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変換なしの雑食夢

ran

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5

「そこの男!」
「ん?俺っスか?…内侍様!?にしちゃ歳食って」
「失礼な男だが妹を知っているなら話が早い。私は敦。妹の所まであないせよ」
(性格が全然違うなぁ)




自室に帰ると侍童が客人がと呼びに来るのでついて行く。今日ほど後悔した日はない。姉上と義兄上が鎮座しているとは思わなかった。
開口一番で遅いと仰る姉上とそれを嗜める義兄上。侍童が怯えているがそれ以上に私が怯えている。気の弱くいい加減な父が姉上に似た勇猛果敢な母を早くに亡くして実質的に我が家の長になった姉上は最強だ。これ以上最強の人を私は知らない。口がたつのだ。それも尋常になく。義兄上が仏のような方だから夫婦で居られるのだろう。と罵倒を右から左へ聞き流していく。




「大体!このような歳になって名もきちんとつけずに!中の姫ではいけないのですよ。」
「それは父上に行ってください」
「あのバカ親父は…」
「これ」
「ですが!私がこの子の歳には子が居ました!いい加減あきらめて誰かを貰いなさい」
「犬の子や猫の子ではないのですから」
「あなた自分がそんな可愛いものだと思っているの?」
「わん」
「…」
「冷たい目ですねぇ」
「ああ逃げなさい」
「然らばごめん!」
「このバカ娘!!!!!!」






有難いかな運動神経は私の方がいい。
やっぱり結婚の話かと思いながら庭に逃げるといつもの定位置に行く。ここは私しか知らないから逃げるのに丁度いい。





結婚なんてしたくないけどそうも言っていられない。姉上も嫌がらせでしているわけではない。本当に腹をくくらなければいけない時が来たのかなぁ。







はなのかんばせ







「ぬ」
「すっげー!誰も見つけられなかったのに」
「やれ、左近」
「痛いっす!助けて三成様」
「無理だ。敦殿を連れ込んだお前が悪い!」
「だって!内侍様にそっくりだし」
「あれは半兵衛様の天敵だ!駆逐しろ!」
「無理っすよ。なんっすかあの人。めちゃ怖いっす!」
「当たり前だ!私も好かん!!!」
「やれ五月蝿い」
「いってぇ!!!!!」
「泣いていたぞ。何を言った」
「さてな」
「本気で嫁ぎ先を見つけられる前に素直に言え」
「…くくく。何の話か?にしても」
「ん?」
「少し痩せたか?寝ておらぬのだろう。寝させてたもれ」
「刑部。自分の行いは自分で償え。私は知らん」
「あら」
「「?!」」
「あっ!敦様!」
「こら、左近!」
「あらあらまあまあ。よくぞ見つけてくれました。…貴方は佐吉殿と紀之介殿か」
「今は元服して名を三成と改めました。刑部は吉継と」
「ひひひ。敦殿は相も変わらず美しゅう。」
「…」
「何か?」
「見つけたのは誰方かしら?」
「刑部さんっス」
「そう。なら大谷殿」
「…我は知らぬ」
「上には私が言っておきます。この子をもらってやってくれない?」
「…犬や猫の子でももっと丁重に扱おう。第一我と内侍殿は喧嘩中でな。ゼッコウ中よ」
「この子が妾奉公に出ていいの」
「は?」
「別棟殿からの話。聞いていないのですか?向こうで妾奉公の話が出てきていて。許嫁がいると言って断っていましたが…それも限界なのですよ」
「…」
「このバカは。殿下にも竹中殿にもいわずに…今日聞いたと驚いていました。筒井筒の仲なのですから。哀れだと思うなら」
「ぬ…」
「ええいっ!それでも武人か!!!」
「敦」
「ん…」
「もらうか否か!即答しなさい!!!」
「あね、う…?!刑部殿?!じ、治部殿。左近殿も?!!」
「落ち着け。内侍。貴様妾とはどういう」
「姉上!!!」
「あんな狒々爺いのもとに行く気ですか!」
「いや、何とかなると!」
「なるものか!矢の催促ですよ!!!しかも武勇に長けた女を妾にして箔をつけたいと…ああ!腹がたつ!!!」
「見世物のようなものですからねぇ」
「貴様はそれでいいのか!」
「いいも悪いも。いや、それより。姉上。私の自室に行きましょう。ここでは流石に」
「やれ、またしゃれ」
「っ!?」
「敦殿。妹御は我がもらいうけよう」
「は?」
「武士に二言は」
「ないない。」
「何の話だ?」
「刑部の妻に収まった」
「はぁ?!」
「何が不服か?!」
「いや…姉上!!!私事に他人を巻き込むのは」
「何、偽装よ。ぎそう」
「は?」
「敦殿の気がすむまで。それでよければ受けよう」
「ぎそう」
「それでいいわ。」
「なら決まりよ。内侍殿」
「え?」
「よろしゅうな」

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