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変換なしの雑食夢

ran

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純白の悪女 次元

「寝てるのか?」




寝息も立てず、微動だにせず。ソファに転がっているこいつを見て一瞬息を飲んだ。死体は見慣れているはずなのに…と苦笑しつつも息をしているか否かを確認してしまう。




「ん…」
「わりぃな。起こしたか?」
「?」
「寝てたぞ」
「えー…ああ。みたい」
「?」
「寝落ち久しぶりだもの。でも、縫製すんだよってルパンさんに言っておいて」
「ああ。」
「次元さん」
「ん?」
「また銃撃戦?」
「わかるか?」
「硝煙の匂い。」
「ああ」
「あなたの匂いは硝煙と煙草とアルコールね」
「酷えな」
「?」
「バーボンにかえてくれ」
「ふふふ」
「起きるのか?」
「ええ」
「寝てていいぞ」
「嫌」
「可愛くねぇな」
「可愛い人も居るでしょ?」
「あ?」




さてとと言いながら立ち上がるのを制してソファに戻す。少し困ったような顔をするのを無視して髪を梳くとはにかみながら、少し遠慮しながら笑うものだからついつい俺も笑ってしまう




「コーヒー淹れようかと思ったのよ」
「しらね」
「酷くわがままな人」
「知らなかったか?」
「知ってた」
「でだ」
「?」
「可愛い人って誰だぁ?」
「え?ああ。…そこ?」
「そこって言っても重要だろ?」
「そうかなぁ」
「当たり前だ」
「次元さん?」
「もうちっと。わかりやすく嫉妬してくれりゃ俺も揶揄いがいがあるんだけどもな」
「ふふ」
「此処で笑うか?」
「だって」
「おい」
「次元さん。私の名前知らない癖に」
「知ってるよ」
「嘘」
「もう3年だ。覚えてねぇ方がおかしいだろ?」
「おかしくないよ」
「…此処までくりゃ可愛いのを通り越して腹立ってくるな」
「?」
「聞いてるか?」
「だって、あなたが言ったのよ?本気じゃない。本気になるなって」
「…言ったか?」
「言った」
「…で、それを鵜呑みにしたのか」
「素直だもの」
「女の嘘はアクセサリーだぜ。振り回してなんぼだろ?」
「それは不二子さん担当。私には無理」
「ちげぇねぇ」
「次元さん?」
「凛」
「…」
「(絶句してやがる)おい」
「え?あ!」
「…」
「離して!」
「く、くくく」
「笑わないで!もう!!!不意に来るから」
「可愛い奴」
「次元さん?!」
「散々振り回したんだ。覚悟しろ」
「え?!まっ!」
「悪い女だ」









純白の悪女

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純愛 3

「初様はお可愛そうですね」
「?」
「あの、刑部様の侍女だなんて」
「…」
「お止めなさい…初、落ち着いてね」
「この娘は何も知らないのですから」
「?知っておりますわ。あの包帯の下には醜い皮膚が有るのでございましょ?嗚呼、恐ろしい」
「…」
「これ!」
「は、初」
「言いたい事はそれだけですか」
「いいえ。それに酷く恐ろしい性格だとか。そのせいで何人もの…っん!」
「で?」
「ははははははつ?!」
「その手を離して!」
「…他にその汚らしい口で何を語るか見ものですわ」
「うぐっ」
「島様を呼んできて!」
「医師も!!!」
「ふふふ。…初期教育で聞きませんでした?」
「わー!」
「早く!」
「あの方は私のかけがえの無い方。仕えるのは至高。私の宝を汚したのです。覚悟は出来てますね」












「で、一方的に打ち捨てたと」
「何か問題でも?」
「殺せばよかったのだ」
「島様に止められました」
「何?!」
「着物全部ひん剥いて木に吊るそうとしたら誰でも止めるって…」
「嫌だって。人様のこというのですからどれ程のものかと。」
「怖っ」
「見苦しい」
「三成様まで」
「最初にこれの事は周知されているのに忘れるような愚か者だ。仕方ない」
「ですけど」
「なんだ?」
「相手女の子っすよ」
「男尊女卑です」
「…違う気が」
「あの方より尊い方は居ないのです。師匠なら誰も止められませんよ」
「当たり前だ。塵芥を塵芥に戻して何が悪い」
「もー!」

「やれ入る」


「刑部か」
「ひひひ。居ったなぁ。」
「初ちゃんに用っすか?」
「?」
「また輩を痛めつけたか?」
「因果応報でございます」
「にしても苛烈よ…三成?」
「私なら頸いている」
「さよか…はぁ。本にぬしらは手がかかる」
「?!」
「初?」
「申し訳御座いません」
「ひ、ひひひ」
「刑部」
「ぬしの澄まし顔以外を初めて見たわ。」
「悪い癖だ」
「???」
「やれ、すまぬ。どうせまた我の事よの」
「…」
「裸に剥いて吊るしあげようとしたんっすよ」
「し、島様?!!」
「ひ、ひひひひひひ」
「も、申し訳御座いません!」
「や、れ。構わぬ。」
「刑部様」
「本にぬしは…不思議な女よ」
「?!」

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純愛 2

「失礼いたします」
「やれ、何用よ」
「包帯を替えまする」
「ひひひ」
「?」
「ぬしも誠不幸よの」
「?」
「はてさて、侍童にでもさせればよかろう」
「…」
「初」
「これは私の仕事でございます」
「ぬしもこの様な醜き姿になりとうはなかろう」
「…刑部様」
「ん?」
「用意は整いました」
「ひ、ひひひ」
「失礼いたします。痛ければおっしゃってくださいませ」










「左近様…」
「な、何?」
「もう、色気が半端ない」
「あー…またそれ」
「またと言ってくださっても構いません。ただ聞いていてください」
「面倒い」
「お礼は…まぁありませんね」
「無いの?!」
「はい」
「…まぁいいや。で?」
「縁で寛いで…煙管を舐められてる姿なんて…もう!!!」
「ははは」
「悶えて死ねる」
「…」
「…聞いてます?」
「んー…何?」
「酷い!」
「だってさぁ」
「?」
「(遠くからこの状態見てるから機嫌悪くなるんだもんなぁ)」
「左近様?」
「なんでもないって。あ!」
「???」
「お初ちゃん」
「何ですか?」
「刑部さん好き?」
「何言ってんですか?崇拝の域です」
「そ、そっかぁ」
「さてと…」
「もう行くの?」
「着物の支度もありますし…包帯も洗っておかないと。薬ももらってくる予定ですから」
「忙しいね」
「刑部様の為なら苦ではありませんよ」
「ねね!刑部さんの何処が好きなの?」
「全部です」
「は、羞らいなく言うね」
「事実ですから」
「なら!いつから?!」
「いつ…ふふふ」
「?」
「私の勝手な一目惚れです」




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純愛 1

「刑部様。初はここにおります。あなた様が治る時まで、ずっとお傍におります。ですから必ず、必ず良くなってくださいませ」




ポロポロと溢れる涙が美しく、また切なかったのを夢見心地に覚えている。泣かしとうないと柄もなく思うそれは何よりも誰よりも愛おしく思ったのだ。










「初」
「はい」
「…」
「…」
「そ、の」
「お薬を煎じてまいります」
「や、やれ」
「何か?」
「い、や」
「では失礼いたします」




あれは誠に夢だったらしい







「おーい!初」
「左近様」
「どーたの?スゲェ顔」
「自己嫌悪中です」
「あー…また?」
「あー!!!何でああ可愛げのない話し方しかできないの!?」
「しらねぇって。塩対応過ぎるっしょ」
「だって!」
「ん?」
「左近様は兜を退けてリラックスしている時の刑部様の破壊力をおしりにならないから!」
「えー…」
「ものすごい威力なんですよ!もう!色気が半端なくて!」
「知ってたら怖いって」
「何がだ」
「三成様!」
「治部様!」
「な、なんだ?!」
「私を残滅してください!」
「は?」
「ちょちょちょ!死んじまうって!」
「なんの話だ?」
「何時ものっす!刑部さんの前で塩対応したらしくて」
「くだらん」
「くだらないありません!刑部様にご迷惑をおかけした上気を使わせてしまったのです…万死に値します!」
「怖いって!」
「迷惑?」
「こうなんでああ可愛げのない反応しかできないのでしょうかできないのでしょうか。空気は重くなるわ…気を使わせてしまうわ」
「ああ。それでか」
「?」
「残滅するのにはやぶさかではないが…刑部が許さないだろう。初」
「はい」
「貴様にとって刑部はなんだ」
「私の命より大切なものでございます」
「即答?!」
「ふん!なら良い」
「良くないのでございますう!!!ああ!この性格が憎い!」
「私のように崇拝すれば良いのだ!」
「そうなのでございますが…こう顔がにやけて。顔面崩壊してしまうのです」
「其処からの崇拝だろう!恍惚と見惚れれば良い」
「?!」
「(よく似てんなぁ)」
「治部様」
「何だ」
「心の師匠と呼んでよろしいですか?」
「…好きにしろ」
「!」
「初?」
「ありがとうございます」






「「…」」





「前語撤回する」
「初…その普通のままで行ったほうが良いって。顔面崩壊しても大丈夫だから」
「な?!無理無理無理無理」
「無理を可能にしろ!」
「師匠!」
「ちょ?!…あれ?」
「刑部か」
「っ?!」
「やれ三成。我の…いや、良いわ」
「…そりゃねぇわな」
「致し方あるまい」
「?」
「ひひひ、やれ。太閤のお呼びよ」
「何?!行くぞ!刑部」
「あいあい」

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前世の話 2

「…」
「お持ち致します」
「いや、いい」
「(遣り難い)」
「…」
「(相も変わらず、愛されてんなぁ)」
「(そろそろやつ当たられそうだがな)」
「三次!青沼!!!皿」
「「へい」」
「…」
「石田様」
「え、」
「出来ました。お部屋に運びます」
「あ、ああ。すまない」
「?」
「自分で持っていく」
「いえ。そこまでが我々の仕事でございます」
「だ、が」
「???」
「いや、そうか。…では頼む」
「はい。…おかよ!膳を運びなさい」
「はーい…」
「…」
「では、運びます…石田様」
「…ああ」
「(機嫌悪い?)」








何か嫌いなものがあったのかね?と勘違い甚だしい台詞を言うので、我々は苦笑する。悲しいかな前世というものの記憶があるのはこちら側は俺と青沼。この人にはない。まぁ石田様とお偉いさん方の共通はあの時の悲劇を繰り返したくないという一心だろう。それを知らずに目の前のこの人は呑気に何が好きなのかねと言いながら頭を捻っている。
あんただと言いたい。あの人はあんた恋しさでここに来てんだと言いたい。おかよ…御愁傷様だと手をあわせる青沼は如何思ってんだろうか?曰く、趣味が悪いとのこと。美人なのだが如何せんあの性格なのだ。包丁が飛ぶのは日常的なの話だ。





「まぁ昔から不思議だったからな」
「…頑固の上に強情で可愛げないのに」
「言うな」
「はぁ」
「やれ」
「大谷様」
「ひひひ。久しいの。あれは?」
「いました準備中です」
「左様か…して」
「記憶はありません」
「ひひひ。それは難儀か上々か」
「石田様は?」
「ん?」
「まだ萩さんに未練あるんですかい?」
「さて、なぁ。」










来世の話








「やれ」
「大谷様」
「ひひひ」
「?」
「主の食事は美味しいのう」
「ありがとうございます」
「にしても」
「?」
「いや何。独り言よの。」
「はぁ」
「寂しゅうはないか?」
「!」
「三成が気にしておった」
「え?!あの…」
「?」
「私は料理しかできません。あまり機微のわかる方でもなくて…石田様は私が嫌いなのではありませんか?」
「ひ、ひひひ」
「?」
「主を押したのは三成よ。安心致せ。」
「ならいいのですが」
「ん?」
「なぜか監視されているみたいで。こう…信用いただけないのかと」
「…はてさて。我から言っておこう」




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