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変換なしの雑食夢

ran

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膝枕の三成

「おい」
「ん…」
「…寝るのか?」
「三成?」
「…」
「こっちにおいで」
「行かん」
「じゃあ私が行く」
「おい」
「うふふ。」
「…なにを笑う?」
「三成の膝枕硬い」
「ならあっちに戻れ」
「でも好き」
「は?」
「あったかいし三成の匂いがする」
「…体臭がするか?」
「んーん。三成の匂い。」
「訳がわからん」
「すっごく落ち着くの。」
「そうか」
「うん。だから」
「?」
「少しここにいて良い?」
「…物好き」
「三成が好きなの!」
「…好きにしろ」
「やった。課題終わったら相手してね」
「嫌という程な」
「うん!」







膝枕の三成






変わった女だと思う。恩師の娘。聡明な方なのに娘は天真爛漫すぎる。話すことも無いと思っていたのに、私の殻を穏やかに開けていつの間にか隣に座っている様は不思議なやつだと思う。美しく笑い、天真爛漫で、思った以上に聡明で、何よりも愛しい。性質的に合わないと散々反対され、其れでもと二人で懇願して折れてくださった。幸せにすると言ったあの言葉にが一寸も霞まないのは偏にこいつがこいつだからだろう。



「みつなり?」
「ん?起きたか?」
「んー…まだ眠いよ。」
「なら寝ろ」
「三成は?」
「横にいる」
「!」
「?」
「三成大好き!」
「わかっている」
「もー…可愛く無いなぁ」
「私に可愛さを求めるな」
「ぶーっん!」
「私は能面面で無愛想だ」
「そうかなぁ?」
「お前は感情がだだ漏れで愛想がよすぎる」
「むー…」
「だから」
「?」
「私たちは二つで一つで、丁度いい」
「…」
「如何した?」
「それ愛してるより上っぽい」
「ぽいじゃない。」
「どーしよう」
「?」
「唯でさえ自分でも気持ち悪いほど好きなのに!もっと惚れ直しちゃった」
「そうか…まて気持ち悪いって」
「如何しよう!三成」
「おい人の話を」
「好きすぎて死にそう」
「…おい」
「三成?」
「気持ち悪いって如何いう意味だ」
「え?ああ。私がだよ。頭の中の殆ど三成で占めてんだもの。相愛だからいいものの…三成気持ち悪くない?!」
「…顔が赤いと思う程度だ」
「そう?!赤い???赤いよねー…赤くなるよ!このイケメン!大好き!!!捨てないでね!!!」
「捨てるものか。聞いていたのか?おい、人の話を聞け!!!」
「胸板薄いの!このイケメン!!!」
「こ、の!」
「やー!!!ニヤけてるからみせらんない」
「見せろ!笑ってやる!」
「やー!!!」

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酔っ払いの三成

「姫様は私の大事な方だ!」
「三成。其れを伝えなくてはダメだと言っているのだ」
「貴様に言われる謂れは無い!!」


廊下を歩いていると三成と家康の叫び声が聞こえる。所々呂律が回っていないところを見ると酔っているのだろうか…家康なら兎も角三成まで?有り得ない。
ついっと吉継の輿がその部屋値向かうのが見える。うんざりというか疲れた顔をしている辺りまさかな事態なのかもしれない。…今目が合った。手招きする様もいつもと違う。大丈夫ですかと声をかけると酒乱が二人と溜息を吐くが如くいうものだから居た堪れない。忠勝殿も駆けていく様が…相当なのだろう。部屋に入るに当たり、私は忠勝殿を盾にする様に言われる。不穏な音のせいと言うのだけれども私には聞こえない。忠勝殿も吉継と同じ意見らしい。忠勝殿、私、吉継の順に並んでいざ障子を開けるとすごい衝撃に体が浮く。成る程。酒乱が唯の酒乱なら良かったけれどもこの二人なのでそういう訳にはいかないらしい。吉継に押さえられて何とか飛ばずに済んだ。忠勝殿も前からやってくる破片を蹴散らしてくれるから怪我も無い。ありがとうと言うとどうにかしりゃれとのこと。





「三成。」
「きさまぁぁぁぁ!その首叩っ斬ってやる!!!!!」
「ははは〜!!!三成は元気だなぁ」
「貴様ーーーー!!!」
「三成!家康!」
「やれ主の声が爆音とともに消えていっておる様よ」
「…」
「姫?」
「みつ、なり…」
「「?!」」
「みつ…なり!」
「ぐあっ!」
「いってーーーー!!!」
「これは、刑部の?!刑部!!!なに、を」
「…三成」
「?!???!?!?!」
「ど!如何したんだよ!!!姫?!」
「二人とも、私の声が聴こえますか?」
「あ、当たり前でございます!!!私が姫様のお声を」
「ヒヒヒッ。その姫の声を無視する故よ」
「?!!!?!?!」
「あら、忠勝殿?」
「キュイーン」
「しっかりお水飲ませて差し上げてくださいね」
「すまない。姫…」
「良いのですよ。大体、昔からあなたは人の話きかないでしょう?」
「う…」
「忠勝殿。ご苦労様です」
「キュイーン」





忠勝殿を見送って後ろを振り返ると三成が近くにいて驚く。きっとひっ?!とか声が出たはずだ。如何したのですかといえば、静かに涙を拭ってくれる。



「みつ、なり?」
「姫様」





がしりと抱き締められる。こんな事は初めてで硬直していると吉継が面倒くさいものを落ち着けるかの如く嬉々としてあとは頼んだと言われる。
残されたのはボロボロになった部屋とお酒臭い三成ときっと顔の赤い私と。




「三成?」
「申し訳ありません」
「いえ、まさか貴方に無視されるなんて思わなくて…ごめんなさい。子供の様な所業ね」
「いいえ、いいえ!」
「でも三成に振り向いてもらえないのがこんなに辛いなんて…」
「っ」
「…三成?」
「御慕いしております」
「…は?」
「誰よりも!何よりも…貴方を」
「ちょっと待って!」
「?!」
「そう言うのは酔いが覚めてから、いって欲しい、です」
「はい」
「返事もきちんとしますから」
「…はい」
「気持ち悪く無いですか?」
「このまま」
「?」
「眠れたら私にとって極楽です」
「そ、う」
「…姫様」
「寝るまで膝をお貸ししますから」
「…」
「わわっ。」
「貴方を、抱いて、眠り…」
「…寝てしまったのね。」
「すう…」












酔っ払う三成








「…」
「…」
「ひ、めさま」
「はい」
「お…」
(酔いに任せていったとは言えぬわなぁ)
「っ…」
「三成」
「は、はい!」
「無理をしなくても良いのですよ?」
「は?」
「酔っ払いの妄言として私も忘れますから」
「!?」
「では、もう深酒を…」
「お待ち下さい!!!」
「三成?!手を離して」
「嫌でございます!幾ら姫様の言とてもそれだけは!!!」
「!」
「愛しております!誰よりも何よりも!!!生涯貴方様を!!!」
「っ」
「秀吉様にも半兵衛様にもお許しを頂きます。如何なる武功が必要ならば必ずそれをあげてみせます!其れまで、お待ちください!!!」
「はい」
「っ」
「待ちます。ずっと」
「姫様!!!」



(やっと言えた?)
(やれ賢人)
(可愛いなぁ。何時にする?)
(まぁ太閤と主に土下座してから考えまいか?)
(なに其れ?!面白そう!)

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日本画家の三成

美しいと思いながら描くのは唯一人だと三成は言う。いろいろな女を描いたし描かされだが描きたいと思う女はこの世で一人だけだと、日本画の大家にして当代きっての美人画描きがそう言うのだ。きっとあの膨大な紙に描かれた女性だろうがわしには一度だって見せてはくれない。いや、わしだけではない。世の中の誰もが其れの発表を羨望しているのだ。彼が言う美人が如何なものかを見てみたいという欲求は萎む事も無く日に日に膨らんでいく。編集者でもあり学び舎の同級というのを口実に日参したが返事は変わらない。「あれが恥ずかしがる」ただ、それだけなのだ。あれとはわしや他の者が来たらアトリエの奥に引っ込ませる奥方の事だろう。大谷さんや左近曰くわしに見せるのは勿体無いそうだ。憤慨しそうな話だがわしを厭う目の前の男なら涼しい顔でやってしまう事だろう。現にわしが来た途端描いている絵を左近に片付けさせて飼い猫と遊び始めたのだからろくでなしと言いたいが原因がわしにも或る為言えはしない。学生時代。三成の絵を売っぱらった事を今でも根に持っている。まぁ若いというのは恐ろしい事だ。価値も知らずに二束三文で売ってしまうのだから






「お邪魔するよ…なんだ家康君が居たのか」
「あ、竹中殿。今度企画を」
「嫌だね。うちの茶器を売られてしまうと困るるからね。」
「半兵衛様。此方から参りましたのに」
「いやいいよ。姫さんの顔も見たかったし。…今は本宅かな?家康君居るし」
「棘のある言い方しないでください」
「今度の茶会の軸でございます。僭越ながら私が」
「僭越も何も。日本画の大家に毎回描いてもらうのだから有難い話だよ。秀吉も喜んでいるよ」
「秀吉様がですか?!」
「相も変わらずだな」
「黙れ!貴様に何がわかる」
「ふふふ。では会ってくるよ。またよるね。…家康君が帰ってくれるとここで会えるのだけどね」
「ひでぇ」
「妻は刑部の部屋にいます」
「ああ。もしこの馬鹿力が強行したとしても彼が居たら生きてここから出られないね。いい判断だ」
「竹中殿、わしの事嫌い?」
「三成君の絵を盗んで端た金にする輩は死ねばいいと思ってるよ」
「わし、もう帰るわ。三成」
「何だ」
「雑誌の表紙」
「断る」






ぱたんと扉を閉めて少し歩く。今急に引き返して垣根越しに除けば例の女を見る事が…いや今は本気で命が危うい。なればと時間を潰して夕刻前に行こう。辺りが薄暗くなった頃、垣根越しに中を覗く。変質者以外の何物でもない。が、飽くなき探究心のせいと言いたい。


じっと目をこらすと縁に出て花を生けている女性が見える。薄い藤色の着物を着ていて何かを話している様だがここからでは聞こえない。参ったなとおもいながら三成を見て刮目する。
あの、仏頂面の三成とは思えないほどに優しく笑っている。初めて見た。本当に初めて見た。彼女の「あなた」という声に我にかえる。柔らかで落ち着いた声だ。黒髪も艶やかで艶かしい。



「如何した?」
「今日はお疲れ遊ばされませんでしたか?」
「大事無い」
「ならようございました」
「お前は?」
「私は何もしておりませんよ」
「いや、お前はいてくれるだけでいい」
「あら。嬉しい」
「本当の事だ」
「ふふふ。あら、また描かれたのですか?私などより美しい方をお描き遊ばさないと」
「私が描きたいのはお前だけだ」
「美人画の大家であられるのに。発表出来ない絵を描いて…」
「嫌か?」
「いいえ。この瞬間はあなたは私を見てくださるでしょ?」
「いつもお前を見ているし想っているさ」
「…」
「如何した?」
「い、え。その恥ずかしい」
「…もう少し待て。描き切る。」
「三成様?」
「よし。左近!」
「へいへい!」
「左近殿ご苦労様です」
「奥方様。綺麗な花っすね!三成様、片付けしたら良いっすか?」
「ああ」
「ごめんなさいね」
「仕事っす!」
「刑部は?」
「害虫駆除っす!」
「そうか」
「あなた?」
「奥へ行こう。」
「はい?」
「…」







ぞくりとした。見つかっている。きっと後ろにある気配は




「ヒヒヒッ。命知らずよな」







日本画家の三成







「あら、外が騒がしいですね」
「思いの外大きな害虫だったのだろう」
「にしても刑部様は大事ありませんか?」
「安心しろ。きっと生き生きとしているだろうからな」
「?」

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