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変換なしの雑食夢

ran

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泣かれる三成 7

「刑部」
「やれ三成。血相を変えて如何した?」
「…あの」
「三成」
「文箱の手紙を」
「ん?」
「…やはり貴様か!」
「ひひひ。わかりにくい故我が送っておいた」
「?!」
「宛先人もあったしなぁ」
「ぎょ?!きさ!!!」
「言葉を発しておらぬよ…これはちとまずい」
「仕置きだ!!!!!!」
「ひひひひひっ!」










「姫さん如何したんだよ」
「恋文だよ」
「あの禍々しいまでの巻物が?!」
「まだ半分も読めてないんだけどね…まぁ十年以上も前からだもの仕方ないか…ん?」
「太閤?」
「如何したんだい?秀吉」
「姫は?」
「今一生懸命読んでるところ。」
「そうか」
「何が如何なってんだ?石田の奴は姫さん嫌いだったんだろう?なんで恋文」
「違う」
「あ?」
「三成君は違うだろうね。」
「あー…それでか」
「姫は連れてこられたばかりで知らない人が来たら泣いてたから…そのあと何度会っても顔はあげないし態度はああだしでだ。嫌われていると思っても仕方がないよ。元服前後は思春期真っ只中だったから当たりも酷いし」
「想像つくわ」
「好きな子ほどに苛めたいだろうなぁとは思ってたけどあんまりな態度だしね。僕としても姫がああいう扱いされてるのは気に食わないし。吉継君も同じだろうけど。」
「我は微笑ましく見ていたがな」
「でも…そうだね。今考えるとその通りだよ。あの巻物に認めた気持ちはかなり重そうだけどね」
「…刑部の野郎も暇だねぇ。わざわざ巻物にしたのかよ」
「吉継君も色事には疎いからね。」
「はぁ。」
「で、如何したんだい?」
「吉継からよ」
「?」
「大阪城に入る許可を求めてきた」
「佐和山は?」
「すぐに帰るとのことだ。…三成が暴れたらしい」
「あー…そりゃね。」
「手をつけられぬ故其方で如何にかして欲しいらしい。」
「わかったよ。姫」
「半兵衛。あら、父上様に黒田様まで」
「読めた?」
「!」
「可愛いなぁ。本当に太閤の娘…ぐはぁ!」
「黙ってくれないかい。」
「は、半兵衛。無体はだめですよ」
「ふふふ。君的には如何?」
「…急で。嫌われていると思っていたから」
「そりゃね。でも違ったみたいだね」
「うん」
「まぁ、あの薬を毒だと思った時には僕もどうかと思ったけど」
「毒?」
「あ…」
「半兵衛」
「…毒だと思われていたのですね」
「いや、違うんだ!」
「半兵衛は私に嘘を吐いの?」




そう言えば半兵衛は吐くわけないだろ!と返してきて空気が凍る。
何度も仲良くなろうとした。話をかけて無視されても、手紙の返事を頂けなくても。無闇に他のものを傷つける様は恐ろしく好きにはなれないとしても段々に仲良くなれるとこの手紙を貰った時には思えたのに。




そうか、これも又嫌がらせなのだ。刑部とは仲直りできるかもしれないけど治部とは無理なのだろう。




そう回帰した瞬間、視界に見慣れた影が入る。



一つは刑部と

もう一つは刑部の鉄球に拘束された治部





「やれ、賢人」
「まずい時に!」
「離せ!佐和山に帰る!」
「やれ、黙りゃれ。…ん?如何した?」
「ごめん、吉継君」
「?」
「石田様」
「?!」
「あの薬を毒だと思ったのですか?」
「え?は???」
「…賢人」
「仲直りできればと思ったのに…貴方様のお気持ちはよくわかりました」
「姫?」
「貴方は酷い人だわ…」
「っ!」
「如何いうことか聞しゃれ。賢人」
「泣くな、姫。」
「お返しします!」
「お待ち下さい…刑部!早くこれをどうにかしろ!」
「あーあ。行っちまった」
「泣かせちゃったね…今回は僕のせいだよ」





泣かれる三成 7






「毒だと思った理由は自分が嫌われているからとおもって?」
「はい」
「まぁ今ので完全に嫌われたよね。」
「…」
「ぬしのせいよ」
「まぁ、ね。でも如何してそこまで疑うのかなぁ」
「吐露する許可を」
「良いよ」
「姫様は私を嫌ってられますので…佐和山に帰る様にと…」
「多分そんな事をしないね。嫌いなら出てこないだけだと思うよ」
「わかって…います。ただ」
「?」
「そう、思わないと。思い込まないと…私は」
「ひひひ。嫌われていると言う事実は耐え難い故なぁ」
「…吉継君もそれに加担したの?」
「我も三成も色恋沙汰は苦手よ。というより面倒よの」
「はぁ」
「また、姫様を泣かせてしまった」
「落ち込む位なら最初から慈しめば良かったのに…ああ。出会った時も泣かれたからか」






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泣かれる三成 6

「姫!すまん!!!」
「黒田様が…掘ったのですね」
「あいつらを落とそうと…いってー!!!おい!半兵衛殺す気か!」
「いや、ね。首が取れれば良いかなぁと」
「怖いぞ!」
「見てみなよ!姫の白魚の手が傷だらけ!」
「良いんです…黒田様。でも」
「?」
「皆様は良いとして私のようなものもおりますから穴はふさいでくださいね」
「もう塞いである…けどよ」
「?」
「浮かねぇ顔だ」
「私、刑部と治部に酷いことを言ってしまいました」
「?」
「落ちた途端に刑部が現れましたから…その」
「ああ、彼奴らが落としたと」
「はい」
「そうか…じゃあ官兵衛君を嬲りながら説明してあげるよ」
「半兵衛」
「そうか」
「?」
「今は佐和山だったね」
「!」
「さてどうしたものか…ほら官兵衛君!きみのせいなのだから良い案だしなよ!」
「いてー!!!」
「半兵衛?!ああ官兵衛様大丈夫ですか」
「姫」
「あ、父上様…手紙をしたためます」
「それが良い。我からも書こう」
「ありがとうございます」














「姫から手紙が来たと?」
「ああ。秀吉様が…」
「そのような顔をするな」
「しかし」
「お怒りがあったとしても公私を混同することはない」
「…そうだな」
「なんと書いてある?」
「落とし穴の件だ。姫から侘びがあると」
「…詫び?」
「姫の手紙だ」
「なぜ我に渡す」
「貴様宛だ」
「連名よの」
「貴様の方が先だ!」
「はてさて…三成よ」
「…」
「ぬしは本にわかりにくい」
「わかっている!だから」
「…本に我のものにして良いのか?」
「?!」
「手紙のことよ…」
「刑部…貴様!」
「ひひひ。早う嫁をもらえ」
「…いらん!」
「他の女を抱けば忘れるものよ」
「刑部」
「すまぬすまぬ。そう簡単な話でないゆえなぁ」
「…」
「さて読もうか…ひひひ。」
「…」
「気になるのなら読ましゃれ」
「いや…」
「我への詫び文よな…誤解は解けたということか…にしても暗め。」
「あれのせいか」
「まぁ落とし穴に対してのみよ。ぬしのことは書いておらぬ」
「当たり前だ。」
「にしては顔色が悪い」
「…」
「さて、我は返事を書くか」
「?!」
「…本にわかりにくい男よな」







泣かれる三成 6






「…」
「こっちは吉継君から。こっちは三成君から」
「半兵衛」
「言いたいことはわかるよ。この量は手紙の域を超えているから」
「…」
「まぁ。渡してきたのが吉継君だから…」
「…刑部は普通の内容です。あ…」
「どうしたの?」
「男言葉をやめるならって…半兵衛」
「良いんじゃないのかな?大体似合ってないし」
「はい」
「(可愛いなぁ)」
「で、」
「手伝うよ」
「…あら?」
「…吉継君も考えたね」

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泣かれる三成 4

「姫」
「っ?!」
「やれ怖がるな」
「…何だ」
「その男言葉も無用よ」
「…二人が嫌がったのだろう。私の話し方はなよなよしいと」
「はてさてどうだったか」
「もういい。失礼する!」
「またしゃれ」
「なっ!降ろせ!」
「われとてしとうはない。が、聞きたいことがあってなぁ。逃げられると困る」
「…」
「なぜ三成を嫌う」
「そちらが嫌うからだ」
「否定はせぬが…」
「聞きたいことは済んだか?!離せ!!!」
「言われるまでもない」
「…」
「我らは佐和山へ発つ。」
「そうか」
「…気ままでの非礼を詫びる」
「は…?」
「何か?」
「いや、いい。ではな!」






脱兎のごとく逃げる。刑部のことだ。また何か企んでいるのだろう。
彼が私に詫びるはずがない。そう思いながら駆けていると案の定落とし穴に捕まる。…きっと…刑部作の。




「いたい…」
「ひひひ。相も変わらず猪よな」
「…」
「やれ睨まれるな。」
「本当にあなたは私が嫌いだな」
「どうかの」
「治部の差し金か」
「…どうしてそうなる。」
「…」
「やれ、ぬしには無理ぞ」
「…」
「姫」
「嫌いだ」
「…左様か」
「…」
「助けは」
「いらん」
「雨が降ろう」
「…」
「…なれば」
「…」
「姫…泣いておるのか?」
「…」
「…」
「もう良い…私は貴方や治部にとって如何に忌むべき存在か…ようよう分かった」
「!」
「殺すのなら一思いに殺してくれ」








泣かれる三成 4








「姫?!ど、どうしたの」
「…」
「泥だらけじゃないか!彼方此方に擦り傷も酷い」
「落とし穴に落ちたの」
「…落とし穴?」
「はんべー…」
「ああ!泣かないで!誰か!!!」

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泣かれる三成 4

「あのなー、あいつらはいつもああなの!」
「ですが」
「あんたがそこまで気にしなくても良いって」
「傷だけです…」
「あー!泣くなって!」
「…治部と刑部は私が嫌いなんです」
「は?」
「私が誰かと仲良くするとそのものを傷付けるのです」
「…たち悪りぃな」
「出来ました」
「まぁ、気を落とすなよ」
「…」
「ありがとう」
「官兵衛様…」









「やれやれ。賢人もご立腹よ」
「…」
「一度佐和山に返り反省せよとのことよ」
「わかった」
「…姫に嫌われてしもうたか」
「昔からだ」
「ならばなぜ固執する」
「…言っている意味がわからん」
「左様か…」
「支度をする」
「あいわかった…そうよ、三成」
「?」
「姫は暗の元へ嫁ぐやもしれぬなぁ」
「馬鹿を言うな。あれに大役が務まるか」
「ひひひっ」
「どうした刑部」
「今何、ぬしの本心は誠人に伝わりにくい」
「…」
「三成?」
「元々嫌われている。」
「誠ぬしらしい答えよな」








泣かれる三成 4







「姫様」
「何ですか?」
「石田様と大谷様がご挨拶に」
「…今加減が悪いとお伝えなさい。会いたくありません!」

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泣かれる三成 3

「元就君に嫁がせるのなんて言語道断だし、元親君は…まぁまぁだけど苦労しそうだし」
「半兵衛」
「政宗君は遠いから駄目だし、幸村君…ああ駄目だ。口煩いのがいる」
「姫の婿取か?」
「そうだよ。そろそろって考えていたんだけどね。難しいなぁ」
「一層お前がなればいい」
「君が義父?…笑えないなぁ」
「そうか」
「本気で考えてよ。三国一のお嫁さんにしてあげるって約束…誰だい」
「失礼いたします。」
「三成か…半兵衛?」
「…」
「公私混同をするな」
「すまない、秀吉。わかってるだけどね。入りたまえ」
「は」
「官兵衛君は着いたかい?」
「はい」
「そうか」
「僕も行くよ。」
「ああ」
「…あの」
「なんだい?」
「用意の部屋はあちらですが」
「ああ。君は此処でいいよ。」
「?」
「姫に会ってから行くからね。先に行っておいて」
「官兵衛は?」
「何故そんなことを聞くんだい?」
「い、え」
「…半兵衛」
「さぁいこうか。」







縁側で一人着物を作っていたら手元に影ができる。半兵衛にしては大きいと思って見上げたら父上様がいて頬が緩む。

父上様は世界で一番大好きな方の一人だ。もう一人は半兵衛。そう言えば半兵衛は笑って頭を撫でられたが父上様は少し笑って下さっただけだった。それで十分。いまも無表情だけど私の頭を撫でてくださる。




「姫」
「はい」
「何をしている?」
「半兵衛に綿入れを作っているのです」
「僕にかい?」
「半兵衛はすぐ無理をするから。夜中までお仕事しているでしょ?風邪を引いてしまうと哀しいから」
「聞いた?!本当に可愛いなぁ。やっぱりずっと此処に居させようかな」
「我のは?」
「父上様も受け取ってくださいますか」
「うむ」
「直ぐに作りますね。」
「無理をするな」
「ふふふ」
「おーい!半兵衛!!!何処だー!!!!!」
「五月蝿いのがきたね」
「官兵衛」
「官兵衛?」
「黒田官兵衛君だよ。ほら官兵衛君頭が高いよ。僕の可愛い姫の前なんだから頭を地面にめりこまし給え。姫もわざわざ声をかけなくてもいいよ。ああ、女言葉でいいからね」
「ひでっ!あいもかわらずだな!小生をなんだと思ってやがる」
「初めまして」
「…なんだよ。何処ぞで幼気ない子供攫ってきやがったのかよ?!いってー!!!」
「斬り刻むよ」
「我の娘よ」
「まじかよ!」
「ほら出しなよ。頼んでいたもの手に入ったんだろ?」
「?」
「あー…それでか。姫さん。ほらこっちこい」
「半兵衛?」
「貰っておいで何かあったら秀吉と僕で殺すから」
「ひで!」
「…」
「手」
「?」
「落とすなよ」
「わ…何ですか?これ」
「桜石に石榴石。こっちは水晶に紫水晶。瑪瑙とか色々だ」
「わー…」
「本当にこんなんでいいのかよ」
「喜んでるみたいだよ」
「あんたたちにすりゃ屑石だぜ」
「宝石なら買えばいいけど原石はなかなかね。」
「何ですか官兵衛さん」
「…」
「不埒なこと考えてないだろうね!」
「か、考えてねぇーよ!こりゃあなぁ俺が掘ったんだ。」
「掘った?土をですか」
「そこについては言いたいことが有るけどよ。そうだな。掘ったんだよ。」
「?」
「で、お前にやる」
「!!!」
「ふふふ」
「は、半兵衛!こんなに素敵なものを頂きました」
「良かったね」
「父上様もみてください!」
「うむ」
「あ、少しお待ちになってください!」
「「「?」」」
「これをどうぞ。」
「花…布で作ったのか?」
「はい。お守りです。よくお話を聞く御坊様に有難い布を頂いて教えて貰ったのです。父上様と半兵衛のも」
「すまないな」
「本当は綿入れと一緒にお渡ししようと思ったのですが。本当にありがとうございます。官兵衛様」
「おう。また珍しいのがあったら持ってきてやる」
「!」
「んな、嬉しそうな顔されたら持ってこないわけにはいかねぇなぁ」







泣かれる三成 3





そう言えばと思い草履を履く。侍女は怪訝そうな顔をするものの半兵衛に本を返しそびれたといえば得心がいったらしい。何より、日々家に閉じこもっている私が外に出ることは良い事との判断らしい。




ただ、今日は違った





「っ」
「何、を」
「姫、様?」
「姫…。!?危ねぇから向こうへ行ってろ!」
「官兵衛様!」
「官兵衛様?…貴様!官兵衛ぇぇぇぇぇぇ!!!」
「っ!」
「姫様!おのきください!!!」
「…」
「っ!泣いて…」
「貴方は、恐ろしい」
「っ」
「私は貴方が恐ろしい。」
「な…」
「参りましょう、官兵衛様。手当を致しませんと」
「姫様!」

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