ。」
「三味線、聞く?」
「ああ」
「なら聞いてちょうだいな。」













「ベートーベン先輩!」
「ルー君顔真っ赤」
「私に告白したくせに」
「…あれは」
「愛、ね!」





月子の話 2

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