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変換なしの雑食夢

ran

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リリィ 7

「リリィ様、お休みのところ申し訳ありません」
「ん…」
「リリィ様」
「んー…もう、少し」
「坊っちゃま」
「リリィ」
「まだ、眠く、て」
「少し起きてくれないか?」
「クラウスさん?」
「リリィ」
「おはようございます」
「ギルベルトさん…?んー…如何しました?」
「私の怪我の間、お世話致します者を紹介しても宜しいでしょうか?」
「?」
「(寝ぼけているな)」
「(寝ぼけていらっしゃる)」
「初めまして!奥様!!!」
「ひゃ!」
「フィリップ・レノールと申します!」
「あ、はい。よろしくお願いします」
「リリィ」
「え、あ!!!きゃーーーーー!!!!!!!」
「「?!???!」」
「お召し物の準備は出来ております!」
「わ、わかりましたから!とりあえず退室して下さい!!!」
「ですが…お召し替えの手伝いを」
「いいいいいいいいです!自分で出来ます!!!」







シーツをふんだくって抗議する。ノーブラ、シャツ一枚だもの!と心の中で唱えてもクラウスさんはおろおろするだけだし目の前の男の人は理解不能顏だし!ギルベルトさんはすぐに理解してくれたらしく退室を促してくれる。流石ギルベルトさん







「リリィ様」
「ギルベルトさん!」
「退室しておりますので御用があればお呼び下さい」
「ありがとうございます」
「リリィ」
「クラウスさんの馬鹿!」
「す、すまない」
「恥ずかしい…」
「だがしかし、彼はCBで」
「なら今のほぼ裸の状態を他の人に見せていいと」
「…」
「?」
「!」
「(今気がついたのね)」
「すすすすすまない」
「…」
「私の浅慮で」
「ふふふ」
「リリィ」
「本当ですよ?私はあなたと違って慣れていないのですから」
「…すまない」
「でも」
「?」
「奥様って言うのは嬉しかったです」
「!」
「服着替えます」
「…」
「うえ?!あ!まさ、か」
「すまない」
「ひゃ」
「後でいくらでも謝罪する」






リリィ






「あれ」
「如何しましたか?レオナルドさん」
「リリィさん、今日見てないなぁって」
「…」
「ギルベルトさん?」
「レオナルドさん。この機会にレノールを案内してはいただけませんか?」
「え?はい。いいですよ」
「お願いします」

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リリィ 6

「なーに!あんた達まだ、1回しかしたことないの?!」
「師匠!!!」
「やーね。若いのに。リリィ、あなたまさか不感症?初めてで、三男坊は無理があったんじゃない?見るからに凶器っぽいものね」
「…本当に怒りますよ!この歩く猥褻物!」
「はっ!悔しかったら私位のカップにしてもらいな!このペチャパイ!」




きっとこの人にとっては1/100程度のスラングなのだろうけどリリィにとっては赤面ものなのだろう。うーとかぐーとか唸り声をあげて顔を真っ赤にしていく。…やめておけザップ。クラウス以外にも、この魔女は存外弟子離れできていない。昨日以上の目にあう。それこそ二人がかりでだ。





「毎日すれば良いのよ」
「「?!」」
「滅嶽の血とあんたの血は相性が良いのよ?…何話してないの?」
「う…」
「ミス エリザベト。リリィが言いにくいことを私は聞こうとは思いません。ですので」
「はぁ…だから甘ちゃんなのよ。別段、酒の席の猥談に持って行こうとしてるわけじゃないの。メリットを話しているのよ。最大級のメリットをね」
「ですが」
「この子はね、言いにくいんじゃなくて恥ずかしいのよ。昔からそう。なにかまととぶってんのよ!魔女だろう?おい。乱行の一つでもしてみて奴隷位作りやがれ」
「何言ってんですか!?」
「教えたでしょ?あんたの血の特色上、地上の人間をひれ伏そうと思えば出来るのよ。そういう意味で私以上の逸材なの、あんたは」
「そうなのかい?」
「番頭にすら言ってなかったのね。この馬鹿弟子!自分が思いの外危険人物なの忘れんな!特に滅嶽の血と私たちの血は相性が良いのよ。細胞レベルで活性化と強化出来るのよ?厳密に言えば、まぁ血の交換ではなくて遺伝情報の交換で良いからせっ」
「だー!!!」
「五月蝿い馬鹿弟子」
「そんな話しないでください!」
「真実、それが利益になるから話しとけって言ったでしょ?ねぇ…番頭」
「まぁ、利益といえば利益だな。後で詳しく教えてください…もちろん普通の席で」
「つまんないわね」




じゃあ手駒でも見繕ってこようかしらと首輪をつけたザップに乗って退出される。あの馬鹿。また関係を持ちやがったのか。レオ君も慣れたように一緒に出て行く。





「さて、リリィ」
「はい」
「そうなのか?」
「らしいです。滅嶽の血だけではなくて他の血とも幾つか相性の良いものがあります」
「!」
「クラウス。マグを壊すな」
「すまない」
「…ですが、私はその。割り切ってすることができなくて」
「君らしいよ。だからクラウスとも二の足を踏むのかい?」
「…はい」
「リリィ」
「クラウスさんのこと本当に大好きです、から。知られたらいつか、割り切った関係になってしまうかもと」
「はぁ」
「…ごめんなさい」
「謝るのなら俺ではなくクラウスにだ。」
「クラウスさん…ごめんなさい」
「私こそすまない」
「?」
「君にいらぬ誤解を生じさせてしまった」
「は?」
「…」
「くくく」
「スティーブンさん?」
「いや、ね。君の師匠が来てからというもの、妙にクラウスの不貞を勧めるだろう?」
「え?!」
「リリィ、私にはキミしか必要ないと思っている。不貞はもってのほかだ。私が不甲斐ないばかりにキミを不安にさせてしまった…すまない」
「そ?!そんな!違うんです!!!私が、その」
「リリィ」
「魔女、だから」
「…」
「ごめんなさい」
「リリィ」
「クラウス、俺も出るよ」
「すまない」
「?」
「リリィ」
「はい」
「手を出して」
「?」
「願わくば、君が私と同じ気持ちであれば嬉しく思う」
「指輪?」
「死が二人を別つまで。共に居てくれはしないだろうか」
「…」
「リリィ?」
「魔女は気まぐれですよ」
「君は違うだろう?とても誠実で真面目だ」
「師匠みたいになってしまうかもしれません」
「それは…とても困ってしまうが。君の事だ。やむおえぬ理由があるのだろう。そうならないように私も努力して君を守ろう」
「…あなたが」
「私が?」
「好きすぎて…つまらない嫉妬やわがままを言って怒らずかもしれません」
「逆に嬉しい話だな」
「クラウスさん?」
「人は弱い。私も君も、だ。時に傷つけ泣かすかもしれない。それでも」
「それでも?」
「君と共に歩む努力を惜しみたくはない。話し合い、慈しみあい、共にある努力をだ」
「…ふふふ」
「?」
「昔なら権力者の所有物か血の一滴まで高値で売れる商品だったそうです」
「?!」
「ですから…師匠はうまく立ち回るよう教えてくれました」
「そう、か」
「…でも」
「?」
「もし許されるのなら。私もあなたと共に歩める努力を怠りたくないです」
「!」
「クラウスさん」
「その、だ」
「?」
「愛している」
「私もです」






リリィ









「上手くまとまったな」
「良かったっすね!」
「ったく!何が良くてうちの馬鹿弟子なのか。…ラインヘルツも豪運もしつこかったし」
「幸せそうっすよ」
「ま、ね」
「ギルベルトさんも!ほら」
「本当だ」
「あー!どうしようかな?飲みに行こうかしら」
「付き合いますよ」
「あらベットまで?」
「それはザップ担当」
「適材者ですね」

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リリィ 5

「…師匠?」
「はーい!リリィ。久し振り!元気にしてた?してたわよね!」
「えー…ええ。すこぶる元気です。ご用件は?」
「偶にあんたの顔見たくて」
「そうですか…ザップさんこの人はやめたほうがいいです」
「は?!スッゲー美人!うちの師匠と取り替えて欲しいくれぇだ!」
「ま!いい子ねぇ。お姉さんが遊んであげましょうか?」
「エヘヘへ」




いきなりやって来た師匠はいきなりザップさんをお持ち帰りして何処かに消えていった。手を合わせているとレオ君が奇声とともにいいのかと尋ねてくる。良いのです。その方がと乾いた笑いに賛同するのはスティーブンさんとKKさん。あれはある意味ブラッドブリードよりたちが悪いのですと言えばなんとも言えない顔をされる。
きっと帰ってくるときは全てを吸い取られている事だろう。再び合掌。




「そんなにタチ悪いんですか?」
「悪いを超えてる。」
「災厄です。」
「リリィっちに同情する…良くあの人の近くでまっすぐに育ったわね」
「反面教師です!…クラウスさん」
「なんだね、リリィ」
「ザップさんは明日使い物になりません…申し訳ありません」
「構わない。君が落ち込む事ではないよ」
「はぁ…」
「明日何かあればKKも頼む」
「ごめんなさい」
「リリィっちのせいじゃないって!あいつ一人で済んでよかったじゃない」
「???」
「あ、レオ君がついていけてない」
「そんなに大変な目に?」
「…うん。傀儡になるの」
「へ?」
「チャームって言ってね…そう言う事すると120%状態で常に稼働する傀儡になるの」
「へー…」
「あ、レオっちこの怖さわかってないわね!」
「はぁ」
「120%を24時間。これがチャームの特徴です。そして術者はあの人非道で尚且つ超絶我儘の師匠。…前回何人が死んだ事やら」
「は?」
「ブラッドブリードが来たら盾にしますよ。平然と。死のうが何かもげようがその時間内は傀儡だから死にもしないし痛みもありません。時間が来たら大概死にます。吸血鬼以上に残忍で美しいと言われている師匠です。人体からいろいろ作って…本当にトラウマものですよ」
「…」
「堕落王の親戚かもしれないと時々思います…その程度の人格破壊者で利己的で我儘で恐ろしい女性です。良いですか。絶対について行ってはいけませんよ」
「はい」
「にしても」
「?」
「リリィっちもその技できるの?」
「チャームですか?…まぁ、やり方は知ってますよ」




と言った瞬間ベキリとすごい音がする。スティーブンさんが落ち着けと言っているもののKKさんは無視していろいろ聞いてくるので素直に答える。




「リリィも悪女の素質が?!」
「KKさん」
「だって!」
「私は私の好きな人しか同衾しませんよ。大体、私の意思に反して無理やり関係を持とうとしたら呪いが作動します。」
「は?」
「それはもう…生きるのが嫌になる程度のやつですよ」
「リリィ」
「クラウスさん?!マグが!」
「(気づいたのがマグ程度で済んでよかったよ)」
「(だからこの状況を普通に見れるんっすね)」
「(からかい甲斐があるわ)」
「リリィ」
「はい?」
「その、だ」
「?」
「君は…そのだ」
「クラウスさん?」
「私で良いのだろうか?」
「あなたが良いに決まってますよ」
「!」
「師匠は師匠。私は私です。ああ言う事をすれば皆さんもっと楽になるのは知っていますが」
「絶対にダメだ!」
「私も嫌ですもの」
「…そう、か」
「そうです。ですけど」
「?」
「あなたが私一人で満足できないのならすぐに言ってください」
「そんな事はあり得ない!」
「ふふふ」
「リリィ」
「意地悪言うからですよ。」
「す、すまない」
「私はあなたが大好きなんですから。よく覚えておいてください」





「…完全に尻にひかれてるわね」
「堅物だからちょうど良いだろ?」
「にしてもザップさん如何なりましたかね?」






リリィ







「えー!あんたと三男坊が?!あり得ない!」
「煩いです」
「ミス エリザベート。軽はずみな気持ちで彼女と共にあるわけでは」
「良いって。この子私と違ってお堅いから。飽きたら相手してくれれば」
「金輪際ありません」
「ふーん」
「で、何に座ってるんですか?」
「ん?私の奴隷」
「SS先輩…」
「自業自得だ。」
「リリィ。あなたも三男坊でしてみれば?」
「そういう趣味はありません!」
「つまらないとね」

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リリィ 4

「子ども?」
「リリィだよ」
「!?」
「お兄ちゃん、大きいね」
「…誰か、説明を」
「ザップです」
「…」
「如何したの?お腹痛い?お顔が辛そうだよ?」
「(あの顔を辛そうと表現できるのはリリィさんだけですね)」
「(ははは。まさに美女と野獣だな。)」
「スティーブンさん?レオさん?」
「「なんでもないよ!!!」」
「やっぱり私が来たから?」
「?!」
「みんな優しいけど困ってるから…」
「それは違うよ」
「本当に?」
「ああ。今の君に出会えて、私は光栄だよ」
「…」
「それとリリィ。君は今いくつかな?」
「6歳」
「そうか。ギルベルト」
「はい、坊っちゃま…おや?」
「こんにちは」
「初めましてお嬢様。可愛らしいですね。リリィ様にそっくりでございますね。ご姉妹がいらっしゃったのてすか?」
「リリィだ」
「?!」
「?」
「い、え。…どなたの所為で御座いますか?」
「ザップです!」
「…よくわかりました」
「すまないが、洋服を用意してくれ」
「はい。ただいま」
「リリィはこのままで良いよ?」
「ですがこのお召し物はレオナルド様のですね。」
「すいません。僕のが一番小さくて」
「迷惑かけてはダメって!師匠凄く怒るもん」
「師匠って…」
「君は知らなかったかい?幻血術のエリザベト ファン “シィシィ”エーベンハルト。彼女の師匠さ。無茶苦茶良い女だけどね。比例して中身も滅茶苦茶」
「…ははは」
「…」
「迷惑でありませんよ。リリィ様。」
「本当?」
「ええ。クラウス様にも聞いてみてあげてくださいませ」
「?」
「私だ」
「お兄ちゃん?あの、ね」
「?」
「御洋服お願いしても良いですか?」
「もちろんだ」
「!」
「(今すっげぇ良い笑顔!)」
「(クラウスの機嫌が治ってる)」
「(リリィさんスゲェ!)」
「リリィ様」
「はい」
「こちらとこちらどちらが良いですか?」
「!」
「此方もありますよ」
「…お兄ちゃん」
「リリィはどれでも似合うと思う。ピンクが好きだろう?」
「うん!」
「ではこれはどうだ?」
「かわっ?!可愛い!!!お兄ちゃん良いの?!凄く可愛いよ?!」
「ああ」
「あ、あの!ギルベルトさんも良いですか?」
「はい」
「では此方へ。」
「はーい」




服を着替えるのをギルベルトさんが手伝ってくれるので私はウキウキしながら鏡を見る。師匠は絶対来させてくれなかったドレスはとても可愛くてそれだけで嬉しくなる。



「ぎゃー!!!」
「え?!」
「害虫駆除ですよ」
「そうなの?」
「ええ。さぁできました。」
「わぁ」
「よくお似合いですよ」
「お兄ちゃんに見せてくる!」
「リリィ様はクラウス様がお気に入りですか?」
「はい!」
「ふふふ」
「だって大きくて怖そうなのにおめめがクラリスみたいで可愛いの」
「クラリス?」
「師匠の家にいる大きな犬。私には優しいの」
「そうですか」
「でもなんで私、ここにいるの?」
「シシィ様が御用の為此方へいらしたのですよ」
「師匠!また人に迷惑かけてる!もう!」
「ふふふ。さぁ今は何も心配せず、参りましょう」








「わ」
「リリィ」
「お兄ちゃん如何したの?!おてて痛そう」
「おい!姫さん!痛そうなのは俺!」
「ザップ…」
「ひっ」
「未来の奥方様になさった事のお仕置きを致してまいります」
「やめっぎゃー!!!」
「?!お兄ちゃん!喧嘩はダメだよ。ギルベルトさんもだめ!」
「然し」
「怪我したら…うう」
「な、泣かないでくれ。リリィ」
「ぐすん」
「…はぁ。ギルベルト」
「致し方ありませんね、しかし」
「ひっ」



「何か食べよう。君はビスケットが好きだったね」
「?」
「如何したんだい?」




「如何すれば治るか吐いてもらいます」
「あー…ははは」
「如何やら10日くらいは戻らないらしいんです」
「な?!」





「何でお兄ちゃんは私の好きなものを知っているの?」
「…」
「?」
「私の最愛の女性が君に似ているからだよ」
「!」
「如何したんだい?」
「…う」
「?!」
「わーん!」
「リリィ?」
「わたし」
「ゆっくり」
「大きくなったらお兄ちゃんのお嫁さんになりたかったのに!」
「…は?」
「クラリスに似たやさしいおめめしてるもん!」
「…」
「もう!お兄ちゃんの馬鹿!」
「リリィ…」
「…」
「…」
「もう!」
「す、すまない」




「なんっすか?」
「幼女になってもふりまわしてるなぁ」
「あたふたし始めましたよ」
「あれはあれで嬉しそうだし。ほって置こう」






リリィ







「何これ」
「姫さんの幼女の時の写真」
「えー…」
「いたいいたいたいたい!!!!」
「人で遊ばないで」
「姫さん人を信じすぎなんだよ」
「あら、疑ったほうが良い?」
「んー…」
「リリィ」
「あ、クラウスさん。何これ?」
「君の(以下略)」
「クラウスさん!」
「か、可愛いからつい」
「もう!」
「そう膨れないでくれ」
「!」
「私は駄目だぞ」
「ちぇ!」
「ザップ」
「もー持ち込まないってーの」
「けち。ま、でも良いや」
「?」
「貴方似の子供作れば良い話よ」
「!」





「相変わらず振り回されてるなぁ」
「平和ですね」

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リリィ 3

目が醒めると上質の布に包まれた感じがして驚く。いや、それより此処どこ?!しかもこれ、布だけじゃない。人の腕とは言い難い腕がぎゅうぎゅう締め付けてくる。いやあったかいけど…いやいやいやいや。…私を包んでいる腕は…とそこまで思案して急いで顔を上げる。



「クラウス、さん?!」
「ん…」
「?!」
「リリィ?」
「なん、で?!それより!わたし、はだ、か」
「おはよう」
「?!」




わたしを見てクラウスさんは珍しく笑われる。心臓が煩い。本当に殺されるかもしれない。いつも整っている髪もいまは乱れているし、声はかすれてるし、翡翠色のその瞳は潤んでいるし。



心臓が暴れる。





「体は、如何だ?」
「から、だ?!え?!な、んで!!!?」


慌てて布団から飛び出すと真っ裸な事を思い出して急いでシーツを掴む。のそりと起き出してきたクラウスさんも裸のようで目のやり場に困ってしまう。


とりあえずだ。距離を取って部屋の隅に行くと困ったようにおどおどしたクラウスさんがいてわたしも困る。




「ど、いうことですか?」
「ザップの置いた花の花粉にそのだ…」
「…」
「リリィ?」
「ザップは何処ですか?取り敢えず、捻り潰せば良いですね」
「そ、のだ」
「クラウスさんは何も悪くないですよ!むしろ被害者です」
「は?」
「一夜の遊び?いや、犬に噛まれた???とでも思ってください」
「…」
「服は…服服って!グチャグ…」
「一夜の遊びで、君を抱いたわけではない」



そういうと凄く怒ったような声が聞こえてきて背筋が凍る。いや、其れ。こう言う場面にすることではない。本能が逃げろというのに、私の足は動く事はできない。
するとつつっと脚に何かが伝う。ん?何これ…真逆と思いながらそれを指で拭ってみる。



「?!」
「リリィ?」





いやこれは…知らないけど。聞いた事はある。へにゃりと腰から崩れ行く。そうなって初めて腰の痛みをかんじるようになった。






「リリィ!」
「なん、で」
「?」
「中…伝っているのって」
「?!そ、それはだな」
「クラウスさん酷い!中に出したら!子供…出来ちゃう」
「リリィ」
「出来ちゃったら…如何する気、ですか」
「っ」
「初めてなのに、酷い」
「すまない」
「っ!やだ!!」
「許してくれとは言わない」
「離して!」
「だが、これだけは知っていて欲しい」
「っ」



ぐいっと顎を上げられる。抱き締めてからのそれははたから見れば恋人同士のようだろう。ただ、私たちは上司と部下で。強いて言えば私の一方的な片思いなのだから。


「離してください」
「ミス ルシアナに見てもらった。」
「先生に?」
「正気に戻すためには誰かが、そのだ。君を抱くか」
「は?」
「斬り刻むかのどちらかと言われた」
「?!」
「私は、君のこの肌にメスが入るのは嫌だった。…何より」
「クラウスさん?」
「薬のせいとはいえ、意中の女性に愛していると言われれば…そのだ。」
「?!」
「贖う事はできなかった。」
「わた、し」
「すまない。どの様な償いでもする。ただ、邪な心で君を抱いたわけではない。許されるのならば今から、この場で交際を正式に申し込みたい。」
「な?!」
「リリィ」
「おおおおおお落ち着いて!?落ち着いてください、クラウスさん!私の様な女にそんな責任を感じなくても良いです!犬に噛まれたとでもっん」
「は…っ」
「ふぁっん…クラウス、さん?」
「ミス リリィ。」
「はいっ!」
「君は君が思っている以上に私にとっては美しく愛しい人だ。」
「はひっ?!」
「愛している。私の終生の伴侶になって欲しい」
「…」
「リリィ」
「クラウス、さん」
「何かね?」
「変な責任を感じていっていませんか?」
「至極真剣だ」
「…中に出したのに」
「それ、は。君が…離れなくてだな。なにより、避妊具をする前に入れてしまって。すまない」
「…何やってんの私!私のせいじゃない!」
「いや、それでも私がしっかりしていたら」
「…」
「すまない。初めて会った時から君は私の特別なんだ。」
「嘘だ」
「本当だ」
「ごめんなさい」
「?!?!??!」
「疑ったりして」
「そちらか…」
「?」
「断られたのかと思った」
「断りません」
「?!」
「え、あの!断りませんよ!私、クラウスさんのこと大好きですから!」
「…」
「今度はちゃんと覚えている時に…その」
「その時に君を抱く。良いね」
「い、いで、す」
「…耳まで赤いな」
「…馬鹿」







リリィ 3








「あいつがリリィに惚れたのはライブラにリリィが来たその時だよ」
「一目惚れですか?」
「ああ見えて奥手だからね。リリィが他の場所で昼寝でもしたら必死に探してソファに置くんだよ。」
「あー…あったな。そう言うの」
「リリィも鈍感だからね。ようやくひっついて良かった良かった」
「本当ですね…あれ?ギルベルトさん。何を?」
「でっけー荷物だな。中身…いてっ!」
「触ってはなりませんよ。」
「リリィのですか?」
「「え?!」」
「住むとは別にクラウスの恋人なんだから部屋くらいいるだろう?」
「あのお二人ですからね。話が早くなりそうですね」
「金持ちってすげー!」

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