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変換なしの雑食夢

ran

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泣かれる三成 02

「ここここここここんにちは!」
「こんにちは。金吾君」
「?!」
「初めまして」
「(可愛いぃぃぃ!)」




金吾君はとても優しくてお鍋を作るのが上手だ。私が男言葉を使わなくてもニコニコしてくれるから半兵衛にいって女言葉で話している。
お鍋はねーという話を聞きながら縁側に座っている。同世代のお友達ができたと喜んでいたら金吾君も喜んでくれる。






「金吾君のお鍋美味しいね」
「そう?!美味しいの!嬉しいなぁ」
「私、ここに来てから外に出たことないの。金吾君みたいに色々お喋りしてくれると凄く楽しいし嬉しい」
「僕も嬉しいなぁ。僕の話なんて聞いてくれる人少ないし。」
「そうなの?」
「そうだよー。今日だって三成君とか大谷さんに呼ばれたのかと思ってすっっっっっごく怖かったんだもの。」
「ふふふ」
「君は大丈夫なの?怖くない?」
「んー…嫌われてるから」
「へ?」
「此処で話をする相手は半兵衛位だもの。お父様はお忙しいから仕方ないけど」
「お母さんは?」
「死んじゃったって聞いてるけどあれは嘘だと思う」
「…」
「如何したの?」
「君も大変だね」
「そう?今は凄く楽しい」
「!」
「金吾君?」
「もっとたくさん食べて!」
「ありがとう」
「また遊びに来るね」





約束をして帰った金吾君はそれ以来此処には来なかった。半兵衛にいつ会えるの?と聞いても苦笑するだけで明確な答えは返ってこない。




「また嫌われたのね」とつぶやくしか無かったのだ






泣かれる三成 02







「三成君!いるかい!!!」
「半兵衛様?!如何致しましたか!」
「如何も何も…君ね。なんで金吾君に嫌がらせをするんだい?怖がってこれなくなってしまったじゃないか!」
「…金吾が何か?」
「姫と会った後に君と吉継君に強か殴られたと言っていたよ。可哀想に…姫は今か今かと待っていたんだよ!それを」
「あのような弱き者。豊臣に必要ではありません」
「姫には必要だったんだよ!君達のおかげでこの大阪では僕以外まともに話せやしない。彼女には話し相手が必要なんだ。」
「ですが…」
「大体あの子は豊臣の後継者ではないよ。生母が出家したから連れてきただけ。その内然るべき所に嫁に出すつもりなのに…」
「嫁…ですか」
「年頃だからね。はぁ…君が姫を嫌いでもなんでもいいけどこれ以上邪魔をするなら僕も黙ってはいないよ。」
「邪魔など…」
「如何いう心証か知らないけどね。今から吉継君のところへ行ってくる。君はもう二度と近づかないでくれたまえ!」
「はっ…」

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泣かれる三成

「姫様」
「なぁに?」
「新しくお父上に仕える事となった近習がご挨拶に参っておりますよ」
「?」
「石田佐吉で御座います」
「?!」
「ひ、姫様」
「うわぁぁぁん!」
「?!」
「ひ、姫様?!」
「こわぁいよー!!」
「なっ?!」
「さきちのおかおこわい!」







今からかれこれ十数年前。初めて姫様にお目通りした際のこの事件が私は忘れられずにいる。





「あ、刑部」
「やれ、姫。如何致したか?」
「治部は?」
「…三成に何用か?」
「いや…刑部でいいか」
「で、とはひどい言い草よの。」
「じゃあ刑部がいい。これをやる」
「?」
「薬」
「…」
「ひどい顔だな。」
「毒薬か?」
「…」
「はたまた卑猥な薬か?」
「…刑部にも嫌われているのがよくわかったよ。もういい」
「左様か」
「返してくれ。他にやる」
「ひひひ」
「傷によく効くと聞いたから取り寄せてみたが不必要だな。よくよく考えれば二人には」
「傷?」
「ん、いやいい。ではな」
「やれ、姫?…行ってしもうた」
「…刑部。」
「やはり隠れておったな。はてさて。如何したものか」
「?」
「いや、何。我とて主を虐げる者は好まぬがなぁ。十数年前に泣かれたが理由ならば、我の少ない良心がなぁ」
「…泣かれた身になれ」
「そうよな。ま、致し方ない」
「で姫様は?」
「薬よ薬」
「毒?!」
「ひひひ。我とて言ったわ。いたく心外だったようよの。」
「だが…」
「まぁ今まで持ってきたものも毒とは程遠いがな。」
「私は姫様から嫌われている。用心に越したことはない」
「その猜疑心はどこから来よるかなぁ。まぁいい。実際持ってきたのは傷薬よ」
「?」
「どこぞから取り寄せたらしい。まぁ如何でも良いがなぁ。返した故」












「ということで半兵衛にあげる」
「有難うとは言い難いな」
「よく効くんだ!本当に」
「君が出入りの医師から聞いて手に入れた上吟味に吟味を重ねた傷薬だからね。よく効くやつだ。高かっただろう?」
「…それなりに」
「お小遣いがなくなってしまうね」
「いらない。」
「もう僕のお手伝いもしないの?」
「半兵衛が嫌がらないなら。」
「嫌がらないよ。」
「半兵衛ぇ」
「その話し方をしても剣も勉学をしても泣き虫は変わらないね。」
「皆が私を嫌うもの」
「そんなわけではないよ。…僕は姫の笑顔好きだよ」
「…笑うと睨まれるからいい。」
「んー…そうか。」
「ごめんなさい。半兵衛も忙しいのに」
「丁度休憩中だからいいよ。」
「もうすぐ休憩終わりでしょ?行くね」
「またおいで」
「御機嫌よう」









泣かれる三成









「…やれ三成」
「?!」
「あちらも気づいたなぁ…逃げよった」
「泣いていたのか?」
「あれがか?…気のせいであろう。」
「…」
「やぁふたりとも」
「半兵衛様!」
「賢人か…ん?」
「これかい?姫に今し方貰ったんだよ。」
「左様か」
「一番効く軟膏を探すと言ってね。下賜ではいけないからと僕の所で働いて初めて買ったんだよ。ふふふ。」
「働く?」
「確かに秀吉の子だけど養育したのは僕だからね。」
「…あの、」
「如何したんだい?」
「本当に傷薬ですか?」
「は?!」
「三成…」
「それは、如何いうことかな?」
「い、え」
「君の気持ちはよくわかったよ。ただ、人の真心をそういう風にとるのは如何かな?先の戦で怪我をしたから彼女なりの心配だと思うよ。この薬はとにかく高価でね。反面、よく効くんだ。君の病にもね」
「?!」
「まぁいいや。君たち姫とは接触してはいけないよ。あの子の為にならないからね。…そうだ。秀秋君を呼ぼうかな」
「…」
「同世代がこうじゃ姫も可哀想だ」

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