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変換なしの雑食夢

ran

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泣かれる三成 3

「元就君に嫁がせるのなんて言語道断だし、元親君は…まぁまぁだけど苦労しそうだし」
「半兵衛」
「政宗君は遠いから駄目だし、幸村君…ああ駄目だ。口煩いのがいる」
「姫の婿取か?」
「そうだよ。そろそろって考えていたんだけどね。難しいなぁ」
「一層お前がなればいい」
「君が義父?…笑えないなぁ」
「そうか」
「本気で考えてよ。三国一のお嫁さんにしてあげるって約束…誰だい」
「失礼いたします。」
「三成か…半兵衛?」
「…」
「公私混同をするな」
「すまない、秀吉。わかってるだけどね。入りたまえ」
「は」
「官兵衛君は着いたかい?」
「はい」
「そうか」
「僕も行くよ。」
「ああ」
「…あの」
「なんだい?」
「用意の部屋はあちらですが」
「ああ。君は此処でいいよ。」
「?」
「姫に会ってから行くからね。先に行っておいて」
「官兵衛は?」
「何故そんなことを聞くんだい?」
「い、え」
「…半兵衛」
「さぁいこうか。」







縁側で一人着物を作っていたら手元に影ができる。半兵衛にしては大きいと思って見上げたら父上様がいて頬が緩む。

父上様は世界で一番大好きな方の一人だ。もう一人は半兵衛。そう言えば半兵衛は笑って頭を撫でられたが父上様は少し笑って下さっただけだった。それで十分。いまも無表情だけど私の頭を撫でてくださる。




「姫」
「はい」
「何をしている?」
「半兵衛に綿入れを作っているのです」
「僕にかい?」
「半兵衛はすぐ無理をするから。夜中までお仕事しているでしょ?風邪を引いてしまうと哀しいから」
「聞いた?!本当に可愛いなぁ。やっぱりずっと此処に居させようかな」
「我のは?」
「父上様も受け取ってくださいますか」
「うむ」
「直ぐに作りますね。」
「無理をするな」
「ふふふ」
「おーい!半兵衛!!!何処だー!!!!!」
「五月蝿いのがきたね」
「官兵衛」
「官兵衛?」
「黒田官兵衛君だよ。ほら官兵衛君頭が高いよ。僕の可愛い姫の前なんだから頭を地面にめりこまし給え。姫もわざわざ声をかけなくてもいいよ。ああ、女言葉でいいからね」
「ひでっ!あいもかわらずだな!小生をなんだと思ってやがる」
「初めまして」
「…なんだよ。何処ぞで幼気ない子供攫ってきやがったのかよ?!いってー!!!」
「斬り刻むよ」
「我の娘よ」
「まじかよ!」
「ほら出しなよ。頼んでいたもの手に入ったんだろ?」
「?」
「あー…それでか。姫さん。ほらこっちこい」
「半兵衛?」
「貰っておいで何かあったら秀吉と僕で殺すから」
「ひで!」
「…」
「手」
「?」
「落とすなよ」
「わ…何ですか?これ」
「桜石に石榴石。こっちは水晶に紫水晶。瑪瑙とか色々だ」
「わー…」
「本当にこんなんでいいのかよ」
「喜んでるみたいだよ」
「あんたたちにすりゃ屑石だぜ」
「宝石なら買えばいいけど原石はなかなかね。」
「何ですか官兵衛さん」
「…」
「不埒なこと考えてないだろうね!」
「か、考えてねぇーよ!こりゃあなぁ俺が掘ったんだ。」
「掘った?土をですか」
「そこについては言いたいことが有るけどよ。そうだな。掘ったんだよ。」
「?」
「で、お前にやる」
「!!!」
「ふふふ」
「は、半兵衛!こんなに素敵なものを頂きました」
「良かったね」
「父上様もみてください!」
「うむ」
「あ、少しお待ちになってください!」
「「「?」」」
「これをどうぞ。」
「花…布で作ったのか?」
「はい。お守りです。よくお話を聞く御坊様に有難い布を頂いて教えて貰ったのです。父上様と半兵衛のも」
「すまないな」
「本当は綿入れと一緒にお渡ししようと思ったのですが。本当にありがとうございます。官兵衛様」
「おう。また珍しいのがあったら持ってきてやる」
「!」
「んな、嬉しそうな顔されたら持ってこないわけにはいかねぇなぁ」







泣かれる三成 3





そう言えばと思い草履を履く。侍女は怪訝そうな顔をするものの半兵衛に本を返しそびれたといえば得心がいったらしい。何より、日々家に閉じこもっている私が外に出ることは良い事との判断らしい。




ただ、今日は違った





「っ」
「何、を」
「姫、様?」
「姫…。!?危ねぇから向こうへ行ってろ!」
「官兵衛様!」
「官兵衛様?…貴様!官兵衛ぇぇぇぇぇぇ!!!」
「っ!」
「姫様!おのきください!!!」
「…」
「っ!泣いて…」
「貴方は、恐ろしい」
「っ」
「私は貴方が恐ろしい。」
「な…」
「参りましょう、官兵衛様。手当を致しませんと」
「姫様!」

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