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変換なしの雑食夢

ran

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2

「如何致しましたか?先程から体を伸ばしておいでですが」
「いや、な。体調が悪い。」
「いくら姫様でもあの量の毒を食らったのです。」
「手裏剣というのは恐ろしいなぁ。傷口などまだ痛むぞ」
「なれば湯治にでも言って参れ」
「あー。そう言えば。とうに行っていなかったなぁ。」
「どうぞ行って来て下され!」
「ん。では行って参ろうか。いや、幸村もどうだ?」
「某もでござるか?」
「幸村も行って参れ」





あとは暑苦しい漫才なので退散させてもらうとして。本当に利き腕の調子が悪い。才蔵と呼べば、あれとは違う真面目な声でご用ですかと尋ねられる。




「湯治に行く」
「腕ですか?」
「ああ。幸村も参るのでな」
「はぁ」
「采配は佐助に任せると言っておいてくれ。」
「…」
「なんだ?」
「頭の機嫌がすごく悪いのを知っての命令でしょうか?」
「…佐助」
「ははいっと。何?」






聞いていたなと言わんばかりに見ると人の良さそうな顔で何?用なのと言われるので明日から湯治に参る。幸村も一緒だから采配を頼むとだけ言う。えー今からとか急だねとかいうので無理ならいいと踵を返すと冗談だよ、冗談と帰ってくるあたりあいも変わらずだ




「戯言はいい。とりあえず頼む」
「はいよ」
「ではな」
「姫さん?」
「ん?」
「そんなに調子悪いの?」
「…さてな」
「才蔵…ちゃんと手当てしなかったの?!」
「しました。」
「してくれた。才蔵を責めるのはお門違いだ。才蔵はよくやってくれている。なぁ才蔵」
「ありがたき幸せでございます。」
「…」
「ではな佐助」
「ちょっ?!」
「佐助ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
「ほら、呼んでいるぞ」
「…はぁ。たく。はいはいっと」



行ってしまった後ろ姿にため息をつくと才蔵に素直ではないと言われてしまう。仕方がない話だ。跡取りとしてきっちり成長してもらわんとならんといえばうなづかれる。そしてなんだかんだ言って幸村が好きだからなといえば微妙な顔をされた。まぁそんな事を無視しているとじくじくと痛む傷に嫌気がさす。湯治で治ればいいがなと言えばうなづかれなので私は笑って自室に帰るのだった






白い花








「あ?」
「だから、姫さんの警護!くノ一連れて行くよ」
「いやいい。いらん」
「いらんって!そういうわけにいかないでしょう?」
「才蔵がすればいいだろ」
「…は?」
「何怒ってるんだ?」
「いや、別に」
「…くノ一はいい。だいたい警護してもらう必要性が何処にある?」
「だけと」
「才蔵でいい」
「姫さん?!」
「言い方を変える。」
「?」
「才蔵がいい」
「…」
(寿命が縮む)

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16

「やれ、三成」
「…」
「先鋒部隊はまだ帰らぬよ。」
「知っている。」
「先鋒の死者は頗る少ない。故に我らの出番はなかった。相手は壊滅状態なのになぁ。」
「姫様が無事ならそれでい、」
「やれ。帰ってきたな」
「姫様」
「なんと夥しい。首の数よの」




馬に吊るされたそからは禍々しいまでの異彩を放っている。血塗れの姫様はお優しいいつもの顔ではない。ただ静かにこちらを見て父上はと尋ねる声すら違って見える。



「案内する」
「ああ」
「馬上でよろしいが?」
「御前にまかり通るのに?」
「それはそうよの」
「姫様」
「三成様。口取りは良いです。己が手で致します。」
「しかし」
「三成」
「…」




父上と言って幕が上がる。
御前に侍るとよくやったと一言言われる。ただそれだけだ。それだけで私なら天まで昇る気持ちだが姫様は違ったらしく、薄く笑って立ち上がる。




「やれ」
「ん?」
「怪我はないかえ?」
「ふふふ。大谷様はお優しいなぁ」
「ヌシは我慢強い故よ。」
「少し切りましたが大丈夫。大事ありませぬ。」
「なら良いが」
「姫」
「はい、竹中様」
「殿で良い。君は今から自他共に認める豊臣の後継者だ。秀吉以外敬語は必要ない。喋り方も呼び方も変えてくれ給え」
「…わかった」
「それで良い。他のものも良いね。」
「はっ」
「ひひひ」
「怪我の手当てをせよ。」
「あいわかりました」
「…」
「化けたね」
「ああ」
「姫様」
「化けたというより」
「?」
「いや、なんでもない。なんでも」







からんころん 番外編





「痛くはないかえ?」
「ああ。大丈夫だ」
「跡になりよるな。」
「何そんなに難しい顔をするな。大谷殿」
「ぬ…しかし」
「豊臣に入った時に女は捨てた。あの時に完全に。父も竹中殿も私に求めているのは…」
「姫様」
「やれ、三成。如何した?」
「陣中見舞だ。怪我具合は?」
「ひひひ。跡になりよるわ」
「何?!」
「怒るなオコルナ」
「なにを怒ることがある?」
「姫様の肌に傷をつけるとは…万死に値する!どうか屠る許可を」
「一々許可できんな。石田殿、私はこれより戦場で駆けねばなるまい。傷つくのは至極自然なことだ。気にしないでくれ」
「しかし!貴方は女子」
「女の私はすでに死んだ」
「…は?」
「生きているのは後継者としての私だけだ。」
「やれ、姫。」
「故にだ。気にせずとも良い。」
「…っ」
「何よりこの話し方も竹中殿の采配。気に入らぬのなら繋ぎをつけてくれ」
「それは!」
「大谷殿も不快にならぬか?」
「ひひひ。姫は姫。其れこそ一々気にせぬよ」
「ありがとう」
「私も、半兵衛様の指示なら厭いませぬ」
「…」
「姫?」
「…本に其方という男は」
「?」
「いい、なんでもない」
「姫様?」

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8

白無垢を着た内侍様は死ぬ程綺麗でした。と言えば当たり前だと言って殴られる。仕方ない。殺されなかっただけで有難いと思わなくてはいけない。現に後ろの刑部様は死ぬ程怖い。




「やれ、冥土の土産にしては最良よな」
「ひぃ!」
「自業自得だ」
「吉継様…あら、取り込み中ですか?」
「いや、もうすぐ終わる。」
「三成様。良いのですか?」
「致し方ない。貴様の白無垢を見たのが運の尽きだ」
「ああ。そういうことか。吉継…もうそろそろ。左近殿が白目むいてる」
「ひひひ」
「で、どうした」
「名前決まったかなと」
「またか!」
「だって。」
「結婚義までまでと昨日もその前も言われておっただろう!」
「吉継様…」
「やれ諦めよ。ぬしの恐ろしい姉上の命とあれば。いたしかたない」
「むー…」
「ひひひ。仕事は終えた。茶でも致すか」
「はい。淹れましょうか?」
「主の茶も久しく飲んでいないな。やれ三成?如何した?」
「何で筆を出し始めるの?」
「いや、それは」
「三成らしくもない」
「二人で休んで来い」
「?」
「?」
「?」
「おい!何故貴様らがそのような顔をする?!」
「…三成よ」
「何だ!」
「三成様…私のお茶が飲めないと」
「悲しいなぁ。我はかなしい。我と同座の茶など飲めぬか」
「待て!誰もそういうことを言っては…」
「なら早く。吉継様。お菓子は」
「あるがな。我にはちと重い」
「三成様持ってきてください。私は茶器を持って行きますから」
「…」
「やれ三成」
「皆が邪魔するなというが?」
「そういう事か!」
「五月蝿い!」
「皆は皆。我らは我らよ」
「何を今更。茶会で大乱闘してこっ酷く怒られた仲ではありませんか。他人の言うことを一々。あっ!竹中様?」
「…」
「ひひひ。気を使う場所は違うところにしてもらいたいものよ」
「昨日竹中様に3人で昼、寝てるって言ったら蒼い顔になったのはそれかしら?」
「それよなぁ」
「…行ってもいいか?」
「行かぬのか?」
「早く行きましょう。」
「っ」
「気を使えたんですね。」
「何っ?!」
「やれ、内侍殿」
「だって家族みたいなものだから。うふふ。」
「…」
「やれ真っ赤よ。まっか」
「黙れ!」
「季節季節の行事には出れるんでしょ?」
「う」
「折々も」
「刑部」
「良い良い。むしろ来しゃれ」
「ならば」






はなのかんばせ







「何で三成君じゃないのかな?」
「何が言いたい?私の妹が選んだ相手に不服があるのか!」
「待て、敦。そうではない」
「ん?」
「…僕の可愛い内侍君が人妻。もう少し振袖着させたかったのに…」
「子離れができていないのだ」
「良いよ。大谷君でも三成君でも。僕はどちらかとと思っていたけどね…狒々爺…!!!」
「禄を取り下げると言って聞かん」
「あらまぁ」
「敦」
「何?」
「白無垢は僕が用意するよ。良いね。」
「はいはい」
「はぁ。」
「子が出来たらどうするのかしら?」
「…」
「いらぬ事を言うな!」
「秀吉」
「なんだ?」
「海が見える…ああ!長曾我部を落とすよ。良いね」
「はぁ」
「あなたも大変ね」

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7

「狒々爺の所にやるには豊臣として。勿体ないだけよ。」
「あ、ああ。そういう意味か」
「故に敦殿の納得いくまで」
「…私は」
「ヌシは気にせず居ればいい。何理由が理由。今まで通りでよしと便宜を図って下さる。」
「ん…」
「おい!刑部」
「どうした三成」
「いいのか?」
「ヌシらしくもない」
「…」
「内侍、貴様も」
「高長恭のようなものだな」
「何を言っている?はっきりした声で言え。聞こえん」
「ん。治部殿刑部殿。お二人にはおさないみぎりより大変お世話になり申した」
「は?」
「やれ」
「友と思っておりました。それだけが支えだった。ただ、」
「内侍」
「そう思っていたのは私だけでしたな。」
「何を!」
「…」
「ふふふ。では失礼仕る」
「!」
「やれ、待たぬか」
「離せ」
「我はヌシを友と見たことはない」
「!」
「我の友は三成だけよ。ヌシは」
「…」
「ヌシは、我がただ一人愛した女よ」
「な、にを!」
「やれ、三成」
「何かあったら言え。人払は済ませておく」




はなのかんばせ






「離してくれ」
「それは無理よの」
「こっ」
「痛っ」
「あ…大丈夫?ごめんなさい」
「くくく」
「っ?!」
「ヌシは誠優しい女よ」
「騙し」
「ヌシは優しい。三成は清廉過ぎる。故に我がいる。」
「離して」
「ヌシは美しい。才もある。どこまででも昇れる。」
「刑部…殿?」
「我はそれが見たかった。否、側にいればそれでよかったのに。何故」
「泣かないで」
「我はこんなにも醜い?」
「刑部殿」
「そなたの横にいては邪魔になる。なら一層と思ったらどこの馬の骨とも解らぬ男に…」
「…」
「見苦しいところを見せた。いかしゃれ」
「刑部殿は勘違いをしている!」
「?」
「私はあなたがずっと好き!」
「…それはヌシが優しい故。」
「私は博愛者じゃないもの!」
「ぬ…」
「あなたがずっと好き。私たちを守るために何でもしていることも知ってる。私より治部よりずっと優しく清廉なのを私は知っているから」
「…」
「今の言葉が嘘でもいい。私は」
「内侍」
「あなたの妻になりたい」

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5

「そこの男!」
「ん?俺っスか?…内侍様!?にしちゃ歳食って」
「失礼な男だが妹を知っているなら話が早い。私は敦。妹の所まであないせよ」
(性格が全然違うなぁ)




自室に帰ると侍童が客人がと呼びに来るのでついて行く。今日ほど後悔した日はない。姉上と義兄上が鎮座しているとは思わなかった。
開口一番で遅いと仰る姉上とそれを嗜める義兄上。侍童が怯えているがそれ以上に私が怯えている。気の弱くいい加減な父が姉上に似た勇猛果敢な母を早くに亡くして実質的に我が家の長になった姉上は最強だ。これ以上最強の人を私は知らない。口がたつのだ。それも尋常になく。義兄上が仏のような方だから夫婦で居られるのだろう。と罵倒を右から左へ聞き流していく。




「大体!このような歳になって名もきちんとつけずに!中の姫ではいけないのですよ。」
「それは父上に行ってください」
「あのバカ親父は…」
「これ」
「ですが!私がこの子の歳には子が居ました!いい加減あきらめて誰かを貰いなさい」
「犬の子や猫の子ではないのですから」
「あなた自分がそんな可愛いものだと思っているの?」
「わん」
「…」
「冷たい目ですねぇ」
「ああ逃げなさい」
「然らばごめん!」
「このバカ娘!!!!!!」






有難いかな運動神経は私の方がいい。
やっぱり結婚の話かと思いながら庭に逃げるといつもの定位置に行く。ここは私しか知らないから逃げるのに丁度いい。





結婚なんてしたくないけどそうも言っていられない。姉上も嫌がらせでしているわけではない。本当に腹をくくらなければいけない時が来たのかなぁ。







はなのかんばせ







「ぬ」
「すっげー!誰も見つけられなかったのに」
「やれ、左近」
「痛いっす!助けて三成様」
「無理だ。敦殿を連れ込んだお前が悪い!」
「だって!内侍様にそっくりだし」
「あれは半兵衛様の天敵だ!駆逐しろ!」
「無理っすよ。なんっすかあの人。めちゃ怖いっす!」
「当たり前だ!私も好かん!!!」
「やれ五月蝿い」
「いってぇ!!!!!」
「泣いていたぞ。何を言った」
「さてな」
「本気で嫁ぎ先を見つけられる前に素直に言え」
「…くくく。何の話か?にしても」
「ん?」
「少し痩せたか?寝ておらぬのだろう。寝させてたもれ」
「刑部。自分の行いは自分で償え。私は知らん」
「あら」
「「?!」」
「あっ!敦様!」
「こら、左近!」
「あらあらまあまあ。よくぞ見つけてくれました。…貴方は佐吉殿と紀之介殿か」
「今は元服して名を三成と改めました。刑部は吉継と」
「ひひひ。敦殿は相も変わらず美しゅう。」
「…」
「何か?」
「見つけたのは誰方かしら?」
「刑部さんっス」
「そう。なら大谷殿」
「…我は知らぬ」
「上には私が言っておきます。この子をもらってやってくれない?」
「…犬や猫の子でももっと丁重に扱おう。第一我と内侍殿は喧嘩中でな。ゼッコウ中よ」
「この子が妾奉公に出ていいの」
「は?」
「別棟殿からの話。聞いていないのですか?向こうで妾奉公の話が出てきていて。許嫁がいると言って断っていましたが…それも限界なのですよ」
「…」
「このバカは。殿下にも竹中殿にもいわずに…今日聞いたと驚いていました。筒井筒の仲なのですから。哀れだと思うなら」
「ぬ…」
「ええいっ!それでも武人か!!!」
「敦」
「ん…」
「もらうか否か!即答しなさい!!!」
「あね、う…?!刑部殿?!じ、治部殿。左近殿も?!!」
「落ち着け。内侍。貴様妾とはどういう」
「姉上!!!」
「あんな狒々爺いのもとに行く気ですか!」
「いや、何とかなると!」
「なるものか!矢の催促ですよ!!!しかも武勇に長けた女を妾にして箔をつけたいと…ああ!腹がたつ!!!」
「見世物のようなものですからねぇ」
「貴様はそれでいいのか!」
「いいも悪いも。いや、それより。姉上。私の自室に行きましょう。ここでは流石に」
「やれ、またしゃれ」
「っ!?」
「敦殿。妹御は我がもらいうけよう」
「は?」
「武士に二言は」
「ないない。」
「何の話だ?」
「刑部の妻に収まった」
「はぁ?!」
「何が不服か?!」
「いや…姉上!!!私事に他人を巻き込むのは」
「何、偽装よ。ぎそう」
「は?」
「敦殿の気がすむまで。それでよければ受けよう」
「ぎそう」
「それでいいわ。」
「なら決まりよ。内侍殿」
「え?」
「よろしゅうな」

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