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変換なしの雑食夢

ran

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リリィ 3

目が醒めると上質の布に包まれた感じがして驚く。いや、それより此処どこ?!しかもこれ、布だけじゃない。人の腕とは言い難い腕がぎゅうぎゅう締め付けてくる。いやあったかいけど…いやいやいやいや。…私を包んでいる腕は…とそこまで思案して急いで顔を上げる。



「クラウス、さん?!」
「ん…」
「?!」
「リリィ?」
「なん、で?!それより!わたし、はだ、か」
「おはよう」
「?!」




わたしを見てクラウスさんは珍しく笑われる。心臓が煩い。本当に殺されるかもしれない。いつも整っている髪もいまは乱れているし、声はかすれてるし、翡翠色のその瞳は潤んでいるし。



心臓が暴れる。





「体は、如何だ?」
「から、だ?!え?!な、んで!!!?」


慌てて布団から飛び出すと真っ裸な事を思い出して急いでシーツを掴む。のそりと起き出してきたクラウスさんも裸のようで目のやり場に困ってしまう。


とりあえずだ。距離を取って部屋の隅に行くと困ったようにおどおどしたクラウスさんがいてわたしも困る。




「ど、いうことですか?」
「ザップの置いた花の花粉にそのだ…」
「…」
「リリィ?」
「ザップは何処ですか?取り敢えず、捻り潰せば良いですね」
「そ、のだ」
「クラウスさんは何も悪くないですよ!むしろ被害者です」
「は?」
「一夜の遊び?いや、犬に噛まれた???とでも思ってください」
「…」
「服は…服服って!グチャグ…」
「一夜の遊びで、君を抱いたわけではない」



そういうと凄く怒ったような声が聞こえてきて背筋が凍る。いや、其れ。こう言う場面にすることではない。本能が逃げろというのに、私の足は動く事はできない。
するとつつっと脚に何かが伝う。ん?何これ…真逆と思いながらそれを指で拭ってみる。



「?!」
「リリィ?」





いやこれは…知らないけど。聞いた事はある。へにゃりと腰から崩れ行く。そうなって初めて腰の痛みをかんじるようになった。






「リリィ!」
「なん、で」
「?」
「中…伝っているのって」
「?!そ、それはだな」
「クラウスさん酷い!中に出したら!子供…出来ちゃう」
「リリィ」
「出来ちゃったら…如何する気、ですか」
「っ」
「初めてなのに、酷い」
「すまない」
「っ!やだ!!」
「許してくれとは言わない」
「離して!」
「だが、これだけは知っていて欲しい」
「っ」



ぐいっと顎を上げられる。抱き締めてからのそれははたから見れば恋人同士のようだろう。ただ、私たちは上司と部下で。強いて言えば私の一方的な片思いなのだから。


「離してください」
「ミス ルシアナに見てもらった。」
「先生に?」
「正気に戻すためには誰かが、そのだ。君を抱くか」
「は?」
「斬り刻むかのどちらかと言われた」
「?!」
「私は、君のこの肌にメスが入るのは嫌だった。…何より」
「クラウスさん?」
「薬のせいとはいえ、意中の女性に愛していると言われれば…そのだ。」
「?!」
「贖う事はできなかった。」
「わた、し」
「すまない。どの様な償いでもする。ただ、邪な心で君を抱いたわけではない。許されるのならば今から、この場で交際を正式に申し込みたい。」
「な?!」
「リリィ」
「おおおおおお落ち着いて!?落ち着いてください、クラウスさん!私の様な女にそんな責任を感じなくても良いです!犬に噛まれたとでもっん」
「は…っ」
「ふぁっん…クラウス、さん?」
「ミス リリィ。」
「はいっ!」
「君は君が思っている以上に私にとっては美しく愛しい人だ。」
「はひっ?!」
「愛している。私の終生の伴侶になって欲しい」
「…」
「リリィ」
「クラウス、さん」
「何かね?」
「変な責任を感じていっていませんか?」
「至極真剣だ」
「…中に出したのに」
「それ、は。君が…離れなくてだな。なにより、避妊具をする前に入れてしまって。すまない」
「…何やってんの私!私のせいじゃない!」
「いや、それでも私がしっかりしていたら」
「…」
「すまない。初めて会った時から君は私の特別なんだ。」
「嘘だ」
「本当だ」
「ごめんなさい」
「?!?!??!」
「疑ったりして」
「そちらか…」
「?」
「断られたのかと思った」
「断りません」
「?!」
「え、あの!断りませんよ!私、クラウスさんのこと大好きですから!」
「…」
「今度はちゃんと覚えている時に…その」
「その時に君を抱く。良いね」
「い、いで、す」
「…耳まで赤いな」
「…馬鹿」







リリィ 3








「あいつがリリィに惚れたのはライブラにリリィが来たその時だよ」
「一目惚れですか?」
「ああ見えて奥手だからね。リリィが他の場所で昼寝でもしたら必死に探してソファに置くんだよ。」
「あー…あったな。そう言うの」
「リリィも鈍感だからね。ようやくひっついて良かった良かった」
「本当ですね…あれ?ギルベルトさん。何を?」
「でっけー荷物だな。中身…いてっ!」
「触ってはなりませんよ。」
「リリィのですか?」
「「え?!」」
「住むとは別にクラウスの恋人なんだから部屋くらいいるだろう?」
「あのお二人ですからね。話が早くなりそうですね」
「金持ちってすげー!」

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